京都府民、北陸新幹線新大阪延伸は賛否両論
北陸新幹線の最終的な目的地は大阪。ここまでちゃんとつくらないと、北陸新幹線は真価を発揮しません。今の東京-金沢間だけでも十分利用されていますが、しょせんは東京と北陸を結ぶだけの、ローカル新幹線です。
そのためにつくられるのが北陸新幹線敦賀-新大阪間。米原で東海道新幹線に乗り入れることができたらそれでもよかったのですが、それは事実上不可能で、新大阪まで直通させるためには完全に新たな線路を敷かないといけません。決定したルートは小浜、京都、京田辺(松井山手)を経由するもので、総事業費は2.1兆円。京都府の負担は公式の試算はありませんが、福井県の試算では1600億円、単純に距離や駅数で決めると2000億円台と言われています。1年で払うものではありませんが、それなりの金額になります。
この北陸新幹線について京都新聞がアンケートを行いました。その結果、肯定的な意見が45.7%(「時期を前倒しすべきだ」10.8%+「予定通り」34.9%)、否定的な意見が45.8%(「費用が大きく再検討を」31.6%+「不要なので中止を」14.2%)と賛否が分かれました。
確かに新幹線建設にかかる負担は大きいです。だからと言って、今さら建設に反対するのは遅すぎます。すでに北陸新幹線が金沢まで開業しているからです。東京方面だけ便利になって、関西にはむしろデメリットしかない、北陸新幹線です。建設に反対するなら、北陸新幹線が金沢まで伸びる前に反対しておかないといけなかったのです。急勾配区間の高崎-軽井沢間だけをフル規格でつくり、軽井沢-長野間はミニ新幹線で完了させておけばよかったのです。もしくは北陸新幹線が金沢まで伸びる前に、京都府や大阪府の建設費を北陸3県に負担させ、しかも大阪側から建設させておけばよかったのです。それができない以上、フル規格新幹線はお金がかかってもつくらないといけません。
すでに東京側だけ新幹線ができた弊害は出ています。生徒が関西の大学を選ばないようになっているのです。北陸3県の進学校(各県3校ずつ。富山は富山、富山中部、高岡。石川は金沢大附属、金沢泉丘、小松。福井は藤島、高志、武生)が関西の難関私学である関関同立に合格した人数が減っているのです。北陸新幹線開業前の2014~2015年の平均と開業後の2017~2018年の平均を比べると、減っているのです。もちろん、これだけでは正確な比較ができませんが、優秀な生徒が関西を選ばない傾向にあることは見えるでしょう。
今の在来線でも特急は結構速く、不便なことはありません。しかし、新幹線という誰にでもわかりやすいものがないということだけで、敬遠されてしまいます。「関西が衰退し続けてよい」というのなら構いませんが、そうでない限り北陸新幹線をつくらないという選択はあり得ません。北陸3県が負担をしてくれればよいのですが、東京からの新幹線が開業してしまった以上、期待はできません。北陸新幹線の建設を阻止できなかった以上、お金をかけてでもつくらないといけません。もしくは京都駅経由をあきらめ、亀岡経由でコストの削減を図るしかありません(ただその場合でも決定はすぐにしないといけません)。2040年代半ばという開業予定もはっきり言って遅いです。一刻も早く着工して、開業させないといけません。
(参考:京都新聞ホームぺージ http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180404000100、AERA.dot https://dot.asahi.com/wa/2018040300041.html?page=1)
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