JR九州に2種類の新型近郊型車両
JR九州は老朽化した車両の置き換え用に、2種類の新型車両をつくります。どちらも「やさしくて力持ちの鉄道車両」というコンセプトで、JR九州の今後を担う最新技術を駆使した近郊型タイプです。
まず最初に取り上げるのは、交流電車の821系。3扉ロングシートです。定員は3両編成で407人(座席数は137)、最高速度は時速120キロです。最新技術のフルSiCを搭載していて、415系に比べて消費電力量を約70%も減らします。車椅子やベビーカーのスペースを1編成当たり2か所用意します。主変換装置(CI)や補助電源装置(SIV)の冗長性により、安全・安定輸送を図っています。3両編成2本を新製し、すでに2月に搬入されています。福岡県を中心に走ります。
もうひとつは、蓄電池搭載型ディーゼル車両(ハイブリッド車両)のYC1系。こちらも3扉ですが、ところどころにボックスシートがあります。定員は2両編成で232人(座席数は76)、最高速度は時速110キロです。なお、YCは「やさしくて力持ち」から来ているようです。キハ66、キハ67に比べて燃料消費量を約20%減らし、二酸化炭素等の排出量や騒音を減らします。出入口の段差をなくして、バリアフリーの充実を図ります。蓄電池のアシストによる効率的な走行性能を実現しています。また、ディーゼルカー特有の機械部品を減らして、電車の部品を活用するため、ディーゼルカー特有のトラブルを防ぐことができます。2両編成1本を新製し、6月に搬入する予定です。長崎県を中心に走ります。
このほか、821系、YC1系に共通する特徴としては、「スマートドア」を設置し、4か国語対応の案内表示器を車両の内外に備えます。車内には「マルチサポートビジョン」、車外には行先案内表示器です。台車個別制御ブレーキシステムなどの採用により、安全、安定輸送を追及し、空調装置やブレーキ装置等の機器の共通化によりコストの低減も図ることができます。821系もYC1系もこれから営業運転に向けての走行試験を行います。2019年度からの営業運転開始を目指しているとのことですが、実際に営業に使用する時期が決まれば、そのときに発表されます。
(追記1)
821系は、2019年3月16日にデビューします。鹿児島線小倉-荒尾間などを走り、一部を除いて811系と併結して走ります。
(追記2)
821系は、中間のサハを抜いて、2両で走らせることも考えられているようです。
(追記3)
YC1系のボックスシートには、テーブルもあります。ただ肝心のボックスシートの数が少ないので、争奪戦になりそうです。
(参考:JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2018/01/26/180126_001821_1.pdf、railf.jp https://railf.jp/news/2018/02/21/173000.html、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/180202/wst1802020026-n1.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/83273、「鉄道ファン」2019年3月号 交友社)
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