マレーシアの高速鉄道、中止? 延期?
以前、マレーシアに高速鉄道をつくるという記事を書きましたが、その後どうなったのでしょうか?
大きく流れが変わったのは、5月の政権交代に伴う、マハティール首相の就任。高速鉄道はクアラルンプールとシンガポールの間、約350キロを約90分で結ぶというもので、ナジブ前首相が推進し、2026年の開業を目標としていました。政権交代の直後、マハティール首相は多額の費用がかかることを理由に中止する方針を決め、シンガポールと協議をしていました。
しかし、すでに用地買収が進み、多額の金額が出ています。また、中止になれば、マレーシアはシンガポールに多額の違約金を支払わなくてはならないようです。そこで、マレーシアとシンガポールは高速鉄道事業を中止にはせず、延期をすることで合意をしたようです。開業時期をどの程度遅らせるかは、今後協議します。
もっとも、マレーシアの高速鉄道は、大部分がマレーシア国内を通り、シンガポールの部分はごくわずかです。それなのに、シンガポールの受ける経済的な利益は大きいと言われています。鉄道の整備は望ましいことですが、再び前に進むまでには時間がかかるようです。
(追記1)
9月5日、マレーシアとシンガポールは高速鉄道の着工を2020年5月まで延期することを合意しました。これに伴い、開業時期は2031年1月に延期されました。
なお、マレーシアは延期したことにより、シンガポールに約12億円を支払います。2020年5月末までに着工できなければ、違約金はさらに増えます。
(追記2)
マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道ですが、2020年12月(新型コロナウイルスの影響で合意期限が延びていました)になっても合意ができなかったため、計画は中止になってしまいました。今後、具体的な金額は不明ですがマレーシアからシンガポールに違約金が支払われます。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3457894024082018NNE000/、朝日新聞9月6日朝刊 中部14版、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/103402)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
「海外」カテゴリの記事
- オーストリアで寝台車を増備(2022.04.24)
- サウジアラビアの女子大構内に鉄道(2022.02.26)
- カナダでも指さし確認(2021.06.06)
- 「ユーロスター」がコロナで経営危機(2021.05.02)
Comments