くま川鉄道、座席をロングシートにする
熊本県の第三セクター鉄道、くま川鉄道。所有している車両は5両で、全て観光用の車両です。
しかし、この観光用の車両を朝夕の通学用にも使います。ほかに車両がないからです。ボックスシートなどのある観光用の車両は通学用に不向きで、ローカル線とは思えないほど混んでしまいます。
そこでくま川鉄道は8月下旬に、車両の座席を改造することにしました。窓を向いた座席と4人掛けのテーブル付きボックスシートがなくなり、ロングシートとソファー席だけになります。また、ソファー席にあったテーブルは全てなくなります。車内では食べづらくなります。
ただこのようにロングシート主体の車両になっても、観光列車として使用するときはこれまで通り座席指定制となり、運賃も独自の設定となります(片道1490円、往復2000円。片道は片道運賃の800円増し、往復は一日乗車券の800円増し)。車両を見ていないのでなんとも言えませんが、座席がグレードダウンしたので800円の追加料金を取るだけのサービスが維持できるかは難しいところです。
(追記1)
ロングシートにする大義名分はサイクルトレインに対応するためで、ドーンデザイン事務所の了承も得ています。改装費用は5両で1765万円ですが、国と熊本県が1/3ずつ負担し、本来くま川鉄道が負担する残りの1/3については、全額人吉球磨地域交通体系整備基金で賄いました。
実はくま川鉄道、積み残しが発生するたびにバスをチャーターし、その費用は年間200万円かかっていました。ロングシート化でその費用は半減するとみられています。
(追記2)
さすがにロングシートで追加料金を徴収する観光列車を続けるわけには行かず、2020年3月8日で運行を終えることとなりました。
(参考:くま川鉄道ホームページ kumagawa-rail.com/観光列車-tourist-train/、東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/317743)
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