2016年10月から2017年5月までの8か月間で、4回もの脱線事故が起きました。西濃鉄道、紀州鉄道、熊本電気鉄道、わたらせ渓谷鐵道の4社で起きた脱線事故なのですが、これらに共通するのは枕木が木製であること。枕木が腐食したり割れたりすれば、釘でレールを固定する力が弱まり、軌間が広くなることがあります。そうなるとその広くなったレールの間に、車輪が落ちてしまうのです。
これを防ぐため、国の運輸安全委員会は28日、枕木を木製からコンクリート製にすることを求める提言書を石井国交相に提出しました。コンクリート製なら、木製より耐久性が強く、このような脱線事故は起こらないのです。枕木をコンクリート製にするにはお金がかかりますが、すべてでなくても構いません。数本に1本をコンクリート製にすれば効果が出るのです。そのほかの対策としては、脱線防止ガードの設置も挙げられます。
都市部の鉄道では枕木がコンクリートでできているところも多いですが、地方の中小私鉄だと木製が主流で、いくらコンクリート製が良いからと言って、すぐに置き換えることができません。経営が苦しいからです。それなりに需要がある路線を中心に、国や地方自治体からの補助金(国が費用の1/3を補助する制度もあるようです)である程度はカバーしなければならないでしょう。
(参考:朝日新聞ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASL6W0SNQL6VUTIL079.html、産経ニュース http://www.sankei.com/affairs/news/180629/afr1806290004-n1.html)
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JR東日本横浜支社は、防災の日の9月1日に、津波を想定した避難訓練を行います。
避難訓練が行われるのは横須賀駅の構内(保守基地線)。列車(E217系11両編成)に乗った1500人の乗客に、はしごを使わないで線路に降りてもらいます。津波が迫ってくるため、短時間の間に速やかに降りる必要があるからです。避難訓練の終了後は、横須賀市内で行われる防災に関する講演会に参加することができます(参加しない人は、横須賀市内を自由散策することができます)。
さて、この避難訓練に参加するには、専用のホームページで申し込む必要があります。6月18日から7月31日まで申し込むことができ、先着1500人まで参加することができます。中学生以上の人が参加することができますが、家族で一緒に参加する場合は小学生以下でも参加することができます。大船発着のコースで、大船-横須賀間の運賃を含めて、参加費は無料です。
(参考:JR東日本横浜支社ホームぺージ http://www.jreast.co.jp/press/2018/yokohama/20180613_y01.pdf)
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3月のダイヤ改正で完全に新型車両に置き換わった阪和線。すでに東岸和田以南の一部の駅では快速や普通の半自動ドアの取り扱いを行ってきましたが、6月1日からその取扱いが拡大します。東岸和田以北の駅においても、待避等で停車時間が長いときは、半自動扱いするのです。
6月1日以降、すでに行われている駅を含めて半自動扱いする駅は、鶴ヶ丘、杉本町、上野芝、鳳、和泉府中、東岸和田、東貝塚、熊取、日根野、長滝、和泉砂川、紀伊、和歌山、東羽衣、りんくうタウンです。なお、荒天時や急遽長時間の停車が見込まれるときは、それ以外の駅でも半自動扱いをすることがあります。
(参考:阪和線上野芝駅の掲示)
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かつて近鉄で名阪間を移動する人に愛用されてきたのは、「名阪まる得きっぷ」でした。特急券付きの回数券です。しかし、その「名阪まる得きっぷ」は2017年12月30日に発売を終了し、金券ショップで売られている株主優待券も値上がりしました。チケットレスサービスにはポイントもありますが、実質的な値段は結構上がっています。
そこで近鉄は8月の1か月間、名阪間(近鉄名古屋-鶴橋、大阪上本町、大阪難波間。それ以外の駅を発着する場合は対象外です)をチケットレスサービスで近鉄特急に乗車する人を対象に、特急料金の割引を行います。割引は2種類。「早割7」と「ネットいつでも割」です。
まず、「早割7」は、平日(お盆期間の8月13~15日を除きます)に乗車する場合、乗車日の7日前までに購入すると、特急料金が大人1900円のところを1000円、子供950円のところを550円になります。「ネットいつでも割」は乗車日、購入時期(発車直前まで可能です)にかかわらず、大人特急料金から100円引き、子供特急料金から50円引きとなります。「早割7」、「ネットいつでも割」ともに会員登録して購入すれば、10%分のポイントもつきます。たまったポイントで「早割7」、「ネットいつでも割」を購入することもできます。
ただ、割引切符ならではの制約もあります。日付、区間、時間、人数等についての特急券の変更はできず、払戻手数料は1人当たり500円となります。変更する可能性がある人は割引を受けずに通常の値段の特急券を買うこともできます。「デラックスシート」を利用するときは別途特別車両料金が必要です。
(参考:近鉄ホームぺージ http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/meihanhayawari.pdf)
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東武桐生線は太田と赤城を結ぶ路線。日中の普通列車の運行本数は1時間に1本に留まります。
ただこの区間、同じく1時間に1本の割合で走る特急があります。東武では特急に乗るには運賃のほかに特急料金(510円)が要りますが、利便性を高めるために桐生線区間の特急料金を0円にする社会実験を行います。群馬県の2018年度当初予算に関連事業費として776万円を盛り込んでいます。
2018年中に行うようですが、実施時期や期間、方法については東武と沿線3市(桐生、太田、みどり)が協議をします。そしてこの社会実験で利用が伸びれば、群馬県内での導入を東武に働きかけるようです。
(追記)
2018年11月と12月、東武桐生線の特急料金を助成する社会実験を行いました。その結果、東武桐生線の定期外利用客が前年に比べて14%増えました。
(参考:上毛新聞ホームぺージ https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/politics/60875、https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/politics/116302)
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かつて淡路島には船で行くしか方法がありませんでした。深日港から行く航路は1949年に開設され、多くの人が利用しましたが、1998年の明石海峡大橋の開通により、淡路島は船ではなく車やバスで行くところとなり、深日港からの航路は翌1999年に廃止になりました。
ところが、昨年2017年、深日港と淡路島を結ぶ旅客船を運航する社会実験を行いました。当初は利用が低迷しましたが、自転車愛好家からの人気を得て、後半は利用者が伸びました。3か月で合計10600人が利用しました。私も乗りたかったのですが、台風で断念しました。
そこで2018年も大阪府岬町と洲本市は深日港-洲本港間に旅客船を運航する社会実験を行います。今回は夏場だけではなく、それ以外の期間を含めての需要を把握するため、7月1日から8か月間という長い期間での運航となります。冬にも乗ることができるのです。68人乗りの双胴船で1日4往復します。所要時間は片道約55分、運賃は片道1500円(子供500円)、スポーツ自転車の搭載料金は300円ですが、輪行バックに入れると無料です。かかる費用は1億円で、国の補助も受けます。地元の洲本市の負担は1200万円です。
ただ、いい話ばかりではありません。廃止になりそうな航路もあるのです。それは関空と淡路島を結ぶ航路。2017年7月9日に就航し、1日5往復していましたが、年間9万人が利用する見込みのところ、5月末現在で1.6万人しか使っていません。洲本市などから6000万円の助成をもらっていましたが、2018年6月期決算の最終損失は当初予想の2.5倍の1.5億円。新たな支援先が見つからず、7月13日に休航することにしたのです。関空にやってきた外国人を呼ぶことができなかったのです。
もっとも、船が大きすぎるので、採算が取れないという側面があります。そこで、ダウンサイジングを図って、運航を継続するという話もあります。現在使っている217人乗りの船から63人乗りの小型船に切り替え、便数を減らして運航することを考えています。しかし、この方法にも問題があり、小型船を定期運航する場合、現在の洲本港の設備では着岸が許可されません(桟橋と船の間に1メートルの段差が生じるのがその理由でしょうか?)。どうやって解決するかが問題となりますが、実は6月25日から定員63人の小型船での運航が始まっているのです。グループ会社、淡路ジェノバラインの明石と岩屋を結ぶ航路で主力として使っていた船がドック入りするためで、その代わりに関空と淡路島を結ぶ航路で使われてきた定員217人の高速船を転用したのです。船を小型化したときのテストを兼ねているのでしょう。
(参考:神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/awaji/201805/0011304891.shtml、https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201806/0011349193.shtml、https://kobe-np.co.jp/news/sougou/201806/0011358047.shtml、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/hyogo/news/20180624-OYTNT50052.html、http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180627-OYT1T50048.html)
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航空機は搭乗する前に手荷物検査を受けますが、新幹線には手荷物検査はありません。あまりにも本数や利用者が多く、手荷物検査をするのは非現実的です。今月(6月)、東海道新幹線の車内で3人が殺傷された事件が起きましたが、その後もJR東海は新幹線で手荷物検査をすることを考えていません。
ただ、リニアは事情が異なるようです。22日に行われた株主総会で株主からの質問を受け、リニアを担当する宇野専務が答えました。新幹線などで得た経験を活かし、利用者に不便をもたらさないように安全を確保する方法を考えるとのことです。具体的な方法はわかりませんが、何らかの方法で手荷物検査をする可能性があるようです。
(追記)
JR東海は、東海道新幹線内での殺傷事件を受けて、乗務員等を守る盾を車内の複数箇所に設置し、止血用具やゴム手袋などの医療器具も充実させます。
(参考:中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018062290233709.html、時事ドットコム https://www.jiji.com/jc/article?k=2018062901177&g=soc)
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北陸線の特急、「サンダーバード」。金沢発の列車の行先は大阪です。
ところが、5月26日から金沢駅での列車の発車時刻や乗り場を案内する電光掲示板の表示が変わりました。従来なら「大阪」と書いていたところが「京都方面大阪」となりました。英語の表記も、従来の「Osaka」から「Kyoto・Osaka」に変わっています。
外国人に人気の京都に行くにはどの列車に乗ったらよいかわかりやすくするための施策なのですが、ここまでしないといけないのか、という気もします。大阪が京都に比べて小さく、どこかわからないのならともかく。
(参考:北國新聞ホームぺージ http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20180527301.htm)
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2018年3月のダイヤ改正で羽帯が廃止された根室線ですが、今度は釧路市内の2駅が廃止されるようです。2019年3月廃止予定です。
廃止の対象となっているのは、根室線の直別と尺別。いずれも1日の平均乗降者数が1人以下の無人駅です。釧路市はJR北海道の駅廃止方針に理解を示し、代替となるバス路線を整備するようですが、直別や尺別にバスは走っているのでしょうか?
