えちごトキめき鉄道、2020年4月に3割値上げ
JR北海道の値上げが話題になっていますが、それでも値上げ幅は1割余りです(区間によっては3割以上のところもあります)。ところが、3割も値上げを行う鉄道があります。
それはえちごトキめき鉄道。2020年4月に3割の値上げを行います。なぜそんなにも値上げをするのでしょうか?
実はえちごトキめき鉄道は北陸新幹線の開業により2015年3月にJR東日本、JR西日本から分離されてできたのですが、そのときは運賃をJR並に据え置きました。この分離から5年目に入り、当初の予定通り、6年目以降の運賃を値上げすることになったのです。もともと運賃をJR時代の1.3倍に引き上げないと経営が成り立たなかったのです。しかも、北陸新幹線開業によってごく一部区間を除いて特急がなくなり、新潟との直通列車も限られたものとなっています。その一方、鉄道施設の維持補修や設備更新が想定以上にかかり、収支は当初の予測より厳しいものとなっています。ワンマン運転や利用実態に合わせた減車を行い、過大な設備の縮小を図り、人員も開業以来約1割減らしました。その一方、観光列車の「雪月花」を使った誘客促進などの増収策を取っていますが、今後も設備の更新に多額の費用がかかると見込まれ、このままでは安定した経営は厳しいとえちごトキめき鉄道は考えました。
さて、3割値上げした後のえちごトキめき鉄道は、かなり運賃の高い鉄道となるのでしょうか? 実はそうではありません。並行在来線の第三セクター7社と比較したところ、現行の運賃は一番安く、3割値上げしても真ん中ぐらいの水準です。JR時代の運賃は特急で稼ぐことを前提にしたもので、それがなくなった新幹線開業後は、何割か値上げして、コストを下げて、国や地元自治体から補助金をもらってようやく何とかやっていける水準になるのです。補助金がないJR時代の運賃が安かっただけで、大都市の通勤圏を除いてはJRより何割か高いのが妥当な運賃水準なのです。
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