DMVの運行ルート案、発表
線路も道路も走ることができる車両、DMV。阿佐海岸鉄道が2020年度中の導入を目指しています。
そのDMVの運行ルート案ですが、2019年12月の段階で発表されています。徳島県が阿佐東線DMV導入協議会で発表しました。それでは、ルートを見ていきましょう。
阿波海南文化村(徳島県海陽町)と阿波海南駅との間は、バスモードで走ります。阿波海南駅と甲浦駅との間はレールの上を走り(阿波海南-海部間はJR四国から編入されます)、甲浦駅からは道の駅東洋町(高知県東洋町)を経て、道の駅宍喰温泉(徳島県海陽町)まで再びバスモードで走ります。3両あるDMVを使って、このルートで毎日運行しますが(本数は現在の鉄道よりも多くなるようです)、休日は1往復を室戸市方面に延ばして、室戸ドルフィンセンターなどを訪れます。ルートは並行して走るバス会社との調整を経て、正式に決定されます。
ただ、DMVはすぐに導入できるわけではありません。工事が必要なのです。まず、2020年夏ごろまでに牟岐線牟岐-海部間を運休し、バスによる代行輸送を行います。DMVが導入されない牟岐-阿波海南間も運休するのは、列車折り返しの信号設備が牟岐にしかないからです。阿波海南-海部間ではDMVの現地性能試験や保安設備の設置、阿波海南駅の改良工事を行います。秋ごろには阿佐海岸鉄道も運休し、バス代行輸送を行います。海部駅、宍喰駅ではDMV用のホーム設置工事を行います。工事終了後は、阿波海南-甲浦間及び道路で習熟運転を行います。DMVの開業は2020年度末。牟岐線牟岐-阿波海南間はJR四国のディーゼルカーが再び走るようになり、阿波海南駅でDMVと乗り換えができます。阿波海南駅ではJR四国の線路とDMVの線路は切り離されるので、直通運転はできません。
なお、DMVの総事業費は約13.9億円かかります。駅に遮断機や警報機を設置するなどの安全性の確保のために、約9000万円の追加経費がかかるのです。高知県からは事業費の削減を求める声も出ましたが、DMVは日常的なものではなく観光用でしか使えないので、料金を高く取って回収するしかないでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASMDS3GXKMDSPUTB001.html、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/railwaynews-206/)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 万葉線にもようやくICカード?(2023.03.19)
- 箱根登山鉄道、座席料金を改定(2023.03.19)
「JR四国」カテゴリの記事
- 瀬戸大橋の管理用通路から列車を撮影するツアー(2023.02.23)
- JR四国が駅舎を簡素化へ(2023.02.24)
- スマホでJR四国1日乗り放題(2023.02.16)
- 近永で販売する切符をJR四国内で完結するものに限定していた(2023.01.27)
「中四国・九州私鉄」カテゴリの記事
- 錦川鉄道、廃止か?(2023.03.09)
- 阿佐海岸鉄道、最終を1時間半ほど繰り上げ(2023.03.04)
- 七隈線延伸直前に増便のダイヤ改正(2023.02.26)
「バス」カテゴリの記事
- 2月20日に名古屋-白川郷-金沢間高速バスが走り始めていた(2023.03.05)
- 根室線富良野-新得間、2024年春にバス転換か?(2023.03.08)
Comments