長崎新幹線は全線フル規格&佐賀駅経由の方向
長崎新幹線は先端の武雄温泉-長崎間は完成に近づいていますが、中ほどの新鳥栖-武雄温泉間は未着工で、しかもどのように整備するか決まっていません。この長崎新幹線の整備方式については迷走を続け、参院選後に先送りされていましたが、与党の検討委員会は整備方針を決めました(5日に行われる会合で示されます)。
それは全線フル規格。しかも、佐賀空港を通る南回りのルートや長崎道沿いの北回りルートを取らず、佐賀駅を経由するルートにします。このルートは旧国鉄が1985年に公表し、1986年に環境アセスメントをまとめたものであり、これまで国交省がフル規格の試算をするときに用いられてきたルートです。JR九州も長崎県も佐賀駅を通るルートを前提に考えています。
将来の都市間鉄道のありかたを考えた場合、フル規格新幹線でないと将来はありません。在来線特急ぐらいのスピードでは高速道路を走る車と大して変わらず、ジリ貧になっていくだけです。しかし、長崎新幹線には問題があります。未着工区間の新鳥栖-武雄温泉間は全て佐賀県内を通りますが、その佐賀県が新幹線を求めていないのです。
しかも、事態は単純ではありません。先ほども述べたように、長崎新幹線武雄温泉-長崎間の完成が近づいているのです。ここはフル規格でつくられるので、このままでは誰にとっても得にならない飛び地の新幹線になってしまいます。佐賀県を説得してフル規格にできるのなら一番良いシナリオなのですが、その見込みがないのなら長崎新幹線の整備を諦めて、武雄温泉-長崎間のみを狭軌のスーパー特急にするのがセカンドベストでしょう。狭軌で敷き直す分、武雄温泉-長崎間の開業時期は少々遅れるでしょうが。
(追記)
5日の与党検討委員会で、長崎新幹線新鳥栖-武雄温泉間もフル規格でつくるのが良い、との結論を出しました。しかし、佐賀県内に佐賀駅を通ることに対して反対の声もあるため、佐賀駅を経由することは明記されませんでした。
ただ、ルートが決まらなかったことにより、2020年度の環境アセスメント関連予算の計上は難しくなりました。
(参考:佐賀新聞ホームページ https://www.saga-s.co.jp/articles/-/408137、西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/533033/)
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