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川崎市のバス値上げに国が「No」

 川崎市交通局も10月1日に消費税増税に伴う値上げを行います。これまでICカードは206円、現金は210円と分かれていましたが、どちらも210円に統一します。でも本音は、それ以上の値上げをしたかったのです。ICカード、現金ともに220円にしたかったのです。1年以上前から国と値上げを協議し、3月には値上げのために必要な条例も改正しましたが、国は値上げを認めなかったのです。2018年度の市バス事業の決算が約5.2億円の純利益と好調だったためです。JR北海道のような赤字会社とは話が違うのです。

 なぜ川崎市は消費税率以上の値上げを行おうとしたのでしょうか? 理由があったのです。バスの車両更新や運転士確保のためのお金を用意するためです。今後営業所の建て替えや運転士の定年退職の増加が見込まれ、2028年度には最大30億円の資金不足に陥ります。経営状態の悪化の度合いを示す資金不足比率が20%を超えた公営企業は、国から財政立て直し計画の策定を義務づけられる経営健全化団体となり、従来通りの運営ができない危険性もあります。今は好調な利益も、値上げができない場合、2019年度以降、年間で約3億円の赤字が発生します。今は問題なくても、将来は厳しいことが見えているのです。川崎市交通局は消費税増税に伴うもの以外の値上げを約25年間行っていません。コスト削減のための努力を行っているのです。

 黒字で余裕のあるうちだからできることもあります。将来を見据えた前向きなこともできます。赤字で経営が厳しくなってからではどうにもならないことがあります。運賃が安いことに越したことはありませんが、将来厳しいことが分かっているのならやむを得ないかもしれません。
(参考:東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019083102000151.html、タウンニュース https://www.townnews.co.jp/0203/2019/09/20/498492.html)

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