以前から記事にしていた近鉄の新型名阪特急ですが、その運行開始日、名称等が決まりました。
2020年3月14日にデビューする新型名阪特急の名称は「ひのとり」。翼を大きく広げて飛翔するロゴマークも決まりました。車両形式は80000系(6両編成8本、8両編成3本の合計11編成、72両をつくります)で、大阪難波-近鉄名古屋間のほか、大阪難波-近鉄奈良間でも走ります。
6両編成、8両編成ともに両先頭車両が「プレミアムシート」のある「プレミアム車両」(以前、「ハイグレード車両」と言われていたものです)、中間車両が「レギュラーシート」のある「レギュラー車両」です。座席以外のサービス設備としては、多目的な用途で利用することのできるベンチを置いたベンチスペース、コーヒーサーバーなどを設置したカフェスポットがあります。インバウンド対応として、乗換案内などを4か国語で案内する大型液晶ディスプレイ(ダイヤが乱れたときは接続他社線を含めてリアルタイムに列車運行情報を提供します)、無料Wi-Fi、大型荷物置き場(各車両にあります)があります。トイレには男性用を除いて、温水洗浄便座やベビーチェアがあります。多目的トイレにはチェンジングボード、ベビーベッド、オストメイト対応設備があります。座席は全席禁煙ですが、3号車には喫煙室があります。客室、デッキ、荷物置き場には防犯カメラを設置しています。全ての客室にはパナソニックの空気清浄機、「ナノイー」を設置しています。
この「ひのとり」に乗るには、運賃、特別急行料金のほか、特別車両料金を払う必要があります。「プレミアム車両」は距離に応じて300~900円、「レギュラー車両」も距離に応じて100~200円の特別車両料金がかかります。大阪難波-近鉄名古屋間の運賃、料金は、「プレミアム車両」が運賃2410円、特別急行料金1930円、特別車両料金900円の合計5240円、「レギュラー車両」が運賃2410円、特別急行料金1930円、特別車両料金200円の合計4540円です(いずれも10月1日の値上げ後の金額です)。
先ほども述べたように、80000系は11編成、72両つくられますが、2020年3月の運行開始当初は6両編成3本だけです。よって運行開始時点では、80000系が使われるのは6往復のみです。2020年度中に残りの8編成がつくられ、名阪特急のうち甲特急が全て「ひのとり」で運行されるようになります。
(追記1)
カフェスポットには、コーヒーサーバーのほか、スナックの自販機も置かれます。なお、飲食物の車内販売をする予定はないようです。
(追記2)
座席にはシートを温める機能もあるようです。また、各車両にあるロッカーは、交通系ICカードを使うと無料で使用できます。
(追記3)
「ひのとり」と言えば、手塚治虫の漫画の「火の鳥」が思い出されますが、念のため事前に手塚プロダクションに説明して、了承を得ているようです。
(追記4)
「ひのとり」は将来の主要駅でのホームドア導入を想定して、車両の扉の位置を一般車両とできるだけ揃えるようにしています。ベンチスペースは扉の位置を合わせることによって生まれたスペースを有効活用したものです。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/sinmeihan.pdf、東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/305151?page=3、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20191119/2000022507.html、「鉄道ジャーナル」2020年6月号 鉄道ジャーナル社 )
Recent Comments