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熊本県の全世帯が月1000円ずつ出せば、熊本県内のバスを無料にできる?

 以前にも記事にしたとおり、9月14日に熊本県内で「県内バス・電車無料の日」が行われました。熊本県内の路線バスや鉄道が一部を除いて、無料で1日乗り放題になりました。その結果、バスや路面電車は満員となり、当日の利用者は普段の土曜日の2.5倍の約25万人になりました。熊本交通センターの跡地につくられた商業施設「SAKURA MACHI Kumamoto」など、百貨店などが立地する中心市街地の来訪者数は1.5倍に増えました。

 これだけ利用者が増えたのなら、渋滞はどうなったのでしょうか? 渋滞の長さ(最大渋滞長)は59%も減りました。当日のバスの乗客にアンケートしたところ、普段公共交通を利用しない人が約36%を占めました。整理券の取りかたがわからないといったような、日ごろバスに乗っていない人も無料にひかれて乗っていたようです。この「県内バス・電車無料の日」を企画し、熊本電鉄など他社の運賃減収分も肩代わりした九州産交グループによれば、「県内バス・電車無料の日」の経済効果を約5億円と推計しています。

 その効果を一過性のイベントにするのはもったいないです。実は九州産交グループの試算によれば、熊本県内の全世帯が毎月たった1000円を負担するだけで、路線バスを一年中無料にすることができるのです。熊本県内の路線バス運行による運賃収入と赤字を穴埋めするための補助金の合計額を熊本県内の総世帯数で割ったところ、その程度の負担で通年無料化ができてしまうのです。もちろん、実際にはバスの利用者が増えればその分だけバスを充実させる必要がありますし、利用者の少ないところにもバス路線を求める動きが出てくるでしょうから、そう単純にはいきませんが。

 とは言っても、公共交通の維持の費用は驚くほど安いものです。JR北海道のところでも触れましたが、少々の負担で何とかなるのです。通年無料化はともかく、税金で負担すればバスは維持できるのです。あとはやるか、やらないかだけなのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/91419)

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