(参考:北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/200972)
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大阪南港と東予を結ぶオレンジフェリーですが、8月25日の東予発から新しい船「おれんじ えひめ」が就航します。冬に2隻目が揃うまでは、新造船と既存船が交互に運航することになります。
この「おれんじ えひめ」の最大の特徴は、すべて個室になっていること。特別室、特等室や1等室はもちろんのこと、2等寝台まで1人個室か2人個室です(2等室はありません)。2等寝台まで個室とは意外です。
運賃については、2隻目が揃うまでは、オープニングキャンペーンとして、既存船と同じ値段で乗ることができます。例えば2等寝台は、6840円です(7~9月の運賃)。
(参考:オレンジフェリーホームぺージ https://www.orange-ferry.co.jp/、https://www.orange-ferry.co.jp/new_ship/)
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普段はクルーズ船に乗った人しか利用できない、秋田港クルーズ列車。しかし、「秋田港海の祭典」が行われる7月28日と29日はクルーズ船に乗らなくても利用できます。
7月28日の秋田港行きは5本(10~16時台)、秋田行きは6本(11~22時台)、7月29日の秋田港行きは4本(8~12時台)、秋田行きは5本(11~16時台)走ります。車両は7月28日のキハ40・キハ48で運転される秋田行き2本(20時台、22時台。座席定員約240人)を除いて、「あきたクルーズ号」(座席定員約140人)が使われます。
先ほども書いたように、7月28日と29日はクルーズ船に乗らなくても秋田港への列車に乗ることができますが、乗車券が発売されるわけではありません。旅行商品(「マリンフェスティバル日帰りパック」)を購入した人だけが乗ることができるのです。「マリンフェスティバル日帰りパック」は往復乗車券のほかに、道の駅秋田港セリオンとトピコ・アルスのお買物券が500円ずつついて、大人1400円、子供1200円(2人以上から申し込み可能です)。6月22日14時から予約を受け付けています。秋田県内と弘前の「びゅうプラザ」に行くか、仙台の予約センターに電話する必要があります。予約の受け取りは電話予約の場合、郵送もできます。混雑を防ぐため、行きの列車は指定されています。1列車の定員は150人なので、7月28日は750セット、7月29日は600セット限定です。
日ごろ乗ることができない貨物線に乗ることのできる貴重な機会なので、誰か一緒に乗る相手を探して、早目に申し込んだほうがよいでしょう。
(参考:JR東日本秋田支社ホームぺージ http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20180618-2.pdf、https://www.jreast.co.jp/akita/view/pac/panf/marine.pdf)
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先ほどは気仙沼線BRTの専用道延伸についての記事を書きましたが、大船渡線BRTについても、専用道を増やします。
新たに専用道ができるのは、陸前矢作付近。現在は陸前高田寄りの国道上にある陸前矢作の駅を南西に移し(震災前の元の位置に近いところに戻します)、約1.7キロの区間を専用道にします。駅には待合室とトイレを備えます。
専用道化の工事は5月から始まっていて、2018年度中に完成する予定ですが、供用時期については未定です。
(参考:JR東日本盛岡支社ホームぺージ http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1524201431_1.pdf、岩手日報ホームぺージ https://www.iwate-np.co.jp/article/2018/4/26/13043)
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以前にも書いたとおり、久大線光岡-日田間は7月14日に復旧します。豪雨前と同じく、「ゆふいんの森」などの特急も1日6往復が走ることになります。
この復旧に関連して、観光列車も久大線を走ります。「或る列車」は日ごろ、日田-大分間を走りますが、7月22日の午後便については、筑後吉井発大分行きとして運転します。フルーツ狩りや吉井エリア街歩きをセットにした旅行商品になっています。「ななつ星in九州」の7月28日発1泊2日コースについては、本来鹿児島線を南下する2日目のルートを変更して、久大線経由で走ります。2日目の昼食は由布院で摂ります。
(追記)
久大線は7月14日に復旧しますが、日田彦山線の代替バスは引き続き日田発着で運行されます。
(参考:JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2018/04/19/180419NewsreleaseKyudaitsunagaru.pdf、http://www.jrkyushu.co.jp/railway/notice/hitahiko_daiko_0714.pdf)
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以前に、気仙沼線BRTの駅の追加と専用道の増加についての記事を書きましたが、その期日が決まりました。7月1日です。
新駅の名前は、志津川中央団地前。これに伴い、志津川-清水浜間の運行ルートが変わり、一部区間の運賃が変わります。南三陸町役場・病院前(7月1日にベイサイドアリーナから名称変更されます)発着のものがそれに該当し、例えば南三陸町役場・病院前-気仙沼間は現行の670円から760円に上がります。理由はよくわかりませんが、ベイサイドアリーナ発着の定期券を持っている人は、磁気定期券の発行替えや区間変更が必要になることもあります。特に「odeca」定期券を持っている人は、6月30日までに磁気定期券にしなければならないようです。
専用道ができるのは、柳津-陸前戸倉間(12.0キロ)と、最知-松岩間(0.8キロ)。柳津-陸前戸倉間については、途中駅の陸前横山を専用道上に移設します。また、柳津については、鉄道ホームから80メートルほど気仙沼方面に行ったところにBRTホームを設置し、BRTはそこを発着することになります。鉄道ホームとBRTホームの間には屋根付きの通路が整備され、跨線橋を通らずに、雨にも濡れずに乗り換えることができるようになります。最知-松岩間については、松岩が専用道上に移され、最知-松岩間の所要時間が2分短縮されます。
7月1日にはダイヤ改正も行われ、柳津、前谷地において一部便の接続が改善される反面、鉄道とBRTが並走している前谷地-柳津間において、BRTの本数が10往復から5往復に半減されます。
(参考:JR東日本盛岡支社ホームぺージ http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1528432495_1.pdf)
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特急列車が充実している近鉄では、ホームに着いてから急に特急列車に乗りたくなることがあります。そのときにはホーム上にある特急券自動券売機(大阪難波など28駅に54台あります)で買えばいいのですが、それまでその券売機では、現金しか使えませんでした。
ところが、3月20日から新たにクレジットカードや交通系ICカード(「PiTaPa」、「ICOCA」など。なお、「PiTaPa」はプリペイドでの購入となり、特急券の購入金額は「PiTaPa」交通割引サービスの対象外です)でも購入することができるようになりました。駅の窓口に続く改善で、現金を出さなくても特急券を購入することができます。「KIPS ICOCA」など近鉄グループのカードで購入すると、所定のポイントもたまります。また、訪日外国人向けのサービス改善として、日本語、英語のほかに、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語でも表示することができるようになりました。
(参考:近鉄ホームぺージ http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/tokuzisinsabisu.pdf)
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路線バスの世界ではバリアフリー対応のものをよく見かけますが、高速バスでは珍しいのが現状です。
しかし、高速バスだからと言ってバリアフリーから逃れられるわけではありません。難しいとはいえ、何らかの対応が求められます。京成バスは、2017年12月16日からリフト付き高速バスの実証実験を有楽町(東京駅鍛冶橋駐車場)-成田空港(第2ターミナル)間で行ってきました(その前に京成バスは2016年8月から、海浜幕張駅・幕張メッセ-成田空港間でリフト付き高速バスの実証実験を行ってきましたが、利用が伸びずに2017年11月で終了してしまいました)。近くに「東京シャトル」があるにもかかわらず新路線をつくったのは、東京側のターミナルが東京駅では乗り降りしにくいからでしょうか? 鍛冶橋駐車場は旧ツアーバス系の高速バスがよく利用するバスターミナルです。1日上下合わせて21便のうち、12便がリフト付き高速バスです。
しかし、リフト付き高速バスには欠点があります。車椅子の人が乗車するには15~20分かかりますし、車椅子スペースを使えば、定員が34人に減ってしまいます。その問題を解決するため京成バスは、京成バスとしては初めてとなる2階建てバス1両を導入し、3月29日から「有楽町シャトル」に投入しました。リフト付き高速バスと合わせてバリアフリー対応のものが合わせて3両となります。バリアフリー対応の車両は、1日21便中、16便にもなります。
2階建てバスでの車椅子での乗降方法は次の通りです。路線バスと同じように、乗車口に可搬式スロープ板を渡して1階にある車椅子スペースに座らせます。3分程度で乗降可能となります。また定員も通常の高速バスと同等の53人(乗務員は除きます。なお、1階の席は車椅子の人とその介助者用の2席のみです)が乗ることができ、定員の問題も解決しました。
(追記)
しかしその「有楽町シャトル」ですが、利用者が少なかったようで、2019年2月4日から上下合わせて10便に減便になりました。
(参考:京成ホームぺージ http://www.keisei.co.jp/information/files/info/20180315_171921232217.pdf、成田空港ホームぺージ https://www.narita-airport.jp/jp/whats_new/yuurakucyou_bus、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24649340U7A211C1L71000/、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/80080、Traicy https://www.traicy.com/20190131-yurakuchoshuttle)
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北陸新幹線金沢開業までは、特急がたくさん走っていた北越急行。新幹線開業に伴う特急廃止により利用者は激減し、大きな打撃を受けました。
北越急行は2014年6月に「北陸新幹線開業後の経営計画」を策定し、何とかして北越急行を存続させようとしました。内部留保を有効に活用しながらコストの削減を図る(特急廃止によって過剰となった設備の削減も含まれています)自助努力と、設備や車両の更新費用に国等の補助金を活用することが存続策のメインですが、運賃値上げをすることも存続策のひとつに挙がっています。
とりあえず特急廃止から3年間は値上げをせず様子を見ていましたが、厳しい経営状況であることには変わりありません。そこで5月29日、運賃値上げをすることを北陸信越運輸局に対して変更認可申請しました。消費税率の変更に伴うものを除くと、1997年の開業以来初めてとなる値上げで、実施予定日は12月1日です。
値上げは普通運賃と通勤定期が対象で、値上げ率は10%です。六日町-犀潟間の運賃は現行970円ですが、値上げ後は1080円になります。沿線自治体の要望により通学定期の値上げは行わず、逆に沿線付近に2つ(直江津、津南)ある中等教育学校への通学用に、高校生用より2割安い中学生用の通学定期を新設します。もっとも、この値上げで収支が好転するわけではなく、赤字額が若干縮小する程度です。2016年度は4.5億円の赤字で、2018~2020年度の3年間の合計で約17億円の赤字を見込んでいたところ、値上げによって16億円に縮小する程度です。
さて、今回の値上げと合わせて、今後の車両置き換えについても発表がなされています。もともと2024~2029年度に全車両を更新する予定でしたが、それを前倒しします。要望の多い、トイレを付けます。また、平日も休日も使うことができる一日乗車券を発売します。
(追記)
北越急行の平日も使える一日乗車券、「ほくほくワンデーパス」は12月1日から発売されます。購入当日のみ有効で、値段は1500円です。
(参考:北越急行ホームぺージ http://www.hokuhoku.co.jp/press/20180529.pdf、https://hokuhoku.co.jp/pdf/onedaypass181201.pdf、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31115920Z20C18A5L21000/、朝日新聞ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASL5Y44WCL5YUOHB003.html)
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列車の乗り降りなどによく使われているICカード。JR東日本の「Suica」はその代表例です。
