堺市による阪堺支援は9月まで
阪堺は一時、深刻な経営状態に陥っていました。南海本線など大阪市内に向かう鉄道は何本かあるので、路面電車で遅い阪堺は競争に勝てる要素がなかったのです。抜本的な解決策になると思われた東西鉄軌道が選挙で否定され、もうどうしようもない状態になってしまいました。ただ、その東西鉄軌道を潰した市長(当時)も、阪堺そのものの廃止はしたくはなかったようで、総額50億円の支援策を行うこととなりました。早いものでそれから10年が経とうとしています。この9月が、阪堺への支援の終了の時期です。そして堺市は、9月で支援を終了させることとなりました。
まずは支援の内容をおさらいしておきましょう。支援は2つあり、運賃に関することと施設に関することがあります。運賃の支援は、総額20億円。大阪市と堺市を乗り通した場合の運賃は290円なのですが、それを210円に下げます。施設の支援は、総額30億円です。した線路の補修を進め、国と堺市の補助で、LRVを3編成導入しました。収支は今でも赤字ですが、乗客は増えています。
9月が過ぎて、阪堺への支援がなくなったら、どうなるのでしょうか? 堺市によれば、65歳以上の人が1回100円で乗ることのできる「おでかけ応援制度」は続けます。施設の補修やLRVの導入については、堺市の負担は減らしますが、続けていく方針です。これに対して、大阪市と堺市を乗り通すときの運賃の割引については、補助をやめます。290円に戻るリスクがあるのです。堺市が支援をやめた場合、「おでかけ応援制度」は続けることから、毎年の赤字額は1億円程度になります。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASN2X722YN2NPPTB00B.html?pn=5)
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