広島の227系が混むわけ
3月16日のダイヤ改正でJR西日本の広島地区の電車は、全て新型の227系に統一されました(芸備線のディーゼルカーは国鉄型のままです)。少し前まで国鉄型だらけだったのに、新型車両に置き換わったのです。新型車両になるのは喜ばしいことなのですが、利用者にとって困ったことが起きているのです。混みすぎて、乗ることができない人もいるのです。
なぜ新型に置き換わると混雑するようになったのでしょうか? それは新型車両の導入に伴い、車両を減らしたからです。広島地区の国鉄時代の車両は、最低でも4両編成でした。しかし2015年にデビューした227系は2両から走ることができ、需要に応じて3両編成から8両編成まできめ細かく走らせることができます。
ところが実際は、混雑するようになったのです。その理由は、JR西日本の読み間違い。2013年に227系の導入を決めたときは乗客数が増えないと考え、山陽線でも時間帯によっては3両で対応できると考えていました。ところが、インバウンドが増え、カープが好調なため、JRを使って野球観戦する客も増えたのです。2015年3月に開業した新白島も年々乗客が増え、広島地区の利用者増につながっています。
JR西日本も全く対策をしていないわけではありません。利用者の少ない便を4両編成から3両編成にして、その浮いた車両で混雑する便の編成を長くしました。とは言っても、混雑する時間帯に3両編成の列車は残っています。広島地区を227系で統一したため、車両が足らないのです。
227系は今後も長い期間使う車両ですから、むやみに増備するわけにはいきません。地方では人口が減り、利用者が減ると考えられているからです。とは言っても、(将来のないローカル線ならともかく)今後もそれなりの需要が見込める路線で、このまま放置していいわけではありません。朝夕のラッシュ時に国鉄型車両を復活させて助っ人として使うか、都市部の利用者の多い区間だけの短距離便をつくるなどの対策が求められるでしょう。
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