JR東日本はICカードのシステムを海外にも導入したいとしています。しかし、「Suica」のシステムをそのまま海外に持っていくのではありません。「Suica」のシステムは首都圏での混雑時でも対応できるよう、大量のデータを迅速にできるようにしています。確かに性能はいいのですが、逆に相手が求めるものよりも過剰性能で、コストがかさみます。ですから、海外向けには、読み取り速度などを落とすかたちで性能を下げ、コストを抑えたシステムを売り込みます。
まずは、JR東日本の「Suica」が使えない地域において導入し、テストをしていきます。
(参考:「鉄道ファン」2018年7月号 交友社)
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駅の改札内に入るためには、たとえ列車に乗らなくても、入場券という切符が必要なことが多いです。ところが、改札内に入っても、その入場券が要らない鉄道会社があります。
それは、小田急。2016年3月から全ての駅で、一定の条件の下で、入場券分の金額を返金しているのです。それでは、どうやって返金をするのでしょうか? 改札内の店舗、いわゆる「駅ナカ」で買い物や食事をすれば、支払い時に入場券を見せます。そうすると店員が店舗の使用証明を押印するので、それを改札から出るときに駅員に提示します。こうして入場券分の金額が返金されるのです。コインロッカーのような無人サービスの場合は、ロッカーの鍵やレシートなどを駅係員に提示して、返金対応を行います。
この返金制度を始めた理由が、「駅ナカ」が充実したため。列車には乗らないが、改札内の店を使いたいという需要があるようなのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/79784)
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3か月ほど前の3月22日のことですが、ANAホールディングスは、傘下のLCC、Peachとバニラ・エアを統合させることを発表しました。2019年度末が統合の時期で、ブランドはPeachに統一されます。統合を実現すれば、売上高でLCC国内トップのジェットスター・ジャパンを上回ることになります(売上高はPeachとバニラ・エアの単純合算)。
合併の目的は規模の拡大。市場自体は航空需要が年々増えているため拡大傾向にありますが、その環境の中できちんと需要を取り込み、海外のLCC大手に対抗するためです。機材の効率的な活用のためには、合併して規模を大きくすることが重要だそうです。機材数は現在より4割ほど多い50機に、就航路線は現在より3割ほど多い50路線にします。2020年度には売上高1500億円、営業利益150億円を目標としています。現在の2倍程度です。また、Peachの拠点は関空、バニラ・エアの拠点が成田なので、事業の重複が小さいというのもメリットです。
なお、ANAホールディングスは、2020年に現行より長距離となる、アジアへの中距離路線(片道7~9時間)をLCCで走らせる予定です。
(追記)
バニラ・エアで運航されている便は2019年5月から徐々に運航を終了し、Peachに置き換わります(バニラ・エアによる運航終了からPeachの就航開始まで期間が空くものもあります)。
最終的なバニラ・エアの運航終了は2019年10月26日です。
(参考:Sankei Biz https://www.sankeibiz.jp/business/news/180322/bsd1803221640006-n1.htm、朝日新聞社ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASL3Q44R9L3QULFA00N.html、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28450200S8A320C1TI1000/、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/82395)
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茨城交通は、関東鉄道、ジェイアールバス関東と共同で運行する、高速バス水戸~東京線において、6月15日から交通系ICカード割引を行います(東京駅発の「ミッドナイトみと号」は除きます)。水戸からの運賃は片道2080円ですが、ICカードなら2000円になります(7月15日から2019年3月31日の運賃、7月14日まではさらに安く1950円)。ただ、割引後でも、2枚綴りの回数券、「ツインチケット」よりは割高です。
しかし、茨城交通はほかの2社とは違って、交通系ICカードを利用することができません。それでは、どうやって割引を適用させるのかと言えば、運転士にICカードを提示して、割引を受けるのです。ICカードを支払いに利用することはできず、現金で払います。なお、ほかの2社は、交通系ICカードで支払いをして、割引も受けられます。
(参考:茨城交通ホームぺージ http://www.ibako.co.jp/contents/newsrelease/2018/06/17466.html、茨城新聞ホームぺージ http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15287197686742)
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全国各地で見られた国鉄の急行用ディーゼルカー、キハ58系。さすがに分割民営化から30年が経つと廃車が進み、JR東日本の「Kenji」がJRグループで唯一の営業車両となっています。「Kenji」は1992年の夏に岩手県で行われた「三陸・海の博覧会」に合わせて、「三陸マリンライナー」として改造されてデビューした車両です。3両編成の列車で、2013年の岩手県の観光キャンペーンに合わせて、車体の色を緑から青に塗り替えました。
しかし、その「Kenji」ですが、間もなく運行を終えるようで、7月21日と9月8日にびゅうトラベルサービスがツアーを催行します。ツアーの名前は「Kenji号で行く! 東北本線の旅」で、一ノ関-盛岡間を往復します。募集人員は124人ですが、1人でも参加者がいれば催行されますので、まず確実に催行されると思って差し支えないでしょう。
ツアーには、記念乗車証明書(「Kenji」の車体を模したものですが、7月と9月で色が変わります)、「Kenji」の歴史が書かれている記念乗車証明書台紙、オリジナルキーホルダー(これも7月と9月でデザインが異なります)、オリジナルの掛け紙の弁当がついています。一ノ関に列車が到着するときには、「祝い餅おふるまい隊」によるお餅のお振舞いがあります。値段は盛岡駅からの往復で大人6000円、子供4500円、1人から申し込みできます。すでに6月21日からJR東日本の主な駅にある「びゅうプラザ」等で申し込むことができます。
(追記)
「Kenji」は9月8日の運行をもって引退します。
(参考:JR東日本盛岡支社ホームぺージ http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1529459480_2.pdf、岩手日報ホームぺージ https://www.iwate-np.co.jp/article/2018/9/7/22252)
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JR北海道の特急列車も、いつの間にかほとんどの列車で車内販売を中止してしまい、車内販売がある列車はごくわずかしかありません。しかし、団体旅行客向けですが、このような取り組みもあります。
JR北海道が団体旅行客向けに売り込んでいるプランがそれです。停車駅で名物を積み込み、沿線の味を楽しむことができます。旅行会社はそのプランを組み込んで、旅行商品としています。この取り組みを始めた2014年度の利用者は200人ほどでしたが、2017年度には2000人を超えました。せっかくこのような企画ができるのですから、通常の列車でも各地の名物を車内販売できればいいのですが、ツアーと通常の列車とでは話が異なるのでしょうか?
さて、沿線の自治体が車内販売を行う取り組みは、2年目を迎えました。車内販売は売り上げが1日平均4万円と少ないため、採算が合わず、しかも夏は繁忙期なので、人がいません。このように実施に向けていろいろな課題がありましたが、2018年の夏は、7月1日から9月30日にかけての休日26日間、沿線自治体による車内販売を行います。地元特産のお菓子やつまみなどを販売しますが、2018年度はアルコール類の販売も行います。
(参考:Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180615-00010002-doshin-hok、北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/200979、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/201441)
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フリーゲージトレインを導入することができない以上、長崎新幹線にフル規格を導入するのが一番望ましいのは明らかですが、問題は建設区間の佐賀県にメリットがないということ。整備新幹線のルールから言えば建設区間のある佐賀県が負担をしなければなりませんが、佐賀県は九州一の大都会、福岡に近いがためにフル規格新幹線のメリットは小さいというのです(もっとも、佐賀県の考えには、関西方面からの客を呼ぶという発想がありません)。
8日のことですが、与党の検討委員会は、長崎県とJR九州に対して、佐賀県に対する負担軽減策を検討するように指示しました。フル規格の場合に加えて、ミニ新幹線の場合でも軽減策を考えます。
それでは、負担軽減策というのはどういうものでしょうか? 整備新幹線の事業費は国と地方が2:1の割合で負担します。そして、地方の負担は県内を走る路線の長さで決まります。長崎新幹線の場合は新鳥栖-武雄温泉間が建設区間のため、佐賀県が地方分のすべてを負担することになります。今回考えられている負担軽減策もこの基本方針は変わりませんが、佐賀、長崎の両県が共通して負担する経費があり、それについては配分を見直して佐賀県の負担を減らします。JR九州は貸付料を増やすというかたちで負担します。7月には一定の結論を出すようです。
ともかく、話がまとまり、フル規格新幹線に向けて前進することを望みます。
(参考:西日本新聞ホームぺージ https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/422955/、長崎新聞ホームぺージ https://this.kiji.is/377975072461735009)
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新大阪の新幹線ホームは5面8線ありますが、東海道・山陽新幹線のほか、九州新幹線も乗り入れているので、余裕がありません。今後、リニア中央新幹線、北陸新幹線、長崎新幹線が新大阪に乗り入れてきますが、その入る場所がありません。
そこで出てきたのが、以前にも書きましたが、地下に新幹線ホームをつくること。もともと新大阪の地下にはJR東海が自前でリニア中央新幹線のホームをつくり、整備新幹線のスキームで鉄道建設・運輸施設整備支援機構が主体となって北陸新幹線のホームをつくります。この北陸新幹線の地下ホームに、長崎新幹線も乗り入れることになります。高架のホームは東海道新幹線主体、地下のホームは北陸新幹線、九州新幹線、長崎新幹線主体となります。
リニアが新大阪までの全線開業すれば、東京から山陽方面に行くのも、新大阪で乗り換えたほうが1時間以上速くなります。しかし、地下のリニアホームから高架の新幹線ホームに乗り換えるのは面倒です。地下のリニアホームから地下の新幹線ホームなら、それほど手間はかからないでしょう。リニアと新幹線の乗り換えが楽になる、これがひとつのメリットです。
そして、北陸新幹線、九州新幹線、長崎新幹線が同じホームに着発するということは、北陸新幹線と山陽新幹線が直通することができるということを表しているとも考えられます。つまり、金沢-京都-新大阪-博多間を直通運転するのです。これまで在来線に乗り換えなければ行けなかった京都も、乗り換えなしで自社の新幹線で行くことができるのです。JR西日本にとっては大きな話です。
それなら北陸新幹線を米原で接続させたら、安いコストで北陸新幹線を建設でき、しかも東海道新幹線のみならず、山陽新幹線と直通運転することができたのでは? とお思いの方もいるとは思います。理想はそうかもしれなかったのですが、残念ながらそれは実現しなかったのです。今さら求めることはできないでしょう。
(参考:日刊建設工業新聞ホームぺージ http://www.decn.co.jp/?p=99868)
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北陸新幹線が敦賀まで開業すると、北陸線も第三セクターになります。石川県内はIRいしかわ鉄道に移管される見込みですが、福井県内はどうなるのでしょうか?
福井県内も第三セクターとなります。上下分離は採用せず、列車の運行も資産の所有も同じ会社とします。石川県内とは別々の第三セクターとなりますが、ダイヤや運賃で配慮があります。県境を越えて移動する通勤客、通学客に配慮するため、IRいしかわ鉄道とは相互乗り入れを行います。金沢-福井間を直通運転するようです。また、運賃については県境をまたぐと会社が変わることから初乗り運賃が課されますが、乗継割引を導入することを考えています。一部区間で並行して走っている福井鉄道、第三セクターのえちぜん鉄道とも協調し、乗り継ぎしやすいダイヤを導入し、資材を共同購入します。
(参考:福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/604141)
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JR北海道は単独では維持困難だとしている路線として12線区を挙げています。JR北海道は、このうち宗谷線、石北線など8線区については国、北海道、地元に維持費用の負担を求めたうえで5年ごとに存廃を考えていきたいとしていますが、残りの4線区についてはどうするのでしょうか?
