秋田新幹線も県境にトンネル構想
秋田新幹線は岩手県と秋田県との県境付近で奥羽山脈を横断します。昔の鉄道であるため、長いトンネルで一気に抜けるようなことはせず、山の間を縫うようにして走るため線形が悪く、雨や雪などの悪天候に弱く、運休や遅れが発生することが多くあります。
そこでJR東日本は、防災面での強化と運行の安定化を目的として、県境の赤渕-田沢湖間(18.1キロ)において、新トンネル建設を含む新しいルートの整備を考えています。現在でもこの区間には約3.9キロの仙岩トンネルなどがありますが、これよりも長い、単線の新トンネルをつくるようです。ルートは複数検討されていて、すでにボーリング調査に着手しています。
この話、山形新幹線でも聞いたようなことです。山形新幹線も秋田新幹線も新幹線と名乗っていますが、基本的には在来線規格なので、災害に弱いのです。ただ、山形新幹線にはお金をかけて新幹線規格でつくるという話がありますが、秋田新幹線は整備新幹線のルートにはないため、単線案しかありません。JR東日本によれば、赤渕-田沢湖間の改良は、トンネル建設等にお金がかかりますが、維持費が減り、災害に強いなどのメリットがあるとのことです。鉄道がその特性を発揮することのできる幹線の改良は、自力で行うにしろ、国や地方自治体の力を借りるにしろ、積極的に進めたいものです。
(追記1)
赤渕-田沢湖間につくるトンネルは長さが約15キロ(ほぼ直線に近いルートです)、工期は10年以上かかる見通しです。総事業費は600~700億円(ちなみに秋田新幹線建設時の直接工費は598億円でした)で、このトンネルの開通により東京-秋田間の所要時間は約7分短縮されます。
(追記2)
現在、県境付近はカーブが多いため、最高でも80~90キロしか出ません。秋田新幹線全体で見ても、トップスピードの130キロを出すことができるのは、全体の2割程度です。新たにトンネルをつくれば、160キロを出せるようなので、倍近いスピードとなります。
(参考:河北新報ホームぺージ https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180601_73007.html、https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180608_72067.html、https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180619_41024.html、秋田魁新報ホームぺージ http://www.sakigake.jp/news/article/20180601AK0007/、http://www.sakigake.jp/news/article/20180609AK0002/、産経ニュース https://www.sankei.com/politics/news/180608/plt1806080014-n1.html、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/shin-sengan2018/)
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Comments
新ルートでは報道によると160km/hを目指すとの事。行政も今の10倍くらい鉄道に出資してバイパス線路を少しづつ整備すると良いと考えます。ヨーロッパの高速新線の考え方と同じで。
Posted by: 仙台藩士 | 2018.06.19 08:06 AM
仙台藩士さん、こんばんは。
* 新ルートでは報道によると160km/hを目指すとの事。
ソースが判明しましたので、記事に追記しました。
* 行政も今の10倍くらい鉄道に出資して
新幹線、特急が多数通る幹線、通勤路線といった鉄道がその特性を発揮する路線には、税金を使ってでも投資しなければならないでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2018.06.19 09:46 PM