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January 2020

近鉄、特急の車椅子席がインターネットで予約可能に

 近鉄は一部の特急列車に、車椅子の人に対応することのできる座席を設けています。

 これまで、この車椅子席はインターネットでは発売せず、駅の窓口や旅行会社に行かなければいけなかったのですが、明日2月1日から、インターネットでも購入することができるようになりました。国内では初めてのことです。

 対象になるのは、(1)「しまかぜ」 (2)「ひのとり」(3月14日デビュー、車椅子のまま車内で過ごすことのできる席を用意しています) (3)「アーバンライナー」 (4)「伊勢志摩ライナー」 (5)「青の交響曲」 (6)「さくらライナー」 (7)22000系、22600系の一部、16400系、16600系 です。ただし、(7)は汎用特急のため、運転日前日の夕方にならないと運行車両は決まりません。車椅子席に座りたいと思っても、前日の夕方にならないと購入できないのです。なお、車椅子の人のほか、その同伴者の席の特急券もチケットレスサービスで購入することができます。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/tokkyunet.pdf)

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JR西日本、城端線、氷見線のLRT化等を地元に提案

 富山県西部の中心都市、高岡。この高岡から南北にJRのローカル線が出ています。南に行くのが城端線、北に行くのが氷見線です。かつては高岡で北陸線と接続していましたが、北陸新幹線開業によって北陸線は第三セクターとなり、新高岡で北陸新幹線と乗り換えることができるだけです。在来線に関して言えば離れ小島の路線です。

 この城端線、氷見線についてですが、JR西日本は29日、富山県及び沿線4市(高岡、氷見、砺波、南砺)に対して、LRT化など新しい交通体系の検討を進めていくことを提案しました。LRTはバリアフリー化や運行本数の増加がしやすく、ディーゼルカーに比べて維持費が安いというメリットがあります。2018年度の輸送密度は城端線が2899人、氷見線が2552人とバスに転換しなければならないほどの数字ではありませんが、JR西日本が発足した1987年度と比べると、6割程度に落ちています。

 この城端線、氷見線のLRT化の話はからあったのですが、再び出てきたのは、先ほども書いたように、北陸新幹線開業によって北陸線が分離され、離れ小島の路線になってしまったからです。幹の部分の北陸線が第三セクターになり、枝の城端線や氷見線が残っているという、ある意味変なかたちになっていて、事業効率はよくないです。特急や貨物列車といったほかの地域に波及する列車があるならともかく、ローカルな需要しかないのに、JRが維持する必要はないのです。近くには富山ライトレールというJRから分離してLRT化した路線の模範例がありますし、それなりに需要があることから前向きな対策が取れます。吉備線が似たような例となるでしょう。

 もっとも、LRT化した場合、誰が費用を負担するかはまだ決まっていません。また、富山市内で完結する富山ライトレールと違い、城端線や氷見線は人口の少ないところを走ります。JRから分離して自治体に何らかの金銭負担をさせれば、これまでのように「安かろう、悪かろう」路線からの脱却はできますが、さすがに富山ライトレールみたいに15分間隔は難しいでしょう。

(追記)
 LRTの車両は通常の鉄道より軽いため、高岡であいの風とやま鉄道を立体交差で越えて、城端線と氷見線を直通運転することもできるようになるようです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2020/01/page_15537.html、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55001010Z20C20A1LB0000/、Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200220-00000002-hokuriku-l16)

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山陽新幹線の一部臨時「ひかり」が「e5489」でお得に

 2020年春の臨時列車については少し前に記事にしましたが、山陽新幹線にはその臨時「ひかり」限定の割引切符があります。

 その臨時「ひかり」限定の割引切符とは、「バリューひかり早特21」。区間、席数限定の切符です。対象になるのは姫路-小倉、博多間。3月14日から6月28日に運転される、「ひかり577号」、「ひかり579号」、「ひかり574号」、「ひかり578号」、「ひかり580号」の5本が対象の列車となります。いずれも新大阪-博多間を走る「ひかり」で、一部は16両編成です。値段は片道6900円(子供は半額)とお得です。1人から購入できます。片道だけの購入もできます。

 発売期間は2月14日から6月7日まで。利用日の1か月前の10:00から21日前の23:30まで発売します。JR西日本のインターネット予約「e5489」で発売するので、購入するには無料のインターネット会員登録が必要です。お手持ちのクレジットカードで購入することができ、クレジットカードがなくても駅やコンビニ等で現金払いすることができます。なお、購入した切符の変更はできません。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200117_01_rinji-haru.pdf)

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熊本のバス5社、「共同経営」へ

 熊本にはいくつものバス会社があり、同じ路線を複数の事業者が運営しているなどの非効率なところがあります。

 そこで、九州産交バス、産交バス、熊本電鉄、熊本バス、熊本都市バスの5社は27日、複数社が重複して走っている路線の解消や路線の相互譲渡をすることによって経営の効率化を図る、「共同経営」による運行計画の策定に合意したことを発表しました。熊本県や熊本市もこの合意に加わっています。ただ、現状ではこのような「共同経営」は独禁法に抵触します。そこで、政府が通常国会に提出する予定の規制除外特例法案の成立及び施行を待ってから行います。早い場合、2020年度中の計画の認定申請と、2020年度中の移行を目指します。

 具体的に「共同運営」とはどういうことをするのでしょうか? まず、熊本市中心部などである複数の事業者が重複して走らせている路線では、運行を1社に統一して、バスと運転士を効率的に運用します。そこで生み出されたバスや運転士を地方の路線で、小型のコミュニティーバスや乗り合いタクシーというかたちで投入します。熊本地震以降、復興需要でほかの仕事に人材が流れ、バスの運転士不足が深刻になっています。2019年春の時点でも45人足りません。2028年度には約900人の運転士が必要なのに、約150人不足するという試算もあります。重複する路線については、運賃収入の分配を行うことも検討しています。中心部で稼いだ分をプールして、ほかの会社に回すのです。利便性向上策として、(1)熊本都市圏などでの均一運賃 (2)全社共通の定期券 (3)他社との乗り継ぎ割引 の実施も協議していきます。5社は4月に共同経営準備室というものをつくり、運行する路線の調整を始めます。会社の合併は行わず、それぞれ別々に経営をしていきます。各社の運行計画は、共同経営準備室が移行してできる共同経営推進室で調整します。

 この「共同経営」の取り組み、広島や前橋でも導入を検討しているようです。

(追記1)
 熊本のバス会社5社は、2021年4月から、複数社で競合している熊本市内の4区間において、運行会社を調整したり、運行間隔を調整したりする予定です。

(追記2)
 2022年4月からは、5社共通の定期券を導入する予定です。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/579127/、朝日新聞1月28日朝刊 中部14版、熊本日日新聞ホームページ https://kumanichi.com/news/id46164、https://nordot.app/803387971223093248)

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駅のトイレに石けんはある?

 駅のトイレには石けんがあるのでしょうか? 東京新聞は関東地方で運行する12の大手鉄道事業者に対してアンケートを行いました。

 結果は鉄道事業者によって大きく異なります。全ての駅でトイレに石けんがあるところもありますし、全くないところもあります。全ての駅で石けんを備えているところは、京急、相鉄、西武、都営地下鉄、東京メトロ、そしてJR東海(東海道新幹線の4駅のみ)の6事業者。東急も石けんがないのは今後リニューアル予定の目黒だけです。

 これに対して京成は65駅ともトイレに石けんがありません。数年前、一部の駅では石けんがありましたが、いたずらなどがあって設置をやめていたのです。しかし、利用者の声などに応えて、2020年度から主要20駅で設置する予定です。このほか、石けんの設置率が低い事業者は、東武(無人駅を除いて178駅中54駅、30%)、小田急(70駅中9駅、13%)、京王(68駅中8駅、12%)です。なお、JR東日本は、石けんのある駅の割合を回答していません。ただ、こちらも利用者の意見を受けて、トイレの改良工事などに合わせて、2016年から設置を進めています。乗車人数が1日1万人以上の駅や観光客の多い駅から進めているようです。
(参考:東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202001/CK2020011502100023.html)

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西鉄の有料座席電車は2021年デビュー

 西鉄の有料座席電車についての続報です。

 3000形を使った西鉄の有料座席電車(「ライナー」という名前が浮上しているようです)は、2021年のダイヤ改正で導入される予定です。平日夜、西鉄福岡を20~22時台に出発して大牟田に向かいます。1時間に1本程度走らせ、300円の追加料金を徴収します。座席指定はせず、定員制になるようです。利用者は空席を探して座ります。

 停車駅は、西鉄福岡を出た後、すぐにオフィスが集まる薬院に停まります。薬院は乗車専用のようです。そこから西鉄久留米まではノンストップ、西鉄久留米からは特急と同じく花畑、大善寺、西鉄柳川、新栄町、大牟田に停まります。西鉄は西鉄久留米以南の利用者が減っているようで、有料座席電車の設定は、座って快適に帰宅することのできる列車を走らせることによって沿線価値を高め、住民を呼び込む狙いがあるのです。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/region/news/200115/rgn2001150020-n1.html、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASMDV52X0MDVTIPE01P.html)

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315系に8両編成

 2021年度から大量352両がつくられる315系。その投入先のヒントになるものが明らかになりました。

 どうやら、315系は8両編成が23本、4両編成が42本つくられるようです。新幹線でもないのにJR東海で8両編成のものがつくられるとは意外ですし、2両編成や3両編成といった短いものがないのも意外です。

 でも、8両編成がつくられるということは、投入される路線は推測できます。中央西線です。ラッシュ時には10両編成が走っているので、8両固定編成でも使うことができます。並行する路線がないので、ロングシートでも客が逃げるリスクは低いですし、名古屋近郊の混雑するラッシュにロングシートは適しています。ただ、中津川までロングシートだときついですが。

 名古屋近郊の東海道線は名鉄との競争を考え、ロングシートの315系は投入せず、転換クロスの313系で固めるでしょう。そうなると315系は中央西線のほか、211系が多く残っている静岡地区に投入されると考えられます。東西に広い静岡をロングシートで移動するのは鉄道ファンにとってはつらいですが、短距離しか利用しない地元の人にとってはあまり気にならないらしいです。むしろ、確実にトイレが付くのが評価されるのかもしれません。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jr315kei/)

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米軍上瀬谷通信施設跡に新交通システムができる?