残りの4線区、すなわち札沼線北海道医療大学-新十津川間、留萌線、根室線富良野-新得間、日高線鵡川-様似間については、廃止して、バス転換する方針です。2018年度中に地元自治体の合意を得て、2020年度に廃止する予定です。国の支援も求めません。
宗谷線、石北線など8線区については、JR北海道は北海道新幹線が開業する2030年度までの支援を求めています。ところが、財務省は2020年度までしか支援を認めない方針です。普通列車しか通らないローカル線ならそれでもかまいませんが(そういう意味では、只見線や日田彦山線の復旧費用を国が出す必要はありません)、宗谷線、石北線のように特急も通り、幹線的な機能もある路線については、駅や本数の削減はあっても、路線の廃止まではしてはいけないでしょう。駅は特急停車駅だけ、列車は特急だけに絞ってもやむを得ませんが、路線だけは維持しなければなりません。
(追記)
その後、JR北海道が8線区についての廃線検討を撤回したという話もありますが、収支が改善されない以上、何年か後には存廃が検討されるのは当然のことです。そもそも8線区の中でもバスで代替可能のところはあります。どうしても鉄道を維持したければ、北海道がお金を出すしかないのです。
(参考:HTBニュース https://www.htb.co.jp/news/archives_1624.html、北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/200679、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/200354/、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/railwaynews-126/)
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高岡市と射水市にまたがって走る路面電車、万葉線。その2018年3月期の決算内容が明らかになりました。
2018年3月期の営業収益は対前年度比3%増の1.93億円。定期券購入を増やすために営業を強化したおかげで、利用者は前年度より4万人増えて119万人となりました。3年ぶりの増加です。しかし、車両の修繕費や除雪費用が大きく膨らみ(修繕費は前年度より2300万円ほど増えて、約6300万円。「アイトラム」のモーターの修繕費用1000万円が大きかったようです。除雪費用は前年度より1500万円ほど増えて、約1600万円でした)、経常損失は1.29億円、最終損益は2900万円の赤字でした。経常損益、最終損益は2002年に第三セクターになってから最大の赤字幅となっています。
2019年3月期以降も改善の見込みはありません。老朽化による車両等の修繕費がかさむと予想されています。また、赤字を埋めるために高岡市や射水市からもらっている補助金が増えているため、万葉線の値上げを検討しているようです。万葉線は2014年の消費税増税にも値上げしましたが、そのときは定期券を値上げしただけで、運賃や回数券は据え置いたのです。
(追記1)
7月20日のことですが、万葉線は北陸信越運輸局に対して、運賃の値上げを申請しました。実施予定日は10月2日で、現行150~350円のところ、200~400円となります。200円のまま据え置く一部を除いて、50円ずつ上がるのです。
なお、当面考えているサービス向上策として、金曜日などに深夜便の運行を行うことも考えています。高岡駅23:55発で、原則金曜日だけとはいえ、現行より55分遅くなります。旧型の7000型2両も冷房化を行います。
(追記2)
金曜(祝日を除きます)深夜の臨時便は、10月から運転されます。「金曜シンデレラ便」という名前で、高岡駅24:00発の中新湊行きです。
(参考:チューリップテレビホームぺージ http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/index.html?TID_DT03=20180605151827、中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20180606/CK2018060602000047.html、万葉線ホームぺージ http://www.manyosen.co.jp/news/img/unchinkaitei30.7.20.pdf、http://www.manyosen.co.jp/news/img/sinyabin.pdf)
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大幅な赤字に苦しむJR北海道にとって、北海道新幹線札幌延伸は、一発大逆転の大チャンス。いろいろ問題はありますが、早期の開業が望まれます。
しかし、いくら前倒しして開業できたとしても、新幹線のスピードが遅くれば、航空機からの移転は少なく、期待される効果を挙げることはできません。その北海道新幹線ですが、これまで、東京-札幌間の所要時間は5時間を超えるとされていました。ライバルの航空機が空港へのアクセス時間を含めて4時間程度であることを考えると、心もとない数字です。これでは、新幹線に移ってくれる人はそう多くは見込めません。
ところが、JR北海道は、青函トンネル内のスピードを上げ、線路周辺の設備を高速化に対応させることによって、東京-札幌間の所要時間を4時間半程度に短縮させたいと考えています。これでも航空機と戦うのには厳しいでしょうが、大宮あたりからなら勝負はできるでしょう。盛岡以北の最高速度を引き上げることも重要です。時速260キロでは遅すぎます。
(参考:NHKホームぺージ https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180616/0000809.html)
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以前、博多と釜山を結ぶ「ビートル」を活用して、博多-比田勝間の高速での輸送を図ろうという話がありましたが、それが実現することになりました。7月23日から、JR九州高速船の「ビートル」の一部座席を使って、博多-比田勝間に混乗便(週に1~3往復の割合)を運航します。これまでフェリーだと博多-比田勝間は約6時間かかっていましたが、「ビートル」だと2時間10分で結ぶことになります。
1隻の船舶に国際線と国内線の旅客が混乗するという混乗便でも、国際線のエリアと国内線のエリアは分けられています。191席ある「ビートル」の場合は2階席の一部(普通席のみ26席)を国内線用に転用します。一部の席を転用するため、国内線旅客用のトイレはバリアフリーに対応せず、車椅子だと種類によっては持ち込みができない場合があります。また、国内線旅客向けの船内販売はありません。消費税の絡みでしょうか? そのほか、乗下船の時間も国際線とはずらし、港での通路も分けます。船の改装費用はJR九州高速船と対馬市が負担します。
混乗便ならではの特殊なところもあります。運営主体は博多-比田勝間でフェリーを運航している九州郵船(混乗便を運航している時でも、1日1往復のフェリーは続けます)ですが、予約はJR九州高速船で受け付け、発着港は国際線用のターミナルです。また、国際線手続きの関係上、出港30分前までに乗船手続きを済ませないといけません。そして、混乗便に乗る以上、乗船には乳幼児を含めて公的機関発行の顔写真付き身分証(島民カード、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)の所持が必要で、携帯していない場合は乗船できません。なお、国境離島島民割引を使うには、島民カード等が必要です。
(追記)
12月20日から身分証の規定が緩和され、顔写真のない健康保険証やクレジットカード、学生証などでも良いようになりました。このような身分証がない人が多い12歳未満の人は、親に同伴されるか、窓口で親の身分証を確認すれば乗船できます。
(参考:JR九州高速船ホームぺージ http://www.jrbeetle.co.jp/internet/tsushima_2/index.html、長崎新聞ホームぺージ https://this.kiji.is/369865788447917153、https://this.kiji.is/448662361871238241?c=39546741839462401)
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泉大津・神戸と新門司との間を結んでいる阪九フェリー。普段は夜行なのですが、7月15日は「就航50周年記念せとうちデイクルーズ」として、神戸航路(神戸-新門司間)の通常18時台の出発時刻を大幅に繰り上げ、13:30発とします(到着時間は通常通り、翌日7時台です)。
通常のダイヤでは夜行なので、夏場でも出港近くや到着近くでない限り、外の景色を見ることができません。しかし、今回のデイクルーズでは、普段見ることのできない瀬戸内海の島や大きな橋も見ることができます。神戸発の場合は、小豆島(16:15ごろ)、瀬戸大橋(18:00ごろ)、新門司発の場合は来島海峡大橋(19:10ごろ)を見ることができるでしょう。また、暗くなってからのことですが、神戸発の船と新門司発の船は福山沖で、19:45ごろすれ違います。普段なら深夜にすれ違うので見ることは難しいですが、今回は起きている時間なので、行き違う船を見ることができます。
船内のイベントも用意されており、船旅の楽しみであるレストランでも、最高級A-5クラスの神戸ビーフのロースステーキ100グラムを就航50周年特別価格で提供します。
(参考:阪九フェリーホームぺージ https://www.han9f.co.jp/information/detail/id/77/、https://www.han9f.co.jp/daycruise/)
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すでに予約で満席になっている場合があり、仮に予約できたとしても、インターネットでも予約を受け付けていないため(出発駅に行かないといけない)、購入できるのはごくわずかの人だけでしょうが(6月17日17時までなので、この記事を書いている時点から約1時間後までです)、備忘録として書いておきます。
6月27日のことですが、普段は豊肥線別府-阿蘇間を走っている特急「あそぼーい!」が、1日限定で筑肥線筑前前原-唐津間を走ります。「あそぼーい!」が筑肥線を走るのは、初めてのことです。往路は唐津10:32ごろ発筑前前原11:42ごろ着、復路は筑前前原14:40ごろ発唐津15:30ごろ着のダイヤで、片道ずつの販売となります。募集人員は往路、復路ともに105人、最少催行人員はどちらも70人です。旅行代金は結構安く、運賃のほか指定席特急券、オリジナル記念乗車証、ドリンクがついて大人1600円、子供800円。パノラマシートや親子シート(白いくろちゃんシート)を使う場合でも210円高くなるだけです。
発売期間は5月17日10時から6月17日17時の間、往路は唐津で、復路は筑前前原でのみ発売します。そのほかの駅での発売はありません。なお、往路、復路の両方に乗る人は、唐津、筑前前原のいずれかの駅で申し込むことができます。
(参考:JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2018/05/15/180515Newsreleaseasoboy-chikuhisen.pdf)
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かつてはお高く留まっていた東武の特急ですが、通勤にも使えるように本数が増え、短距離では特急料金も安くなっています。浅草発17時~22時台の夕夜間時間帯で見ると、毎時3~5本、出ています。
この快適で利便性の高い(「アーバンパークライナー」は野田線まで直通します)特急を多くの人に知ってもらい、実際に乗ってその快適性や利便性などを体験してもらうため、6月19日と20日の2日間、夕夜間に浅草を出る下り特急に浅草か北千住から乗車した人(とうきょうスカイツリーは対象外)に、栄養ドリンクのプレゼントがあります。
プレゼントの対象となる列車は、6月19日と20日の浅草17:30発から21:40発までの特急列車19本。日光線方面(「けごん」、「きぬ」、「しもつけ」、「リバティけごん」)が5本、伊勢崎線方面(「りょうもう」、「リバティりょうもう」)が10本、「スカイツリーライナー」と「アーバンパークライナー」が合わせて5本です(「リバティけごん」と「リバティりょうもう」は東武動物公園で分割されます)。そして、配布される栄養ドリンクは大鵬薬品工業の「チオビタ・ドリンク55周年ボトル」で、15歳以上の人に1人1本渡します。配布箇所は浅草が3、4番線ホームインフォメーションカウンター付近、北千住が特急専用ホーム改札付近です。配布商品は充分な数を用意しますが、数が多い場合は品切れのこともあります。
(参考:東武ホームぺージ http://www.tobu.co.jp/file/pdf/21c4fba094f89be8a8fa2c9ce21ed50d/newsletter_180614.pdf?date=20180614171830)
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伊勢志摩エリアで観光列車として走っていた、近鉄の「つどい」。伊勢志摩での運行が終了した後、どうなるかと思っていたら、次の活躍の舞台がありました。
「つどい」はリニューアルされ、外観も変わります。ブラウンとクリームのツートンカラー(窓周りがクリーム、それ以外がブラウン)で、ゴールドのラインを配します。シックで落ち着いた雰囲気になります。座席の表布やカーペットなども張り替えます。このリニューアルされた「つどい」は、菰野町と連携してイベントの臨時列車として近鉄名古屋-湯の山温泉間を走ります。
