「のぞみ」増発で清掃時間短縮
新幹線を増発させる上でネックになるのは、ターミナルの容量。ホームを増設するのは簡単にできないのですから、できるだけ効率的に折り返さないといけません。しかし新幹線は通勤電車ではなく特急列車ですから、清掃作業も欠かせません。いったん車庫に入る列車なら車庫で清掃すればいいのですが、すぐに新大阪方面に折り返す列車(2018年度の場合、1日平均の運行本数は373本。このうち約110本が新大阪方面に折り返します)は東京駅で短時間に効率よく清掃する必要があります。元々新幹線の車内清掃は、短時間にきれいに仕上げることで海外からも注目されていましたが(そのために座席が濡れているかをセンサーで感知してブザーで知らせる小型ほうきなど、特殊な道具を自ら開発しました)、さらに磨きをかけます。
そのきっかけは2020年3月ダイヤ改正での「のぞみ」の増発。1時間に10本から12本に増えます。本数を増やすためにはさらに効率よく清掃しないといけないのです。東海道新幹線で清掃作業を行うJR東海の子会社、新幹線メンテナンス東海は、座席の肘掛けなどの拭き取りを汚れているときだけにしたり、液体石けんの補充回数を少なくしたりなどの方法で清掃業務の2分短縮を行います。16両もの長編成の清掃を約10分で清掃を終えるのです。今でも最短17分で折り返すものがあり、それでも十分に速いのですが、この2分の短縮でさらに短い時間で折り返すことができるようになります。逆に言えばそういうことができる目途が立ったからこそ、増発ができるようになったのです。「ひかり」や「こだま」も清掃にかかる時間を短くします。
(追記)
N700Sの確認試験車のグリーン車は、濡れると座席の柄が変わります。
(参考:東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201906/CK2019060502000272.html、@niftyニュース https://news.nifty.com/article/economy/economyall/12203-90879/)
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