沖縄都市モノレール、3両編成化に伴う車両基地候補は2か所
沖縄都市モノレールに関する話題をいくつか取り上げます。
沖縄都市モノレールの列車は現在2両編成ですが、3両編成にします。そのためには、駅のホームだけでなく、車両基地も大きくしないといけません。車両基地の候補は2つあります。まずひとつは、現在の車両基地に隣接する自衛隊の用地を使う案、そしてもうひとつは新しい終点のてだこ浦西付近にする案です。2つの案には一長一短があります。まず前者は、今の車両基地と一体になって使うことができるのが長所ですが、自衛隊に代替地を用意しなければならず、地権者との交渉が要ります。これに対して後者は広大な土地を確保することができますが、車両基地が2か所に分散します。車両基地をどちらにするかによって3両編成化にかかるコストは大きく変わることもあり(200~290億円)、沖縄都市モノレールは慎重に検討しています。
皆さんも御存じの通り、沖縄都市モノレールは10月1日にてだこ浦西まで延伸しますが、さらなる延伸はあるのでしょうか? 沖縄県が延伸した場合の効果や課題をまとめたところ、検討した5つのルートともに厳しい結果が出ました。検討した5つのルートは、(1)豊見城、糸満方面(2、3)南風原、与那原方面(旭橋接続と首里接続の2ルートを検討)(4)西原(5)中城。いずれのルートでも所要時間の短縮効果により鉄軌道(今回の検討では、鉄軌道は開通しているという前提で行われています)やバスを含めた公共交通全体の利用者は1000~5000人程度、率にすると0.3~2%増加しますが、増加する収入が運行経費を下回るために、採算が取れません。費用便益比は0.08~0.23と極めて低いです(ただし、この試算には沿線の開発の可能性を考慮に入れていないので、実際にはこれより高くなるでしょうが)。現状ではさらなる延伸は難しいとみてよいでしょう。ちなみに、てだこ浦西から伸ばせば良い(4)、(5)を除いて、既存のモノレールからの直通はなく、接続駅で乗り換える前提で検討を行っています。既設区間に分岐器を挿入するのが難しいからです。
今度は延伸後のダイヤの話です。延伸後は那覇空港-てだこ浦西間を往復する便だけでなく、現在の終点である首里で折り返す便もできるようです。てだこ浦西を出て首里に着くまでに混雑してしまうからです。現在の終点である首里近辺の利用者に配慮してのことでしょうか?
(参考:沖縄タイムスホームページ https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/428655、https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/435105、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20190523/rky/00m/040/011000chttps://tabechan.cocolog-nifty.com/note/2018/01/post-ed5e.html、https://tabechan.cocolog-nifty.com/note/2018/01/post-ed5e.html、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/yuirail201906/)
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