三江線代替バス、国の補助金想定より少なかった
三江線の運行は今月限り。最終運行日の3月31日には、沿線で「ありがとう三江線イベント」が行われます。ホームが地上20メートルの高さにあるため、「天空の駅」と呼ばれている宇津井では、18時から21時まで、ライトアップが行われます。9時から17時の間は、口羽との間を無料シャトルバスが走ります。おおよそ1時間間隔です。
その後、4月1日からは代替バスが走り始めます。国や島根県からの補助金とJR西日本からの支援金(赤字補填代金としての8億円)で、10年間、沿線市町がお金を出さずに維持できる目論見でしたが、国の補助金が当初の目論見から大幅に減ることになりました。
2017年12月に広島、島根の両県や沿線6市町などが策定した代替バスの運行計画案によれば、代替バス全14路線の運賃収入は年4200万円、これに対して運行経費は年約2億700万円で、差し引き年間約1億6500万円の赤字が生じます。これを国からの補助金約7400万円、島根県からの補助金約1200万円で埋め、埋め切れなかった分をJR西日本からの支援金でカバーする計画でした。毎年必要とする額は約8000万円なので、10年使えることになります。ところが、国からの補助金が年間約3900万円に半減したので、JR西日本からの支援金は7年で底をついてしまいます。
三江線代替バスを維持したいのなら、国や県ではなく、沿線市町が負担をすべきだというのは正論です。維持したいのなら国や県、JR西日本に負担を押し付けるのではなく、自分たちがカバーする必要があるでしょう。とはいえ、沿線市町にお金があるわけではありませんので、JR西日本からの支援金が底をつき、沿線市町に負担がかかるようになったら、代替バスのサービス水準が切り下げられることとなるでしょう。鉄道時代の記憶が薄れていき、高齢化、過疎化が進む地方では、代替バス自体の需要も減るでしょうから。
(追記)
運行最終日の3月31日のことですが、一部列車において満員になったため、バスが運転されました。
(参考:朝日新聞ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASL3M43GRL3MPTIB004.html、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2018/03/27/307708.html、「鉄道ファン」2018年6月号 交友社)
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