北神急行、地下鉄に?
北神急行は六甲山をぶち抜いて、北区の谷上と都心に近い新神戸を結ぶ全長7.5キロの鉄道です。新神戸からは神戸市営地下鉄に乗り入れ、谷上-三宮間を10分ほどで結びます。
しかし、その北神急行の最大の欠点は、運賃が高いこと。谷上-新神戸間は7.5キロしかないのに360円もします。建設に700億円以上がかかり、その負担をしないといけないからです(北神急行は黒字経営ですが、約246億円の債務超過です)。しかも、三宮など新神戸から先は神戸市営地下鉄になりますので、初乗り運賃がもう一度かかります。谷上-三宮間で540円もするのです。
この360円の運賃ですが、兵庫県や神戸市からの補助金で安くなっているのです。1999年度から全国初の民間鉄道への支援策として、兵庫県と神戸市は補助金を投入しました。これにより本来430円だった運賃が350円になったのです(現在は消費税の増税があり、360円になっています)。補助金の額は2008年度までは毎年2.7億円、2009年度以降は毎年1.35億円です。その後、2002年にトンネルや軌道を神戸高速鉄道に譲渡し、2007年に阪急阪神ホールディングスの連結子会社になりました。
その北神急行ですが、神戸市営地下鉄の一部になるようです。神戸市は阪急と、事業譲渡について協議を始めました。現在の補助金の制度は2018年度で終了し、それに代わる運賃軽減策として、神戸市が提案したのです。北神急行の資産などを神戸市交通局が譲り受け、神戸市営地下鉄として走らせるのです。これが実現すれば(2020年中に事業譲渡がなされる計画です)、運賃の値下げが行われるとみられています。実際には加算運賃がかかるかもしれませんが、仮に谷上-新神戸間に神戸市営地下鉄の運賃を適用すると、270円になります。運賃が安くなって谷上付近の宅地開発が進めば(神戸市北区は人口が減少し続けています)、阪急にも利用者増加というかたちでメリットが出るとも言われています。
(追記)
神戸市営地下鉄と北神急行の一体運行は2020年6月から始める予定です。北神急行の社員は神戸電鉄に出向し、北神急行部分は神戸電鉄に運行を委託します。
(参考:神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201812/0011937272.shtml、https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201812/0011937275.shtml、https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201812/0011939030.shtml、https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201910/0012776375.shtml、産経ニュース https://www.sankei.com/west/news/181227/wst1812270044-n1.html、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39465220X21C18A2LKA000/)
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