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長崎新幹線、このままでは「リレー方式」すらできない?

 2022年度に「リレー方式」によって部分的に開業する長崎新幹線。ところが、驚くべき事実があるのです。

 というのも、19日の中村JR九州社長の発言によれば、これから(乗換駅となる武雄温泉の)新幹線と在来線の高架の高さを合わせる協議をしないといけないようです。つまり、状況によっては新幹線と在来線の高さが合わずに、対面での乗り換えすらできない危険性があるようなのです。「リレー方式」にすらならず、階段の上り下りがいる従来型の乗り換えになる危険性もあるのです。長崎新幹線は少し速くなりますが不便な乗り換えがいるので、メリットは小さいです。将来フル規格になる見通しがあるから我慢できるものなのです。同じ高さにできない事情があるのではないのですから、最低限、新幹線と在来線の高さを合わせることはしないといけないでしょう。

 話は変わりまして、めでたく長崎新幹線が全線フル規格になったとき。在来線の新鳥栖-武雄温泉間が並行在来線になるとも言われています。このうち、佐世保線(肥前山口-武雄温泉-佐世保間、2017年度の輸送密度は6660人)について、中村長崎県知事は、新幹線開業後も並行在来線として分離せず、JR九州による営業を維持することを求めています。なお、長崎線(新鳥栖-肥前山口間)についての発言がないのは、輸送密度が佐賀-肥前山口間でも21434人(2017年度)あり、問題にならないと考えているからでしょう。

 ただこれも、佐賀県知事が言うならともかく、奇妙な話です。長崎新幹線もフル規格でつくるのが望ましいですが(在来線に毛の生えたレベルのスピードでは、車などほかの交通機関に勝てません)、その負担はJR九州に押しつけるのではなく、地元でなんとかしないといけないでしょう。JR九州には、並行在来線の分離を求める権利があります(並行在来線を分離するルール自体の是非はともかくとして)。結局のところ、長崎県がお金を出して負担するしかないとも言えます。
(参考:長崎新聞ホームページ https://this.kiji.is/480924823755277409、https://this.kiji.is/480391195026146401、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/company/info/data/rosenbetsu.html)

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Comments

リレー方式でいく事は一度決まった事、ホーム高さを合わせる事は当然でしょう。これが決まっていない事に驚きです。利用者の事が無視されていたのなら残念な事です。

佐賀県区間においては最大の受益者である長崎県も負担は必要でしょう。しかし、期限内に技術を実現できなかった国、その技術に乗っかった佐賀県にも責任が無いわけではありません。三者とも負担増は避けられないのですからそれを数値を上げて説明した上で建設を進めるべきだと思います。お金が無いならば民間、国外からの資金調達を真剣に考えても良いでしょう。

このまま何もせずに時間が過ぎる事による損失を考えるべきでしょう。

Posted by: アーリーバード | 2019.03.28 07:42 AM

 アーリーバードさん、こんばんは。

* これが決まっていない事に驚きです。

 暫定的にでも「リレー方式」で行くことに決まった以上、新幹線と在来線の高さを合わせることは当然でしょう。

* 佐賀県区間においては

 佐賀県内の建設費を下げたいのならば、佐賀駅に新幹線を停めることは諦めないといけないでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2019.03.28 10:33 PM

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