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天北線代替バス補助金打ち切りの理由

 天北線の代替バス、天北宗谷岬線(音威子府-稚内間、171.6キロ)が10月1日に減便したことは以前にも書きましたが、その詳しい事情が明らかになりました。

 10月1日から減便になったのは、補助金が打ち切られたからです。輸送量が国と北海道の基準を満たしていなかったことが会計検査院の検査で発覚したため、9月までで補助は打ち切られたのです。打ち切られた補助金は複数の市町村を通る路線の維持を目的としていて、1日の輸送量は15人以上150人以下であることが要件です。2年前の輸送量の実績で申請することができます。

 天北線の代替バスは輸送量が少なかったため、地元自治体が回数券を購入し、それを住民に配布していました。このように購入された回数券も輸送量に反映させることができます。地元自治体は2000年度から補助の要件を満たすようにあらかじめ年間3900~4700万円分の回数券を買い、それで補助金をもらえるようにしていました。しかし、回数券を地元自治体が買うと、その分、現金を払って乗る客は減ります。そこで、地元自治体は補助の要件を満たすために必要な回数券代を運行会社の宗谷バスに払い、回数券の発券を受けませんでした。このことが会計検査院に指摘され、2014、2015年度の回数券相当額9000万円については発券がなされていないので輸送量から除かれ、結果として補助金を受けるための基準を満たすことができなくなりました。補助金がもらえないのでバスの本数が減ったのです。

 また、補助金がなくなることで、地元自治体の負担は増えます。2018年度の天北線の代替バスの運行経費は約2億円。赤字は1.4億円です。これを国や北海道からの補助約8700万円と地元自治体の支援(回数券代として宗谷バスに支払ったものを含みます)5800万円で埋めました。国や北海道からの補助金がなくなる2020年度には、大幅減便で経費を抑えても、地元自治体の負担は2018年度の1.4倍の8300万円に増えます。もともと天北線が廃止された1989年、国からもらったバス転換交付金は約40億円ありました。ところがバスは赤字続きで、1994年度からバス転換交付金を基にした基金を取り崩しました。2011年にはルートを大幅に変えて天北線が通らなかったが観光客が見込める宗谷岬を経由するなど見直しを行いましたが、基金は減り続け、2019年3月時点ではたった1.9億円しか残っていません。このままでは5年で基金はなくなるようです。このままでは代替バスの存続が危ういので、北海道はこの5月から地元自治体と今後についての協議を始めています。天北線沿いには旭川に行く高速バスが走っているので、それを路線バスにする方法もあるでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191025-00010000-doshin-hok)

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