三岐鉄道、8割以上も値上げしていた
三岐鉄道も、消費税率が10%になった2019年10月1日、値上げをしました。
三岐鉄道の値上げは1997年4月以来のことで、22年ぶりです。税率が上がった分を反映させるためだけではないので、改定率は約14%にもなります。普通運賃の場合、三岐線の近鉄富田-西藤原間が520円から560円、北勢線の西桑名-阿下喜間が470円から510円になります。
特に値上げ幅が大きいのが、短距離の定期券。普通運賃が170円から190円に値上げになる、3キロまでの区間で見ていきます。通勤定期は4010円から7220円へと約80%の値上げ、通学定期は2670円から4940円へと約85%の値上げになります。
どうしてこんなにも上がったのでしょうか? 実は3キロ以下の定期について、割安になっていたのです。通学定期の場合、3キロ超だと10~14往復しないと元が取れなかったのですが、3キロ以下だと8往復で元が取れていました。これが値上げによって、距離にかかわらず13往復しないと元が取れないようにしたので、短距離での値上げ幅が大きくなってしまったのです。激変緩和措置はありません。
これで大きな迷惑を被ったのが、桑名市の中学校の生徒。公立の中学校なのですが、電車通学の生徒が約100人いました。桑名市役所が値上げに気付いたのは、値上げ直前の9月下旬のこと。三岐鉄道は申請前の5月の段階で三重県と沿線3市町に値上げについて説明していたのですが、スルーされてしまっていたようです。慌てて桑名市は三岐鉄道に対応を求めましたが、どうにもならず、急遽、生徒に自転車通学の許可を行いました。6割半ほどの生徒が変更を希望し、一部は自転車通学に切り替えています。桑名市は500万円ほどかけて駐輪場の増設などを行います。
これほどの値上げを激変緩和措置なしに行うのも問題ですし、沿線の市町がそれに気付かなかったのもお粗末です。早く気付いていれば、三岐鉄道への補助金を増やして定期券の値段を抑えることもできましたし、一定期間、生徒に個別に補助金を支給することもできたのですから。
(参考:三岐鉄道ホームページ https://www.sangirail.co.jp/contents/unchin/190912unchin/190912kouhyou.pdf、中日新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/mie/20191217/CK2019121702000036.html)
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