新小樽駅の駅構内には観光案内所のみ
北海道新幹線の新小樽駅は、小樽市の山間部にできる駅。函館線などほかの鉄道との接続はなく、函館線の南小樽駅からは約3キロ、小樽駅からは約4.5キロ離れています。小樽市は観光資源として恵まれ、多くの観光客が訪れますが、新小樽駅は町外れにできるため、小樽市の出している想定乗降客数は1日当たり1100人程度としています。
その新小樽駅ですが、どのような設備が用意されているのでしょうか? 小樽市のつくった資料によれば、駅付帯施設の面積は約199平方メートル。待合室が52平方メートル57席、観光案内所が22平方メートルでカウンターが3席、係員2人です。そのほか、ロッカーが32列、トイレが男子は小便器5個、個室4ブース、女子は7ブースあります。
しかし、それだけです。レストランもお土産屋もありません。コンビニすらありません。同じような乗降者数の駅と比べても、大抵はコンビニ等がありますから、異例のことです。なぜ売店や飲食店などがないかと言えば、そもそものスペースが狭いことに加えて(新小樽駅には新幹線の保守基地が併設されています)、売店や飲食店などを加えると駅の建設費用が上がるからです。今ある案のように、待合室、観光案内所、コインロッカーだけなら小樽市の負担は3360万円で済みますが、これに約300平方メートルの売店や飲食店などのスペースをつくると、小樽市の負担は合計2億340万円になります(売店や飲食店などの設置費用は原則として自治体負担となります。もっとも、乗降客の多い駅ならJR側がお金を出して勝手につくるでしょうが)。小樽市の約6倍になるのです。もし出店を希望する店があったとしても、バス乗り場、タクシー乗り場、自家用車乗降場、約300台停めることのできる駐車場のさらに先ということになります。
札幌に近すぎ、しかも新幹線開業後も在来線の快速などがたくさん走る小樽-札幌間では、新幹線に移行する人は少ないでしょう。新小樽駅周辺の人ぐらいです。観光客も速達列車が通過すれば(小樽市の想定では、1日片道21本の列車が走り、そのうち13本が停車すると考えています。道内の列車の本数を考慮すれば、割合堅実な想定と思われます)、あまり期待できません。
(参考:タビリスホームページ tabiris.com/archives/shinotaru202004/)
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