 米軍上瀬谷通信施設は、かつて横浜市旭区と瀬谷区にまたがっていた、在日米軍の施設でした。約240万平方メートルという広い面積を有していましたが、以前にも書いたとおり2015年6月30日に日本に返還されました。

 この跡地について横浜市は、花博やテーマパークなどの誘致を目指しています。花博は2027年3~9月の開催を目指しています。その後に花博の跡地などにテーマパーク等を誘致するのです。その花博等へのアクセスとして考えられているのが、新交通システム。延長は相鉄の瀬谷駅から北に2.8キロ。複線で、瀬谷駅と上瀬谷駅の2駅のみつくられます。途中駅はありません。上瀬谷駅の先には車両基地がつくられます。将来的には若葉台を通って横浜線の十日市場駅か長津田駅まで延伸する構想です。

 花博等へのアクセスとしてつくられる新交通システムは、横浜の海のほうで走っているシーサイドラインのシステムをそのまま使います。運営会社もシーサイドラインと同じ、横浜シーサイドラインが行います。花博が開催される7年後までにつくらないといけないので、シーサイドラインのシステムをそのまま持ってきて、運営も横浜シーサイドラインに委ねるのでしょう。

(追記)
 相模鉄道瀬谷駅と米軍上瀬谷通信施設跡を結ぶ「上瀬谷ライン」は、瀬谷駅付近が地下、上瀬谷駅付近や車両基地が地上につくられます。瀬谷駅は2面1線、上瀬谷駅は2面3線です。新交通としては長い8両編成を計画していて、将来の延伸の可能性を思わせます。運行間隔は日中で6~8分とのことです。事業費は約700億円です。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/kamiseyaline/、https://tabiris.com/archives/kamiseya202007/、https://tabiris.com/archives/kamiseya20200721/、横浜市ホームページ https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/kankyohozen/hozentorikumi/assessment/shinaijigyou/89-mokuji/89-hairyo.files/89-hairyo-01.pdf)

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多摩モノレール、箱根ヶ崎に延伸か?

 多摩モノレールは、東京都や沿線自治体などが出資する第三セクターが運営する鉄道です。現在開通している区間は多摩センター-上北台間で、1998年から2000年にかけて開業しました。

 この多摩モノレールについては延伸計画があります。上北台からは箱根ヶ崎に、多摩センターからは町田や八王子に延びるという構想があります。このうち、箱根ヶ崎や町田への延伸は、交通政策審議会による東京圏の鉄道整備に関する答申に取り上げられていますが、まずは箱根ヶ崎への延伸から行うようです。

 箱根ヶ崎への延伸を行うため、すでに延伸区間沿いの新青梅街道の道路拡幅工事を進めています。延伸区間は約7キロで、7駅ほどを建設する計画です。約800億円をかけ、開業予定時期は約12年後です。2020年度当初予算案に調査費などとして約1億円を計上する方針で、延伸事業が前に進むようです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200123-OYT1T50110/)

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315系は2021年度デビュー

 2020年の最初に書いた記事はJR東海の新車、315系に関してのもの。その315系について、JR東海から新製の発表がありました。

 2021年度から2025年度にかけて、約720億円を使って352両つくられる315系は、211系、213系、311系を置き換えるもの。特徴としては、(1)安全性、安定性のさらなる向上 (2)快適性、利便性の向上 (3)環境負荷の低減 が挙げられます。(1)に関しては、停電時などに最寄り駅まで走行可能になる非常走行用蓄電装置の搭載(JR東海の在来線車両としては初)、防犯カメラの設置(1両につき5か所)、ATS-PT、モーターを駆動する電力変換装置といった主要機器の二重系化等の実施、メンテナンスに活用するための車両と地上との間のデータ通信装置の導入、異常の発生の抑制や迅速な検知を実現するための振動検知装置(台車等の振動状態を常時監視)の導入 があります。(2)に関しては、HC85系と同じ台車構造を採用することによる乗り心地の向上、客への案内を充実させるための階段位置等の駅設備や運行情報等の表示(車内のフルカラー液晶ディスプレイに表示)、バリアフリー設備の充実(全車両に車椅子スペース、全編成に車椅子対応トイレ) があります。(3)に関しては、消費電力量の低減(モーターを駆動する電力変換装置にSiC素子を導入することなどによって、211系に比べて約35%減らします)、室内灯及び前照灯にLEDの採用 があります。

 315系のデザインはこれまでと異なり、顔も変わるようです。JR東海らしく横にはオレンジを配色しますが、帯ではなく、窓の高さのところがオレンジで塗られます。名古屋、静岡都市圏を中心に、中央線、東海道線、関西線等に順次投入しますが、ロングシートです。313系が残るため、当分はその能力を発揮することができないでしょうが、最高速度は時速130キロです。ライバルの交通機関がない中央線や静岡地区を中心に投入されると考えられます。短距離用に専念することができるのならロングシートのほうが使い勝手が良いかもしれません。ただ、全ての編成にトイレが付くので、車内にトイレがなくて困ると言うことはないでしょう。

(追記)
 315系は赤外線や紫外線を99%カットする遮熱、遮光ガラスを導入するので、窓にカーテンがありません。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040199.pdf、https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000041071.pdf)

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「ひのとり」デビューの3月14日にダイヤ改正

 「ひのとり」は3月14日にデビューします。それに合わせて近鉄はダイヤ改正を行います。生駒鋼索線、けいはんな線を除く全線でダイヤ改正を行います。

 「ひのとり」は平日、休日ともに名阪間を1日6往復します。「ひのとり」は名阪間のほか、大阪難波-奈良間でも1日1往復します。平日は大阪難波22:20発と奈良6:30発、休日は大阪難波20:35発と奈良8:13発です。2021年3月までに大阪難波、名古屋を毎時0分に出る便と休日に運転する大阪難波16:20、17:20、18:20発、名古屋8:20、16:25、17:25、18:25発を順次「ひのとり」に切り替えていきます。大阪難波、名古屋を毎時30分に出る便と名古屋5:58発の名阪特急については、車両を順次「アーバンライナー」に切り替えます。また、一部の名阪特急については所要時間の短縮を図り、鶴橋-名古屋間を1時間59分で結ぶ便を現行の1本から5本に増やします。

 なお、日中の名阪特急についてはこれまで車内販売を行ってきました。しかし、2020年3月8日で名阪特急の車内販売は終了します。ダイヤ改正以降も車内販売があるのは、「しまかぜ」、「青の交響曲」、休日の「伊勢志摩ライナー」のみとなります。代わりに、3月14日にデビューする「ひのとり」では、両先頭車に自動販売機による挽きたてのコーヒー、菓子類の販売を行うカフェスポット、3号車には缶及びペットボトル飲料を販売する自販機を設置します。

 特急については早朝の便の充実が目立ちます。名張5:41発名古屋行きを新設します。名古屋到着は7:08です。松阪を6時前に出る名古屋行き特急は、松阪5:36発に繰り上げます。名古屋6:46着です。平日のみですが、奈良21:30発大阪難波行き特急を増発します。反面、鳥羽発着の特急を中心に運転区間を短縮するものがあります。

 特急以外の一般列車については、以前にも書いたとおり、休日に阪神線と直通している奈良線の6両編成の快速急行を一部を除いて8両編成で運転します。また、途中駅での車両の連結解放作業を取りやめること等により、所要時間を平均4分短縮します。休日については、阪神線と直通する快速急行の運転時間帯を拡大します。

 大阪線は平日の早朝に、五位堂発大阪上本町行きの急行を2本増発します。反対の伊勢方面行きは、平日大阪上本町5:37発伊勢中川行き急行を新たに運転します。大阪上本町6:00発五十鈴川行き急行は、大阪上本町6:14発大和八木行き急行に変更します。大阪線、南大阪線、長野線、名古屋線では始発列車の時刻を繰り上げます。生駒線では2017年の台風21号に伴う徐行運転が終わり、朝夕の生駒-王寺間の列車を毎時4本運転とします。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/daiyahennko.pdf、https://www.kintetsu.co.jp/tetsudo/tetsudo_info/news_info/200121_meihan-syahan.pdf)

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京急の羽田空港国内線ターミナル駅、列車の運行を止めずに引き上げ線つくる

 以前、京急が羽田空港国内線ターミナル駅の改良を検討しているという内容の記事を書きましたが、それが実現することになりました。

 国交省は、訪日外国人の利用が急増している羽田空港と都心との間の鉄道輸送を強化するため、羽田空港の地下にある京急の羽田空港国内線ターミナル駅を改良する方針です。羽田空港にある京急2駅の2018年度の1日平均乗降客数は12万人超で、5年前に比べて3割ほど増えているのです。また国は、2030年の訪日外国人の数の目標を6000万人としていて、目標を達成するためには、都心とを結ぶ鉄道の強化が求められています。

 改良の内容は、以前の記事に書いたとおり、羽田空港国内線ターミナル駅の奥を約330メートル延長し、そこを引き上げ線とすること。現状では羽田空港国内線ターミナル駅には2編成しか停めることができないのですが、改良して引き上げ線をつくれば、最大で4編成を停めることができます。1時間当たりの最大発着回数は24回から30回に増え、輸送力を約25%増やすことができます。1日当たりにして約8万人分の輸送力を増やすことができるようです。改良にかかる費用は約300億円。国交省は2020年度に地質調査や設計を行い、早ければ2021年度に着工します。運用開始はリニアが開業する2027年度より遅くなるようです。