運行期間は7月14日から9月2日までと、10月6日から2019年2月24日まで。休日を中心に走ります。ダイヤも決まっていて、往路は近鉄名古屋10:06発湯の山温泉11:22着、復路は湯の山温泉16:05発近鉄名古屋17:23着です。湯の山温泉まで直通し、近鉄四日市での乗降も可能です。9月2日までは「リアル謎解きゲーム列車」(運賃以外に「謎解き列車券」が必要です。大人1000円、子供750円)、10月6日からは湯の山温泉の源泉を使用した「足湯列車」を走らせます。足湯付きの列車は珍しく、名古屋や関西からでも気軽に行きやすいので、この機会に乗っておきたいところです。「とれいゆつばさ」の山形は遠いですから。
(追記1)
「足湯列車」(定員56人)の足湯は2号車に設置されます。4人用のが2つ設置されています。足湯のお湯は、運行日に菰野町が湯の山線沿線にある菰野温泉の源泉から汲んでいます。
「足湯列車」は、運賃のほか、大人500円、子供250円の観光列車料金が必要です。足湯に入りたい人は、乗車後に2号車バーカウンターにおいて、「足湯利用券」(大人、子供ともに100円。持ち帰りのできるタオル付)を購入する必要があります。足湯の利用時間は、購入順に指定されます。
車内では、菰野町観光協会によって、菰野町の地酒などの特産品などの車内販売を行います。
(追記2)
「つどい」の足湯は、菰野町商工会青年部がつくったもので、借り物なのです。ですから、期間限定でしか足湯を営業できないのです。
(追記3)
12月22日から24日までは、冬至に因んで、足湯はゆず湯となります。
(追記4)
2019年1月12日のことですが、「つどい」に乗ってきました。朝の湯の山温泉行きは満席になることが多いですが、夕方の近鉄名古屋行きは当日でも予約でき、空席も結構ありました。なお、足湯は10分ごとに入れ替えするので、計算上は乗客全員が足湯に入ることができます。
(参考:近鉄ホームぺージ http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/ericpyunoyama.pdf、http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/ashiyutrain.pdf、https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/yuzuyuretu.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/80683、「鉄道ファン」2018年12月号 交友社)
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JR九州は2018年度も、JR九州全線の快速・普通列車の普通車自由席が3日間乗り放題(特急券を買えば特急にも乗車可能)の「ぐるっと九州きっぷ」を発売します。発売期間は3月1日から2019年3月31日まで、利用期間は4月1日から2019年4月2日までです(2019年3月31日利用開始分まで発売)。
この「ぐるっと九州きっぷ」で今回、大きく変わったところがあります。それは、駅の窓口で購入した場合の値段が上がることです。インターネットで買えば14000円のままですが、4月1日からは窓口で買えば14500円と、500円高くなります。人件費等のコストがいる駅ではなく、無人のインターネットで買ってほしい現われのひとつでしょう。
(参考:JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2018/02/23/180223NewsRelease02.pdf)
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JR九州は2017年11月21日から九大学研都市で軽量型ホームドアの実証実験を行っています。2月での段階のことですが、その後大きなトラブル等はなく、順調に推移しているとのことです。3月にはホームドア開閉時にホームドア本体が点滅するという改良を行います。
これを受けて、2月21日、JR九州は軽量型ホームドアについての今後の計画を明らかにしました。夏ごろを目標に、九大学研都市の上りホームにも軽量型ホームドアを設置し、実証実験を継続する予定です。そして、以前にも書きましたが、2020年度中を目標に、筑肥線下山門-筑前前原間のすべての駅において軽量型ホームドアを設置する予定です。具体的な日程は未定で、決まり次第再度発表があります。
(追記)
九大学研都市上りホームでの実証実験は9月25日から行います。
(参考:JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2018/02/22/180221Newsrelease01.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2018/02/28/180228-04.pdf、railf.jp https://railf.jp/news/2018/08/27/195500.html)
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これからさらに強まる高齢化社会、障害者への対応において、鉄道のバリアフリー化は求められています。鉄道のバリアフリーは国、地方自治体、鉄道事業者の負担の元で進められていますが、完全に水準にはまだまだ遠いです。しかも、要求はさらに高まるばかりです。
鉄道会社にお金があればいいですが、バリアフリー対応をしても収入が増えるわけではなく(ホームドアの設置によって輸送障害を減少させる効果はありますが)、コストだけがかかります。バリアフリーの対応も大切でしょうが、それよりも老朽化した車両や設備の更新が急がれます。すでに人口が減っている首都圏以外では、大手と言えども古い車両がたくさんあります。30年を超える車両が4割もあります。
そこで国交省はバリアフリーにかかる費用を利用者にも負担させようとしています。つまり、運賃が上がるわけなのです。首都圏や近畿圏の各500人にインターネット調査も行っていて、その結果によれば、利用者は1乗車当たり15~20円程度の負担を許容しているとのことです。
ただ、新線建設、複々線化のように利便性が向上するのならともかく、バリアフリーのために運賃が上がるというのはちょっと、というような気もします。バリアフリーを推進させること自体は好ましいことなのですが、バリアフリーにかかる費用は国や地方自治体が主体となって負担してもらいたいところです。
(参考:国交省ホームぺージ http://www.mlit.go.jp/common/001220993.pdf)
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JR九州は3月のダイヤ改正で、1日117本の減便を行いました。1987年の会社発足以来、最大規模の削減です。
ところが、この減便改正への反発は強く、JR九州は4月からダイヤ改正の影響を調査してきました。その結果も踏まえて、ダイヤの修正を行います。ダイヤ修正を行うのは、九州北部豪雨により被災した久大線が復旧する、7月14日です。
それでは、修正の内容はどのようなものでしょうか? 減便した本数を元に戻すなどの大幅な修正は行いません。ただ、通勤や通学などに配慮して、増結やダイヤの調整で対応します。吉都線ですでにやっていることをJR九州全体に広げるようなものでしょうか?
ダイヤの見直しは18日に発表される予定です。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/odekake/railway/20180615-OYS1T50021.html、大分放送ホームぺージ http://www.e-obs.com/news/detail.php?id=06150041644&day=20180615)
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JR北海道が単独では維持困難としている路線のうち、宗谷線、石北線など7路線8区間については、北海道の有識者会議が存続を求めています。これらの路線はこのまま存続されるでしょうが、将来にわたって存続が保証されたわけではありません。
どういうことでしょうか? 12日に東京で開かれた自民党のJR北海道対策プロジェクトチームの会合で、島田JR北海道社長が明らかにしたところによれば、宗谷線、石北線など7路線8区間の収支改善が進まない場合、2025年度中にも再び存続の見直しを行うとのことです。確かに今回存続が決まった路線でも永久に維持する義務はなく、状況の変化に応じてある程度の間隔で適宜見直す必要はあるでしょう。
なお、JR北海道は2030年度まで、国や北海道の支援が必要だとしています。なぜ2030年度かと言えば、北海道新幹線が札幌まで延伸するのがその時期。北海道新幹線が札幌まで伸びれば、収支の大幅な改善が図られるとしているのです。そのためにも、北海道新幹線の早期全線開業が望まれます。
(参考:北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/198869)
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経営難に苦しむJR北海道。2018年3月期には過去最大の416億円の営業赤字を計上しました。そこで、ついに運賃値上げに踏み切ることになるようです。利用者の減少や赤字の拡大がその理由で、もし値上げに踏み切れば、消費税率引き上げに伴うものを除くと、1996年以来の値上げとなります。1996年のときはJR四国とJR九州も値上げをしましたが、今回はJR北海道だけになるようです。JR北海道は値上げで得た金額を、安全対策や輸送力強化などに使うようです。なお、値上げの時期や値上げ幅は現時点では未定です。
運賃を上げないで済めばそれに越したことはありませんが、JR北海道の厳しい状況を考えれば、値上げはやむを得ないでしょう。競争の激しい区間は割引切符で対応すればよいですし、利用者の極めて少ないローカル線なら、それによってさらに利用者が減れば、廃止に踏み切ればよいでしょう。わざわざ不得意な分野を押し付けられる必要は全くなく、ほかにも交通機関はあるのですから、得意分野の大都市通勤輸送か都市間高速輸送に特化すればよいのです。JR北海道に限った話ではありませんが、JRの運賃、料金は硬直化していて、競争の激しいところでは高止まりしていますが、ローカル線では異様に安いのです。大都市札幌の市内だけを走る札幌市営地下鉄よりも安い運賃水準で、山手線より少々高い程度の運賃では経営ができないのは当たり前のことなのです。
(追記)
2018年10月20日に北海道庁で開かれた会合で、島田JR北海道社長は、2019年10月に運賃を値上げする考えであることを明らかにしました。同時期に行われる消費税の値上げと合わせて、40億円程度の値上げとなります。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180614/k00/00m/040/061000c、産経ニュース https://www.sankei.com/economy/news/181020/ecn1810200014-n1.html)
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旧型の105系に代わって227系が投入される和歌山線に、新たな技術を導入する話があります。
それは、以前にも紹介した、無線式ATC。橋本-和歌山間に導入します。JR西日本の在来線では初めてのATC導入となります。無線式ATCは、列車の位置を連続的な無線通信によって把握し、前方にある列車の位置から後方の列車がブレーキをかけるべきかどうかを決め、列車間の安全な間隔を確保するというシステムです。この無線式ATCの導入により、異常が発生し急に速度規制をかけないといけない場合でも、無線で列車に情報を伝え、ブレーキを自動でかけることができます。これまでのATSとは違って、地上子のあるところ以外でも情報を伝えることができます。また、地上子やケーブル、信号機の設備が要らなくなるので(ATSでは信号の情報を後方の列車に伝えるために、地上子やケーブルが要ります)、地上の設備がシンプルになります。メンテナンスもしやすくなります。線路の保守費用も1割から3割、減らすことができます。
無線式ATCは、2023年の春に一部列車に対して導入し、2024年春には和歌山線用227系全列車に対して導入を完了する予定です。
(追記)
和歌山線への無線式ATCの導入ですが、最近の無線通信技術を取り入れたものにすることにしました。
導入計画については、具体的な計画を策定してから発表されます。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/05/page_12408.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/05/page_12413.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220218_05_system.pdf、和歌山放送ホームぺージ https://wbs.co.jp/news/2018/05/27/118994.html)
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西鉄高速バスは、北九州空港と福岡とを結ぶ「福北リムジンバス」を走らせています。福岡には福岡空港という便利な空港がありますが、街中近くにあるため、早朝や深夜に設定することができません。それを補うのが北九州空港で、2015年から運行を始めた「福北リムジンバス」も羽田への早朝、深夜便に合わせた運行となっています。ところが、この「福北リムジンバス」、あまり利用されていないようです。そこで西鉄高速バスは利便性の向上と収支改善を目的として、7月1日にダイヤ改正を行うのです。
