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「サンダーバード4号」の払い戻し、ひと駅だけでも全額戻る?

 1月29日のことです。金沢から大阪に向かっていた「サンダーバード4号」の客室乗務員は、京都-新大阪間で、車両の揺れが通常より大きいことに気づき、司令員に連絡しました。司令員は新大阪で車両の点検を行うことに決め、「サンダーバード4号」は新大阪で打ち切りになりました。大阪まで行く客は、後続の新快速に乗車しました。その際、特急券の払い戻しはしないという案内をしたのが誤りだったようで、JR西日本のホームぺージにお詫びの文章を載せています。

 基本的には特急が終点まであと少しのところでも運転を打ち切れば、運休した区間までの特急券を持っている人は特急料金が全額払い戻されます。今回の「サンダーバード4号」の事例では、新大阪までの特急券を持っている人は関係ないのですが、大阪までの特急券を持っている人は全額払い戻しを受けることができます。新大阪まで「サンダーバード」に乗ることができたのでほとんど損害はなかったでしょうが、それでも全額の払い戻しを受けることができます。

 時刻表をよく読んでいる人ならこの時点で、特例があるのに気づくことでしょう。大阪-新大阪間のみ運休した場合は、特急料金の差額だけが戻る規定があることを。大阪と新大阪の間は3.8キロしかありませんので、大阪までの特急料金と新大阪までの特急料金の間に違いが出るのは、近江今津(101.5キロ)ぐらいしかありません。つまり、ほとんどの人は払い戻しを受けることができないのです。

 しかし、時刻表の記述は正確ではありません。旅客営業規則第290条によれば、特急料金の差額だけしか払い戻しを受けられないのは、新大阪行きの列車が大阪-新大阪間を運休した場合だけであって、反対方向の大阪行きの列車が新大阪-大阪間を運休した場合は、原則通り全額の払い戻しを受けることができるのです。旅客営業規則まで見て、ようやくなぜ司令員の対応が誤りだったかわかりました。かなり難しい規則で、私も勉強になりました。間違いは間違いですが、司令員を責めることはできません。JR西日本のホームページではそこまで触れていませんでしたし、マスコミもJR西日本を叩けば十分とばかり、深い報道はしていません。マスコミに要求するのは難しいでしょうが、ここまで掘り下げないとこの誤りの背景は見えてきません。
(参考:JR西日本ホームぺージ http://www.westjr.co.jp/press/article/2018/01/page_11798.html、JR東日本ホームぺージ https://www.jreast.co.jp/ryokaku/02_hen/07_syo/03_setsu/15.html、JTB小さな時刻表 2017年夏号)

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Comments

以前、スーパーひたちに、仙台から水戸まで乗車、いわきから水戸まではグリーン車のきっぷを持っていました。
途中駅で信号故障のため、グリーン車を含む基本編成はいわきを定時で発車していったので、付属編成だけでいわきから先も運行、勝田で打ち切り、勝田市発のフレッシュひたちに乗り換えて水戸へ到着しました。
本来、途中打ち切りの特急券と全く使用できなかったグリーン券を払い戻しですが、水戸駅はグリーン券のみを払い戻してきました。

Posted by: ▲ 飛遊人 | 2018.02.04 12:00 AM

 ▲ 飛遊人さん、こんばんは。

* 以前、スーパーひたちに、仙台から水戸まで乗車、

 たとえ「スーパーひたち」がそれほど遅れていなくても、「フレッシュひたち」に乗り換えさせたことをもって、特急料金も全額払い戻さないといけなかった事例でしょう。

Posted by: たべちゃん | 2018.02.04 07:39 AM

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