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November 2019

高山線のトンネルでも携帯電話つながる

 新幹線で携帯電話がつながりやすくする工事は各地で行われていますが、在来線でも行われている区間はあります。

 それは高山線の岐阜-高山間。高山は海外からの旅行者にとっても人気の観光地です。そこでNTTドコモなど携帯大手3社は2018年度からトンネル内にケーブルを張るなどの工事を行い、11月中にほぼ終えました(ソフトバンクは一部区間の工事が2020年1月までかかります)。通話のほか、インターネットも使えます。工事費用は公表されていません。

 これで終わりではありません。携帯電話3社は高山-富山間でも同じような対策工事を行っています。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASMCC563NMCCOIPE01W.html)

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北陸新幹線京都駅は2面2線の大深度地下?

 北陸新幹線敦賀-新大阪間のルート案は5月に公表されました。敦賀-新大阪間の距離は約140キロ、最高設計速度は時速260キロ、最小曲線半径は4000メートル、最急勾配は15パーミルです。東小浜駅付近、京都駅、松井山手駅付近に中間駅がつくられ、全ての駅で在来線と接続する予定です。

 その北陸新幹線ですが、鉄道建設・運輸施設整備支援機構は11月26日に、敦賀-新大阪間延伸の環境影響評価方法書の公表を行いました。敦賀-新大阪間の概略ルートは5月に公表された内容から変わらず、4~12キロの幅があることには変わりありません。敦賀-新大阪間はほとんどトンネルになります。敦賀市内は高架が主体ですが、美浜町や若狭町は山岳トンネルです。小浜市内も高架が主体ですが、小浜市内から南は山岳トンネルに入り、京都市内に向かいます。市街地はできるだけ回避し、三方五湖や周辺の国定公園も回避します。

 京都の北のほうには京都丹波高原国定公園第1種特別地域、第2種特別地域や琵琶湖国定公園第2種特別地域を回避し、主にトンネルで通り抜けます。市街地の京都市内は、中心地を回避し、道路など公共用地の下を活用します。大深度地下にする可能性もあります。京都駅から南は伏見の酒どころを回避し、かつ直線となるようにルートを決めます。京都府内は一部明かり区間がありますが、大阪府内は基本的にはトンネルです。大阪市内になるとできる限り道路などの公共用地を活用し、大深度地下にすることも考えています。淀川もトンネルの下をくぐります。ルートによっては金剛生駒紀泉国定公園の第3種特別地域を通過することもあるので、そのときは環境保全措置を考えます。

 それでは駅について見てみましょう。先ほども述べたように、途中駅は東小浜駅付近、京都駅、松井山手駅付近にできますが、いずれも2面2線で待避設備はありません。駅の幅は京都駅が約25メートル、そのほかの2駅は約20メートルです。京都駅は地下、松井山手駅付近にできる駅は高架です。ちなみに、新大阪駅は地下にできます。島式の2面4線で、幅は約45メートルです。京都駅を通過する列車は考えられず、速達タイプとそうでないものの差は東小浜駅付近と松井山手駅付近に停まるか否かなので、敦賀-新大阪間に待避設備が全くなくても何とかなるという判断でしょう。ただ、京都駅に折り返し設備はあるのでしょうか? 新大阪駅方面からの折り返し設備があれば山陽新幹線からの直通列車をJR東海の力を借りずに京都駅に入れることができます。もちろん、16両編成でなくても構いません。そういう折り返し設備を入れるスペースはあるのでしょうか?
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hokurikushinkansen201911/)

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2020年春ごろから「踊り子」にE257系を投入

 東京と伊豆とを結ぶ特急「踊り子」の車両が185系からE257系に代わることは以前にも記事にしましたが、その続報です。

 E257系の投入は2020年春ごろから行われます。9両編成(E257系2000番代)13編成と5両編成(E257系2500番代)4編成、合計137両を投入します。E257系2000番代、E257系2500番代はこれまで中央線や内傍線、外房線などで使用していたE257系をリニューアルした車両です。

 それでは「踊り子」に投入されるE257系を詳しく見ていきましょう。外観は伊豆の空の色と海の色をイメージしたペニンシュラブルーを基調とします。窓周りが黒で、その上下をペニンシュラブルーの濃淡、上下は白です。車内も普通車の座席モケットなどに伊豆らしい色彩である青系統の色を使っています。座席の窓側にはコンセントが備え付けられます。9両編成の2000番代はグリーン車のある編成。4号車が1両まるごとグリーン車になっています。中央線で使われていたときは半室グリーン車だったのですが、改造されたようです(ただ、扉の位置が車両の中ほどにある構造は変わりません)。3号車にはフリースペースが、両端の1号車と9号車には荷物置き場が設置されます。大きな荷物を置くことができます。主に伊豆箱根鉄道に乗り入れる、普通車ばかり5両編成の2500番代は9両編成と併結するのが前提なのか、10号車から14号車までとなっています。こちらも両端の10号車と14号車は荷物置き場です。トイレは9両編成のほうに5か所、5両編成のほうには3か所設置されますが、そのうち5号車と11号車はバリアフリー対応です。なお、最高速度は時速130キロですが、東海道線の最高速度は時速120キロなので、性能をフルに発揮することはできません。

 運行ダイヤ等は決まり次第発表されます。また、「スーパービュー踊り子」の車両も251系からE257系に代わりますが、車両が代わっても「スーパービュー踊り子」を名乗るのかは未定です。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2019/yokohama/20191128_y01.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2019/11/28/329285.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/91700、鉄道ジャーナル」2019年6月号 鉄道ジャーナル

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白山市、台風で廃車になった北陸新幹線車両の展示を検討

 台風19号で長野新幹線車両センターにあった北陸新幹線の車両10編成が水につかり、廃車になりました。ところが、その廃車になった北陸新幹線車両を使おうとするところがあります。

 それは白山市。JR西日本が所有するW7系を、白山市が白山総合車両所の隣に建設される見学施設、「ビジターセンター」に展示することを検討しています。

 白山市はJR西日本にW7系を展示することができるかどうか問い合わせていますが、新幹線車両センターの復旧が終わっていない段階では、検討することはできない、と言うことです。まずは復旧が先決なのでしょう。

 とは言っても、廃車の活用方法として展示するのは良いアイデアかもしれません。機器類を復旧させる必要はなく、車体だけきれいにすれば良いのですから。
(参考:gooニュース https://news.goo.ne.jp/article/sbc21/region/sbc21-0364999.html)

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北陸と中国を結ぶ高速バス

 北陸と中国地方とを直結する夜行高速バスが誕生します。

 西日本ジェイアールバスと中国ジェイアールバスが共同で運行するその夜行高速バスの名前は、「百万石ドリーム広島号」。12月13日にデビューします。北陸と四国を結ぶ「北陸ドリーム四国号」に続くものです。平均乗車率が60~70%と結構あるため、二匹目のどじょうを狙ったのでしょうか?

 ダイヤは広島行きの「百万石ドリーム広島1号」が富山駅前(南口)19:55発、金沢駅前(兼六園口)21:10発、福井駅東口22:40発、岡山駅西口5:18着、広島駅新幹線口8:13着、広島バスセンター8:28着。富山行きの「百万石ドリーム広島2号」が広島バスセンター19:45発、広島駅新幹線口20:00発、岡山駅西口22:40発、福井駅東口5:33着、金沢駅前(金沢港口)7:01着、富山駅前(南口)8:16着です。このほか、松任海浜公園と北陸小松にも停まります。広島行きは乗車のみ、富山行きは降車のみです。3列独立クレイドルシート、毛布・トイレ・コンセント・フリーWiFi付きの車両が使われます。座席は最大135度リクライニングします。

 値段は区間のほか、乗車日、購入日によって異なります。富山県内-広島県内が9000~16000円、福井県内-岡山県内が5000~12000円です。お得な「特割」もあり(販売枚数に限りがあり、変更や払い戻しなどに制約があります)、こちらは富山県内-広島県内が8000~15500円、福井県内-岡山県内が4000~11500円です。また、運行開始を記念して「開業記念キャンペーン割引」を行います。12月13日から2020年2月20日までの間(12月26日から2020年1月6日までを除きます)、全区間均一片道5000円となります。このキャンペーン実施期間中、全区間の最安値となります。もちろん、「開業記念キャンペーン割引」が適用される座席数には限りがあり、変更や払い戻しなどについての制約があります。
(参考:西日本ジェイアールバスホームページ https://www.nishinihonjrbus.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/11/HP.pdf、北國新聞ホームページ https://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20191115303.htm)

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うめきたのホームドアは世界初

 うめきたの地下駅は2023年春に開業する予定です。最初はおおさか東線や関空、南紀方面の特急が利用するだけですが、2031年になにわ筋線が開業すれば、南海の車両も乗り入れてきます。多種多様の車両が乗り入れてくるのです。

 JR西日本は、昇降式ホーム柵を導入しています。扉の数が違う車両でも対応することができます。しかし、なにわ筋線開業後のうめきたはそれでは対応できません。そのほかの各メーカーが開発している新型ホームドアでも対応が困難です。そこでJR西日本、JR西日本テクシア、ナブテスコ株式会社の3社は、車種に応じて自在に開口を構成することができるホームドアをつくることにし、このたび一次試作機が完成しました。