改正事項はいくつかありますが、福岡行き(3本、北九州空港22:50~0:45発)については、途中5か所に停まるようになります。直方パーキングエリア、若宮インターチェンジ、上の府太郎丸、御幸町、呉服町です(代わりに博多駅筑紫口は通過)。反対の北九州空港行き(1本、天神高速バスターミナル前3:20発)は、停留所の追加はなく、博多駅筑紫口を出ると、北九州空港までノンストップです。福岡行きについては航空機到着からバス出発までの乗り継ぎ時間を10分短縮し、スムーズに乗り継ぐことができるようにしました。また、コスト削減を図るため、福岡行きのうち1本と北九州空港行きは北九西鉄タクシーの中型バス(22席)を使用することにしました。残る福岡行きの2本は西鉄高速バスの大型バス(55席)を使います。
そして、最後のメニューが値上げ。これまで片道1000円だったところが、2000円に変わります。元々の1000円が安かったと言えばそれまでですが、いきなり倍とは結構な値上げです。
(参考:西鉄ホームぺージ http://www.nishitetsu.co.jp/release/2018/18_030.pdf)
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利用者が増えて、累積赤字を一掃したつくばエクスプレス。そのつくばエクスプレスに、延伸構想があるのです。その行先は、茨城空港。羽田や成田で賄いきれない需要を、この茨城空港でカバーしようというのです。この首都圏の第三空港をの地位を狙っているところには静岡空港もありますが、茨城空港のほうが静岡空港よりも東京に近いというメリットがあります。
しかし、茨城空港の欠点はアクセスが悪いこと。静岡空港もアクセスが悪いことには違いありませんが、ここは東海道新幹線が近くを通っています。今はJR東海に冷たくあしらわれていますが、何らかの拍子で駅ができてしまったら、あっという間にアクセスの問題は解決してしまいます。これに対して、茨城空港の近くを通っている鉄道はありません。そこで、茨城空港を抱える小美玉市の小美玉市議会は、つくばエクスプレスの茨城空港延伸を目指して、期成同盟会を発足させました。県や市が主体になって鉄道の延伸を求める期成同盟会をつくることはところどころで見られますが、市議会が中心になってつくられるのは珍しいようです。つくばエクスプレスの延伸を求める声は小美玉市やその周辺ではありましたが、茨城県や県庁所在地の水戸市の反応は悪く、そういうこともあって市議会が中心となって期成同盟会をつくったのです。
ところが、つくばエクスプレスも結構遠いです。明らかに常磐線のほうが近いので、本来なら常磐線に枝線をつくるほうがコストも安く、自然です。それなのになぜつくばエクスプレスの延伸を求めるのかと言えば、茨城県の中で勢いがあるつくばと結ばれたいとからだそうです。もっとも、正直なところとしては、純粋な株式会社であるJR東日本に求めるよりも、地元自治体も出資しているつくばエクスプレスに延伸させるほうが簡単だと考えているのでしょう。もっとも、せっかく累積赤字を一掃したばかりのつくばエクスプレスにとって、茨城空港まで伸ばすことは、再びリスクを抱えることになります。よほどバラ色の試算が用意できるならともかく、そうでない限りは急ぐ必要はないでしょう。仮にいい試算が出るのなら、JR東日本も延伸にやる気を出すでしょう。それなりの明るい見込みが出てから落ち着いて、常磐線の枝線をつくればいいのです。
(参考:NEWSポストセブン https://www.news-postseven.com/archives/20180603_689206.html)
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フジドリームエアラインズは、6月から7月にかけて、茨城空港から利尻、稚内、女満別、中標津の各空港へのチャーター便を運航します。稚内を除く利尻など3空港へのチャーター便の運航は、これが初めてです。なお、これらのチャーター便に乗るためにはツアーに参加するのが条件で、航空便単独での利用はできません。
フジドリームエアラインズは、今回の北海道の便以外にも、茨城空港発着のチャーター便を運航しています。定期便では行くことのできない空港に直行するのがメリットで、ここで実績を積み重ねることによって、定期運航につなげるのでしょう。
(参考:茨城空港ホームぺージ http://www.ibaraki-airport.net/news/hokkaido2018summer.html)
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長崎線の特急では2001年から、一部区間に限り、指定席の空席に座ることができるサービスを行っていました。上りは佐賀→博多間で、下りは諫早→長崎間で、指定席特急券がなくても空席には座ることができました。この短い区間で指定席を買う人は少なく、反対に自由席は混雑するからです。
ところが、この3月のダイヤ改正から、長崎線の佐賀→博多間などで行ってきた指定席の開放を廃止していました。かつては鹿児島線の小倉→博多間でも行っていましたが、それも数年前に廃止され、JR九州の中ではそのような指定席の開放は全廃されたのです。
なぜ、このような指定席の開放を廃止したのでしょうか? JR九州の説明では、割安なインターネット予約が普及したことなどを理由に挙げています。ただ、割安なインターネット予約が普及した、というよりも、駅の「みどりの窓口」ではなく、インターネットでの購入を増やしたい、というほうが正直なところかもしれません。駅で売っている(金券ショップでばら売りされやすい)回数券を縮小し、インターネットでの予約を勧めています。近距離の博多-佐賀間でも、インターネットなら指定席でたったの1130円です。「2枚きっぷ」の1枚あたりと同じ値段で、指定席に座ることができるのです。また、これまで、指定席エリアに自由席客が乗り込むという問題がありました。指定席の開放を廃止することによって、そういうものを是正する効果もあるのです。
さらに言えば、混雑する時間帯では、自由席を増やしています。そういう面では配慮されていて、これまでこの特典を活用して指定席に座っていた人には不満の残る話かもしれませんが、悪い話ばかりではないのです。
(参考:佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/articles/-/208109)
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世の中、変わった切符が発売されることがありますが、ベルリンの地下鉄では、靴が切符になっています。実は2018年1月に500足限定で発売されたものなのです。靴はアディダスなので、ちゃんとしたスニーカーです。ベルリン交通局の90周年を記念してつくられたもので、地下鉄のシートの柄と同じデザインです。
この靴のどこが切符なのかと言えば、靴に年間乗車券である旨の縫い付けがされているのです。この靴を履けば(ベルリンの交通機関はほかのドイツ同様、「信用乗車」なので、改札機に読み取らせるなどの必要はありません)、ベルリン市内のあらゆる交通機関に、2018年の年末まで自由に乗ることができるのです。本来、1年間有効のフリー切符は1枚761ユーロ(約10万3000円)しますが、この靴は180ユーロ、約2万4000円です。1/4か1/5の値段で、しかも有名ブランドの靴がつくのです。当然ながら人気で、ベルリン市内の2か所のアディダスショップで発売されたのですが、発売日の1月16日の深夜1時の時点ですでに550人が並んでいました。一番早い人は3日前の13日に並び、氷点下の中、3泊4日を過ごしたそうです。
もっとも、この靴を履いて地下鉄等に乗っている人は少ないようです。記念に取っておくか、オークションで売るかのどちらかのようで、オークションサイトでは1200ユーロになったとも言われています。
(参考:東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/205955)
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3月のダイヤ改正で新駅をつくったばかりのあいの風とやま鉄道ですが、別の新駅設置計画があります。
それは、以前から話があった通り、富山-東富山間につくられます。この区間は6.6キロもあり、県庁のある駅とは思えない駅間です。新駅は富山、東富山のほぼ中間につくられます。長さ85メートルのホームを2面備えた無人駅で、自動券売機やICカードの簡易改札機もあります。改札は線路の両側にできます。設計費は8580万円で、国、富山県、富山市が1/3ずつ負担します。新駅は2019年度に着工し、2021年春に完成します。
富山地方鉄道にも新駅ができます。できるのは、不二越・上滝線の稲荷町-不二越間。2019年4月に富山県立大学看護学部ができる予定で、その通学需要に応えるために2019年3月のダイヤ改正に合わせて開業します。富山地方鉄道では2015年2月に開業した新黒部以来の新駅開業です。建設費は約6800万円です。なお、新駅の名前はまだ決まっていません。富山県立大学看護学部前にするのでしょうか?
(追記1)
2019年3月16日、富山地方鉄道不二越・上滝線稲荷町-不二越間に新駅が開業しました。駅の名前は栄町(県立中央病院口)といいます。
(追記2)
あいの風とやま鉄道の新駅の開業は半年遅れて、2021年10月ごろになるようです。
(追記3)
さらに半年遅れて2022年3月開業予定となったあいの風とやま鉄道の新駅ですが、駅名が決まりました。新富山口です。
(参考:Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180220-00096688-kitanihon-l16、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31047130Y8A520C1LB0000/、railf.jp https://railf.jp/news/2019/03/18/180000.html、中日新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20200114/CK2020011402000007.html、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20210217-1737256/)
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東武宇都宮線は1931年に開業しました。開業当初は大谷石の輸送がメインでしたが、今は沿線の通勤・通学輸送がメインで、1日約24000人の利用があります。その東武宇都宮線を運営している東武は、6月16日に栃木県庁で開催される予定の「栃木県県民の日記念イベント」に合わせて、東武宇都宮線に無料で乗車することのできる、「東武宇都宮線フリー乗車DAY」を行います。
当日は、栃木-東武宇都宮間の各駅改札前で、栃木-東武宇都宮間で利用することができるフリー乗車券(定期券サイズ)を配布しますので、それを使って乗ることができます。沿線の小学生13校約5000人に対しては事前にフリー乗車券を配っていますので、それを使って乗ることができます。
当日は「東武宇都宮線フリー乗車記念スタンプラリー」を行い(先着1万人に20400型(20000系をリニューアルした車両)が描かれたクレラップをプレゼントします)、東武グループの東武宇都宮百貨店や宇都宮東武ホテルグランデでは、フリー乗車券を呈示した人に飲食の優待などを行います。また、この「東武宇都宮線フリー乗車DAY」は栃木県、宇都宮市、壬生町、栃木市の後援を得ています。そこで沿線自治体の施設や商店などにも協力をしてもらい、施設入館料の割引や商品のサービスなども受けられるようにしています。壬生町ではおもちゃのまちバンダイミュージアムなど3か所を回る巡回バスが約30分間隔で走ります。
当日は栃木-宇都宮間で特急料金不要の臨時列車が走ります。8000系と「スカイツリートレイン」が使われ、「スカイツリートレイン」の車内では飲み物や東武鉄道グッズの販売があります。臨時列車は上下14本走ります。
(参考:東武ホームぺージ http://www.tobu.co.jp/file/pdf/5f1d09795e654f3a60d56dc5eb09c20a/180510_1.pdf?date=20180510112553、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20180608-643132/)
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いわきと仙台の間を車で走るなら、常磐道経由のほうが近くて速いのですが、いわきと仙台を結ぶ新常磐交通とジェーアールバス東北の高速バスは、東北道を経由していました。福島第一原発事故による放射能の影響を恐れてのためです。
ところが、新常磐交通とジェーアールバス東北はダイヤ改正を行い、6月15日からいわき-仙台線を常磐道経由で走らせることにします。いわき側では広野インター、常磐富岡インターにも停車しますが、磐越道にある小野インターは経由しないようになります。
本数は1日7往復と変わりませんが、距離が約40キロ短くなるため、いわき駅-仙台駅東口間の所要時間は3時間2分から2時間54分に短縮されます。いわき駅-仙台駅東口間の運賃も2700円から2600円に値下げされますが(往復は4800円から4600円に値下げ)、回数券の設定はなくなります。
(参考:ジェイアールバス東北ホームぺージ http://www.jrbustohoku.co.jp/topics/?TID=914、朝日新聞ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASL5R51Y1L5RUGTB009.html)
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日ごろは「ガッタンゴー」として神岡鉄道の廃線跡に自転車を走らせていますが、6月13日と27日の2回、鉄道車両が走るのです。
