うめきたのホームドアは世界初
うめきたの地下駅は2023年春に開業する予定です。最初はおおさか東線や関空、南紀方面の特急が利用するだけですが、2031年になにわ筋線が開業すれば、南海の車両も乗り入れてきます。多種多様の車両が乗り入れてくるのです。
JR西日本は、昇降式ホーム柵を導入しています。扉の数が違う車両でも対応することができます。しかし、なにわ筋線開業後のうめきたはそれでは対応できません。そのほかの各メーカーが開発している新型ホームドアでも対応が困難です。そこでJR西日本、JR西日本テクシア、ナブテスコ株式会社の3社は、車種に応じて自在に開口を構成することができるホームドアをつくることにし、このたび一次試作機が完成しました。
JR西日本等が開発を進めているホームドアとはどういうものでしょうか? あらゆる車種、編成に応じて開口を構成することができる、フルスクリーンホームドアで、世界で初めてのものです。ひとつの親扉(親扉はデジタルサイネージ(電子看板)の機能があり、停車する列車の情報や広告を表示することができます)の両側にふたつの子扉がくっついたユニットから成り(このユニットが5つで1両分の長さとなります。今回の試作では3ユニット分のみつくりました)、これがいくつか連続して上部から吊り下げられています。ホームドアの上部のマシンケースに駆動部や配線があり、扉部はスリムになっています。どうやってこのホームドアは動くのでしょうか? 入線する車種や編成を、2Dセンサーと車両に搭載したIDタグで判別します。このシステムはすでにJR西日本のホーム柵で使われているもので、これによって車両に合わせて障子やふすまのようにユニットが動くのです。60以上のパターンに対応することができるようです。ホームドアと客との衝突、ホームドアと車両の間に客が取り残されることについては、モーター過負荷検知機能と2Dセンサー、3Dセンサーで対応します。いろいろな機能があるため、片側当たりの設置費用は従来の5~10億円より高くなるようです。
これから開発を進めていく段階なので、どうなるかは分かりませんが、完成したものを見てみたいです。理想的なホームドアができれば、安全性の向上に資することになります。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/11/page_15282.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/11/page_15284.html、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52387960Q9A121C1LKA000/、大阪日日新聞ホームページ https://www.nnn.co.jp/dainichi/news/191121/20191121040.html、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASMCN01D9MCMPTIL036.html)
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