 この改良工事で問題になるのが、羽田空港国内線ターミナル駅が空港の地下にあること。地下約25メートルのところにあります。引き上げ線の上には空港第2ターミナルビルがあり、工事は簡単ではありません。しかも、列車や航空機の運行、運航を止めずに工事を進めるので、工期は長くなってしまいます。

 羽田空港へのアクセスについては、JR東日本も黙ってはいません。JR東日本も羽田空港アクセス線の新設を計画していて、国交省は2020年度から地下トンネルの調査を始めます。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200119-OYT1T50147/)

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北海道新幹線札幌駅の計画変更

 北海道新幹線の札幌駅は「修正東側案」でつくられます。今の札幌駅よりかなり東にできるのですが、計画を変更することになりました。鉄道・運輸機構から委託を受けて進めている設計等の進捗及び北5西1街区の再開発との調整により、計画を変更する必要が出てきたのです。

 変更することとなった計画は3つあります。まず一つ目は新幹線専用改札を1階から3階に変更すること。在来線改札、新幹線在来線乗換改札と同じフロアに揃えてわかりやすくします。新幹線専用改札を3階にすることによって、新幹線の利用者も再開発ビル2階にある東西歩行者動線を使いやすくなります。また1階にはタクシー乗り場や高速バス乗り場があり、接続が良くなります。二つ目は、新幹線下りホームの位置を南側に約1.5メートル、東側に約25メートル移動させること。これにより、新幹線と在来線の移動距離が約300メートルから約325メートルと長くなりますが、創成川を越えた創成東地区に新幹線東改札を設置することを考えています。ホームの位置が変わることによってホームの幅も変わりますが、ホーム柵と昇降設備の間は狭くても2メートルは確保しています。三つ目は、新幹線と在来線を乗り換える跨線橋を今の計画より約50メートル西のところにします。新幹線と在来線とをつなぐ東西連絡通路が約50メートル延びますが、乗換跨線橋や在来線ホーム接続部の通路幅を広くすることができます。乗換跨線橋は約6メートルから約8メートルの幅になります。

 なお、詳細な設計はこれからですが、計画を変更しても工期や工事費は大きくは変わらないようです。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/e59f326c24e52f04866fd13cee954d26.pdf)

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中部空港へのアクセスに西知多産業道路を延伸か?

 名古屋市内と中部空港を結ぶ幹線道路としては知多半島道路がありますが、2本目をつくる話があります。

 2本目になるのは、西知多道路。伊勢湾岸道の東海ジャンクションと知多横断道路の常滑ジャンクション(仮称)とを結ぶ全長19キロの道路です。すでに西知多道路は東海市から知多市にかけての約9キロの区間は西知多産業道路として完成していて、この西知多産業道路を6車線に拡幅します。東海ジャンクションから西知多産業道路までの2キロの区間については、愛知県の要請で国が事業化して2018年に着工しました。新たにつくる知多市以南の8キロについては愛知県が建設することになり、そのうち4キロについては2019年12月に着工しています。残りの西知多産業道路部分については、国が着工に向けて調査しているところですが、愛知県との間で1400億円以上と見込まれている建設費の負担についてまとまっていないので、着工できていません。

 愛知県は今ある西知多産業道路が無料であることから、西知多産業も無料にする方針でした。しかし、建設費の話し合いができなければ、西知多道路の開通がリニアの開業に間に合わないため、一部は利用者負担にするようです。また、西知多道路を無料にした場合、有料の知多半島道路から車が逃げ、西知多道路に集中してしまいます。そのことから西知多道路の有料化は妥当ですが、その場合、有料の区間を現在無料の西知多産業道路を含めた全線にするか、新規につくる区間だけにするかという話が出てきます。西知多産業道路部分を無料にすると、西知多道路が有料になると言っても料金の格差が生じます。西知多産業道路を含めて有料にすると、今まで使っていた人が追い出されます。さじ加減は難しいです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20200113-OYT1T50136/)

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「ムーンライトながら」は2020年春も185系

 17日のことですが、JRグループから春(3月1日から6月30日まで)の臨時列車についての発表がありました。その中で気になったのを取り上げていきたいと思います。

 宗谷線では、「山紫水明」シリーズの車両を使用した臨時急行列車「花たび そうや」を新たに走らせます。旭川-音威子府間を走る「花たび そうや1号」、「花たび そうや2号」が5月8~10日、15~17日、音威子府-稚内間を走る「花たび そうや3号」、「花たび そうや4号」が5月22~24日、29~31日、6月5~7日です。「風っこ そうや」が好評だったので、車両は変わりますが、2020年も観光列車を走らせることにしたのです。「風っこ そうや」は普通列車として運転しましたが、「花たび そうや」は全車指定席の急行として走ります。時間をかけて走るので遅いですが、事実上の観光列車料金みたいなものでしょう。観光列車にそれなりの対価を取るのは望ましいことです。安い指定席券だけ買って乗らない、という人を減らすことができ、地元にお金を落とします。なお、おもてなしイベント等の詳細については、決まり次第発表されます。

 羽越線、奥羽線で走るのは、「鳥海」。羽越線羽後亀田-秋田間開通100周年、奥羽線鷹ノ巣-青森間開通120周年を記念して走る列車です。国鉄色風のE653系が使われます。全車指定席です。運転日は「鳥海1号」(秋田10:36発青森14:18着。弘前、新青森に停車)が6月13日、「鳥海2号」(青森17:45発新潟7:03着。新青森、弘前、秋田に停車)も6月13日、「鳥海3号」(新潟13:37発青森21:10着。新発田、村上、あつみ温泉、鶴岡、余目、酒田、遊佐、象潟、仁賀保、羽後本荘、秋田、弘前、新青森に停車)が6月14日です。

 関西と山陰とを結ぶ新たな長距離列車、「WEST EXPRESS 銀河」は5月8日以降の週末を中心に運転します。ダイヤは出雲市行きが京都21:15発、大阪22:28発、三ノ宮22:51発、姫路0:42発、出雲市9:31着。大阪行きが出雲市16:00発、三ノ宮5:50着、大阪6:12着です。

 最後に紹介するのが、みんなが気になる夜行列車、「ムーンライトながら」。この春も短いですが、185系の10両編成で走ります。大垣行きが3月20~28日の9日間、東京行きが3月21~29日の9日間です。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200117_KO_SpringSeasonTrain.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/08d753b153dc34784e2217993521038d.pdf、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200117_ho02.pdf、JR東日本秋田支社ホームページ https://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20200117.pdf、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200117_01_rinji-haru.pdf)

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常磐線運転再開は3月14日

 常磐線富岡-浪江間は東日本大震災の影響により長い間運転を見合わせていましたが、ようやく運転を再開することになりました。その運転再開日は、以前にもがあった通り、3月14日。これで常磐線は全線で運転を再開することになります。

 運転再開後のダイヤは特急「ひたち」が3往復と、普通列車が11往復。「ひたち」はE657系の10両編成で品川・上野-仙台間を直通します。下りが「ひたち3号」(上野8:00発仙台12:31着)、「ひたち13号」(品川12:45発仙台17:26着)、「ひたち19号」(品川15:45発仙台20:28着)、上りが「ひたち14号」(仙台10:13発品川14:51着)、「ひたち26号」(仙台16:11発品川20:52着)、「ひたち30号」(仙台18:02発品川22:53着)です。いわき-仙台間では広野、富岡、大野、双葉、浪江、原ノ町、相馬、亘理、岩沼に停まります(亘理、岩沼は1往復のみ停車)。全車指定席で、事前に買った場合と、車内で買った場合とでは料金が異なります。これまでの「ひたち」と同じで、300キロ(東京-原ノ町間など)までの事前料金は2550円、400キロまで(東京-仙台間など)の事前料金は2900円です。普通列車については、広野-富岡-浪江-原ノ町間が11往復です。運転を再開する富岡-浪江間を除いては、現行と本数は変わりません。普通列車は全て原ノ町で乗り換えとなります。いわき方面からの列車(E531系を使います)は原ノ町で折り返し、岩沼方面(E721系、701系を使います)からの列車も原ノ町で折り返します。

 駅に関して言えば、3月14日からいわき-浪江間、小高-原ノ町間でも「Suica」が使えるようになり、大都市近郊区間が広がります。首都圏エリアが浪江までとなり、仙台エリアが小高からとなります。また、常磐線の運転再開に合わせ、広野、富岡、大野、双葉、浪江の各駅に「話せる指定席券売機」を導入します(この5駅及び運転再開区間にある夜ノ森は無人駅です)。JR東日本では初めてのことです。通常の指定席券売機として客が操作することもでき(ここが「Kaeruくん」と違うところのようです)、受話器や液晶モニター、証明書などを確認するカメラ機能を使って、オペレーター(オペレーターによる対応は各駅の特急停車時間帯のみの予定です。「話せる指定席券売機」の導入駅が常磐線の5駅と少ないからでしょうか?)と会話して切符を買い求めることができます。指定席券売機ではできなかった、証明書等が必要な切符の購入や新年度の通学定期券の購入も可能となります。なお、「話せる指定席券売機」は順次JR東日本エリアで拡大する予定です。「Kaeruくん」では失敗したJR東日本ですが、いずれはJR西日本のように「みどりの窓口」を大幅に削減するようになるのでしょうか?
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200117_ho01.pdf、JR東日本仙台支社ホームページ jr-sendai.com/upload-images/2020/01/202001174-1.pdf、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54504220X10C20A1XQH000/、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20200118-OYTNT50043/、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20200117-jobanline/)



