運賃0円のタクシー
タクシーに乗るには、お金が必要です。しかし、2018年12月5日から31日の間、その常識を覆すタクシーが走っていました。
そのタクシーは50台ありますが、いずれも日清の「どん兵衛」がラッピングされています。配車可能エリアは渋谷区、新宿区、港区、中央区、千代田区付近で、行き先は東京23区全域可能です。そして、肝心の運賃は0円です。運賃が0円で、どうやってタクシーは稼いでいるのでしょうか? そのからくりは、広告費用で運賃をまかなっているのです。しかも、日清からの広告料はそれほど高くはないようです。
どういうことでしょうか? もうひとつ、からくりがあります。それは、DeNAの行っている「MOV」という名前の配車サービス。利用者がアプリの地図上で乗車したいタクシーと場所を選ぶと、アプリでタクシーのナンバーや到着時刻が知らされます。2019年の後半にはAIによる需要予測サービスを提供し、時間帯、イベント、天候などから客数を予測して最適なルートを提供し、タクシーの稼働率向上に役立てます。DeNAはすでに2018年4月から神奈川県で配車サービスを始めていて、そこでは客が乗車した回数が他社に比べて5~6倍に増えました。東京都内でも同様のサービスを始めていて、2019年春には関西でも始めたいとしています。話がわかりにくいですが、どうやらタクシーの稼働率を上げることによって、収益を上げるシステムのようです。
世界的にライドシェアがもてはやされ、日本でも全面的に導入すべきという声もあります。しかし、車に乗せるサービスとしてタクシーがあります。タクシーは免許制であり、ライドシェアはその規制を意味のないものにしてしまいます。幸い、日本のタクシーのレベルは世界的に見て高いようなので、タクシーが参入できないような過疎地域など、特殊な事例以外は本格的に導入しないほうがよいでしょう。そのため、外国でライドシェアを行っているところでも、日本ではタクシー会社と組んでサービスの向上を行っているぐらいです。ライドシェアの持つ優れた技術をこうやって使っているのです。
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/255403、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3856452005122018000000/)
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