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札沼線はバス転換すれば増便、花咲線は上下分離か?

 札沼線は非電化区間の北海道医療大学以北が廃止の対象となっています。その廃止対象の沿線4町(当別町、月形町、新十津川町、浦臼町)がつくる札沼線沿線まちづくり検討会議の初会合が16日に岩見沢市内で行われました(北海道はオブザーバーとして参加)。

 そこに出席した西野JR北海道副社長は、鉄道を廃止した場合は、代わりにバスを走らせますが、今の列車よりもむしろ本数を増やすとのことです。鉄道とバスとを比べると、バスは地図記号を現れないので目立たないですが、需要に合っていて、しかも便利なのはバスなのでしょう。地元は輸送密度が2桁しかないのにもかかわらず鉄道に固執していますが、どうしても鉄道にこだわるのなら地元自治体がお金を出すしかありません。国に甘えることもJRに負担を押し付けることもあってはならないのです。

 話は変わりまして、花咲線。ここも輸送密度は少ないですが、札沼線よりはましで、すぐにバス転換するようなことはありません。ただ維持することが困難であることには変わりありません。

 ただ、花咲線は北方領土隣接地域と道央圏とを結ぶ鉄路として国境付近にあり、単純に需要が少ないからと言って単純に廃止するわけにはいきません。ここが単純にバスに置き換えたらよい、札沼線との大きな違いです。そこでJR北海道は、自治体側が鉄道施設を保有する、上下分離方式を導入することを提案しています。

 地元としては上下分離方式は地元の負担増大につながるため、歓迎できる話ではありませんが、鉄道を残すためにはやむを得ないということで、考え方を変えました。2017年12月7日のことですが、根室市、中標津町など根室管内5市町の首長と議長からなる根室地方総合開発期成会根室本線花咲線対策特別委員会(根室管内にはない釧路市などは入っていません)は、上下分離方式を鉄路を維持するための方法のひとつとすることを決めたのです。

 この上下分離方式ですが、地元負担を抑える方法があります。2017年12月7日にJR北海道が花咲線沿線の自治体に説明したのですが、過疎対策事業債というのを使うのです。過疎対策事業債というのは過疎の自治体が借りることのできる財政融資資金のひとつで、住民の日常的な交通手段の確保などに使うことができます。元利償還金のうち7割は地方交付税で補てんされ、実質的な負担は3割に留まります。過疎対策事業債は全体の枠が決まっているので確定した話ではないようですが、花咲線沿線は過疎対策事業債の起債条件に合うので、これで地元負担を抑えることができます。ローカル線の維持に国のお金を使うのは釈然としないところもありますが(国のお金を使うこと自体には反対しませんが、列車を通学時間帯を除いて特急・快速のみにするとか、駅を主要駅のみにするなどのコスト削減策は要るでしょう)、国として必要な鉄路を維持するための方法としては考えてもよいでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25759950W8A110C1L41000/、https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24596290T11C17A2L41000/、北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/157277、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/149854、釧路新聞ホームぺージ http://www.news-kushiro.jp/news/20171215/201712155.html)

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Comments

高規格化してロシアに繋ぐどころか存廃が問われている宗谷線も花咲線に倣うことになりそうですね。ロシア側にすれば「宗谷線を廃止する」こと自体が理解できないかもしれませんが。

Posted by: 日置りん | 2018.01.21 03:53 PM

 日置りんさん、こんばんは。

* 高規格化してロシアに繋ぐどころか存廃が問われている宗谷線も

 走らせるのは特急のみ、駅は特急停車駅のみ残すのなら、国のお金を使って宗谷線を残すのも許せます。

Posted by: たべちゃん | 2018.01.21 06:41 PM

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