くま川鉄道の朝のラッシュ時が混む理由
熊本県の第三セクター、くま川鉄道の平日朝の乗車率は130%にもなります。大都市の鉄道ならともかく、地方の第三セクター鉄道が、なぜそこまで混むのでしょうか?
もともとくま川鉄道の利用者で8割もの多数を占めていたのは通学生でしたが、年々減少していました。それが変わったのが、2015年。県立高校の再編によって、沿線にあった多良木高校が2019年に閉校することになり、生徒の募集をやめました。そこで地元の高校がなくなった多良木町や湯前町に住む生徒は、この地域では主要都市になる人吉方面に行くことになり、朝の混雑が激しくなったのです。無人駅が多いため、朝のラッシュ時には、本社から係員がやってきて、車内の奥に行くように誘導し、何とか乗客を詰め込んで運んでいます。乗降時間が長くなるため、列車も遅くなることがあります。
増便や増結をすれば話は解決するのですが、くま川鉄道の持っている鉄道車両は5両のため、増便や増結は難しいです。しかも、くま川鉄道の車両はすべて観光仕様のため、詰め込みが利かないのです。水戸岡氏のデザインの欠点です。通学に適した新車を購入する費用もありません。2019年には多良木高校が閉校するため、さらに混雑は悪化するとみられています。
通学客が増えるということは、その分だけ収入が増えることになります。くま川鉄道の場合、確かに定期券利用者は増えました。しかし、定期券以外の利用客は減り、経営への改善効果はありません。バスで混雑を解消しようとすれば、なぜ鉄道がいるのか、という話になってしまいます。喜んでばかりではいられない話です。
(参考:西日本新聞ホームぺージ https://www.nishinippon.co.jp/nnp/anatoku/article/434798/)
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