長崎新幹線、フル規格なら肥前山口に駅はつくらない?
長崎新幹線の未着工区間である新鳥栖-武雄温泉間をどのようにするかが問題となっていますが、もしフル規格になった場合、途中の停車駅はどこにできるのでしょうか?
国交省が3月30日に発表した検討結果によれば、新鳥栖-武雄温泉間(約50キロ)につくられる駅は、フリーゲージトレインとミニ新幹線の場合は佐賀と肥前山口、フル規格ならば佐賀のみです。かなり前に書いた話の通り、肥前山口に駅ができないのです。現状では特急の主要停車駅である肥前山口が、フル規格新幹線になると何もなくなるのです。
それでは、なぜフル規格新幹線だと肥前山口に駅ができないのでしょうか? それは、隣との間隔が短くなるからです。肥前山口に駅を設けると、駅と駅の間隔が10キロ台になってしまうのです。現実には、東京-品川間、近くでも新鳥栖-久留米間のように駅間の距離が短いところはいくつかありますが、そういうところで駅ができるのは、それなりの理屈があります。肥前山口が距離の短さを覆すほどの町ではないということでしょう。どうしても駅が欲しいのなら、地元がお金を出さないといけません。
肥前山口にとってフル規格新幹線は避けたいものでしょうし、肥前山口がある佐賀県も1100億円という追加負担(肥前山口を追加すれば、さらに増えます)を嫌って、フル規格には否定的です。ただ、このまま「かもめ」を走らせても未来があるわけではありません。在来線だとそう速くはないので、価格競争に陥ってしまうのです。フル規格新幹線になればその速さは他を圧倒します。フル規格新幹線になれば料金は上がるでしょうし、それを嫌ってバスに流れる人もいるでしょう。ただ、急ぎたい人にとっては少々高くても、フル規格新幹線は魅力的な交通機関です。対大阪でも航空機といい競争ができます。50キロほどをつくることによって絶大な効果が生まれることはすでに明らかですから、ぜひともフル規格新幹線を実現させたいものです。
(参考:佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/articles/-/207812)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 「ICOCA」エリア30日間乗り放題で5万円(2025.02.13)
「整備新幹線」カテゴリの記事
- 北陸新幹線、小浜まで暫定開業?(2025.01.10)
- 北海道新幹線全線開業は2038年度か?(2024.12.28)
Comments
もう今となってはフル規格にするのが基本線でしょうから,国,JR九州,長崎県で負担するしかないでしょうね.
ただ,佐賀駅とその付近だけはさすがに佐賀県に負担させる必要がありますが...
肥前山口については,新幹線開業後に新設される肥前鹿島への特急は肥前山口にも停車するでしょうから,ある程度は肥前山口への救済になりそうです.
Posted by: 84axgd86dm70 | 2018.05.03 11:28 AM
84axgd86dm70さん、こんにちは。
* もう今となってはフル規格にするのが基本線でしょうから,
長崎新幹線をフル規格でつくるのが最善のプランということは明白ですが、そのためには長崎県が負担するのが必要です。
ただその場合、肥前山口はつくられず、佐賀は郊外につくって(しかも全部停車するとは限らない)、コストの縮減を図ることになるでしょう。現行の佐賀には、特急をある程度運転することでカバーします。ある程度需要があればという前提ですが、朝夕はその一部を肥前山口、肥前鹿島まで延長すればよいでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2018.05.03 11:47 AM