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阪堺恵美須町、南に100メートル移動

 阪堺の大阪側のターミナルは恵美須町ですが、移動することになりました。

 移動するのは2月1日。現在の停留場の南側約100メートルのところに移ります。2018年の台風21号により被災した駅施設の復旧に合わせて、バリアフリーに対応した停留場にするのです。とは言っても、本音は需要に合わせたダウンサイジングでしょう。ホームが2面あるところが1面だけになります。24分間隔の路面電車なら、1面1線で十分でしょう。

 停留場が移設されたことによって、恵美須町から各駅の営業キロが若干短くなり、一部区間では定期券等の金額が下がります(運賃は210円の均一料金ですが、定期券や登録型割引サービスは距離によって運賃が変わります)。例えば、恵美須町-浜寺駅前間は移設によって営業キロが15キロから14キロになります。1か月通勤定期の場合、10100円から9890円に下がります。
(参考:阪堺ホームページ https://www.hankai.co.jp/_wp/wp-content/uploads/2020/01/0ebe9b2e6def39e75783c1dd2a588f3f.pdf)

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DMVの運行ルート案、発表

 線路も道路も走ることができる車両、DMV。阿佐海岸鉄道が2020年度中の導入を目指しています。

 そのDMVの運行ルート案ですが、2019年12月の段階で発表されています。徳島県が阿佐東線DMV導入協議会で発表しました。それでは、ルートを見ていきましょう。

 阿波海南文化村(徳島県海陽町)と阿波海南駅との間は、バスモードで走ります。阿波海南駅と甲浦駅との間はレールの上を走り(阿波海南-海部間はJR四国から編入されます)、甲浦駅からは道の駅東洋町(高知県東洋町)を経て、道の駅宍喰温泉(徳島県海陽町)まで再びバスモードで走ります。3両あるDMVを使って、このルートで毎日運行しますが(本数は現在の鉄道よりも多くなるようです)、休日は1往復を室戸市方面に延ばして、室戸ドルフィンセンターなどを訪れます。ルートは並行して走るバス会社との調整を経て、正式に決定されます。

 ただ、DMVはすぐに導入できるわけではありません。工事が必要なのです。まず、2020年夏ごろまでに牟岐線牟岐-海部間を運休し、バスによる代行輸送を行います。DMVが導入されない牟岐-阿波海南間も運休するのは、列車折り返しの信号設備が牟岐にしかないからです。阿波海南-海部間ではDMVの現地性能試験や保安設備の設置、阿波海南駅の改良工事を行います。秋ごろには阿佐海岸鉄道も運休し、バス代行輸送を行います。海部駅、宍喰駅ではDMV用のホーム設置工事を行います。工事終了後は、阿波海南-甲浦間及び道路で習熟運転を行います。DMVの開業は2020年度末。牟岐線牟岐-阿波海南間はJR四国のディーゼルカーが再び走るようになり、阿波海南駅でDMVと乗り換えができます。阿波海南駅ではJR四国の線路とDMVの線路は切り離されるので、直通運転はできません。

 なお、DMVの総事業費は約13.9億円かかります。駅に遮断機や警報機を設置するなどの安全性の確保のために、約9000万円の追加経費がかかるのです。高知県からは事業費の削減を求める声も出ましたが、DMVは日常的なものではなく観光用でしか使えないので、料金を高く取って回収するしかないでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASMDS3GXKMDSPUTB001.html、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/railwaynews-206/)

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「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」の旅行プラン発表

 東急が普段、伊豆急で走らせている「THE ROYAL EXPRESS」を北海道で走らせることについては何度に記事にしましたが、その旅行プランが明らかになりました。

 この旅行プランは、札幌を出発し、帯広・十勝、釧路・知床、オホーツク・北見、旭川・美瑛・富良野の4エリアを巡るものです。8月14日~17日、8月21日~24日、8月28日~31日、9月4日~7日、9月15日~18日(いずれも定員は30人)の5回運行します。基本料金は68万円です(2人で1室利用。ホテルのランクを上げると、料金は上がります)。宿泊は車内ではなく宿に泊まりますが、4日間とも昼は車内で食べます。「ミシュランガイド北海道」にて星を獲得した地元4店舗の料理人が、北海道ならではの食材を中心に創作メニューを提供します。伊豆での「THE ROYAL EXPRESS」の運行においてテーマ曲を演奏している大迫淳英氏が、この北海道においても新たにテーマ曲をつくり、演奏します。なお、「THE ROYAL EXPRESS」は本来8両編成ですが、北海道では、1号車、4~6号車、8号車の5両編成となります。パンタグラフも撤去して、北海道では客車として走ります。

 それでは、プランの内容を細かく見ていきましょう。1日目は10:00ごろからJRタワーホテル日航札幌にて、ウェルカムセレモニーを行います。札幌駅出発は11:00ごろで、車内で寿司を食べます。16:25ごろに池田駅に着くと「THE ROYAL EXPRESS」特別ワインパーティーで世界に誇る十勝ワインを楽しむことができます。その後は専用バス(「THE ROYAL EXPRESS」 と同じ青い色をしています。伊豆から運ばれるもので、その後も専用バスも同じです)で十勝川温泉第一ホテル豊洲亭に行き(18:00ごろ)、そこで泊まります。2日目の朝食は、農場での採れたて野菜。その後、釧路駅まで専用バスで行き、10:25ごろに「THE ROYAL EXPRESS」は出発します。車内での昼食は、日本料理。川湯温泉駅には12:30ごろに着き、観光かティータイムかを選ぶことができます。川湯温泉駅発は14:15ごろです。知床斜里駅着は15:05ごろで、専用バスで北こぶし知床ホテル&リゾートに向かいます。ホテルに向かう途中で、クルージングや知床五湖散策を選ぶこともできます。3日目の朝は美しいオホーツクの海を眺めながら食べます。知床ウトロ港で水揚げされる新鮮な魚介類を味わいます。8:50ごろに知床斜里駅を出て、北見駅には10:50ごろに着きます。北見では薄荷のワークショップ体験を楽しむこともできます。専用バスで遠軽駅に移動し、13:00ごろに出発します。車内での昼食は割烹です。15:30ごろに旭川駅に着き、専用バスからの美瑛の景色を見ながら、富良野リゾートオリカに着きます。最終日の4日目は専用バスで旭川に戻ります。ファーム富田や美瑛の青い池を通って行きます。11:10ごろに旭川駅を出て、車内での昼食は創作イタリア料理です。札幌駅に15:00ごろに着いたら、JRタワーホテル日航札幌でフェアウェルパーティーです。さらに希望者は新千歳空港まで、専用バスで送ります。

 申し込み方法は、ホームページや郵送で受け付けた後での、抽選での販売です。申込期間は2月17日~3月10日ですが、「THE ROYAL EXPRESS」に2回以上乗った人は、2月10日からの先行販売に申し込むことができます。

(追記)
 「なぜ書き入れ時の夏に『THE ROYAL EXPRESS』を伊豆で走らせないのか?」と思うかもしれませんが、繁忙期の夏は臨時列車がたくさん走るため、定員の少ない「THE ROYAL EXPRESS」は元々走っていないのです。ですから、JR北海道に貸し出すことができるのです。
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20200114-1.pdf、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/rehokkaido/、鉄道ジャーナル」2019年10月号 鉄道ジャーナル社、鉄道ジャーナル」2020年4月号 鉄道ジャーナル

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普段は利用されない宗谷線?

 JR北海道が単独で維持困難とした路線のひとつに宗谷線名寄-稚内間があります。

 その宗谷線ですが、2019年夏には観光列車、「風っこ そうや」を走らせ、好評でした。乗車率は平均70%でしたが、切符だけ買って実際には乗らなかった人がいたため、数字が下がったと言われています。このほかにも、沿線自治体などが利用促進に向けて、ツアーを行っています。しかし、この施策が普段の利用者増にはつながっていません。

 それは当たり前の話です。普段の利用者を増やすなら、観光列車を走らせても効果はありません。人口が少ないところですから通学需要には期待できず、都市間列車(特急)の充実を図るしかないのです。車やバスに乗って札幌や旭川に行く人に、いかに鉄道に乗ってもらうかが重要なのです。そういう意味では利用促進策に過度の期待をしてはいけません。

 話は変わりまして、宗谷線には利用者が極めて少ない駅がたくさんあります。過去5年間の1日当たりの乗車人員が3人以下の駅は29もあります。このうち、宗谷管内には幌延町の7駅、豊富町の2駅、稚内市の1駅、合わせて10駅があります。JR北海道は、沿線自治体などでつくる宗谷本線活性化推進協議会に対して、2020年3月までに、駅の維持費を負担するかどうか判断することを求めています。もちろん、負担を拒否すれば廃止の危険性は高まります。通学で現に使っている駅については、地元自治体が負担しなければならないでしょう。
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/377399、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/373717)

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小田急の新しい回数券は表紙持参要

 小田急は4月1日から、現行の回数券に代えて、新たな企画回数券を発売します。

 その名前は「小田急チケット10」。普通回数券と同じ条件の「レギュラー」(終日使えます)、時差回数券と同じ条件の「オフピーク」(平日10~16時と休日に使えます)、土・休日回数券と同じ条件の「ホリデー」(休日に使えます)の3種類が用意されます。子供は「レギュラー」のみです。現行の回数券に比べて有効期間は2か月と短くなるものの割引率が少し高くなり(一部、割引率が変わらない区間があります)、また全て10枚綴りになります。

 この「小田急チケット10」のチケットの特徴は、使用条件等を記した表紙券がついています。「小田急チケット10」は磁気券対応の自動改札機を利用することができますが、表紙を同時に持参しておく必要があります。場合によっては駅員が表紙を確認することもあるようです。通常は自動改札機を通るだけなのでチェックされることはないでしょうが、金券ショップでばら売りするのは難しいでしょう。万が一に備えて表紙を持っておく必要がありますから。

 なお、現行の回数券は3月31日まで発売し、4月1日以降も有効期限の間、使うことができます。

(追記)
 その「小田急チケット10」ですが、「PASMO」を使ったポイント制に移行するため、2022年7月31日で発売を終了します。2022年8月1日以降も有効期限までは使えます。
(参考:小田急ホームページ https://www.odakyu.jp/news/o5oaa1000001nzon-att/o5oaa1000001nzou.pdf、https://www.odakyu.jp/news/o5oaa10000022i0l-att/o5oaa10000022i0s.pdf)

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沿線市町村が弘南鉄道弘南線の支援策を協議?

