静岡県、リニアの見返りを要求
少し前、リニア中央新幹線の静岡県内の工事が止まっているために、開業に遅れが出る危険性があるという趣旨の記事を書きました。その続報です。
これまで静岡県は、リニアの建設工事でトンネル内に出た湧き水を大井川に戻し、環境への影響を抑えることを求めてきました。確かにそれは考えないといけないことでしょうが、ところが11日の記者会見で川勝静岡県知事は別の要求を出してきました。静岡県内にリニアの駅ができないことから、何らかの見返りを求めるというのです。その見返りの額は、沿線の県にJR東海が自ら負担してつくる中間駅相当の金額。数百億円にも上ります。とは言ってもリニアは静岡の山奥を通りますから、リニアの駅をつくっても仕方ありません。推測の話ですが、狙いはJR東海から冷たい態度を取り続けられている静岡空港駅をつくらせることでしょうか?
リニアと静岡県の話では、もうひとつあります。静岡県はリニア沿線の都府県でつくる建設促進期成同盟会への加盟を求めています。もしこれへの加盟が認められない場合、静岡県はリニアのルートを変更し、静岡県を通らないルートにすることを求めます。先ほどの見返りは金では解決できますが(お金持ちのJR東海なら、数百億円の負担は誤差の範囲でしょう)、これはそのレベルを超えた難問です。静岡県内を通らないようにするためには、前後を含めた大幅な変更が必要となります。すでに着工しているので、建設中のトンネルなどを放棄する必要に迫られることにもなります。頭の痛い話です。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20190614-OYT1T50213/、静岡新聞ホームページ https://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/644630.html)
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