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JR西日本、「みどりの窓口」大幅廃止へ

 新幹線などの切符を売っている、「みどりの窓口」。JR東日本では大幅に縮小していますが、JR西日本は一部が「みどりの券売機プラス」に置き換えられた程度です。

 ところが、今から10年余り先の2030年度ごろには「みどりの窓口」が大幅に減るのです。現在(2018年度初め)には京阪神エリア(340駅)で180駅ありますが、それが2030年度ごろには拠点駅、新幹線駅など30駅程度に激減してしまいます。小さな駅でもある「みどりの窓口」が、ターミナル駅にしかない貴重な存在になるのです。

 なぜこのように極端に「みどりの窓口」が減るのでしょうか? その理由のひとつが、JR西日本の従業員の年齢構成の歪み。2018年4月1日現在、JR西日本の従業員は約30300人いますが、そのうち55歳以上の人が30%超の9430人(定年後再雇用社員を含みます)。彼らは10年もすると引退してしまいます。その後に続く40~54歳の世代は合計しても4100人程度です。国鉄末期で採用を抑制していたため、極端に少ないのです。今後もそれなりに大量採用を続けるのでしょうが、少子高齢化により55歳以上の人の退職をカバーするようなことはできません。もうひとつが、インターネット予約の普及等で「みどりの窓口」に行かなくても、新幹線などの切符を買うことができるようになったこと。ICカードの利用者も増え、75%もの人が使っています。そこで、駅員の仕事を機械でも代替可能な「みどりの窓口」における切符の発券などから、機械ではできない客との対応に振り向けることにしたのです。有人駅がことごとく無人駅になるのではないようなので、駅員が券売機の操作方法を教えることもできます(これも駅員が今後行う業務として残ることになります)。

 「みどりの窓口」激減の代替として、「みどりの券売機プラス」を現在(2018年度初め)の50駅から、2030年度ごろには100駅程度に増やします。しかし、「みどりの窓口」、「みどりの券売機プラス」を合わせて230駅から130駅程度と、半分近くに減ってしまいます。今、「みどりの券売機プラス」があるのは快速が通過するような小さな駅が主体ですが、2030年度ごろには快速停車駅ぐらいになってようやく「みどりの券売機プラス」が設置されるということになるのでしょう。「みどりの窓口」も「みどりの券売機プラス」もないような小さな有人駅には、ICカードの購入やクレジットカードを利用した定期券の購入が可能な高機能型券売機を設置して対応します。特殊な切符ならともかく、新幹線の切符程度は機械に委ねても十分でしょうが、小さな駅でも新幹線の切符を買う程度の機能やインターネットで予約した切符を受け取る機能は欲しいところです。

 早速それを先取りするような話があります。2月末に広島支社管内で3駅の「みどりの窓口」が廃止され、「みどりの券売機プラス」に置き換えられるのです。対象となる3駅は、山陽線の宮島口、柳井、可部線の大町。観光地への玄関となる駅や市の中心駅も対象となっています。外国からの観光客も利用する宮島口から「みどりの窓口」を追い出すというのは選択ミスと思われますが、このような動きはどんどん進んでいくのでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/02/page_13836.html、中国新聞ホームページ https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=506488&comment_sub_id=0&category_id=256)

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