この13日と27日はともに水曜日。「ガッタンゴー」が休みの日です。この休みの日を利用して、「おくひだ1号」の運転体験を行うのです。神岡大橋駅のホームから奥飛騨温泉駅のホームの端までの750メートルを2往復することができます(所要時間は30分)。約3キロを走らせることができるのです。ちなみに、運転体験をするにはなぜか普通運転免許が必要だそうです。
3キロも走行できるので、体験費用は1人25000円もしますが、2日間とも(午前、午後5組ずつ合計20組)好評で満員となりました。よって、今から申し込んでも体験することはできませんが、現地に行けば「おくひだ1号」が走る様子を見ることならできます。写真を撮るならお金は要りませんが、できる限り現地で食事などをしてお金を落としたほうが良いでしょう。
(参考:「レールマウンテンバイク・ガッタンゴー」ホームページ https://rail-mtb.com/course/okuhida-gou/、https://rail-mtb.com/src/uploads/2018/05/d47bfb6627b63bcdeacd8a7ee5d6ca43.pdf)
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来年、2019年の春に、筑肥線に新たな駅が開業します。
新駅ができるのは波多江-筑前前原間。駅名はすでに決まっていて、糸島高校前です。両駅からほぼ中間に位置しています(波多江-糸島高校前間、糸島高校前-筑前前原間ともに1.3キロずつ)。新駅に糸島高校前と名付けた理由は、新駅周辺に糸島高校があり、かつ糸島市内に糸島の名前がついた駅がないからです(代表駅は筑前前原)。建設費は9.4億円、駅前広場やアクセス道路などの周辺整備を含めると25億円、1日当たりの乗車人数は2314人を見込んでいます。
さて、筑肥線の沿線には九大の伊都キャンパスがあります。福岡市と糸島市にまたがるところです。今は一部学部だけの伊都キャンパスですが、秋にほかの学部も一部を除いてやってきます。この伊都キャンパスは筑肥線から少々離れていて、交通アクセスはバス、自転車、車に頼らざるを得ないのですが、通勤・通学時間帯には周辺道路での渋滞等が発生しています。そこで出てきたのが、伊都キャンパスと筑肥線の駅とを結ぶ新たな公共交通システムの導入の話です。
新たな公共交通システムには3案あります。鉄道、モノレールや新交通システム、LRTの3つが考えられていますが、筑肥線への直通運転が可能なこと、所要時間の大幅な短縮が図られること、建設費と今後50年のコストが最も安いこと(単線での建設を前提にしています)、の3つの点から考えて、鉄道が最も有利だと結論付けられました。モノレールや新交通システムは建設費も維持費も高く、LRTは建設費は安いが維持費がかかるからです。筑肥線との接続点は約4キロと一番近くて、建設に支障する建物が少ない波多江が考えられていて、事業費は260~290億円。途中に1駅ができるようです。所要時間は現在バスで15分かかるところが、鉄道だと7分になります。1日当たりの利用者は8500~12000人、年間収入は5.4~7.6億円、維持管理費は年間4億円と推計され、上下分離方式にすれば、開業後50年以内に黒字化すると見込まれています。
今後糸島市はこのコンサルタント会社の調査結果を踏まえて、福岡県、九大、九州経済連合会、JR九州あたりと検討していくようです。鉄道の整備は理想的かもしれませんが、道路事情が許せば、とりあえずは連節バスを導入するのがいいかもしれません。
(参考:JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2018/05/30/180530_001.pdf、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180531/ddl/k40/020/328000c、https://mainichi.jp/articles/20180609/ddl/k40/100/331000c、西日本新聞ホームぺージ https://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_toshiken/article/423189/、テレビ西日本ホームぺージ https://www.tnc.co.jp/news/articles/NID2018060602051)
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札幌市は2030年の冬季オリンピック招致を目指しています。もともとは2026年の予定でしたが、新幹線を2026年に開業させるのは難しいことから、方針を変えたのです。
そうだからこそ、次の2030年のオリンピックには間に合わせないといけません。実際に新幹線を整備する鉄道建設・運輸施設整備支援機構は北海道新幹線の札幌延伸時期を2031年春としていますが、札幌市はそれを1年ほど前倒しするように求めています。
ところが、その鉄道建設・運輸施設整備支援機構は新幹線の前倒しは難しいとしています。今回建設される新函館北斗-札幌間はトンネルが8割を占めるため、工期を短縮させるためには掘削した土砂を受け入れる場所を確保する必要があります。今のところ、受け入れ先が決まったのは半分ほどです。また、工事も予定より長くかかるようで、2030年2月の冬季オリンピックには間に合わないのです。
少々時間はかかっても、冬場でも安定的に運行できる新幹線の存在は、オリンピックにとって欠かせないものです。外国の人に新幹線の威力を見せつけるチャンスです。また、苦境が続くJR北海道の経営を改善させるためにも、北海道新幹線の早期開業は欠かせません。頭の痛い問題です。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20180607/ddr/041/020/004000c、UHBニュースホームぺージ https://uhb.jp/news/?id=4849)
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東海道・山陽新幹線は交通系ICカードで乗車することができますが、JR東日本などが運営する東北新幹線等はこれまで、首都圏のごく一部の区間を除いては交通系ICカードでの乗車はできませんでした。
しかし、JR東日本、JR北海道、JR西日本の3社は、2019年度末を目標に、交通系ICカードを新幹線の自動改札機にタッチするだけで乗車できるようにします。この新しいサービスは、「えきねっと」もしくは「e5489」で予約し(指定席も自由席も可能です。運賃と料金がセットになった商品を購入します)、手持ちの交通系ICカード(「Suica」、「Kitaca」、「ICOCA」)を登録すれば、自動改札機にタッチするだけで新幹線に乗車することができるのです。事前に駅の窓口や券売機で切符を買う必要がないのです。「スマートEX」のように、クレジットカードも要りません。同一列車、同一行程なら1回の予約で6人まで乗車することができます(交通系ICカードは各自が持つ必要があります)。子供もこのサービスで乗車することができます。JR東日本の「タッチでGo!新幹線」を発展させたものと言えるでしょう。なお、JR東日本の「モバイルSuica特急券」はこのサービスの開始に合わせて終了します。
新しいサービスが提供される区間は、東北・北海道、上越、北陸、山形、秋田の各新幹線の停車駅相互間。ただし、「e5489」の場合は、北陸新幹線に限ります。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/06/page_12470.html)
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北大阪急行の千里中央以北はただいま延伸中であり、2020年度末に開業する予定です。この約2.5キロの延伸区間には2つの駅がつくられます。これまで終着駅は新箕面、中間駅は箕面船場という仮称だったのですが、5日に箕面市から駅名についての発表がありました。
市民らに公募して集まった1435件の案から、関連団体(地元自治会、北大阪急行、阪大など)で構成する駅名検討会議で選ばれた駅名は、終着駅が箕面萱野<かやの>、中間駅が箕面船場阪大前です。終着駅の萱野は、駅周辺の地名から採りました。中間駅に阪大の名前がついているのは、阪大外国語学部(旧:大阪外大)が2021年4月までにこの新駅の近くに移ってくるからです。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31386880V00C18A6LKA000/、産経WEST https://www.sankei.com/west/news/150617/wst1506170093-n1.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/80630)
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マイナンバーカードは身分証明書として使えるほか、税金の申告などでも使えます。3か月以上前の2月20日のことですが、姫路でこれに新たな機能を持たせる実証実験が行われました。
それはマイナンバーカードに高齢者用のバス割引機能を持たせるというもの。税理士への情報サービスで知られているTKC(本社:宇都宮市)は、姫路市や神姫バスの協力を得て、マイナンバーカードを使ったバス優待実験を行いました。総務省の「公共交通分野におけるマイナンバーカードの利活用実現に向けた諸問題に関する調査研究」事業のひとつとして行ったのですが、27人の市民モニターが実証実験用のマイナンバーカードを使って、バスに乗り降りしました。あらかじめ申し込んだ高齢者がマイナンバーカードをバス車内の端末にかざすと、優待乗車の対象者だと判断し、バスの運賃が割り引かれるのです。
この実証実験によって、マイナンバーカードがいろいろなところで使えることを自治体、市民の両方に認識してもらい、市民にマイナンバーカードを取得してもらうことも狙っています。今はまだマイナンバーカードを活用できていない状態なのです。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2018/02/21/306337.html、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27156710Q8A220C1L60000/、神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/201802/0011003391.shtml)
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京阪神を高速で駆け抜ける、新快速。新快速は東は敦賀、西は姫路といったかなりの距離を走り、長い距離を乗る人もいます。座席もそれに対応して転換クロスシートを備えていますが、速さを武器にする人気列車ですので、立っている人も結構多いです。
その新快速ですが、JR西日本は有料座席を導入することを検討しています(指定席にするか、自由席にするかはこれから決めます。運行区間も未定です)。中期経営計画の最終年度となる2022年度までに実現することを目指しています。新快速に有料座席を連結する方法のほかに、別に着席用の列車を走らせるという話もあります。
関西ではJRも私鉄も自慢の車両を無料の列車として走らせているため、有料の列車を走らせても意味はないと言われています。しかし、近鉄や南海は昔から有料の列車を走らせていますし、京阪や泉北など、新たに有料列車を走らせるところもあります。JRは国鉄時代、東海道・山陽線の快速にグリーン車を連結していましたが、JRになる前に廃止になってしまいました。その反省を踏まえて、どのようなサービスを提供するか、楽しみです。
なお、京阪神間でライバルとなっている阪急は、乗車時間が短く、ニーズが高くないとして、有料座席の導入に否定的です。
(参考:ニュースイッチホームぺージ https://newswitch.jp/p/13210、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180606/k00/00e/020/274000c)
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観光地ではなく、都市内の交通としてロープウェイを導入するという構想はありますが、横浜でもその動きが出てきました。
横浜市都市整備局は、臨海部の回遊性を高める、「まちを楽しむ多彩な交通の充実」を目指して、公費負担を求めない事業提案を求めていました。2017年12月26日までの応募で出てきたのが、ロープウェイなどを使った空中交通。横浜市内の4社が出資した株式会社YNPの提案で、横浜駅東口と新たな開発が進む山下ふ頭とを結びます。横浜の海沿いを空から楽しめるようなルートをたどります。横浜港内や河川などの水上交通や陸上の交通網と接続し、横浜を回遊する観光客を増やします。同じような提案はほかからも出されていて、そことも連携していきます。
実はこのような空中交通は、1989年に、横浜・みなとみらい21地区で開かれた横浜博覧会で実績があります。ゴンドラリフトが、横浜そごう2階デッキから横浜港の上空を経由して、現在のけいゆう病院近くにあった会場まで約770メートルを結んでいました。横浜博覧会の開催期間中、延べ約305万人が利用しました。
(追記)
桜木町駅前と新港ふ頭との間を結ぶロープウェイ、「YOKOHAMA AIR CABIN」は2021年4月22日に開業しました。
(参考:カナロコ http://www.kanaloco.jp/article/301177、「鉄道ジャーナル」2021年7月号 鉄道ジャーナル社)
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JR西日本は三江線を廃止する際、沿線の広島、島根の両県と6市町に17億5700万円の負担を行いました。代替バスの運行経費などのためです。
結構な金額ですが、JR西日本はさらに広島、島根の両県に合わせて1億円の寄付を行いました。内訳は広島県が3000万円、島根県が7000万円です。