 JR西日本等が開発を進めているホームドアとはどういうものでしょうか? あらゆる車種、編成に応じて開口を構成することができる、フルスクリーンホームドアで、世界で初めてのものです。ひとつの親扉(親扉はデジタルサイネージ(電子看板)の機能があり、停車する列車の情報や広告を表示することができます)の両側にふたつの子扉がくっついたユニットから成り(このユニットが5つで1両分の長さとなります。今回の試作では3ユニット分のみつくりました)、これがいくつか連続して上部から吊り下げられています。ホームドアの上部のマシンケースに駆動部や配線があり、扉部はスリムになっています。どうやってこのホームドアは動くのでしょうか? 入線する車種や編成を、2Dセンサーと車両に搭載したIDタグで判別します。このシステムはすでにJR西日本のホーム柵で使われているもので、これによって車両に合わせて障子やふすまのようにユニットが動くのです。60以上のパターンに対応することができるようです。ホームドアと客との衝突、ホームドアと車両の間に客が取り残されることについては、モーター過負荷検知機能と2Dセンサー、3Dセンサーで対応します。いろいろな機能があるため、片側当たりの設置費用は従来の5~10億円より高くなるようです。

 これから開発を進めていく段階なので、どうなるかは分かりませんが、完成したものを見てみたいです。理想的なホームドアができれば、安全性の向上に資することになります。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/11/page_15282.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/11/page_15284.html、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52387960Q9A121C1LKA000/、大阪日日新聞ホームページ https://www.nnn.co.jp/dainichi/news/191121/20191121040.html、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASMCN01D9MCMPTIL036.html)

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和泉市いずみの国歴史館に行ってきました

 13日のことですが、和泉市にある博物館、和泉市いずみの国歴史館に行ってきました。そのときの訪問記を書いていきます。

 

 近鉄名古屋6:31発の急行で伊勢中川へ。通勤時間帯にさしかかる時間帯の列車のため、途中から通勤通学客が乗ってくる。終点の伊勢中川で前2両を切り離し、残りはそのまま大阪上本町行きの急行に。乗っていた人の多くは向かいの伊勢方面の急行に乗り、車内はガラガラになった。大和八木で降りて次に乗るのは、大阪線のホームから出る京都行きの特急。大阪線と橿原線は大和八木で直交するので直通しにくい構造になっているが、京都方面と伊勢方面を結ぶ連絡線がある。かつては京都から伊勢方面への特急が1時間に1本の割で走っていたが今は本数が減り、貴重な存在だ。9:27発の京都行き特急に乗る。座席は事前にパソコンで予約している。連絡線は結構長く、橿原線に合流するのは次の駅の直前。次の停車駅の大和西大寺で降りるが、2つの路線が平面交差するので、手前でしばらく待たされる。

 次に乗る奈良線の急行(大和西大寺10:02発)まで10分以上あるので、ちょっと駅を探検。「駅ナカ」みたいなところがあるので、そこに立ち寄る。弁当やお惣菜を売っている店があり、帰るときには使えそうだ。立ち呑みができる店もある。「駅ナカ」の奥には、展望デッキ。ポイントを渡って大阪難波や京都に行く列車を眺めることができる。発車時間になったので階段を降り、大阪難波行きの急行に乗る。石切を出たところの車内から見る大阪平野の街並みは絶景だ。

 布施で近鉄を降り、バスに乗る。これから乗るのは大阪バス。東大阪を拠点に高速バスを走らせている会社だが、東大阪市内では路線バスを走らせている。布施駅南口10:40発の近鉄八尾駅行に乗る。大阪府内を走るとは思えない、小さなバス。ICカードは使えず、降車時に現金で払うことになる。バスは1日10往復しかなく、これも大阪府内のバスとは思えない。バスは発車した。最初はセンターラインのある、それなりに幅のある道路を走っていたが、途中からすれ違いに苦労するほどの細い路地に入る。小型のバスでないと無理な区間だ。バスは40分ほどかけて終点の近鉄八尾駅に到着。乗ったときは私1人だけだった客は4人に増えている。

 高架下の店舗でうどんを食べ、近鉄バスに乗る。次に乗るのは近鉄八尾駅前11:40発の藤井寺駅前行き。途中、八尾南駅前を経由する。この系統の本数は多く、平日は日中15分間隔、休日でも日中20分間隔で走っている。ICカードも使える。ただ昼ごろの便なので利用者は少なく、最大でも6人。八尾南はOsaka Metroの駅。八尾市内にある唯一のOsaka Metroの駅だ。地下鉄と言いながら地上にある。しかし発車するとすぐに地下に潜った。天王寺で御堂筋線に乗り換えてなかもずへ。北大阪急行の車両だった。

 南海の中百舌鳥の橋上駅舎では回転寿司の会社がやっているお惣菜、弁当屋があり、お寿司や弁当を安く売っている。セールで鶏の天ぷらの弁当が140円で売られていて、夕食用に買う。コンビニのおにぎりぐらいの値段だ。和泉中央から桃山学院大学のほうに歩く。途中で道に迷って、大学の構内に入ってようやく着いたのが、和泉市いずみの国歴史館。阪和電鉄の特別展をやっているのだ。皆様なら御存じのことだろうが、天王寺と和歌山を結ぶ阪和線は戦前、阪和電鉄という私鉄だった。明治時代に開業した南海と違って人口の少ないところを走るため、スピードに力を入れ、61.3キロある天王寺-和歌山間(駅名は現在のもの)を戦前では国内最速の45分で結んでいた。また、行楽客の誘致や住宅開発にも力を入れ、最終的には黒字化にこぎ着けたが、戦争によって1940年に南海に合併され、最終的には国に買収されたのである。特別展はパンフレット類が多く、昔のものなので小さくて、字が細かいのでじっくりと見ることができなかった。展示物を手に取って見ることができたらかなり時間がかかったのだろうが、さっと眺めるぐらいしかできなかったので、20分程度で見てしまう。ただ、利用者向けに出していた新聞は複製があり、手に取ってみることができたため、記事の内容まで見ることができた。帰りは案内の通りに歩いたら、10分余りで駅に戻ることができた。

 和泉中央は行き止まりの駅だが、バスで泉大津や和泉府中に行くことができる。東ヶ丘をぐるっと回るため少々時間がかかるが、岸和田に行く便もある。泉大津に行くバスは2系統あり、それぞれ30分間隔で出ている。来た道を戻らなくても良いのだ。和泉中央駅14:40発の和泉市役所前経由泉大津駅前行きに乗る。バスは多くても10人ぐらいしか乗っていないが、途中和泉府中駅前を経由するので、途中の停留所では乗る人も降りる人も見られた。30分ほどで終点の泉大津駅前に着き、南海に乗り換える。2扉車の普通で、車端部のボックスシートに座ることができた。

 浜寺公園で降り、阪堺に乗り換える。15:47発の天王寺駅前行きに乗る。最初は4人しか乗っていなかったがだんだん増え、一時的だが立っている人も出てきた。古い車両なので、乗り降りには当然段差があるが、それでも段差は少ない。いくら南海やJRならエレベータはついていると言っても、階段を少し上がれば乗ることができる気楽さは代えがたい。エレベータやエスカレータが全てを解決するわけではないのだ。恵美須町に行きたかったので、我孫子道で乗り換える。降りるときと2回目に乗るときの両方、ICカードでタッチするだけで乗り継ぎ処理は終わる。阪堺は指定された停留所で乗り換えたら、2本乗っても運賃は210円のままなのだ。さて、天王寺駅前行きから恵美須町行きに乗り換えたのはたったの3人、この前のダイヤ改正で恵美須町への運転間隔が24分となったのも仕方がないというべきか。ただ、我孫子道を出てからは乗客は増えていく。天王寺駅前行きみたいなことはないが、大阪の都心部へのフィーダー輸送の役割はあるようだ。もっとも、我孫子道での乗り換え客が少ないということは、堺から引っ張る力がないということだ。堺からなら南海に乗れば速い。阪堺が浜寺駅前から天王寺駅前に行くのをメインにしているのは理にかなっているのだ。

 駅の改良(縮小)工事が行われている恵美須町から日本橋を通って大阪難波に行く。買い物をしてから近鉄に乗り、大阪上本町からは17:38発の伊勢中川行き急行に乗る。前4両が転換クロスシートで、後ろ2両がロングという大阪線では珍しい編成。伊勢中川まで行くので転換クロスシートのほうに乗る。発車10分前に乗ったので転換クロスシートを確保でき、車内でパンや弁当も食べることができた。

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小田急の新型通勤車両の床はフローリング?

