真っ赤な新型名阪特急は2020年春デビュー
2020年ごろに、名阪特急に新しい車両を導入するという話は以前にしましたが、その新型車両について、1月11日、近鉄から発表がありました。
新型名阪特急は、2020年春のデビューする予定。6両編成が8本、8両編成が3本の合計72両がつくられ(1年ほどかけて現行の「アーバンライナー」を置き換えます)、投資額は約184億円。大阪側、名古屋側ともに両端が「ハイグレード車両」、そのほかの中間車両が「レギュラー車両」となります。6両編成は「ハイグレード車両」2両と「レギュラー車両」4両の組み合わせで定員は239人、8両編成は「ハイグレード車両」2両と「レギュラー車両」6両の組み合わせで定員は327人です。後述するように、座席のレベルが上がるため、「アーバンライナー」よりも定員が2割以上も減ります。各車両のデッキには大型荷物を入れることのできるロッカーがあり(客室内に荷物置きスペースがある車両もあります)、喫煙コーナーも1か所あります。外観はスピード感あふれるものとなっていて、色は透明感ある深い赤です。
新しい名阪特急のテーマは、「くつろぎのアップグレード」。検討されていた個室のような設備はありませんが、座席は大幅に改良されています。先頭の「ハイグレード車両」は、全席3列シートで、後部座席の人に気兼ねなくリクライニングすることができる、バックシェルを備えています。ハイデッカー構造で、前面に大きなガラスがあるため、見晴らしは良いです。座席の前後の幅は、「アーバンライナー」より25センチ広い、日本最大級の130センチ。「グランクラス」並みです。座席は本革を採用しています。電動リクライニング、電動レッグレストを採用し、ヘッドレストは高さや角度を調節することができます。揺れを軽減するため、電動式フルアクティブサスペンションを採用しています。
「レギュラー車両」も負けてはいけません。全席にバックシェルを設置し(日本初とのことです)、座席の前後の幅は116センチもあります。JRのグリーン車並みです。荷棚や仕切扉はガラスを使っていて、車内は開放感があるようになっています。インバウンド対応として、無料Wi-Fiの提供を行い、車内表示器は英語、中国語、韓国語にも対応します。そのほか、一部のデッキに座席以外でもくつろぐことができるようにユーティリティスペースを設置し、全車に空気清浄機を設置します。大きな窓には紫外線や赤外線をカットする機能があり、デッキや大型荷物置き場には防犯カメラを設置します。すべての席にコンセントがあり、万が一の事故のときでも安全性に配慮したものとなっています。
なお、新型名阪特急の名称や料金は2019年秋までに決める予定です。新型名阪特急だけでなく、近鉄特急全体の値上げも考えられているようです。名阪間の所要時間は現行と変わらないようです。近鉄はこの新型名阪特急の投入で、現行に比べて5~10%の利用者増を目指しています。現在はスピードに勝る東海道新幹線に押されているようですが(近鉄の推計では新幹線と近鉄特急のシェアの比率は、8:2のようです)、一矢を報いたいと考えているようです。
(追記)
新たにいくつか判明した情報がありますので、追記します。
近鉄の分析では、名阪特急の利用客の3割が観光客、コンサートなどのイベント客が2割、ビジネス客が2割です。名阪特急の利用者が一番多かったのは、1990年度の250万人。しかし、2016年度は180万人にまで減っています。
ライバルの東海道新幹線についても触れておくと、N700Sには今のグリーン車よりもデラックスなものを設ける予定はないとのことです。
(参考:近鉄ホームぺージ http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/meihanv.pdf、朝日新聞ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASL1C55HXL1CPLFA00V.html、時事ドットコム https://www.jiji.com/jc/article?k=2018011100943&、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25569220R10C18A1LKA000/、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/180111/wst1801110089-n1.html、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/meihantokkyu/、中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/feature/railnews/list/CK2018100402000297.html)
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