 弘南鉄道には弘前と黒石を結ぶ弘南線と、大鰐と中央弘前を結ぶ大鰐線の2つの路線があります。大鰐線には一時廃止のがありましたが、弘南線も芳しくないようです。

 弘南線は2018年度に赤字が大幅に拡大しました。2019年10月のダイヤ改正で減便を行ったのはその現れでしょうが、地元自治体も運行維持のための支援策を考えているようです。この辺りの中心都市の弘前市が2019年12月に、ほかの沿線市町村と共同で運行維持の支援をすることを検討していることを明らかにしました。2020年度の予算に組み込むことを考えています。

 すでに弘前市は大鰐線について存続のための支援を行っていて、弘南線についても支援を行うことになります。何もしないと廃線になってしまってもおかしくはないので、存続のためには地元の支援が必須と言えるでしょう。

(追記)
 弘前市など弘南鉄道の沿線5市町村は、弘南鉄道の2019年度、2020年度の経常赤字(ちなみに、2019年度の弘南鉄道の赤字見込額5920万円です)を全額補填する方針です。各市町村にある駅の利用者数割合に応じて負担する方針で、2019年度の赤字は2020年度に、2020年度の赤字は2021年度に補填します。沿線の中心都市である弘前市が2/3ぐらいを負担するようです。
(参考:Web東奥 https://www.toonippo.co.jp/articles/-/287533、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASN256VCXN25UBNB00G.html?pn=4)

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名古屋市科学館の前にレールを敷いてSLを走らせる?

 名古屋でのSLについて、あおなみ線での運行は諦め名古屋市科学館にあるB6(1904年にドイツでつくられました。愛知県の今のJRに当たる線路で走っていました。SLの全長は10メートルです)という蒸気機関車の車輪だけをモーターで動かすというところまでお伝えしましたが、新しい動きがありました。B6が線路の上を走るのです。

 線路は名古屋市科学館の敷地に敷きます。約120メートルの線路を敷き、そこにB6を走らせます。環境に負荷がかかる蒸気機関ではなく、圧縮空気で走らせます。蒸気で走るSLと同じように、「プシュー」という音や煙を再現することができます。

 やはり問題となるのはお金。現在、B6は大阪市内の工場で解体されていて、これを走行できる状態にするだけで最大3.3億円もかかります(蒸気機関だと4.8億円かかるので、それよりは安いです)。線路の敷設費用などを含めるとさらに膨れ上がります。名古屋市教育委員会はこの2020年1月から復元工事の設計を始めるようですが、そこまでして走らせる価値があるのかは難しいところです。後ろに全長10メートル程度の客車をつなぐので、実際にお金を取って走らせても良いでしょうが(通勤通学の足であるあおなみ線とは違って、単なる遊戯施設と割り切れます。営業している鉄道なら求められる安全装置も簡略化できます。科学館のアトラクションのひとつと言えます)、SLに乗りたいなら大井川か京都に行けばいいのですから、難しいところです。

 もっとも、河村名古屋市長はこれでも不満です。レールが120メートルしかないのは短いとして、白川公園の南西まで330メートルの長さにする案を持っています。客車は10メートルほどの小型客車ではなく、JR東日本から旧型客車2両を取得します。330メートルにすると、120メートルでは要らなかった踏切が必要になってきます。当然ながらコストは増大します。しかも、まだ話には先があります。第一段階は、名古屋城の南の道路を1車線潰して、SLを走らせます。そして、最終目標は、あおなみ線での運行です。あおなみ線で走らせることを諦めていないのです。いくらSLを走らせたくても、遊戯施設が限界でしょう。

(追記)
 名古屋市科学館にあるSLを敷地内で走らせることについて、市議会の理解を得られず、名古屋市教育委員会は計画を白紙撤回することになりました。
(参考:中日新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019122502000080.html、https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020010690213115.html、https://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20191226/CK2019122602000057.html、朝日新聞1月15日朝刊 中部14版、朝日新聞2月13日朝刊 中部14版)

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京都府、高速バスの長岡京インターチェンジでの一時退出を認めるよう要望へ

 京都縦貫道の長岡京インターチェンジには高速バスのバス停があります。高速長岡京です。2013年12月に開設されました。

 このバス停の売りは、阪急の西山天王山駅に直結していること。京都や大阪に阪急一本で行くことができます。乗り換えの手間は要りますが、都心の渋滞を回避できます。

 ただ、高速長岡京には欠点があります。このバス停に停まったバスは、いったん高速道路を出ないといけません。高速道路を出ると言うことは、初乗りに当たるターミナルチャージが150円かかり、長距離割引の割引率も下がります。このことから高速長岡京の利用者数は減少傾向にあります。2015年10月には86便、4700人が利用しましたが、2019年7月には57便、2000人弱まで減ってしまいました。

 京都府は、この高速長岡京の利用が振るわないのは、高速長岡京がいったん高速道路を出なければならない構造になっているからだとして、国に対してインターチェンジでの一時退出を可能にするように求めることにしました。インターチェンジでの一時退出は現在、国交省が社会実験として全国23か所の道の駅で行っていますが、それを拡大して適用させようとしているのです。

 高速長岡京の最大の問題は、名神などの幹線の高速道路ではなく、京都縦貫道というローカルの高速道路にあること。いったん名神等から離れて、京都縦貫道に入らないといけません。その手間は一時退出が認められても変わりません。また、一時退出が認められたとしても、京都縦貫道を2回乗ることになります。途中下車ではありません。その分の料金を払わないのも変な話です。京都府か長岡京市あたりが補助金などのかたちで支給するほうが理にかなっているでしょう。
(参考:京都新聞ホームページ https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/95837)

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阿蘇山ロープウェー、再建を断念、バスによる輸送へ

 阿蘇山ロープウェーは登山バスの終点と火口近くとの間、約860メートルを結んでいました。1958年に開業し、年間約40~50万人が利用していましたが、火山活動が活発化して、2014年8月から運休していました。運休中の2016年4月には熊本地震、同じく2016年10月には中岳の噴火があり、ロープの支柱や駅舎の屋根が損傷し、解体されていました。

 その阿蘇山ロープウェー、2020年度の完成を目指して2019年5月から再建工事を始めていたのですが、火山活動が今後も続くことから安全に運営することは難しいと判断して、ロープウェーの再建を断念することにしました。工事費がかかることや工期が長くなることも断念の原因です。

 今後は、バスによる輸送に切り替えます。
(参考:産経ニュース https://www.sankei.com/region/news/191226/rgn1912260001-n1.html)

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長崎新幹線の開業は2022年6月?

 長崎新幹線も北陸新幹線と同じ、2022年度に開業します。このうち、北陸新幹線は2022年度末に開業します。それでは、長崎新幹線は2022年度の中でもいつになるのでしょうか?

 青柳JR九州社長の話によれば、その時期は2022年6月になるようです。しかも、前倒しが求められても対応できるようにします。2022年3月に開業することも視野に入れているようです。2022年6月開業としても、2年半しかありません。

 ただ、長崎新幹線はフル規格でできてしまいます。武雄温泉で在来線に乗り換える「リレー方式」です。目の前に列車が停まっているとは言え、面倒な方式です。九州新幹線新八代開業のときのように乗り換えがあっても大幅な時間が短縮があるならいいのですが、長崎新幹線はそれほどでもなく、所要時間が少し遅い程度の高速バスが頻繁に運転されています。車でもそんなに遠くはありません。北陸新幹線も敦賀で乗り換えになりますが、今までは乗り換えが必要であった東京方面は乗り換えが不要になりますし、名古屋方面はともかく、関西との間の高速バスはあまりありません。その高速バスも鉄道に比べるとかなり遅いのです。

 そして、一番の問題は、長崎新幹線が全線フル規格新幹線になるという保証がないこと。九州新幹線は7年で全線開業しましたし、北陸新幹線もかなりかかりますが、いずれはフル規格新幹線になります。しかし、長崎新幹線は佐賀県と長崎県が対立していて、先が見えません。永久に武雄温泉での乗り換えが続く、誰の得にもならない新幹線ができあがります。急がなければならないことは、暫定開業を急ぐことではなく、今後の整備方針を決めることです。博多-長崎間を50分以内で結ぶことができ、新大阪にも直通することができるフル規格新幹線がベストですが、それが無理なら少なくとも直通はできるスーパー特急で我慢するしかないでしょう。レールを敷き直すため開業時期は遅くなりますが、「リレー方式」よりははるかにましです。
(参考:長崎新幹線ホームページ this.kiji.is/587814288801350753?c=39546741839462401)

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和歌山電鐵に「ニタマ電車」

 「たま電車」等の観光列車を走らせている和歌山電鐵。さらに観光列車が増えるようです。

 新しい観光列車のテーマは、ニタマ。たまの跡を継いで二代目の駅長になったニタマですが、この2020年の夏で5年になります。それを記念して「ニタマ電車」をつくることにしました。