 小田急は新型通勤車両5000形を導入します。デビューの日は2020年3月26日、12年ぶりの新型通勤車両で、2019年度に10両編成1本、2020年度に10両編成5本を導入する予定です。

 5000形は4000形に比べて車両の幅が11センチメートル広く、2.9メートルとなっています。かつてはこのような幅の広い車両を走らせていたのですが、ここのところは他社と設計を合わせるため、若干幅が狭くなっていたのです。小田急はこの幅の広い車両で輸送力を上げ、混雑の緩和を狙います。ただ、このように幅が広くなっているため、東京メトロや箱根登山鉄道に乗り入れることができず、小田急線内のみしか運転できません。

 車内で気になるのが、木目の床。フローリングみたいになっています。実際の木の板を敷き詰めたとは思えず、フローリング風でしょうが、東京の通勤電車とは思えない床です。
(参考:railf.jp https://railf.jp/news/2019/11/12/120000.html、https://railf.jp/news/2020/02/07/064500.html、東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/313798)

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JR九州の無人化に市民団体が反発

 JR九州はある程度利用者がある駅でも、駅員を配置せずに監視カメラで安全確認などを行う遠隔案内システムを導入しています。大分地区でも一部の駅で導入されていて、今後鶴崎など5駅にも導入を予定しています。ところがこの駅無人化が障害者差別に当たるとして、市民団体が提訴を考えています。

 もしこれが通るのなら、鉄道会社は経営できなくなります。世の中に無人駅は山ほどありますから。大分、別府クラスの確実に駅員がいる主要駅だけ残して後は廃止になってしまいます。最近、このような遠隔案内システムが増えているのは(先日取り上げたJR東海にも同じような仕組みはあります)、人件費コストが高くなり、機械仕掛けで対応するほうがむしろ安いからです。味気はないかもしれませんが、企業である以上、仕方がありません。

 もちろん、JR九州も障害者対応はしています。事前に予約すれば、係員が駅に来て、付き添ってくれます。完璧ではありませんが、できる限りのことはやっています。係員を呼ぶための追加費用はかかりません。もし、これまで通り駅員を置いてほしいのなら、JR九州を叩くのではなく、大分市にお金を出してもらえば良いでしょう。市の税金で受託すればいいのです。駅員の費用負担が要らないのならJR九州も拒む理由はありません。もっと小回りが利く福祉タクシーの補助を増やすのも良いかもしれません。JRに求めるばかりでは前に進まず、かえって多くの人が困る結果になるのです。
(参考:大分合同新聞ホームページ https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/11/22/JD0058711745)

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名古屋市内にも集中旅客サービスシステム

 JR東海は2013年10月から武豊線に、2017年10月から東海道線豊橋-岡崎間に集中旅客サービスシステムを導入してきました。その集中旅客サービスシステムが拡大します。

 新たに拡大される区間は東海道線岡崎-大府間と、関西線名古屋-桑名間。東海道線の西岡崎、三河安城、東刈谷、野田新町、逢妻と、関西線の八田、春田、蟹江、永和、弥富の10駅に導入します。名古屋市内の駅でも本格的に導入が始まるのです(近鉄名古屋駅構内のJRきっぷうりばではすでに導入済みです)。岡崎、安城、刈谷、大府、名古屋、桑名はシステム拡大の対象とならず、今まで通り終日駅員を配置します。長島は元々無人駅です。10駅のシステム導入駅では、券売機に隣接してインターホン、券面確認台を追加して案内センターとつなぎ、セキュリティカメラやスピーカーなどを新設します。これまで早朝や深夜など駅員のいない時間帯では、切符の購入、ICカードのチャージ、乗り越しの精算などができませんでしたが、システムを導入した後は案内センターのオペレーターと会話することによって、早朝や深夜でも切符の購入等が可能になります。案内センターのオペレーターは乗客からの質問の応対、声かけ、案内放送なども行います。現地での案内が必要なときは係員が向かいます。

 一部の駅には、サポートつき指定券券売機を設置します。東刈谷、八田、春田、蟹江の4駅に設置されます。名古屋に近いからか、意外と多いです。インターホンを通じてオペレーターと話すことができるので、新幹線の指定席特急券のほか、学割など証明書を必要とする切符も買うことができます。また、東刈谷、蟹江、弥富の3駅は完全無人駅とならずに日中は駅員を配置します。東刈谷と蟹江には現地に出向く係員を配置します。三河安城は在来線は完全無人駅となりますが、新幹線駅は当然有人で、窓口もちゃんとあります。

 集中旅客サービスシステム導入の工事は2020年4月に始め、2020年12月ごろの使用開始予定です。工事費は約7.4億円です。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040137.pdf)

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787系改造の観光列車は「36ぷらす3」、ビュッフェも復活

 JR九州が走らせる787系改造の観光列車についての続報です。

 2020年秋、JR九州が3年半ぶりに走らせる新しい観光列車の名前が「36ぷらす3」と決まりました。「さんじゅうろく ぷらす さん」と読みます。九州は世界で36番目に大きい島で(世界で一番大きい島はグリーンランド、本州は7番目、北海道は21番目です)、この列車で驚き、感動、幸せを届けます。そして、乗客、地域の人、JR九州がひとつになって、感謝の輪を広げたいということです。感謝を英語で言えば、サンキュー。39につながるのです。列車のコンセプトは、「九州のすべてが、ぎゅーっと詰まった『走る九州』といえる列車」で、全てのルートをたどれば、九州を楽しむ35のエピソードを全て味わうことができます。最後の36番目が乗客自らが語るエピソードという訳です。

 「36ぷらす3」は、木曜日から月曜日まで5日間をかけて九州7県を巡ります。木曜日は博多→熊本→鹿児島中央(肥薩おれんじ鉄道経由)、金曜日は鹿児島中央→宮崎、土曜日は宮崎空港・宮崎→大分・別府、日曜日は大分・別府→門司港(乗降できません)→小倉→博多、月曜日は博多→佐賀→長崎、長崎→佐賀→博多というルートです。門司港以外のここに記載されている駅(木曜日の場合は博多、熊本、鹿児島中央)で乗降できます。5日間とも乗る必要はなく、区間乗車もできるのです。また、5日間とも昼行で走り(基本的には9時から16時の間のみしか走らないようです)、車内で泊まることはありません。年間を通じてこのスケジュールで走り、年間45週程度の運転を予定しています。

 車両は787系6両編成を改造します。黒と金色を基調として、全席グリーン車の6両編成、定員100人程度を予定しています。1~3号車が個室、5、6号車が2列+1列の座席。4号車が車内での体験イベントにも使うことができるマルチカーです。九州新幹線部分開業まであったビュッフェも復活します。3号車の半分です。料金は車内での昼食付きで1日1~2万円ですが、昼食の付かない切符形式のものも検討しています。

(追記)
 「36ぷらす3」の車両に、800系の座席が使われるという話もあります。熊本地震で被災して廃車になった車両です。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2019/11/21/001.pdf、西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/561572/、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20191121-36plus3/、https://news.mynavi.jp/article/20191220-943511/、東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/315655、https://toyokeizai.net/articles/-/318415、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52451140R21C19A1LX0000/)

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「WEST EXPRESS 銀河」は2020年5月8日デビュー

 JR西日本が117系を改造して走らせる、「WEST EXPRESS 銀河」について、運行概要が明らかになりました。

 「WEST EXPRESS 銀河」は2020年5月8日に運行を開始します。9月までの間は京都・大阪-出雲市間を夜行特急として週2往復ほど走ります。出雲市行きは京都を21時ごろに出て、出雲市に9時半ごろに着きます。途中停車駅は新大阪、大阪、三ノ宮、神戸、西明石、姫路、生山、米子、安来、松江、玉造温泉、宍道です。大阪行きは出雲市を16時ごろに出て、大阪に6時ごろに着きます。途中停車駅は宍道、玉造温泉、松江、安来、米子、根雨、備中高梁、神戸、三ノ宮です。結構時間をかけて走ります。1回だけ運行された「サンライズ出雲93号」よりも遅いです。食堂車はなく、JR西日本のスタッフによる車内販売はないものの、駅や車内で沿線の魅力ある特産物の販売を行い、伝統芸能の披露も行います。4号車のフリースペースが使われます。

 先ほども述べたように、「WEST EXPRESS 銀河」は特急列車として走ります。旅行商品ではありません。普通車指定席とグリーン車指定席は運賃のほかに現行と同額の特急料金、グリーン料金がかかります。グリーン個室(夜行は2人、昼行は2~3人)は現行と同額の特急料金のほか、新規に設定したグリーン個室料金がかかります。400キロまでのグリーン個室料金は7240円(1人当たり)となる予定です。全国の駅の「みどりの窓口」や旅行会社の窓口のほか、「e5489」でも購入できます。

 2020年10月からは行き先が変わります。「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」が開かれるため、山陽に向かいます。大阪-下関間を昼行特急として走ります。こちらも週2往復程度です。山陽方面は2021年3月まで走り、2021年4月以降はまた別の地域を走るようです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/11/page_15269.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/11/page_15284.html、乗りものニュース https://toyokeizai.net/articles/-/315285?page=2)

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北野白梅町リニューアルでバスとの乗り継ぎスムーズに

 北野白梅町は嵐電北野線の駅。北野天満宮や金閣寺のある京都市北西部から嵐山方面への玄関口となっています。

 京福は2019年度に北野白梅町のリニューアルを行います。交通ネットワーク強化の一環として、駅とバス停の一体化を図り、嵐山エリアと金閣寺方面とのアクセスルートを明確化と利便性の向上を行います。1958年につくられた駅舎は老朽化しているため解体し、駅施設のバリアフリー化とトイレの洋式化を行い、駅前広場を整備します。

 具体的にはどういうことでしょうか? 北野白梅町は2番線までありますが、2番線のみ残し(ホームは西に約30メートル延伸します)、1番線はバス専用の停車スペースとします。1番線の跡にバスが乗り入れ、スムーズな乗り換えができます。北野白梅町に乗り入れるバスは、市バス102号系統。ルートを変えて、駅に乗り入れます。今ある駅舎は解体して、スロープや点字タイルの整備などを行います。トイレは全ての個室を洋室化し、多機能トイレを2室新設します。駅舎の建て替えと駅前広場の整備は2020年度に行います。インフォメーションも開設します。工事費は約2.5億円です。

 また京福はこの2019年度中に、御室仁和寺、宇多野、鳴滝のバリアフリー化工事も行いますので、これで北野線全線のバリアフリー工事が終わることになります。
(参考:京阪ホールディングスホームページ https://www.keihan-holdings.co.jp/news/upload/2019-11-08_keihuku-kitano-hakubaicho.pdf、京福ホームページ https://randen.keifuku.co.jp/randen_news/detail.php?id=534)

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近江鉄道は廃止もあり得る?

