ルクセンブルクの公共交通機関、全部0円
ルクセンブルクはドイツ、フランス、ベルギーに囲まれた小さな国。神奈川県や佐賀県ほどの面積です。ただ金融業などが発達して裕福な国であるので、フランスなど周辺の国から国境を越えて通勤する人がいます。ただ、彼らは自家用車で通勤する人が多く、首都は渋滞しています。
そこでルクセンブルクは2019年夏から、国内の列車やバスなどの公共交通機関を全て無料にする方針です。交通渋滞の緩和や大気汚染対策が狙いです。すでにエストニアは2018年から国内の大半の地域で公共交通機関を無料にしていますが、国内全てを無料にするのは世界初のことです。
ちなみにルクセンブルクは公共交通機関の運営に年間約10億ユーロ(約1280億円)を使っていますが、すでに20歳未満を無料にしていることもあり、運賃収入は年間約3000万ユーロに過ぎません。たとえ運賃を無料にしても減収幅はそれほどではありません。また日本とは違って公共交通機関の運営に税金を投じるのが容認されているので、運賃を無料にするという政策を取ることができます。どんなに利用が少ないローカル線でもJRや大手私鉄に押しつけられてしまうところとは話が違います。
(追記)
ルクセンブルクの公共交通機関の原則無料化は、2020年3月1日から実施されました。
(参考:産経ニュース https://www.sankei.com/world/news/181207/wor1812070024-n1.html、「鉄道ファン」2020年6月号 交友社)
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