 なぜ「ニタマ電車」をつくることになったのでしょうか? 和歌山電鐵は再出発11年目の2016年から、運行補助は求めずに設備投資の補助だけを求めるスキームで再出発をしました。1年目はそれでも黒字になりましたが、関空での貨物船衝突事故などでインバウンド客は減り、経営は苦しくなっています。どうやら道路が整備されたことで通勤客も減っているようで、再び赤字になっています。その危機を救うために、ニタマをテーマに新たな観光列車をつくることにしたのです。運行は2021年以降になります。

 デザインは水戸岡氏が引き続き行いますが、詳細はニタマの駅長就任5周年に当たる8月10日に発表します。ただ、黒字化を達成したいという思いから黒色がベースになるようです。製作費用もないのか、クラウドファンディングや寄付などで賄うようです。
(参考:和歌山電鐵ホームページ https://www.wakayama-dentetsu.co.jp/2020/01/06/ニタマ電車のデザイン発表!-―貴志駅長就任5周年/、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/wakayama/news/20200105-OYTNT50127/)

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利用促進のお金しか出さないのなら、廃止になっても仕方がない

 あまりにも利用者の少ない路線をたくさん抱えて、苦境に陥っているJR北海道。鉄道を残すなら、地元の支援が欠かせません。

 その地元の支援についてですが、鈴木北海道知事は、2019年12月10日の北海道議会予算特別委員会で述べました。その内容とは、北海道や市町村が赤字補填や設備更新に財政支援することはないというのです。国が中心となって支援をするものであり、北海道や市町村がお金を出すのは利用促進のものだけです。

 利用促進程度しかお金を出さないとは、やる気がないと判断されても仕方がありません。鈴木北海道知事は夕張市長時代、石勝線(夕張支線)の廃止を自ら提案するといった思い切った行動を取りましたが、どうやら北海道知事になって鈍ってしまったようです。石勝線のように自分一人だけで決められる話ではないのでしょうが。北海道にとっては潰したくない路線でも、全国的な視点で見れば、需要が極めて少なく、廃止になっても文句が言えない水準です。国境に近いため残しておいたほうが良い路線もあるでしょうが、普通列車までいるわけではありません。特急だけにして、駅を大幅に潰しても良いのです。道路は国や北海道のお金で維持されますから、代わりにバスを走らせたら十分です。JR北海道は赤字が減り、北海道や市町村はお金を出さなくても良い、どちらもハッピーです。

 北海道や市町村が採るべき道はどちらでしょうか?
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/373358)

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山梨県内のリニア駅は甲府市内

 リニアの山梨県内の駅は元々甲府市南部の大津町につくる予定でした。しかし、2019年1月の知事選で当選した長崎山梨県知事はリニアの駅について、身延線と接続できる場所が望ましいとして、見直しをすることにしました。

 2019年12月ですが、その見直しの結果が発表されました。結果は、当初の予定通り、甲府市南部の大津町。車やバスを使う人の利便性が高いということで選ばれました。身延線と接続できる場所が望ましいとして候補に挙がっていた中央市の小井川駅との間は、専用道(リニア高架下のJR用地を使います)を走るシャトルバスで結ばれます。なお、リニアの山梨県内の駅は、1時間に上下1本ずつ停まると仮定しています。

 とは言っても、甲府市南部の大津町は、甲府の中心部からかなり離れています。品川とリニアの山梨県内の駅は約25分で結ばれますが、その駅から甲府市の中心部まではシャトルバスと身延線を乗り継いで約30分もかかります。駅からの時間が30分もかかるようでは、名古屋、新大阪方面からならともかく、品川方面からだと、リニアの効果が消えてしまいそうです。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/economy/news/191218/ecn1912180021-n1.html、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53509820Y9A211C1L83000/)

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和歌山線、紀勢線での「ICOCA」の使いかたと、ワンマン列車の乗りかた

 3月14日から和歌山線五条-和歌山間及び紀勢線海南-紀伊田辺間で「ICOCA」が使えるようになります。特に車載型IC改札機を利用する和歌山線での使いかたは特殊なものになります。以前の記事で予告したのですが、ここでその使いかたとワンマン列車の乗りかたについて説明したいと思います。

 まず、和歌山線で紙の切符や磁気定期券にも対応する自動改札機があるのは、橋本と岩出の2駅のみ。ここでは、駅の自動改札機にタッチします。粉河にはIC専用自動改札機があります。利用方法は乗車する列車によって変わります。日中時間帯等の2両編成ワンマン列車の場合(1両目の一番前のドア以外は開きません)、乗るときは駅の入場用IC専用自動改札機にタッチします。もし、駅の入場用IC専用自動改札機にタッチできなかったときは、1両目の一番前のドア付近にある、青色のIC改札機にタッチします。降りるときは1両目の一番前の運転席付近にある、黄色のIC改札機にタッチします。駅ではタッチする必要はありません。これに対して、全てのドアが開く朝夕の2両編成ワンマン列車や4両編成ワンマン列車の場合、乗るときは駅の入場用IC専用自動改札機にタッチします。もし、駅の入場用IC専用自動改札機にタッチできなかったときは、各車両のドア付近にある青色のIC改札機にタッチします。降りるときは駅の出場用IC専用自動改札機にタッチします。各車両の運転席付近にある黄色のIC改札機にタッチしてしまったときは、駅係員にその旨を告げて下さい。

 紀伊山田、中飯降、笠田、紀伊小倉の4駅については、通学等で降りる人が一時的に集中する駅です。そのため、出場用IC専用自動改札機を備え付けています。日中時間帯等の2両編成ワンマン列車の場合は、一番前のドア以外は開きませんので、乗るときは1両目一番前のドア付近にある青色のIC改札機にタッチし、降りるときは1両目一番前の運転席付近にある黄色のIC改札機にタッチします。全てのドアが開く朝夕の2両編成ワンマン列車や4両編成ワンマン列車の場合、乗るときは各ドア付近にある青色のIC改札機にタッチします。降りるときは各車両の運転席付近にある黄色のIC改札機にタッチします。近くに黄色のIC改札機がないドアから降りたときは、駅の出場用IC専用自動改札機にタッチします。そのほかの駅では、日中時間帯等の2両編成ワンマン列車の場合は、一番前のドア以外は開きませんので、乗るときは1両目一番前のドア付近にある青色のIC改札機にタッチし、降りるときは1両目一番前の運転席付近にある黄色のIC改札機にタッチします。全てのドアが開く朝夕の2両編成ワンマン列車や4両編成ワンマン列車の場合、乗るときは各ドア付近にある青色のIC改札機にタッチし、降りるときは各車両の運転席付近にある黄色のIC改札機にタッチします。また、ホーム上で後続の列車に乗り換える場合は、車内の黄色のIC改札機にタッチせずに列車から降ります。なお、和歌山線で「ICOCA」を販売しているのは、橋本、粉河、岩出、和歌山のみ、チャージができるのはこれら4駅と高野口、笠田、名手、打田です。これらの駅を利用しない場合は、コンビニや車内でチャージします。長々と書きましたが、何回か聞かないとややこしくて理解が難しいです。

 紀勢線のほうはシンプルです。各駅にIC専用自動改札機がありますので、乗るときも降りるときも駅のIC専用自動改札機にタッチすればいいのです。チャージは道成寺-岩代間と芳養を除く各駅の自動券売機でできます。

 なお、御坊-新宮間の2両編成ワンマン列車の乗りかたは次のようになります。乗るときは1両目の一番前のドアから乗り(紀勢線では乗車整理券を取る必要があります)、降りるときは1両目の一番前のドアから降ります。始発駅や終着駅、利用の多い時間帯や駅では全てのドアが開きます。
(参考:JR西日本和歌山支社ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/191213_00_wakayama.pdf)

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青函トンネルの時速210キロ運転は2020年中に実現

 北海道新幹線は最高速度時速260キロの新幹線ですが、青函トンネル等では在来線と共用しています。この区間ではすれ違う際の風圧で貨物列車が荷崩れを起こす危険性があるとして、最高速度が時速160キロに抑えられています。

 ただ、これでは何のための新幹線かわかりません。北海道新幹線が札幌まで全線開業しても、5時間かかるようでは、使ってくれません。JR北海道は東京-札幌間を4時間半で結ぶことを目標にしていて、北海道新幹線の新函館北斗-札幌間で最高速度を時速320キロに引き上げることを国交省に要請するとともに、青函トンネルでの速度向上についても検討をしてきました。

 JR北海道は2019年9月から青函トンネル内で高速走行試験をしましたが、特に問題はなく、最高速度を時速160キロから引き上げることにしました。50キロ引き上げて時速210キロになり、トンネルの通過時間は3分短くなります。システムの改修に夏過ぎまでかかるため、2020年においては、時速210キロ運転を貨物が少ない年末年始に限定して行うようです。2021年以降は、期間や時間帯を拡大します。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200105-OYT1T50080/)

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トラックの隊列走行拠点、新東名、新名神の3か所に

 国は自動運転のトラックが隊列を組んで走る、隊列走行を実用化しようとしています。運転士不足の解消と物流コストの削減がその目的です。現在は静岡県内の新東名で実験を行っていて、2022年度に新東名、新名神の東京-大阪間で実用化させる計画です。実用化すれば、先頭のトラックだけ運転士が乗り込み、後のトラックは無人で走ります。

 ただ、隊列走行は新東名、新名神だけで行い、そのほかの高速道路や一般道では行いません。従来通り、トラックごとに運転士が乗り込みます。その運転士が乗り降りする場所が必要となるのです。

 そこで国交省は、荷物の積み卸しや隊列の結合、分離を行う場所として、新東名、新名神の沿線3か所に拠点をつくる計画です。その場所は、海老名南、豊田、城陽の各ジャンクション付近。高速道路の結節点で、すでに多くの物流施設が集まっていることから、選ばれました。2022年度に整備する方針です。