 赤字続きの近江鉄道をどうするかということを検討する法定協議会が設置され、11月5日にその初会合が開かれました。地域交通活性化再生法に基づくもので、正式には近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会と言います。滋賀県と沿線10市町、学識経験者らで構成されます。

 地域公共交通再生協議会は、鉄道の存続を目的として設置されるもの。ですから、滋賀県等は近江鉄道を存続させる意思があると言うことなのですが、必ずしもそうではないようです。協議会の会長に選ばれた三日月滋賀県知事によれば、協議会の出す結論によっては近江鉄道を廃止することもあり得る、とのことです。

 なぜそういうことになるのかと言えば、近江鉄道は鉄道事業は苦しいものの、会社全体としては黒字だからです。2018年度決算の最終利益は2.9億円、11年連続の黒字です。利益剰余金は48.4億円もあります。財政の苦しい自治体の中には、黒字会社である近江鉄道を支援する必要はない、と考えているようです。

 でもそれを理由に近江鉄道への支援をやめたらどうなるのでしょうか? 赤字の鉄道を廃止して儲かる高速道路のサービスエリアの運営に力を注ぐこともできます。支援をしなければ近江鉄道がそういう選択を取ることを非難することはできません。そこまで極端でなくても、輸送密度の少ない区間を中心に部分廃止する可能性はあります。輸送密度の低い区間で地元自治体が支援する意思を見せなければ、廃止の危険性は高まります。

 今後は、住民にアンケートを行い、2020年度上半期までに存続するかどうかを確認します。その後、今後の近江鉄道の運営方法や財政負担などを決め、2020年度中に地域交通網形成計画を策定します。上下分離や分社化などを行う場合、2022年度中に行います。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/ohimi201911/)

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長崎新幹線に雲仙温泉駅ができる?

 長崎新幹線武雄温泉-長崎間は2022年度に開業しますので、そろそろ開業に向けての具体的な動きが出てきます。

 新幹線ができても、駅がなければ意味はありません。しかも、駅の名前に採用されたら、毎日駅名を連呼してもらえます。無料で宣伝してくれるのです。ですから、何とかして駅の名前に採用してもらいたい、という動きが出てきます。

 雲仙温泉もそのひとつ。8日のことですが、長崎県議会の九州新幹線西九州(長崎)ルート・交通対策特別委員会のメンバーは、雲仙温泉街で雲仙温泉関係者と意見の交換を行いました。その中で宮崎雲仙温泉観光協会会長は、諫早駅の駅名に雲仙温泉を入れることや、島原半島への交通アクセス改善を求める要望書を提出しました。

 地元の思いはともかく、諫早駅の駅名に雲仙温泉を入れるのは無茶でしょう。雲仙温泉は諫早駅から80分かかります。武雄温泉や嬉野温泉のように駅の近くに温泉があるならともかく、雲仙温泉は遠すぎます。駅名は変える必要はありません。

 ちなみに、隣の新大村駅も駅名案を募集していますが、こちらも仮称の通り新大村で良いでしょう。
(参考:長崎新聞ホームページ https://this.kiji.is/565552346974012513?c=39546741839462401、大村市ホームページ https://www.city.omura.nagasaki.jp/shinkansen/kurashi/kotsu/shinkansen/ekimeiboshuu.html)

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大阪バス、12月から火曜日と水曜日に一部の高速バスを運休

 大阪を中心に高速バス等を運行している大阪バスですが、12月から一部の路線において、祝日を除く火曜日と水曜日に一部の便が運休します。

 運休する便があるのは、東京への「東京特急ニュースター号」、名古屋への「名古屋特急ニュースター号」、京都から名古屋への「京都名古屋特急ニュースター号」、京都への「京都特急ニュースター号」です。12月3日から「東京特急ニュースター号」は火曜日が東京行きが1便運休して1便だけに、水曜日が大阪行きが1便運休して1便だけになります。12月10日から「名古屋特急ニュースター号」は火曜日と水曜日が3往復減って12往復に、12月10日から「京都名古屋特急ニュースター号」は火曜日と水曜日が4往復減って8往復に、12月10日から「京都特急ニュースター号」は火曜日と水曜日が4往復減って6往復になります。

 高速バスはビジネスより観光で使われることが多く、そのため平日の利用は振るわないのでしょうか?
(参考:大阪バスホームページ www.osakabus.jp/news/『東京特急ニュースター号』12-3火より-ダイヤ変更/、www.osakabus.jp/news/12-10火より『名古屋・京都名古屋・京都-特急ニュー/)

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日高線、沿線7町長が廃止に同意

 日高線は苫小牧と様似とを結ぶローカル線でしたが、2015年の高波で線路の土台の土砂が流出し、現在は全体の8割に当たる鵡川-様似間で運休しています。JR北海道は代行バスを運行して対応しています。

 本来なら復旧させて再び列車を走らせたいところですが、復旧には多額の費用がかかり、肝心の需要も少ないのです。そこでJR北海道は2016年に日高線鵡川-様似間を廃止する考えを示しました。これに対して沿線7町のうち、5町は廃止に同意しましたが、日高町は一部区間(鵡川-日高門別間)の存続を求め、浦河町は全線の鉄道復旧を求めていたため、話が前に進みませんでした。

 ところがようやく11月12日になって、新ひだか町で会議が行われ、多数決で鵡川-様似間のバス転換を容認することが決まりました(浦河町は全線鉄道維持を求めました)。今後はバス路線の拡充や地域の振興策などについて町ごとにJR北海道と協議をすることになります。

 これでようやく話が前に進むことができます。鉄道時代の固定観念にとらわれることなく、地域の実情に合った柔軟なダイヤを組むことができます。かつての急行列車のように高速道路を活用したバスができるかもしれません。また一方で学校や病院など、利用者の多いところに立ち寄ることができます。公共交通機関として使えるようにすることが大切です。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20191112/7000015257.html)

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明石に新幹線車両基地?

 山陽新幹線車両基地は、新大阪の近くにはありません。大規模な車両メンテナンスができるのは博多総合車両所、そうでなくても新大阪に一番近いのは岡山までありません。新大阪の東側、鳥飼の車両基地はJR東海のものです。

 これでは、将来リニアと北陸新幹線が新大阪までの全線開業をし、長崎新幹線が話がまとまって全線フル規格となって新大阪に乗り入れてきた場合、増える需要に対応できません。新大阪付近には車両を待機させる場所が少ないのです。リニア延伸に合わせて地下に新幹線の駅をつくるというもありますが、地下なので必要最低限の設備しか設けることはできません。どこか新大阪の近くのJR西日本エリアに車両基地を設ける必要があります。また、地震などの災害で山陽新幹線の一部区間が不通となった場合、大きな車両基地のある博多から車両を持ってくるのが難しくなります。西のほうで災害があった場合でも、残っている区間で走らせることができます。

 それでは、どこに車両基地をつくるのでしょうか? 新大阪に近ければ近いほうがいいのは当然のことですが、阪神間は市街化されており、トンネル区間が多いので用地確保は困難だとJR西日本は考えています。そこで浮かんだ候補地は明石市。まとまった土地が確保できる神戸市西区も候補地に挙がりましたが、立ち退きに必要な土地が少ないことから明石市が選ばれました。

 明石市にできる予定の車両基地は、JR神戸線とも並行しているところです。JR神戸線大久保-魚住間の農業地域にできます。リニアが開業する2037年までに約30ヘクタール(東西1.8キロ、南北150メートル)を整備し、新幹線を20線程度、在来線は10線程度をつくる予定です。車両基地のあたりは水害の危険性が低いです。兵庫県の想定で千年に一度の大雨による河川洪水でも水害の危険性は低いです。長野のようなことはありません。場所によっては50センチ以上浸水するところもありますが、5メートル程度の盛り土を行うことで対応します。

 車両基地の近くには新駅もできます。一時駅ができるというがあったのですが、車両基地に合わせてつくることになりました。明石市内6つ目の駅で、商業地域や宅地などもつくり、大規模開発の総面積は最大で100ヘクタール(阪神甲子園球場25個分)を超えるようです。
(参考:神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201911/0012878003.shtml、https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201911/0012878049.shtml)

