青函トンネルを単線並列にする案、「グランクラス」は8号車?
北海道新幹線が札幌まで全線開業しても、札幌まで5時間かかるようでは、直通客の需要は見込めません。そこで考えられているのが、最高速度が260キロに抑えられている盛岡以北をスピードアップすることのほかに、最高速度が160キロに抑えられている青函トンネル等共用区間のスピードアップ。青函トンネル等は同じ線路を新幹線と貨物列車が使っているので、スピードが出せないのです。貨物列車を追い出せば話は簡単でしょうが、本数の多い貨物列車を追い出して船で運ばせるのは容易ではなく、JR貨物の経営に大きな影響を及ぼします。これまで通り貨物列車も青函トンネル等を使うことを話の前提としなければなりません。
そこで、新しいアイデアが出てきました。青函トンネル等共用区間には線路が2つありますので、それを新幹線と在来線で1つずつ分け合うのです。共用区間の前後では複線だった線路が単線になるのです。
しかし、このアイデアで事態が解決されるわけではありません。新幹線も在来線も同じトンネルの中を走りますので、新幹線の最高速度は今まで通り160キロに抑えられます。ダイヤを調整して新幹線と在来線をすれ違うことのないようにすればスピードアップは可能ですが、ダイヤの制約はその分の大きくなります。複線ならば新幹線のスピードを抑えれば待避設備はなくてもいいですが、単線ならばすれ違いができるようにしなければなりません。青函トンネルの中でそのような設備を設けるのは厳しく、ダイヤ設定に大きな制約ができます。輸送力が小さくなるのです。結局、新幹線と在来線とで線路を分け合うメリットは、三線軌がなくなるため線路の保守がその分簡単になる程度でしかありません。
技術が発達して新幹線上を貨物列車が走るようになれば一番いいのですが、それができない限りは、今まで通り青函トンネルを新幹線と貨物列車が共用するしか仕方がありません。この区間での速度向上は諦めます。その代わり、共用区間以外では新幹線のスピードアップに努め、できれば津軽線の活用などで貨物用の在来線をつくることによって共用区間をできるだけ短くするのが望ましいでしょう。
さて話は変わりまして、北海道新幹線が札幌まで伸びたとき、車両も新しいものが投入されると考えられます。そのベースになるのが「ALFA-X」です。その「ALFA-X」ですが、どうやら8号車に「グランクラス」が設置されるようです(グリーン車は9号車のまま)。「ALFA-X」の10号車は3列しかないので、6列(18人)の「グランクラス」にも使えないようです。
(参考:週刊東洋経済 2019年11月2日号)
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