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鉄道はやはり大量輸送に適した交通機関

 緊急事態宣言が出されてから、鉄道の利用が減っています。平日朝の通勤時間帯の山手線では、普段通りに動いていた2月初めに比べて60%も減りました。新幹線や特急列車はもっと減っていて、前年の同時期に比べて8~9割減っています。それなのに、鉄道の運行本数が大幅に減っているということはありません。予定していた臨時列車はなくなりましたが、定期列車は通勤列車も新幹線も一部を除いては通常通り走っています。なぜでしょうか?

 それを考える前に、ほかの交通機関の様子を見てみましょう。まずバスは、高速バスは運休するのが多いですが、路線バスはあまり減っていません。対照的なのは、航空会社。国際線はもちろん、国内線も大幅に減らしています

 ほかの交通機関の様子を見てみると、答えが見えてきます。長距離の乗り物ほど、需要の落ち込みが大きいのです。国際線などの長距離、国内線や新幹線、高速バスなどの中距離、通勤などの短距離の順に需要が減っています。また、長距離の乗り物のほうが需要が減るのも早かったです。ですから、国際線はほとんどなくなり、通勤列車はあまり減らないのです。

 運行にかかるコストも大きな要因です。航空機の場合、飛ばなくても機体の費用や人件費、整備費がかかりますが、飛ばすと1回ごとに燃料費や着陸料がかかり、それが結構大きいようです。1回のフライトで国内線でも数十万円以上、国際線だと数百万円にもなります。ですから、予約が少なければ、運休にしてしまったほうが良いのです。これに対して鉄道は、線路や車両の維持にかかる費用に比べて、1本の列車を走らせることによって生じる費用は小さいのです。一部を運休させる間引き運転をしても大幅なコスト削減にはならず、ダイヤの変更やその周知に手間がかかります。また、今は新型コロナウイルスの影響で払い戻しが相次いでいますが、定期券を買う人も多いです。JR東日本の場合、定期券収入が全体の約27%を占めています。また、今回の新型コロナウイルスの場合、需要の落ち込みに応じて減便をすると、車内が混雑し、感染リスクが高まります。ガラガラの通勤列車になっても、減らすことができないのです。減便する鉄道会社でも、朝夕の通勤ラッシュには手を付けず、昼間や夜を減らしているところが多いです。

 このことから考えると、鉄道というのは大量輸送に適した交通機関です。維持費用は結構かかるものの、増発のコストはそれに比べると小さいです。今は新型コロナウイルスの影響で需要が極端に落ち込んでいるのですが、大量に運ぶことができる新幹線や特急列車、それに通勤列車こそが鉄道の得意とする分野です。ガラガラのローカル列車は鉄道の得意とするものではありません。新型コロナウイルスで鉄道会社の収益が落ちることにより、これまで将来性が全くないにもかかわらず支えていたローカル線を維持する力がなくなります。航空機もバスも車も、ほかの交通機関はあります。鉄道が全てを担わなくても良いのですから、不得意なところはほかに任せれば良いのです。

 ちなみに、話を新型コロナに戻すと、JR東日本では、4割の社員が感染しても、列車を半減させて何とか運行を継続することができるマニュアルもあるようです。このときは休日ダイヤを平日にも適用させるなどの方法で乗り切るようです。また、利用者が減少しているので、手元資金を確保するために社債やコマーシャルペーパーを発行して、手元資金を積み増しています。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASN4H3PKRN4FUTIL02Q.html?pn=8)

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