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夜もトロッコ

 10月25日の集中豪雨の影響により、小湊鐵道は上総牛久-上総中野間が運休となっています(11月18日から上総牛久-里見間の運転再開をします)。

 これに伴い、「里山トロッコ」も一部を除いて運転を見合わせています。11月中に例外として走るのが次の3種類。まずひとつは、金曜日(8、15、22、29日)の夕方から夜に欠けて走る、「コーヒーエクスプレス」。五井18:15発上総牛久19:03着、上総牛久19:23発五井20:20着のダイヤで、各駅に停まります。予約は不要で、駅または車内で特別整理券を買えば乗車できます。料金は往復乗車(五井→上総牛久→五井)が大人2500円(コーヒー飲み放題)、子供は1130円(飲み物なし)です。片道乗車の場合、大人は運賃(回数券や定期券でも可)に700円を追加すれば乗車できます。子供は500円の追加でいいですが、飲み物は付きません。このように700円の特別整理券を買えば定期券でも乗車できるので、通勤の帰りに利用することができます。食べ物の持ち込みは自由です。

 土曜日(9、16、23、30日)は「里山トロッコ」は動きませんが、五井駅の小湊鐵道本社脇で喫茶店として使われます。「トロッコ喫茶」です。UCCのコーヒー、クロワッサンファクトリーのパンを楽しむことができるほか、小湊鐵道のグッズの販売もします。営業時間は11:00~15:00。入場は無料(コーヒー代等はかかると思われます)で、弁当の持ち込みもできます。

 11月17日の日曜日は、臨時「房総里山トロッコ」が走ります。五井10:22発上総牛久11:06着、上総牛久14:00発五井14:45着で、途中の駅には停まりません。乗車するには運賃のほか大人、子供ともに片道500円のトロッコ整理券が必要です(予約は不要です)。また、この「房総里山トロッコ」は上総牛久に3時間近く停まります。この間、トロッコの車内はフリースペースとして開放され、乗車券か入場券があれば自由に入ることができます。地元商店街による飲食の販売も行われ、車内で食べることもできます。24日は五井-里見間で走る予定です。
(参考:小湊鐵道ホームページ https://www.kominato.co.jp、https://www.kominato.co.jp/satoyamatorocco/event/cafe/index.html)

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南斜里も廃止へ

 釧網線の南弟子屈が廃止されるということは以前に記事にしましたが、ほかにも廃止される駅があるようです。

 その駅は斜里町にある南斜里。4月にJR北海道が行った調査によれば、駅の利用者は1日2~5人(全て高校生)、過去5年間の1日平均の乗車人数は2.6人でした。すでに4月の時点でJR北海道釧路支社が町役場を訪れ、駅を廃止するか、あるいは町が維持管理を行うか打診がありました。その結果、維持管理の費用が年間200万円かかることから、財政の厳しい町は駅の存続を諦め、廃止に同意したのです。

 駅の廃止予定は2021年3月です。通学に使っている高校生が卒業する時期なのでしょうか?
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/348015)

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気仙沼線、大船渡線の一部が鉄道として廃止に

 三陸地方の鉄道は東日本大震災で大きな被害を受けました。その後、気仙沼線柳津-気仙沼間と大船渡線気仙沼-盛間については鉄道を復旧させるのではなく、BRTにより運行しています(気仙沼線は2012年から、大船渡線は2013年から)。この両線は鉄道の代行輸送という位置づけから、鉄道路線として存続させていました。しかし、復旧費用が1100億円と莫大で、それだけお金をかけて復旧させても使う人は少ないです。

 そこでJR東日本は2015年7月に鉄道による復旧断念を正式に発表し、2016年3月までに地元自治体からの同意を得ました。そして11月12日、JR東日本は気仙沼線柳津-気仙沼間及び大船渡線気仙沼-盛間について、国交相に鉄道事業廃止の届出を行いました。ついに正式な廃止手続きに入ることになったのです。廃止予定日は1年後の2020年11月13日となっています。なお、BRTは道路運送法に基づいて運行しているため、鉄道が廃止になっても運行やサービス水準の変更はありません。

 気仙沼線、大船渡線はBRTによって便数が著しく増え、駅(停留所)の数も増えました。JR東日本の鉄道のままでは無理だったことです。気仙沼線や大船渡線の需要ではバスが適正なところで、需要にあった交通機関になったというのが適当なところかもしれません。

 ところで、鉄道事業が廃止されることによって、乗りつぶしの世界ではBRTは乗車対象から外れる、ということになるのでしょうか?

(追記)
 気仙沼線柳津-気仙沼間、大船渡線気仙沼-盛間の廃止日が繰り上がり、2020年4月1日となりました。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2019/20191112_ho01.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200131_ho01.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2019/11/12/328665.html)

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JR西日本、大晦日の終夜運転をさらに大幅縮小

 8日のことですが、JR西日本は大晦日深夜から元旦にかけての臨時列車についての発表を行いました。

 今回も1年前に比べて終夜運転を行う区間が減っています。今回運転を取りやめる区間は、琵琶湖線草津-京都間、JR宝塚線尼崎-宝塚間、阪和線天王寺-鳳間、桜井線桜井-高田間です。通常通り、終電までの運転となります。

 また、終夜運転を行う区間も、3時ごろで終わってしまうところもあります。奈良線京都-城陽間、大和路線奈良-JR難波間、学研都市線・JR東西線四條畷-京橋-尼崎間です。本当の意味で終夜運転を行うのはJR京都線・JR神戸線京都-大阪-西明石間、大阪環状線・桜島線全線、桜井線奈良-桜井間だけです。

(追記)
 当初終夜運転を取りやめる予定だった琵琶湖線ですが、大津市のびわ湖ホールで行われる年越しコンサート(終演は0:20)に合わせて、臨時列車を2本運転することにしました。膳所発京都行き(大津1:08発)と大津発草津行き(大津1:36発)の2本です。なお、びわ湖ホールから大津へは無料送迎バスが出ます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/11/page_15240.html、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASMD95JJBMD9PTJB010.html?pn=4)

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金子JR東海社長、リニアの全区間フード化は困難とのこと

 リニアはトンネルの中を走る区間が多いですが、中には地上を走る区間もあります。

 地上を走るときに問題となるのが騒音。騒音を防ぐには、フードで覆えば良いのですが、こうなると全区間がトンネルみたいなもので、外の景色を見ることができません。ただ、沿線にとっては騒音がないのが好ましいのは当然のことで、山梨県は県内のリニア地上区間の9割以上について走行時の騒音を規制し、山梨県富士川町のようにフードの設置を求めているところもあります。

 この動きに対してJR東海は、明かり区間の全てをフードで覆うことはしない方針です。換気の問題があるからです。金子JR東海社長は9月の記者会見で、リニアの騒音低減に取り組み、窓の二重化などで周辺家屋の騒音対策なども行うようです。フードだけでなく、いろいろな方法を組み合わせて騒音対策を行うということです。
(参考:「鉄道ファン」2019年12月号 交友社)

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東芝、AIでダイヤを作成へ

 様々な制約と利害が絡み合う中、多くの人を満足させるダイヤをつくるのは難しいことです。そんな中、東芝はAIをつかって、ダイヤをつくることにしました。

 ダイヤはどうやってつくるのでしょうか? 東芝は距離やカーブといった線路の状況、車両の性能、駅の停車時間などのデータをAIで分析し(当然会社によって状況は異なります)、遅れの発生しにくいダイヤをつくるのです。いったん列車が遅れると、後続の列車にも影響を及ぼします。鉄道会社はシミュレーションを繰り返して遅れの発生しにくいダイヤをつくろうとするのですが、0.01%の確率で発生する事象をシミュレーションするには、少なくとも何万回のシミュレーションが必要となり、AIがなければ実際に行うのは難しいです。イギリス大手鉄道会社のグレーター・アングリア(ロンドン近郊で鉄道を運行していて、1日当たりの乗客数は約35万人、駅は180ほどです)と契約して、2020年5月改正のダイヤを作成するのです。ダイヤの作成だけでなく、最適な運行計画や収支改善計画まで提供します。

 東武の試算によれば、AIを利用したダイヤで、遅延のリスクは10%以上減らせるようです。イギリスでは、一定以上の遅延が発生すれば、鉄道会社が罰金を払う必要があります。遅れの発生しにくいダイヤをつくることができれば、それだけ罰金の支払額が減るのです。
(参考:「
鉄道ファン」2019年12月号 交友社、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20191008-906457/)

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大阪シティバス、「守口金曜深夜便」を試験運行

 Osaka Metroは2018年度から2024年度までの中期経営計画において、5つの系統において深夜バスの運行を行うこととしていましたが、実行に移されることになりました。12月から2020年2月までの毎週金曜日の深夜(2020年1月3日を除く全12回)、大阪駅前から守口車庫前への深夜急行バス「守口金曜深夜便」の試験運行を行います。

 「守口金曜深夜便」は大阪駅前発守口車庫前行き。大阪シティバスの主要系統である34号系統と同じルートを走ります。ダイヤは大阪駅前0:25発、地下鉄中津0:29発で、それ以外の停留所では乗車できません。降車のみです。

 運賃は深夜なので通常の倍額、大人420円、子供210円です。前扉から乗り、乗車時に払います。ここで気をつけないといけないのが、現金しか使えないこと(大人に限り、「LINE Pay」によるQRコード決済が使えます。この「守口金曜深夜便」で「LINE Pay」の試験導入を行い、通常の路線バスで導入することができるか試してみるのです)。定期券、ICカード、「回数カード」、回数券、1日乗車券、「敬老パス」での使用はできません。深夜のため運賃が高いのは仕方がないのですが、追加料金を払っても定期券等での利用はできないのはよくわからないです。
(参考:大阪シティバスホームページ https://citybus-osaka.co.jp/wprs/wp-content/uploads/2019/11/630897407c616410bfe725758fae78e8.pdf)

