佐賀県、負担ゼロでも新幹線を拒否
26日のことですが、山口佐賀県知事は、長崎新幹線のルートについての与党の検討委員会に出席しました。その席で知事は、佐賀県として長崎新幹線の整備を求めていないという意思を明らかにしました。しかも、佐賀県が新幹線の整備を求めないのは、負担が重いからではありません。与党側が佐賀県の負担軽減策を示しても、意味は無かったのです。なお、すでに武雄温泉-長崎間はフル規格での建設が進んでいますが、山口佐賀県知事は「リレー方式」が長引いてもやむを得ないという考えを示しています。
すでに長崎県については9日に聴取を終えたので、これで地元への意見聴取はおしまいです。長崎県は全線フル規格での早期整備を求めています。与党側はこれらの意見を元に長崎新幹線の整備方針をまとめます。
長崎線はそれなりに需要のあるところですから、フル規格新幹線で整備するのが望ましいところですが、これは厳しいことになりました。しかし、「リレー方式」が長引くのは最悪のシナリオです。少々速くなりますが、武雄温泉での面倒な乗り換えが発生し、誰も得にはなりません。部分的に新幹線化されるので値段も上がるでしょうから、バスか車に逃げるのが目に見えています。費用対効果が非常に悪いのも頷けます。「リレー方式」が許されるのは、将来フル規格新幹線が整備されるまでの暫定的な措置だからであって、長崎新幹線みたいにフル規格新幹線の見込みがないところでは導入すべきではありません。
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Comments
佐賀県の対応は残念ながら無責任です。
(気持ちはわかりますが)
利用者の視点がまるで考えられていないからです。
すでに建設されている区間があること、
利用者に乗り換えを強いなければならなくなる事
が無視されています。
本来、新幹線は国の屋台骨です。
国にも応分の責任があります。
(期限内に技術開発ができなかった。)
今の状況から目をそらすのではなく、主導権を握って問題解決をしてほしいです。
賛成反対の議論ではなく、この国の交通はどうあるべきか、昭和39年から今も続く新幹線技術とはどうあるべきかの議論が本来は必要なのではないかと思います。
最後に困るのがJR九州と利用者になる事だけは避けてもらいたいところです。
Posted by: リリィ | 2019.05.01 08:51 PM
リリィさん、おはようございます。
* 佐賀県の対応は残念ながら無責任です。
佐賀から長崎に行く需要はほとんどないでしょうが、だからといって利用者に迷惑をかけることは避けないといけません。
* 国にも応分の責任があります。
これは純粋に技術的な問題ですので、どうしようもないでしょう。お互いの前提条件が崩れただけです。
* この国の交通はどうあるべきか、
自県の負担の話だけに矮小化されています。大都市圏の通勤輸送か新幹線のような高速輸送でないと、鉄道は民間ではやっていけません。そこのところをよく考える必要があります。
Posted by: たべちゃん | 2019.05.02 07:02 AM
佐賀県の反対も「前提条件」が崩れた時点で無効ではないかと思います。
武雄温泉以南がもう建設されている事を踏まえると全線フル規格で建設しないと既存設備がもったいないと思います。
長崎新幹線不要を唱えているみなさんには武雄温泉以南の設備をどう活用するかを考える必要があると思います。
また、整備新幹線の負担枠組み等も法律制定当時と社会情勢が変わっている事から変更の時期に来ていると思います。
Posted by: ゆめ | 2019.05.19 05:09 PM
ゆめさん、こんばんは。
* 武雄温泉以南がもう建設されている事を踏まえると
いくら長崎新幹線の建設を中止にしたとしても、武雄温泉-長崎間はできあがっています。そのことを考えると、ベストは全線フル規格、可はスーパー特急です。
フル規格にするまでのつなぎなら武雄温泉での乗り換えはやむを得ませんが、その見込みがないなら「リレー方式」は不可です。困るのは利用者です。
* また、整備新幹線の負担枠組み等も
「おらが県に新幹線を」というところならこのスキームで良かったのですが、場所によってはそれが通用しないところもあります。
Posted by: たべちゃん | 2019.05.19 05:30 PM