寄付の使い道は決められていません。両県が沿線自治体に配ることもできますが、「三江線沿線地域の活性化のため」という名目から、代替バスの利便性向上や利用促進など、代替バス関連に使われるとも言われています。国からの補助金が見込み通りにもらえなかったので、それをある程度は埋めることになるのでしょう。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180525/ddl/k32/010/365000c)
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しなの鉄道が老朽化した115系(ほとんどが1978年製なので、40年が経過したことになります。近年故障件数が増え、JRで115系の廃車が相次いでいることから、部品の調達が困難になっているようです)の置き換え用に新型車両を投入する(観光列車以外をすべて置き換えます)という話は以前にも書きましたが、その続報です。
新型車両の投入期間は2019年度から2026年度の8年間。26編成52両を投入します。総事業費は約110億円で、国が1/3、長野県が1/6、沿線市町が1/6、しなの鉄道が1/3の割合で負担します。車両を製造するのはJR東日本系列の株式会社総合車両製作所、軽量ステンレス鋼です。車椅子対応洋式トイレを備え(現行車両にはトイレすらありません。そのため、トイレを求める声は多くありました。し尿の処理施設を小型化することができ、コストも下がったので、今回、車両にトイレを設けるようにしたのです。し尿処理施設は戸倉の車両基地内に1億円かけて整備します)、自動制御方式によって快適な車内温度を設定することができます。ドアの開閉はボタンを押して行い(重たい扉を手で開ける必要がありません)、台車は空気ばねです。使用電力量は半分程度になり、運用コストとCO2を削減することができます。車両検修費等の維持管理コストも減らすことができます。実は、しなの鉄道は115系の置き換えを中古車両で行う予定でしたが、新車にしたほうが使用電力量が半分になるなどの原因で、今後32年間の累計費用が下がるのです。中古を持ってくれば557億円かかるところ、新車なら257億円で済むのです。ホームと車両の段差は210ミリになり(115系は305ミリ)、かさ上げされた場所ではほぼフラットになります。座席の横幅は430ミリから540ミリに拡大され、ゆったりとなります。
座席配置は2パターン用意します。3編成つくられるライナー用(定員228人、うち座席80席)と一般用(定員270人、うち座席100席)です。投入初年度(2019年度、実際の運行は2020年7月ごろから)は、ライナー用を3編成投入します。収益性を考慮しての判断です。ロングシートにもクロスシートにもなるライナー用車両は朝夕の有料ライナーとして使用します。有料のライナー列車は2015年3月以来の復活で、現行の快速の一部を有料ライナーに変更します。朝夕以外は座席シートをロングシートにして、一般車両として使用します。休日は観光用の有料ライナーとして走らせます。休日は北しなの線にも乗り入れます。残りの23編成はセミクロスシートの一般用です。ただ、E129系のようにクロスシート部分は少なく、ロングシートが主体です。
(追記)
115系を改造した「ろくもん」にはトイレがありますが、このトイレについてはバキュームカーで対応しています。
(参考:しなの鉄道ホームぺージ http://www.shinanorailway.co.jp/news/20180531_torishimariyakukai_syaryou_gaiyou.pdf、信毎web http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180601/KT180531FTI090012000.php、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31216500R30C18A5L31000/、「鉄道ジャーナル」2018年12月号 鉄道ジャーナル社、東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/307833?page=2)
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秋田新幹線は岩手県と秋田県との県境付近で奥羽山脈を横断します。昔の鉄道であるため、長いトンネルで一気に抜けるようなことはせず、山の間を縫うようにして走るため線形が悪く、雨や雪などの悪天候に弱く、運休や遅れが発生することが多くあります。
そこでJR東日本は、防災面での強化と運行の安定化を目的として、県境の赤渕-田沢湖間(18.1キロ)において、新トンネル建設を含む新しいルートの整備を考えています。現在でもこの区間には約3.9キロの仙岩トンネルなどがありますが、これよりも長い、単線の新トンネルをつくるようです。ルートは複数検討されていて、すでにボーリング調査に着手しています。
この話、山形新幹線でも聞いたようなことです。山形新幹線も秋田新幹線も新幹線と名乗っていますが、基本的には在来線規格なので、災害に弱いのです。ただ、山形新幹線にはお金をかけて新幹線規格でつくるという話がありますが、秋田新幹線は整備新幹線のルートにはないため、単線案しかありません。JR東日本によれば、赤渕-田沢湖間の改良は、トンネル建設等にお金がかかりますが、維持費が減り、災害に強いなどのメリットがあるとのことです。鉄道がその特性を発揮することのできる幹線の改良は、自力で行うにしろ、国や地方自治体の力を借りるにしろ、積極的に進めたいものです。
(追記1)
赤渕-田沢湖間につくるトンネルは長さが約15キロ(ほぼ直線に近いルートです)、工期は10年以上かかる見通しです。総事業費は600~700億円(ちなみに秋田新幹線建設時の直接工費は598億円でした)で、このトンネルの開通により東京-秋田間の所要時間は約7分短縮されます。
(追記2)
現在、県境付近はカーブが多いため、最高でも80~90キロしか出ません。秋田新幹線全体で見ても、トップスピードの130キロを出すことができるのは、全体の2割程度です。新たにトンネルをつくれば、160キロを出せるようなので、倍近いスピードとなります。
(参考:河北新報ホームぺージ https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180601_73007.html、https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180608_72067.html、https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180619_41024.html、秋田魁新報ホームぺージ http://www.sakigake.jp/news/article/20180601AK0007/、http://www.sakigake.jp/news/article/20180609AK0002/、産経ニュース https://www.sankei.com/politics/news/180608/plt1806080014-n1.html、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/shin-sengan2018/)
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以前紹介した、西鉄の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」(2019年春運行開始予定)に関する続報です。1か月以上も前の4月26日に西鉄から発表されたことですが、料理、料理監修者、運行概要について決まりました。
料理のメインは列車内の窯で焼き上げるピザ。意外な選択です。そのほかのアミューズや前菜も産地や旬にこだわっていて、沿線のものを食べることができます(ピザの小麦も筑後産です。実は福岡県の小麦生産量は、北海道に次ぐ全国2位です。意外に多いのです)。ウェルカムドリンクは、「あまおうプレミアムスパークリングワイン」で、食事中のドリンクも沿線でつくられた地酒や果実酒です。メニューは季節ごとに変える予定ですが、運行開始時の春のメニューのピザは、八女産のタケノコや大木町産のアスパラガスをふんだんに使った、香り豊かで食感も楽しむことのできるものとなっています。料理の監修をするのは、東京、軽井沢、京都の3か所でピザを中心としたレストランを経営している、株式会社エンボカの今井正氏(ピザ担当)と福岡在住の料理家の渡辺康啓氏(アミューズ、前菜担当)の2人。両氏は沿線の食材選びから行います。
「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」が走るのは、金曜日と休日。ランチとして西鉄福岡(天神)発大牟田行き(11:30ごろの出発、所要時間約2時間、柳川で降車可)、ディナーとして大牟田発西鉄福岡(天神)行き(17:00ごろの出発、所要時間約2時間、柳川で乗車可)を走らせます。柳川で乗降車が可能ということは、西鉄福岡(天神)-柳川間で余裕をもって食べることができるようになっているのでしょう。将来的には、モーニング時間帯の運行も考えているようです(西鉄福岡(天神)から大牟田に向けて走る予定です)。なお、料金や予約開始日、制服等は9月ごろに発表、車両の御披露目は2019年2月の予定です。
(参考:西鉄ホームぺージ http://www.nishitetsu.co.jp/release/2018/18_010.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/80443)
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こちらもまた、hanwa0724さんのblogで見つけたものです。
以前、デビューしてから50年以上が経過した南海6000系についての記事を書きました。その段階では6000系をリニューアルするのか置き換えるのか判断がつかなかったのですが、5月18日の2018年3月期決算説明会で出された資料に、その答えが載っていました。
結論から言えば、6000系は新しい車両に置き換えられます。2018年度から2020年度の3年間に42億円かけて30両をつくります。最初の車両は2019年秋にデビューする見込みです。その後も置き換えは進み、2023年度までの6年間で全車両72両を置き換えます。車両については省エネ型であることしかわかりませんが、参考にした南海のホームページでは8300系の写真が載っていますので、8300系みたいな車両が走ると思われます。訪日外国人などの理由でそれなりに新車が入っている南海本線と違い、高野線では2005年以来の新車となります(泉北高速関連は除きます)。しかも、2005年の車両は2300系なので、基本的には橋本以北には走りません。実質的には21世紀になって初めての新車となります。
このほか、詳しいことはわかりませんが、高野線の増発も考えている、とのことです。こちらも訪日外国人に向けての施策であることを考えると、橋本以南の増発を考えているのでしょうか?
(参考:南海ホームぺージ http://www.nankai.co.jp/library/ir/setsumei/pdf/setsumei_180518.pdf、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30672930Y8A510C1AM1000/)
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hanwa0724さんのblogで、面白い記事を見つけましたので、当blogでも取り上げることにします。
JR西日本のホームページに、「JR西日本の保有車両一覧」という名前のページがあります。新幹線から貨車まで、JR西日本の保有する車両を製造年度別に分けて表にしたものです(数字は2018年3月末現在)。在来線車両5375両のうち、国鉄時代のものは1701両、1/3を割り込んでいます。国鉄型で一番多く残っているのは、115系の363両で、201系の210両、キハ47・キハ48形の184両と続きます。103系は大阪環状線や阪和線で置き換えが進んだためか、98両にまで減っています。
さて、この一覧の下に、3つの注記があります。381系、113系・117系、681系・281系・283系に関する置き換え計画です。まず、唯一の国鉄型特急用車両、381系は、2022~2023年に約60両を新製車両に置き換えます。振り子などのカーブを高速で走る機能が維持されるのかが注目です。113系、117系は、2022~2025年に約170両を新製車両に置き換えます。225系などに置き換えられると考えられますが、残るものもそれなりにあります。681系・281系・283系は、2024~2027年に約110両を新製車両に置き換えます。681系等が置き換えられるころには、北陸新幹線が敦賀まで開業します。そうなったら、交直流の特急用車両は要りませんし、敦賀まで行けばいいのですから、必要な車両も減ります。置き換え計画に681系のほかに281系も掲げられているのを考えると、「サンダーバード」と「はるか」を一体化して、敦賀-関西空港間を直通するのでしょうか? 置き換えのころには東海道線支線が地下化され、大阪駅に近い北梅田に駅ができます。北梅田を通れば、「サンダーバード」の役目も果たせるのです。
さて、このJR西日本の置き換え計画、予定通り進むのでしょうか? もっとも、この計画だけでは国鉄型車両を一掃することはできません。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/company/business/material/pdf/list_rolling_stock.pdf)
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