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スマホでコインロッカーを予約

 一時的に荷物を預けたいときはコインロッカーが便利ですが、混んでいて使えないこともあります。そこで都営地下鉄は10月29日から、7駅において、コインロッカーの予約サービスを始めました。

 予約サービスを行う駅は、浅草線の浅草、三田線の大手町、水道橋、巣鴨、新宿線の九段下、大江戸線の六本木と光が丘。どうやってコインロッカーを予約するのかと言えば、スマホを使ってコインロッカーの予約をすることができる「スマホdeロッカー」の専用アプリ(株式会社アルファロッカーシステム提供)をダウンロードします。氏名、携帯電話番号、メールアドレス、クレジットカード情報を登録します。事前にここまでやっておけば、このアプリで予約可能なコインロッカーを検索し、予約することができます。利用する時間の2時間前から予約可能です。コインロッカーには大きいサイズや小さいサイズのものがありますが、アプリでサイズを選ぶこともできます。駅に着いたらQRコードを読み取り、認証コードを入力したら、使えるようになります。こうやって事前に予約しておけば、駅について探す手間がかからず、混んでいても確実にコインロッカーを使うことができます。

 ちなみに、通常のコインロッカー利用料金のほか、予約料金が必要になります。大型は300円、中型は200円、小型は100円です。
(参考:東京都交通局ホームページ https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/others/2019/otr_i_201910298831_h.html)

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佐賀、長崎両県、並行在来線の負担額でも対立

 長崎新幹線未着工区間(新鳥栖-武雄温泉間)の整備方針を巡ってもめている佐賀県と長崎県ですが、並行在来線の維持管理負担でも対立しています。

 2022年度の長崎新幹線武雄温泉-長崎間の暫定開業に伴い、並行在来線長崎線肥前山口-諫早間は暫定開業から23年間、上下分離方式で運営します。佐賀と長崎の両県が鉄道施設を所有し、実際の運行はJR九州に委ねます。鉄道所有にかかる維持管理費は佐賀、長崎の両県で負担します。佐賀、長崎両県を走る松浦鉄道の実績からこの維持管理費の額は年間2.3億円と算出され、この負担割合は2008年に長崎県が2/3、佐賀県が1/3を負担することで合意しました。並行在来線の距離は佐賀県のほうが長いものの、長崎新幹線の効果は長崎県のほうが大きいので、長崎県が多く負担することにしたのです。

 ところが、この維持管理費が倍以上に膨れ上がるようで(3倍になるという話もあります)、その増加分をどのように負担するかが問題となっているのです。合意をそのまま適用すれば長崎県が2/3、佐賀県が1/3を負担するのですが、合意には続きがあり、災害などで費用が増加した場合は両県で折半するのです。この「など」の扱いを巡って対立しているのです。

 なぜ維持管理費は倍以上に増えるのでしょうか? その理由は長崎線の設備が良いからです。特急がたくさん走る長崎線は線路や踏切の設備も良くしなければならず、その維持管理の費用は増えてしまうのです。資材費の高騰や労務費の上昇も影響します。

 しかし、新幹線が開業すると長崎線に特急を走らせる必要がなくなります。肥前山口-肥前鹿島間はともかく、肥前鹿島-諫早間に特急を走らせる必要性はありません。今は特急が1時間に1~2本走りますから高速で走ることができるように設備を整え、交換設備もたくさん設置する必要がありますが、特急がなくなると数時間も列車が来ない時間帯もあるぐらいですから、交換設備は必要な分だけを残して撤去してしまえば良いのです。最高速度もローカル線レベルに抑えれば、保守の手間も軽くなります。貨物列車もありませんから肥前鹿島-諫早間については電化設備も撤去して、1両のディーゼルカーで賄えば良いのです。

 そもそも肥前鹿島-諫早間については鉄路を維持する必要がありません。線路を撤去して、JR九州がバスを走らせたら良いのです。佐世保線、大村線の輸送密度はそれなりにありますから、廃止になる危険性は低く、長崎に狭軌でも行くことができます。離れ小島になる心配はありません。肥前鹿島-諫早間をバスにするのが、維持管理費を削減する一番の策と言えます。バスなら停留所も増やせますし、本数も増やせます。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/557830/、佐賀新聞ホームページ https://www.saga-s.co.jp/articles/-/451326、長崎新聞ホームページ https://this.kiji.is/565552838230934625)

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700系の定期運用は12月まで

 2019年度中に引退することがすでに発表されているJR東海の700系。しかし、実際に乗ることができなくなるのはもう少し早くなりそうです。

 現在、東海道新幹線での700系の定期運用は「こだま」3本のみ。「こだま683号」(東京→新大阪)、「こだま696号」(新大阪→名古屋)、「こだま636号」(名古屋→東京)の3本で、東京-新大阪間を1往復するだけです。しかし、これら3本も12月にはN700系に切り替えられます。東海道新幹線での700系の定期運用は12月で終わるのです(山陽新幹線では700系の「ひかり」が1往復残ります)。

 年末年始の臨時列車などで走る機会はあるでしょうが、東海道新幹線で700系に乗っておきたい人は、今のうちに乗っておいたほうが良いかもしれません。
(参考:「
鉄道ファン」2019年12月号 交友社、鉄道ホビダス rail.hobidas.com/rmn/archives/2019/11/jrjrn700_1.html)

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天北線代替バス補助金打ち切りの理由

 天北線の代替バス、天北宗谷岬線(音威子府-稚内間、171.6キロ)が10月1日に減便したことは以前にも書きましたが、その詳しい事情が明らかになりました。

 10月1日から減便になったのは、補助金が打ち切られたからです。輸送量が国と北海道の基準を満たしていなかったことが会計検査院の検査で発覚したため、9月までで補助は打ち切られたのです。打ち切られた補助金は複数の市町村を通る路線の維持を目的としていて、1日の輸送量は15人以上150人以下であることが要件です。2年前の輸送量の実績で申請することができます。

 天北線の代替バスは輸送量が少なかったため、地元自治体が回数券を購入し、それを住民に配布していました。このように購入された回数券も輸送量に反映させることができます。地元自治体は2000年度から補助の要件を満たすようにあらかじめ年間3900~4700万円分の回数券を買い、それで補助金をもらえるようにしていました。しかし、回数券を地元自治体が買うと、その分、現金を払って乗る客は減ります。そこで、地元自治体は補助の要件を満たすために必要な回数券代を運行会社の宗谷バスに払い、回数券の発券を受けませんでした。このことが会計検査院に指摘され、2014、2015年度の回数券相当額9000万円については発券がなされていないので輸送量から除かれ、結果として補助金を受けるための基準を満たすことができなくなりました。補助金がもらえないのでバスの本数が減ったのです。

 また、補助金がなくなることで、地元自治体の負担は増えます。2018年度の天北線の代替バスの運行経費は約2億円。赤字は1.4億円です。これを国や北海道からの補助約8700万円と地元自治体の支援(回数券代として宗谷バスに支払ったものを含みます)5800万円で埋めました。国や北海道からの補助金がなくなる2020年度には、大幅減便で経費を抑えても、地元自治体の負担は2018年度の1.4倍の8300万円に増えます。もともと天北線が廃止された1989年、国からもらったバス転換交付金は約40億円ありました。ところがバスは赤字続きで、1994年度からバス転換交付金を基にした基金を取り崩しました。2011年にはルートを大幅に変えて天北線が通らなかったが観光客が見込める宗谷岬を経由するなど見直しを行いましたが、基金は減り続け、2019年3月時点ではたった1.9億円しか残っていません。このままでは5年で基金はなくなるようです。このままでは代替バスの存続が危ういので、北海道はこの5月から地元自治体と今後についての協議を始めています。天北線沿いには旭川に行く高速バスが走っているので、それを路線バスにする方法もあるでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191025-00010000-doshin-hok)

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浸水した10編成は全て廃車、「e5489」で東京-金沢間10060円

 台風19号によって千曲川が氾濫し、車庫に停まっていた10編成の新幹線車両が浸水しました。JR東日本は6日、これらの車両を全て廃車にすることを発表しました。電子部品があるモーターやブレーキなどの床下機器が完全に水没し、車内もほとんどのシートが座面から肘掛けまで水につかっていたからです。安全性などを考えると、修理するより一からつくり直したほうがよいと判断したのです。廃車にする車両の帳簿上の価値は、8編成あるJR東日本が118億円、2編成あるJR西日本が30億円。LED表示器など部品の一部は転用することを検討しますが、残りは2020年3月期に特別損失として計上されます。

 さて、現在の北陸新幹線のダイヤは、一部列車が運休するなど通常時の8割ほどの本数で運転されています。しかし、JR東日本が6日に発表したところによれば、11月中に東京-金沢間を直通する列車は全面復旧させ、2020年3月末までに東京-長野間の「あさま」を含めて台風前の本数に戻します。上越新幹線用につくっている5編成と予備車両1編成を北陸新幹線に転用するのです。

