JR貨物、北海道から撤退すれば赤字200億円
北海道新幹線で一番ネックになるのは、青函トンネルなど貨物列車と共用している区間。最高速度が時速160キロに制限されます。
もし、この共用区間から貨物列車を追い出せば、北海道新幹線はスピードアップできます。北海道新幹線の札幌延伸は2030年度末。北海道新幹線の採算を良くするためにも、スピードアップは不可欠です。
貨物列車を追い出すことができたら、新幹線にとってはありがたい話です。しかし、JR貨物にとっては厳しい事態です。かなり収支が悪化するのです。現状(2018年度は胆振東部地震など災害が多かったので、2017年度のデータを使っています)は営業収益1227億円、営業費用1221億円で営業利益は6億円です。しかし、貨物列車が青函トンネル等の共用区間から締め出されると、営業収入が約900億円に減ってしまいます。営業費用も若干減りますがそれほど減らず、約1100億円かかってしまいます。差額約200億円が営業損失です。北海道内にある貨物駅や機関車などの資産を処分した場合、その費用もかかります。
現状では共用区間から貨物列車を追い出すことは難しいでしょう。貨物列車の本数を見てもそれは明らかです。しかし、北海道への輸送でJR貨物が儲かっているのなら、JR北海道に支払っている線路使用料を適正なものにしなければならないでしょう。JR貨物の支払う線路使用料は安過ぎるのです。ある程度線路使用料収入が増えたら、JR北海道の赤字削減にもつながります。
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/348420)
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Comments
>しかし、北海道への輸送でJR貨物が
>儲かっているのなら、JR北海道に
>支払っている線路使用料を適正なものに
>しなければならないでしょう。
JR貨物の収益力では
値上げした線路使用料を
貨物の料金に転嫁できない限り
かなり難しいのが
現実だと考えます
そもそも適正な線路使用料では
JR貨物が採算を取るのが不可能なため
作ったルールですから
Posted by: フリーダム | 2019.09.28 09:04 PM
フリーダムさん、おはようございます。
* JR貨物の収益力では
JR貨物は線路を借りている鉄道会社に対して適正な線路使用料を払うべきですが、本当にそれをやるとJR貨物の経営が危なくなります。上場を目指している会社らしくない話ですが。
実際にはJR貨物の自助努力、運賃の値上げ(値上げしたら使われないレベルのものだったら、貨物列車がなくなっても仕方がありません)、国の補助を組み合わせることになります。
Posted by: たべちゃん | 2019.09.29 07:21 AM