南海高野線堺東駅付近の立体交差化について
堺市の中心と言える駅は、南海高野線の堺東駅。しかし、その堺東駅は今でも地平駅のままです。
ところが、その堺東駅付近に立体交差化の話があります。その区間は浅香山駅から堺東駅付近の約3.0キロ。大和川から三国ヶ丘駅の手前まで立体交差になります。自動車や歩行者のボトルネック踏切(1日の踏切自動車交通遮断量が5万以上の浅香山3号踏切、1日当たりの踏切自動車交通遮断量と踏切歩行者等交通遮断量の和が5万以上かつ1日当たりの踏切歩行者等交通遮断量が2万以上の踏切)などを含めて10か所の踏切を除却します。
立体交差については4案が考えられています。なお、この4案には全線地下というものは考えられていません。というのも、浅香山駅を地下にした場合、大和川の護岸とぶつかり、経済性及び災害時の安全性において実現性が極めて低いことから、採用されませんでした。
A案は堺東駅付近を除いて西側に仮線を敷設し、浅香山駅付近は1層高架、堺東駅付近は2層高架にするものです。現在立体交差になっている北花田口跨線橋を2層高架で乗り越えるのです。B案は堺東駅付近を除き西側に仮線を敷設し、全区間1層高架にするものです。このままでは北花田口跨線橋にぶつかってしまうので、北花田口跨線橋を撤去し、大阪和泉泉南線を地下化します。C案は堺東駅付近を除き西側に仮線を敷設し、浅香山駅付近は1層高架、堺東駅付近は1層地下にするものです。途中で高架から地下に切り替わるので、その境の浅香山5号踏切付近は通行できず、迂回を余儀なくされます。D案は浅香山駅付近と堺東2号踏切以南は西側に仮線を敷設し、浅香山駅付近から浅香山7号踏切付近まで現在線より東に高架をつくります。浅香山駅付近は1層高架、堺東駅付近は2層高架にするものです。
さて、堺市はこの4案をどのように評価しているのでしょうか? 優劣ははっきりしています。社会的、経済的にみて、A案、D案は同等で、それに比べてB案は劣り、C案の評価がいちばん低いです。B案は跨線橋の撤去や大阪和泉泉南線の地下化を行うことでコストがかかるので、評価が低くなっています。C案は地下化を行うためコストがかかり、工事も難しいです。浅香山5号踏切付近で迂回を迫られることも評価を下げています。工期(用地買収の期間は除きます)もA案は約13年、D案は約11年であるのに対して、B案は約23年、C案は約20年かかります。ほかの面を見ても、A案やD案は致命的な欠陥はなさそうですが、B案やC案には致命的な欠陥がある箇所があります。
これから考えると、A案やD案を軸に話が進みそうですが、まだ案をつくっている段階です。12月3日まで意見を募集しています。実際に立体交差化が行われるとしても、実現するのはまだまだ先のことでしょう。今の時点では、2040年度ごろの完成を目指しています。
(参考:堺市ホームぺージ http://www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/rittaisuishin/kouyasen/kouyasenkankyou.html、朝日新聞ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASLBL6RQKLBLPPTB008.html)
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Comments
トラックバック代わりにコメントさせていただきました。
個人的には、出身高校が近くにあるだけに、高架化は早く進んで欲しいな、と思っていましたが、アセスの関係から地下も含めた複数案を提示する必要があるのですね…
意見募集も行われているとのことですので、私も何か意見してみようかな、とも思いました…
Posted by: hanwa0724 | 2018.11.04 11:38 AM
hanwa0724 さん、こんばんは。
* 個人的には、出身高校が近くにあるだけに、高架化は
どうやら立体交差化が行われるとしても、まだまだ先のことのようです。
Posted by: たべちゃん | 2018.11.04 10:12 PM