 割引切符の販売もあります。JR西日本は、北陸新幹線利用者に、「e5489」専用のお得なきっぷ、「WEB早特14」を期間限定で設定します。利用期間は12月17日から25日までと、2020年1月6日から15日までです。発売期間は利用日の1か月前10:00から14日前23:30までです(発売開始日のさらに7日前から申し込むことができる、「e5489」事前申込サービスも使えます)。「かがやき」、「はくたか」全列車の普通車指定席が対象で(予約することのできる席数には限りがあります。長野発着の場合は「はくたか」のみ利用可能です)、値段は通常期大人1人の場合(子供の設定もあります)、東京(都区内)-金沢間10060円、東京(都区内)-富山間9070円、東京(都区内)-上越妙高間6590円、上野(都区内)-金沢間9910円、大宮-金沢間9680円、長野-金沢間6370円などとなっています。東京(都区内)-金沢間でみると、3割安く、4320円お得です。
(参考:共同通信ホームページ https://this.kiji.is/564685117864641633、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51843800W9A101C1MM0000/、https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51861710W9A101C1LB0000/、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASMC654G8MC6UTIL034.html、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/11/page_15226.html)

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松井大阪市長、駅名に「大阪堺」を提案

 10月31日のことですが、大阪府、大阪市、堺市が湾岸地域の街づくりに関する会議を開きました。そこで松井大阪市長が提案したのは、堺市内の駅名に「大阪」をつけること。「大阪堺」とするのです。堺市の知名度向上のためです。

 しかし、「大阪」を頭に付けると、堺が大阪の一地域のように受け取られてしまいます。余計に混乱してしまいます。阪急や阪神が梅田を大阪梅田としたのとは話が違います(もっとも、個人的には梅田が大阪にあるのは当たり前のことで、渋谷や新宿を東京渋谷や東京新宿と言うぐらい違和感があります)。堺は大阪市内にはありません。

 大阪都構想を実現したい松井大阪市長としては、堺も吸収合併したいところでしょうが、中世からの伝統があり、都市規模が大きい堺は、単なる大阪の衛星都市ではありません。大阪市の区域が狭すぎ、大阪の都市規模に比べて人口が少ないのは確かなところです。ですから、合併で大阪市を大きくするのは理解ができますが、それなら周辺のほかの市を合併すれば良いのです。堺は吸収合併するには大きすぎます。

 堺を潰すのが大阪都構想の目的ならともかく、大阪の都市機能の向上が第一の目的なら、堺を吸収合併することはやめたほうがよいでしょう。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20191102-OYT1T50284/)

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名鉄5700系、5300系引退へ

 名鉄は11月2日から2020年3月31日までの予定で、「ありがとう5700系・5300系記念乗車券」を発売していました。名鉄名古屋駅からの大人片道普通乗車券(570円)と内海駅からの大人片道普通乗車券(530円)がセットになって、1100円で発売していました。限定2000セットの販売でしたが人気で、11月5日時点で完売となってしまいました。

 なぜ完売になったのでしょうか? 実は5700系・5300系は引退します。9500系がデビューし、それにとって代わられるのです。現在、一般車(特別車両券が要らない車両、運賃だけで乗車できます)は3扉が主流で、一部を除いてロングシートです。しかし昔は、「パノラマカー」に代表されるように、2扉転換クロスシート車がたくさん走っていました。5700系・5300系はこの流れを汲む車両だったのです。

 5700系・5300系が引退すると、一般車は3扉に統一されます。通勤通学輸送には詰め込みの利く車両が良いのですが、ついに2扉の一般車が消えてしまうのです。かつてはどこでも見られた車両がなくなってしまうのです。

(追記)
 12月22日から23日にかけて、5300系の5305編成が廃車回送されました。これにより、かつては名鉄でよく見られた2扉転換クロスシート車は姿を消すことになりました。
(参考:名鉄ホームページ https://www.meitetsu.co.jp/recommend/catalog/1256569_5053.html、railf.jp https://railf.jp/news/2019/12/24/174000.html)

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青函トンネルを単線並列にする案、「グランクラス」は8号車?

 北海道新幹線が札幌まで全線開業しても、札幌まで5時間かかるようでは、直通客の需要は見込めません。そこで考えられているのが、最高速度が260キロに抑えられている盛岡以北をスピードアップすることのほかに、最高速度が160キロに抑えられている青函トンネル等共用区間のスピードアップ。青函トンネル等は同じ線路を新幹線と貨物列車が使っているので、スピードが出せないのです。貨物列車を追い出せば話は簡単でしょうが、本数の多い貨物列車を追い出してで運ばせるのは容易ではなく、JR貨物の経営に大きな影響を及ぼします。これまで通り貨物列車も青函トンネル等を使うことを話の前提としなければなりません。

 そこで、新しいアイデアが出てきました。青函トンネル等共用区間には線路が2つありますので、それを新幹線と在来線で1つずつ分け合うのです。共用区間の前後では複線だった線路が単線になるのです。

 しかし、このアイデアで事態が解決されるわけではありません。新幹線も在来線も同じトンネルの中を走りますので、新幹線の最高速度は今まで通り160キロに抑えられます。ダイヤを調整して新幹線と在来線をすれ違うことのないようにすればスピードアップは可能ですが、ダイヤの制約はその分の大きくなります。複線ならば新幹線のスピードを抑えれば待避設備はなくてもいいですが、単線ならばすれ違いができるようにしなければなりません。青函トンネルの中でそのような設備を設けるのは厳しく、ダイヤ設定に大きな制約ができます。輸送力が小さくなるのです。結局、新幹線と在来線とで線路を分け合うメリットは、三線軌がなくなるため線路の保守がその分簡単になる程度でしかありません。

 技術が発達して新幹線上を貨物列車が走るようになれば一番いいのですが、それができない限りは、今まで通り青函トンネルを新幹線と貨物列車が共用するしか仕方がありません。この区間での速度向上は諦めます。その代わり、共用区間以外では新幹線のスピードアップに努め、できれば津軽線の活用などで貨物用の在来線をつくることによって共用区間をできるだけ短くするのが望ましいでしょう。

 さて話は変わりまして、北海道新幹線が札幌まで伸びたとき、車両も新しいものが投入されると考えられます。そのベースになるのが「ALFA-X」です。その「ALFA-X」ですが、どうやら8号車に「グランクラス」が設置されるようです(グリーン車は9号車のまま)。「ALFA-X」の10号車は3列しかないので、6列(18人)の「グランクラス」にも使えないようです。
(参考:週刊東洋経済 2019年11月2日号)

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「エクスプレス予約」等で西鉄「旅人」が安くなる

 JR東海、JR西日本、西鉄は、福岡・太宰府エリアへの観光推進のため、東海道・山陽新幹線のネット予約&チケットレス乗車サービス、「エクスプレス予約」、「スマートEX」の利用者を対象に、「太宰府ライナーバス『旅人』」(2014年に運行を開始しましたが、好評のため増便され、多いときには約15分間隔で運行されています)や福岡市内の西鉄バスの1日フリー乗車券を割引価格で購入することのできるキャンペーンを期間限定で行います。

 キャンペーンの期間は11月1日から2020年3月31日まで。広島以東の東海道・山陽新幹線各駅から「エクスプレス予約」、「スマートEX」で博多まで利用した人は、定価1500円の「福岡市内+太宰府ライナーバス『旅人』1日フリー乗車券」を1000円で買うことができます。「福岡市内+太宰府ライナーバス『旅人』1日フリー乗車券」購入日の当日あるいは前日に新幹線を利用することが条件で、「EXご利用票」または「ご利用票兼領収書」を博多バスターミナル3階乗車券窓口で提示します。新幹線の切符では割引は受けられません。なお、「福岡市内+太宰府ライナーバス『旅人』1日フリー乗車券」は大人1枚で同伴する子供1人の運賃が無料になります。

 また、「EXご利用票」、「ご利用票兼領収書」の提示によって、九州国立博物館の入館料等が割引になります。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040123.pdf)

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名鉄バス等、名古屋-高山間15往復に&1往復が中部国際空港に

 名鉄バス等が運行している名古屋-高山間の高速バスについて、12月1日から増便を行います。現在は1日12往復ですが、名古屋発は朝2便と夕方1便、高山発は朝1便と夕方2便を増やし、1日15往復とします。名古屋-高山間の1日15往復体制は1年前にも期間限定で行いましたが、今回は恒常的なものです。名古屋発の最終便が30分繰り下がり、名鉄バスセンター21:00発となります。反面、これまで全便が停まっていた郡上八幡インターですが、12月からは5往復が通過となります。

 また、15往復のうち1往復については、中部国際空港第1ターミナルまで延伸し、中部空港-高山間を直通します。中部国際空港第1ターミナル17:55発高山濃飛バスセンター22:20着、高山濃飛バスセンター8:30発中部国際空港第1ターミナル12:22着です。この中部空港延長便ですが、空席があれば中部国際空港第1ターミナル→栄、名鉄バスセンター間及び栄→中部国際空港第1ターミナル間のみの利用ができます。また、この中部空港延長便ですが、ほかの「セントレアリムジン」とは違い、交通系ICカードでの利用はできません。
(参考:名鉄バスホームページ www.meitetsu-bus.co.jp/info/detail/596、www.meitetsu-bus.co.jp/info/detail/683)

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山口県内に「ICOCA」拡大

 山口県で「ICOCA」が使えるのはたったの4駅。広島県との境に近い和木、岩国、南岩国と、「SUGOCA」エリアの下関です。ところが、2022年春に「ICOCA」エリアが拡大することになりました。

