札沼線の代替バスは細切れ?
極めて需要の少ない札沼線の非電化区間。北海道の鉄道ネットワークワーキングチームにおいても見放されています。そんな札沼線非電化区間ですが、JR北海道は2月16日、岩見沢市で開かれた沿線まちづくり検討会議において、新しい交通体系についての提案を行っています。
新しい交通体系とはバスのことです。しかも、今の札沼線の線形は実際の旅客の流動と合っていません。既存のバス路線での石狩川対岸への移動のほうが大きく、札沼線に沿ってあるのは、月形高校への通学利用ぐらいです。そこで代替バスは(1)石狩当別-石狩月形間、(2)石狩月形-浦臼間、(3)浦臼-新十津川間 に3つに分けますので、それに沿って説明していきます。なお、代替バスは地元事業者による運行で、国や北海道の補助制度を使うことを前提としています。JR北海道も車両購入などの初期投資のほか、運行経費を一定期間支援します。江差線を前例に、18年間を想定しているようです。
(1)石狩当別-石狩月形間
この区間には並行するバス路線がないので、月形高校への通学輸送や沿線の人々の輸送手段として新規にバス路線を設定します。バスの本数は今の列車本数より増え、月形高校からの下校時間帯の増便、札幌へ行きやすくするための午前中の石狩当別方面への増便を行います。新規バス路線は石狩当別駅発着ですが、スムーズに乗り換えができるように北海道医療大学駅も経由し、石狩当別-北海道医療大学間の増便も行います。北海道医療大学駅の改善とバス乗り継ぎ設備の新設も行います。
(2)石狩月形-浦臼間
月形高校への通学輸送も考慮して輸送手段(バスまたは乗合タクシー)を設定するとともに、現状は平日だけしかない浦臼-奈井江間の町営バスを休日にも走らせます。
(3)浦臼-新十津川間
浦臼-新十津川間は1日1往復しかない、さらに需要が少ない区間であり、代替バスは既存の路線バスである中央バス滝川浦臼線(上下合わせて10本)を使ってもらうことを考えています。新十津川-滝川間に至ってはほかに39本もバスが走っているので、今でもそんなに不便ではないのです。
札沼線のバス転換は、函館線の駅が近い浦臼、新十津川町は容認する方向ですが、札幌まで札沼線で行ったほうが有利な月形町は、石狩月形駅までの部分存続を求めています。石狩月形-新十津川間を廃止すれば赤字額は約1.5億円圧縮しますが、運行や路線維持には年間4.7億円が必要となります。沿線自治体は3月の次回会合で、北海道医療大学駅以北のバス転換か、月形町が求める石狩月形駅までの部分存続かを決定する予定です。
(参考:JR北海道ホームぺージ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2018/180216-2.pdf、北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/165096、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180217/k00/00e/040/191000c)
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