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広電の「信用降車」で無賃乗車増加

 広電は2018年5月から一部の車両(全125両のうち、一部の低床車16両が対象)で、ICカードで1人分の運賃を支払うときに限り、車両中央にある無人の扉から降りることができる、「信用降車」を行っています。無人の扉には安全確認と不正防止のため、カメラが備えられています。

 広電はそのカメラから6000人分を無作為に抽出して、運賃の支払いがきちんとなされているかを確認しました。その結果、「全扉降車」を始めてあまり時間が経っていない2018年7月の段階では、無賃乗車した人は全体の0.8%でしたが、2018年11、12月には1.1%に増えていました。1日当たりにすると約150人です。無賃乗車で多いのは、降りるときにICカードをタッチして残高不足などでエラー音が鳴ったにもかかわらず、そのまま出て行ってしまうケース。ICカードをタッチせずに降りる客もいました。

 広電は「信用降車」を始めてから1年を目途に、「信用降車」をほかの低床車にも拡大する考えでした。しかし、無賃乗車の割合が増える状況では、簡単に拡大するわけにはいきません。仮に全車両に「信用降車」を拡大し、利用者の1%が無賃乗車をしたら、年間で6000万円の減収になってしまいます。鉄道会社は運賃収入で経営していくのですから(海外では税金でコストを賄い、無料としているところもあります)、無賃乗車をさせてはならないのです。たとえ1%でも許してはならないのです。真面目に払っている人のお金で無賃乗車の分のコストも賄っていることですから。

 犯罪を防ぐために刑罰があるように、無賃乗車についても効果的な刑罰が必要です。しかし現状では3倍までしか請求できません。万単位の定期券ならともかく、1回だけの運賃だと500円程度にしかならないので、痛くもかゆくもありません。無作為に検札係を乗せて、1万円ぐらいの罰金ぐらいは請求できるようにしないといけないでしょう。ほかにも、スペースのある停留所には改札設備を設けることによって無賃乗車しにくくすることも考えられます。
(参考:中国新聞3月12日朝刊)

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