 2022年春に拡大されるのは、藤生(南岩国の西隣の駅)から徳山までの14駅。「ICOCA」エリアの西の端が南岩国から徳山に伸びるのです。広島など200キロまでのところなら「ICOCA」が使えます。

 ところで、気になることが2つあります。まず、2022年春に「ICOCA」エリアが拡大しても、それは山陽線だけで、岩徳線では使えません。ところが、山陽線で岩国以東と櫛ケ浜以西を通った場合でも、距離の短い岩徳線経由の運賃・料金が適用されます。岩徳線を通らないことが明らかな「ICOCA」を通った場合でも、岩徳線経由の安い運賃が適用されるのでしょうか? もうひとつは、「ICOCA」エリアがさらに西に拡大した場合のこと。2022年春に「ICOCA」エリアが拡大しても、徳山-下関間ではICカードが使えません。しかし、将来は徳山-下関間でもICカードが使えるようになる可能性が高いでしょう(JR西日本もエリアの拡大を検討しているようです。なお、山陰線、山口線、宇部線などへのエリア拡大は考えていないようです)。「ICOCA」エリアは、JR東日本の「Suica」などのように途中で使えない区間をわざと挟むようなことはせず、北陸から中国地方までひとつのエリアとし、ただ距離で利用制限をかけているだけです。しかしこの方策は同じ会社だからできる話であって、ほかの会社と絡むとややこしくなります。現にあいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道を含む場合は大聖寺以東しか使えません。JR九州と話し合って、山口県内の一部を「ICOCA」エリアにも「SUGOCA」エリアにもするのが望ましい対応と言えるでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/11/page_15212.html、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51701610R01C19A1LC0000/)

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「Suica」利用エリア拡大で途中下車無効500キロ

 JR東日本は2020年春、鹿島線でも「Suica」が使えるようになりますが、ほかの路線でも使えるようになります。

 それは、2020年春に全線での運転再開がなされる、常磐線。草野(いわきの隣駅)-浪江間の13駅(臨時駅のJヴィレッジを含みます)と、小高、磐城太田の2駅です。草野-浪江間の13駅は首都圏エリアに入り、東京はもちろんのこと、伊東、松本、水上、黒磯(宇都宮経由)、館山へも「Suica」で移動することができます。小高、磐城太田の2駅は仙台エリアに入り、仙台はもちろんのこと、平泉、新庄、矢吹へも「Suica」で移動することができます。

 ところで、同じ常磐線でも首都圏エリアと仙台エリアに分かれます。浪江-小高間がその境となり(双葉郡と南相馬市の境となります)、間の桃内は「Suica」を利用することができません。「Suica」はほかのエリアにまたがっての利用はできないので、浪江から東京、小高から仙台への利用はできるものの、いわき-原ノ町間の利用はできません。エリアで利用範囲を縛る弊害が出ています。JR西日本のように距離で利用範囲を縛ったほうがよいでしょう。

 また、「Suica」利用エリアが拡大することによって、首都圏エリアと仙台エリアの大都市近郊区間も拡大します。いわき-浪江間が東京近郊区間に加わり、小高-原ノ町間が仙台近郊区間に加わります。大都市近郊区間のみを利用するときは、たとえ紙の切符でも、乗車券の有効期間は1日のみで、途中下車はできません。500キロ以上となる浪江-松本間でも、途中下車できず、1日で移動しなくてはなりません。これぐらいの距離を普通列車で移動する人は皆無と言って良く、鉄道に詳しくない限り途中下車の制度を知っている人もそれほどいないでしょうが、厳しすぎるような気もします。大都市近郊区間が広すぎるのでしょう。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2019/20191029_ho04.pdf)

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長崎新幹線が佐賀空港を通る?

 長崎新幹線は武雄温泉-長崎間のみがフル規格新幹線で開業します。ほかの新幹線とは接続しない、離れ小島の新幹線です。

 この離れ小島の状態となる新幹線をどのようにするか(あるいはそのままにするか)、様々な立場から考えが出ていますが、JR九州の初代社長であった石井幸孝氏が違うアイデアを出してきました。佐賀空港を経由する案です。過去にもそういう案はあったのですが、再び出てきたのです。

 まずフル規格新幹線は300~700キロ程度の距離を結ぶのに適した交通機関であり、100キロ程度では効果を発揮することができません。長崎新幹線は枝線の新幹線なので、既存のフル規格新幹線に直結できないと意味がないのです。ですから、既存のフル規格新幹線に直結させることにします。

 ただ、この構想では佐賀駅を経由しません。経由するのは佐賀空港なのです。法律上、長崎新幹線は九州新幹線と筑紫平野で分岐し、佐賀市附近を通れば良く、新鳥栖で分岐したり、佐賀駅を経由したりする必要はないのです。九州の空の玄関口は福岡空港ですが、福岡の都心に近いため、狭いのです。滑走路は2800メートル1本のみです。現在、2本目となる2500メートルの滑走路を増設する話がありますが、2つの滑走路の間隔が210メートルと狭く、肝心の空港そのものが狭いため抜本的な解決になりません。また、都心に近いため、22時以降は使えません。福岡空港を大幅に拡張して多い需要に対応させることはできないのです。

 しかし、それほど遠くないところに佐賀空港があります。今は佐賀県民のためのローカル空港に過ぎないため、活用されているとは言えません。しかし、周辺には市街地がないため、滑走路を4000メートルに延ばしたり、滑走路を複数設けたりすることも福岡空港より簡単そうです。周辺に市街地がないということは、24時間使っても騒音問題は起きません。新幹線がライバルになるような距離の国内線ならともかく、遠距離の国内線や釜山を除く国際線なら佐賀空港に移しても競争力を失うことはありません。佐賀空港を九州の空の玄関にするのです。そして、その佐賀空港に長崎新幹線を通すのです。筑後船小屋付近で九州新幹線から分岐するとすると、博多-佐賀空港間は25分で結ばれるようです。国際線ならそれほど遠くない空港になります。長崎新幹線は九州の空の玄関口である佐賀空港を通り、現行の長崎線はそのまま使われます。佐賀から博多へは現行の特急が今まで通り走るのでしょう。

 この佐賀空港経由案ですが、いろいろ突っ込むところはあると思われます。佐賀県を通る以上、佐賀県は新幹線の建設費を負担しなければなりませんし、新たに福岡県も負担しないといけません。うまく福岡空港と佐賀空港が役割を分担することができるか、保証もありません。一番の問題は、武雄温泉-長崎間が2022年度にフル規格新幹線で開業してしまうことなのです。武雄温泉以東は狭軌のままなので、利用者は乗り換えを迫られます。「リレー方式」です。将来、未着工区間もフル規格新幹線になる見込みがあれば暫定的な乗り換えは仕方ないのですが、そういう見込みのない長崎新幹線で「リレー方式」を採用するのは全くの愚策です。石井氏の案でもすぐにまとまればそれで構いませんが、これまで混迷してきた長崎新幹線問題が解決するとは思えません。フル規格新幹線で九州新幹線に接続できれば最高ですが、そうでなければ武雄温泉-長崎間を狭軌にして、そこで打ち切りにするしか仕方ありません。在来線より少々速い程度でライバルの交通機関を圧倒するわけではなく、将来性があるとは言えませんが、「リレー方式」よりはましでしょう。

(追記)
 赤羽国交相は11月5日の参議院国土交通委員会において、地盤の状況から長崎新幹線の佐賀空港を経由する案に否定的な見解を述べました。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/553352/、佐賀県ホームページ https://www.pref.saga.lg.jp/shinkansen/kiji0039655/3_9655_3_material731113.pdf、佐賀新聞ホームページ https://www.saga-s.co.jp/articles/-/450863)

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上越新幹線用につくる予定のE7系を北陸新幹線に転用へ

 台風19号で大きな被害を受けた北陸新幹線は10月25日に全区間の運転再開を果たしましたが、車両が不足しているため、一部列車を運休させて対応しています。平常ならともかく、休日や年末年始の需要には対応できません。

 そこでJR東日本は、現在上越新幹線で走っているE7系を北陸新幹線に転用することはしないものの、2019年度中に上越新幹線に投入する予定であったE7系を北陸新幹線用にします。2019年度、上越新幹線用のE7系は5編成投入する予定であったので(2020年3月のダイヤ改正で投入する予定でした)、北陸新幹線用に転用されるのは5編成ということになります。これで北陸新幹線の車両不足を補い、ダイヤを正常に近づけるのが狙いです。ただ、上越新幹線のE7系投入はその分だけ遅くなるということになります。

 さて、北陸新幹線に転用される5編成のうち準備ができた1編成と、上越新幹線に3編成あるE7系のうち予備の1編成(この1編成だけ、トキに因んだピンク色の新幹線ではありません)を使って、11月1日から臨時列車が運転されることになりました。「はくたか」もありますが、メインは本数がかなり減らされた「あさま」が主体です。「あさま480号」(軽井沢15:22発、東京16:40着)のように、29日までの設定期間中、毎日運転されるものもあります。臨時列車は休日に運転するのが多いため、検査は平日に集中させます。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51454490W9A021C1MM8000/、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2019/20191029_ho01.pdf、新潟日報ホームページ https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20191030504254.html)

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