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長崎新幹線、2020年度の概算要求見送りへ

 未着工の長崎新幹線新鳥栖-武雄温泉間について、与党の検討委員会はフル規格新幹線でつくる方針です。しかし、未着工区間のある佐賀県はフル規格新幹線の建設に強く反対しています。

 フル規格新幹線をつくるための前段階として、環境アセスメントがあります。これをするには、当然お金がかかり、予算に盛り込まないといけません。国交省は当初、2020年度予算の概算要求で環境アセスメント費用の計上を求めていましたが、フル規格新幹線に強く反対する佐賀県に配慮して、これを見送る方針です。金額を明示しない事項要求もしません。

 もっとも、環境アセスメント費用はそれほどかからないため、今後協議がまとまれば、年末の予算編成の段階で、追加で要求することもできます。ただ、そもそも佐賀県がフル規格新幹線を求めていない以上、簡単に協議がまとまるとは思えません。フル規格新幹線の効果は絶大であり、佐賀県の考えが近視眼的と非難することはできても、新幹線が佐賀県を通る以上、どうしようもないのです。

 長崎新幹線で最も望ましいのは、全線フル規格です。都市間輸送の場合、高速道路を走る車を圧倒するスピードでないと、お金を払って鉄道に乗ってくれません。そして、最悪の姿は、「リレー方式」の固定化。「リレー方式」により、博多-長崎間の所要時間が今より26分短い、1時間22分になりますが、武雄温泉での乗り換えが発生します。いずれ全線フル規格になって乗り換えが解消されるならやむを得ませんが、永久に固定されるのは困りものです。何のために新幹線をつくったか分からないです。しかし今の長崎新幹線は、その道を進もうとしています。

 佐賀県の考えを改めさせるのが最善の策ですが、そうならなかったときは、長崎新幹線武雄温泉-長崎間の開業を遅らせてでも、狭軌につくり変えないといけないでしょう。長崎新幹線武雄温泉-長崎間の開業時期は、北陸新幹線金沢-敦賀間と同じ2022年度とされているので、観光客の誘致のためにも多少遅らせたほうが良さそうです。
(参考:毎日jp mainichi.jp/articles/20190823/k00/00m/010/286000c、産経新聞ホームページ sankei.com/region/news/190824/rgn1908240015-n1.html)

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Comments

国も佐賀県も長崎県も長崎新幹線について本気で考えているのか疑問です。

まるで他人事のように考えているように見えます。

そもそもフリーゲージトレインで合意した時点でおかしかった。車重もある、費用も掛かる、軌間可変でも車体の大きさは在来線規格、それをJR西日本の合意なし(新大阪乗り入れの了解なし)に勝手に推進、出来なければ失敗の責任を誰も負わず無かった事のように投げ出し。両県や国の担当者は自分達の(任期・在任中の)事しか考えていない。どうしてもそのように映ってしまいます。

既に建設された区間を本気で有効活用しようとしているのでしょうか。
だだフル規格を推進する事を述べるだけの長崎県、建設区間の存在をニグレクト(無視)する態度をとる佐賀県、調整しようとすらしない国・・・。

見ていて大変疑問に思います。

負担制度、割合を見直してでも前へ進めるべき事案だと私は思います。

Posted by: ゆめ | 2019.08.29 10:52 PM

 ゆめさん、こんばんは。

* そもそもフリーゲージトレインで合意した時点でおかしかった。

 フリーゲージトレインはまだ確立された技術ではありませんでした(現に今のところ、失敗しました)。少なくとも失敗が分かって時点では、合意は見直さないといけないでしょう。

* 既に建設された区間を本気で有効活用しようとしているのでしょうか。

 このままでは、永久に「リレー方式」が続くという、最悪の姿になってしまいます。関係者は、この最悪の事態を回避することをまず第一に考えないといけません。

 もちろん、全線フル規格が理想的です。在来線では、車に太刀打ちできません。

Posted by: たべちゃん | 2019.08.30 09:25 PM

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