 でも、以前にも書きましたが、隊列走行とか新しい技術を使うまでもなく、拠点間を少ない人数で大量に運ぶ手段があります。それは貨物列車を使うこと。貨物専用の新幹線ができればベストですが、そうでなくても在来線の貨物設備に投資して増強することが求められるでしょう。東海道はそれが求められる路線なのです。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/economy/news/190916/ecn1909160006-n1.html)

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奈良-十津川間に観光特急バス

 奈良県南部の十津川村に公共交通機関で行くには、大和八木を発着する路線バスに乗ればいいのです。しかしこの大和八木と新宮を結ぶ路線バス、たくさんの停留所があり、丹念に停まるので、時間がかかります。大和八木から十津川村のホテル昴までに停まる停留所の数は124(終点の新宮まで行くと167にもなります)、所要時間は最短でも4時間半かかります。

 しかしこんな十津川村へも、道路のアクセスは改善されています。新しくできた道路を使えば、もっと速く行くことができるのです。そこで奈良県は閑散期の2~3月(夏に比べて6割ほどに落ち込みます)に、奈良市内と十津川温泉とを直結する「十津川観光特急バス」を実証実験として走らせることにしました。運行は奈良交通が行います。

 実証実験は2月1日から3月29日の間、行われます(好評なら恒常的に運行されることになります)。期間中の土曜日に十津川行き、日曜日に奈良行きを走らせます。十津川行きは13:10にJRの奈良駅を出発し、近鉄奈良駅、五條バスセンター、星のくに、上野地など6か所に停まって、ホテル昴に17:12に着きます。途中の上野地には30分停車し、谷瀬の吊り橋を楽しむこともできます。奈良行きは13:30にホテル昴を出て、行きと同じ停留所に停まり、JRの奈良駅に17:39に着きます。京奈和道や国道バイパスなどを通るので、近鉄と路線バスを乗り継いでいくより約1時間20分短縮されます。東京や博多から9時過ぎの新幹線に乗れば夕方には十津川に着くことができ、源泉掛け流しの温泉、美しい星空、ジビエ料理、アマゴの骨酒を楽しむことができます。バスはトイレ付きの定員42人のバスで、奈良市内からの運賃は片道4000円です。交通系ICカードが使えます。予約優先制(空席があれば予約なしでも乗車可能です)で、1月7日から受け付けます。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/politics/news/191219/plt1912190002-n1.html、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20191226/k00/00m/040/027000c、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53702250T21C19A2LKA000/)

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三岐鉄道、8割以上も値上げしていた

 三岐鉄道も、消費税率が10%になった2019年10月1日、値上げをしました。

 三岐鉄道の値上げは1997年4月以来のことで、22年ぶりです。税率が上がった分を反映させるためだけではないので、改定率は約14%にもなります。普通運賃の場合、三岐線の近鉄富田-西藤原間が520円から560円、北勢線の西桑名-阿下喜間が470円から510円になります。

 特に値上げ幅が大きいのが、短距離の定期券。普通運賃が170円から190円に値上げになる、3キロまでの区間で見ていきます。通勤定期は4010円から7220円へと約80%の値上げ、通学定期は2670円から4940円へと約85%の値上げになります。

 どうしてこんなにも上がったのでしょうか? 実は3キロ以下の定期について、割安になっていたのです。通学定期の場合、3キロ超だと10~14往復しないと元が取れなかったのですが、3キロ以下だと8往復で元が取れていました。これが値上げによって、距離にかかわらず13往復しないと元が取れないようにしたので、短距離での値上げ幅が大きくなってしまったのです。激変緩和措置はありません。

 これで大きな迷惑を被ったのが、桑名市の中学校の生徒。公立の中学校なのですが、電車通学の生徒が約100人いました。桑名市役所が値上げに気付いたのは、値上げ直前の9月下旬のこと。三岐鉄道は申請前の5月の段階で三重県と沿線3市町に値上げについて説明していたのですが、スルーされてしまっていたようです。慌てて桑名市は三岐鉄道に対応を求めましたが、どうにもならず、急遽、生徒に自転車通学の許可を行いました。6割半ほどの生徒が変更を希望し、一部は自転車通学に切り替えています。桑名市は500万円ほどかけて駐輪場の増設などを行います。

 これほどの値上げを激変緩和措置なしに行うのも問題ですし、沿線の市町がそれに気付かなかったのもお粗末です。早く気付いていれば、三岐鉄道への補助金を増やして定期券の値段を抑えることもできましたし、一定期間、生徒に個別に補助金を支給することもできたのですから。
(参考:三岐鉄道ホームページ https://www.sangirail.co.jp/contents/unchin/190912unchin/190912kouhyou.pdf、中日新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/mie/20191217/CK2019121702000036.html)

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新千歳空港駅の移転は2030年か?

 以前に記事にした新千歳空港駅の移転の話ですが、どうやら前に進んでいるようです。

 実際にこの移転を検討しているのは、北海道空港(HKK)、三菱地所、東急、日本政策投資銀行などからなる企業連合の北海道エアポートグループと、JR北海道。北海道エアポートグループは、2020年から2021年にかけて民営化される新千歳、函館、釧路、稚内、女満別、帯広、旭川の7空港の運営を行う企業連合なのです。この2者が新千歳空港駅の移転に取り組みます。

 では、新千歳空港駅はどこに行くのでしょうか?現在の駅から数百メートル西側の国際線ターミナルビル近くの地下につくられます。現在は1面2線の駅ですが、移転後は2面4線以上の規模となり、ホームの長さも延長されます。今のように6両が限界、ということはありません。しかも、今の新千歳空港駅は行き止まりの駅ですが、移転後は苫小牧方面にも石勝線にもつながります。札幌だけでなく、苫小牧、室蘭、帯広、釧路にも直通できるのです。快速「エアポート」だけでなく、特急でも札幌に行くことができます。事実上の増発です。また、南千歳-新千歳空港間については単線だったのが、複線になります(苫小牧方面、石勝線についてはわかりませんが、苫小牧方面は複線でないといけないでしょう)。北海道新幹線が札幌まで延伸される、2030年までの完成を目指します。

 さて、気になる財源ですが、北海道の空港が民営化されたことにより、それなりのお金が出てきます。北海道エアポートグループは運営権の対価として2920億円を国に支払う予定で、このお金は空港整備勘定に入ります。空港整備勘定は空港の整備等で使うもので、鉄道の整備に使うものではありません。だから例えば北海道新幹線の整備に使うのはおかしいのですが、空港アクセスになる新千歳空港駅の整備に使うのは理屈は成り立ちます。空港が使いやすくなるのですから。新千歳空港駅の整備にかかるお金は1000億円程度なので、十分賄えます。
(参考:Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200104-00010000-doshin-hok、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/shinchitose20190104/、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46912360T00C19A7L41000/)

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水間鉄道、5000円で貸切電車

 水間鉄道は朝から晩までずっと2両編成で走っています。1両や3両にすることはできません。そのため、朝夕を除いて空いています。

 そこで水間鉄道を考えたのが、そのうちの1両を貸し出すこと。2019年12月24日から通年(12月31日から1月上旬までの年末年始、2月3日の節分、7月の太鼓台祭り、9月、10月のだんじり祭等の多客期は除きます)、平日は原則9~15時、休日は9~19時に利用することができます。

 貸切のパターンは2つ用意されています。ひとつは2両編成のうち後ろの1両を使うことができる、「貸切電車プラン」。片道(15分)なら5000円、往復なら10000円です。料金はかかりますが、時間内であれば何往復もすることができます。最高50000円です。もうひとつは、「電車貸切及び水間観音駅での『2時間以上滞在プラン』」。120分で30000円など3つのプランがあります。往復の運賃は含まれ、水間観音駅留置車両の活用や車庫周辺でのイベントも可能です。火気の使用は禁止されていますが、イベント、宴会、撮影などいろいろなことに使えます。

 申し込みは1週間前までに行う必要があります。事前の入金も求められています。
(参考:水間鉄道ホームページ www.suitetsu.com/event/20191212.pdf)

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東海道新幹線の車内販売は儲かるのか?

 車内販売は縮小を続けています。しかし、東海道新幹線の車内販売は2020年3月のダイヤ改正以降も続けます。なぜ続けることができるのでしょうか?

 別に車内販売が儲かっているわけではありません。JR東海の車内販売で、東海道新幹線の車内販売を行う中村ジェイアール東海パッセンジャーズ社長によれば、車内販売は赤字だそうです。

 それではなぜ車内販売が乗っているのでしょうか? 実は、車内販売の従業員は弁当などを売るのだけが仕事ではありません。緊急時には誘導や指示などの保安要員になるのです。車掌とともに緊急事態に対応するのです。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&n_cid=DSMMAA13&ng=DGKKZO53531430Y9A211C1L91000&scode=9022&ba=1)

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「Aシート」は好調

 2019年3月のダイヤ改正で誕生した、新快速の「Aシート」。どれぐらい利用されているのでしょうか?

 長谷川JR西日本社長によれば、「Aシート」は好調だそうです。ラッシュ時は46ある座席の約9割、昼間でも約6割が埋まっていて、一定の需要があるようです。JR西日本としては「Aシート」を連結する列車を増やしたいとのことですが、今の「Aシート」には欠点があります。「Aシート」は事前発売せず、車内で乗務員から乗車整理券を買うシステムのため、人手がかかりすぎるのです。ここをいかに省力化できるかがポイントとなります。JR西日本もそのことは認識していて、どうやって省力化を図ることができるかが本格導入への鍵となります。

 さて、社長の話では触れられていませんが、同時期にJR神戸線に誕生した通勤特急、「らくラクはりま」はどうなのでしょうか? あまりいい話は聞きませんが。
(参考:神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202001/0013003065.shtml)

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新幹線の車椅子用座席は予約が取れないほど混んでいるのか?

