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太陽光発電だけで走る列車

 列車を走らせるためには、動力が要ります。SLなら石炭、ディーゼルカーなら軽油、電車なら電気です。電気をつくるには水力を利用するか、化石燃料を利用するか、原子力を使うかなどしないといけません。ところが、2017年12月から、オーストラリアのバイロンベイ鉄道という鉄道が、太陽光発電だけで列車を動かしています。インドで太陽光を車内の照明や空調に使った例はありますが、太陽光だけで動く鉄道は、これが世界初です。

 シドニーの北約770キロのところにあるバイロンベイには、もともと鉄道がありました。総延長132キロの鉄道でしたが、利用者が減ったので、2004年5月に廃止されてしまいました。この鉄道のうち3キロを修復し、約70年前につくられたディーゼルカーを太陽光で走るように改造してつくられたのが、バイロンベイ鉄道なのです。鉄道の復活には約400万ドルかかりました。

 バイロンベイ鉄道の車両は2両編成で、定員は100人です。車両の上に6.5キロワットの太陽光パネルを置き、77キロワットのリチウムイオン蓄電池もあります。天候が良ければ、太陽光パネルだけで4~5回の運行ができます。駅の屋根の上にも太陽光発電システムがあり、不足する電力は駅で充電することによって得られます。念のため、ディーゼルエンジンは完全に撤去せずに一部を残していますが、太陽光だけで十分な電力が得られるために使われていません。なお、ディーゼルカー時代は時速100キロ以上のスピードで走りましたが、バイロンベイ鉄道の太陽光発電車両は、運行区間が短く、観光用なので、時速25キロというゆっくりとしたスピードで走ります。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24972750S7A221C1000000/)

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