 新幹線には車椅子の利用者用の座席が用意されています。乗車前日まではこの車椅子用座席は車椅子の利用者用に確保されているのですが、乗車当日の場合、JR東海などでは車椅子の利用者でなくても予約できるようになっています。このことに関して国会で質問(質問者はれいわ新選組の木村参議院議員)があり、国交相はJR側を非難し、改善を求めています。

 確かに、車椅子用座席を求める人が多いのに、それが利用できないのであれば、改善をしないといけないでしょう。定員は減りますが、車椅子用座席を用意しないといけません。ところで、車椅子用の座席はそれほど混んでいるのでしょうか? それが分からないと判断ができません。

 また、木村参議院議員は、乗車当日になって車椅子用座席を購入できないことを批判しています。ただ、車椅子の利用者でなくとも、ほかの席が埋まっていれば、車椅子用座席を売らざるを得ません。車椅子用座席はVIP席ではありませんから、ほかの席が埋まっているにもかかわらず空席のままにすることはできません。

 さらに言えば、東京や新大阪といったターミナル駅ならともかく、小さな新幹線単独駅なら、車椅子の利用者に対応するスタッフがいないかもしれません。JRも営利企業なので、無駄に人を遊ばせることはできないのです。事前に予約しておけば、大きな駅からスタッフを派遣することができても、急には何ともできない危険性があります。自分一人で何でもできるならともかく、ほかの人の助けが必要なら、事前に手当てをしておいたほうがお互いにとって良いでしょう。
(参考:鉄道ファン」2020年2月号 交友社

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佐世保方面に「リレー方式」

 先の記事で書いた方法などで佐賀県との間で話がうまくまとまり、長崎新幹線が全線フル規格でつくられた場合、佐世保方面はどうなるのでしょうか?

 佐世保に関して言えば、長崎新幹線が全線フル規格になった場合、武雄温泉で新幹線と在来線を乗り換える「リレー方式」を採用することを考えているようです。博多まで直通する「みどり」は消えるのです。武雄温泉-長崎間暫定開業時に使っていた「リレー方式」の設備を転用するようです。確かに全線フル規格になれば、在来線で博多に行くより、武雄温泉で乗り換えたほうが速いでしょう。フル規格なので、それなりの効果はあります。もっとも、乗り換えが面倒だということで、バスに移行したり、(どうせ車で駅まで行くのなら)武雄温泉まで車で行ったりする動きもあるでしょう。佐世保にとって、フル規格ができるのが良いのか、できないのが良いかは難しいところです。

 話は変わりますが、青柳JR九州社長は、長崎新幹線の列車名について、在来線と同じ「かもめ」を推しています。これについては異議がありません。
(参考:長崎新聞ホームページ https://this.kiji.is/584676722331305057)

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長崎新幹線、法改正で佐賀県の負担軽減か?

 長崎新幹線は武雄温泉-長崎間だけの建設が進んでいて、間の新鳥栖-武雄温泉は未着工です。この区間をフル規格でつくれば九州新幹線とつながり、新大阪方面からの直通もできるので、効果は絶大であることは明らかですが、問題はこの未着工区間がすべて佐賀県内にあること。建設費は佐賀県が負担しなければならないのです。

 そこで国交省は佐賀県の負担軽減のため、整備新幹線の地方負担の根拠となる全国新幹線鉄道整備法を改正することを考えています。現在は通過する距離に応じて沿線自治体が負担しますが、それを受益の割合を勘案して負担することができるようにします。道路法にはすでに国道について受益に応じてほかの都道府県に負担させることができる規定があり、それを参考にするようです。また、新幹線の貸付料の配分ルールも変更します。現在は貸付料は一本にまとめられ、各線区の工事状況に応じて配分されていますが、それが変わるようです。ただ、どのように変わるか参考にした記事にはなく、わかりません。

 もっとも、それが事態が動くかどうかは話が別です。そもそも佐賀県がフル規格新幹線に反対しているのは負担が重いからではなく視野は狭いかもしれませんが現状で満足しているからです。福岡に行くならそこそこのスピードでそこそこの値段の特急で十分だと考えているのです。負担が軽くなったからといって考えが変わるものではありません。

 もうひとつ問題点があります。この法改正はほかの都道府県にも影響を与えます。整備新幹線の地元負担については過去も不満を持っている自治体がありました。今でも京都府が値切ろうとしています。亀岡のあたりをかすめるだけならともかく、京都のほかに松井山手にもでき、京都府としての受益は十分あるにもかかわらず。極端に言えば北陸新幹線の建設費は長野から新大阪まで北陸3県が全額払うべき、ということになってしまいます。どうやって受益を算出するか、そして負担軽減分はだれが払うか、ということをまとめるのは難しいです。大体、長崎県自体、佐賀県の負担軽減分を払う考えはありませんから。
(参考:Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200101-03472194-saga-l41)

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小田急も3月14日にダイヤ改正

 記事にするのが遅くなりましたが、小田急も3月14日にダイヤ改正をします。

 平日朝のラッシュ時においては、各駅停車の10両編成化をさらに進めます。新宿に7:55~8:35に到着する各駅停車は全て10両編成になります。また、反対側の下りも混んでいますので、海老名7:49発各駅停車小田原行きと新百合ヶ丘7:37発急行唐木田行きを増発します。

 平日の夕方については、新宿17:33発急行唐木田行きを本厚木行きに変更します。また、夕方のラッシュ時間帯は乗り降りに時間がかかるため、下り列車が集中する新百合ヶ丘で小田原方面の列車が多摩線用の3番ホームを使う運用があります。こうすることで新百合ヶ丘での列車のつまりを抑え、定時性を高めるのですが、この3番ホームを使う時間帯を前倒しします。特急は現行の18:42~23:42を18:02~23:42に変更し、江ノ島線への快速急行、急行は現行の18:32~22:53を18:12~21:18に変更します。夜間の下りの急行の経堂停車を21時台からに拡大しますが、新宿を21時台に出る各駅停車の本数を8本から6本に減らします。

 休日については観光客の多い時間帯に「さがみ」を増発します。新宿9:40発で、EXEまたはEXEαの6両編成です。相模大野までは「えのしま」と併結します。また、新宿8:20発の「はこね」、新宿10:26発(現行10:27発)の「はこね」をEXEまたはEXEα(ともに10両編成)からGSE(7両編成)またはVSE(10両編成)にする一方、新宿9:00発の「スーパーはこね」、新宿11:20発(現行11:25発)の「はこね」をGSE(7両編成)またはVSE(10両編成)からEXEまたはEXEα(ともに10両編成)にします。需要の多い時間帯に定員の多い車種を充てるのが狙いですが、看板列車の「スーパーはこね」に看板車両を充当できないという欠点もあります。頭の痛いところです。特急以外では新宿10時台発の小田原直通の快速急行を増やします。

 このほか、平日の夜間(新宿22:43発のみ)や休日の日中(新百合ヶ丘13:00~16:08発着)の新宿-唐木田間急行について、多摩線内を各駅停車で運転します。
(参考:小田急ホームページ https://www.odakyu.jp/news/o5oaa1000001nybm-att/o5oaa1000001nybt.pdf)

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宮崎駅のホームごとに分かれた改札、統合へ

 宮崎駅は島式ホーム2本の高架駅ですが、変わった構造をしています。改札がホームごとにあり、1番、2番乗り場と3番、4番乗り場を移動するときにはいったん改札を出ないといけません。

 しかし、その特殊な構造はなくなるようです。現在、宮崎駅は駅ビルをつくっていて(2020年10月開業予定です)、それに合わせてホームごとに分かれている改札をひとつにまとめます。改札と改札の間にある中央通路をつぶして改札をまとめるもので、2020年3月までに完成させます。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/499601/、JR九州ホームページ www.jrkyushu.co.jp/railway/station/__icsFiles/afieldfile/2019/11/13/miyazaki_st_kounai.pdf、宮崎日日新聞ホームページ https://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_42153.html)

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近鉄、南海、夢洲-関空間に船便を検討

 夢洲は大阪湾に面した埋め立て地で、2025年の大阪・関西万博の会場になり、IR建設の話もあります。夢洲へのアクセスはOsaka Metroが中央線を延伸して対応しますが、海外からだと何回か乗り換えが必要となります。

 関空から夢洲に乗り換えなしで行くには、船を使えばいいのです。そういうアイデアはもとからあったのですが、それを具体化するところが出てきました。近鉄グループがIRができることを条件に、夢洲と関空とを船で結ぶ定期航路をつくることを検討しているのです。傘下にあるフェリー会社を使って運航するのですが、100トンクラスの船で夢洲-関空間を45分で結ぶそうです。1日2000~3000人を運ぶ計画です。

 また、南海にも同じような計画があり、近鉄と南海が共同で事業を行う可能性もあるようです。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200101/2000023862.html)

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JR東海、315系を開発

 みなさん、あけましておめでとうございます。2020年もよろしくお願いします。

 さて、JR東海の在来線普通列車は、313系が1999年以来、約20年にわたってつくられ続けてきました。しかし、金子JR東海社長の話によれば、2020年中に新しい車両、315系の開発を進めるということです。中央線に投入する予定です。

 この315系の投入によって置き換えられるのは、211系、213系、311系。国鉄末期からJR東海発足初期の1986年から1990にかけてつくられました。211系の中には国鉄時代につくられたものもあり、この置き換えでJR東海から国鉄時代につくられた車両が完全に姿を消すということになります。

 211系などはJR東海にとっては古い車両ですが、JR西日本だとまだ新しい部類です。新車への置き換え計画がなく古い車両をだましだまし使っている岡山地区に227系までのつなぎとして使うのはいかがでしょうか?
(参考:Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200101-00000016-kyodonews-bus_all)

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