羽田空港アクセス線、国がトンネル等を建設?
東京の都心と羽田空港とを結ぶJR東日本の新路線、羽田空港アクセス線。国内線と国際線の両方に駅をつくり、東京駅を経由して茨城、栃木、群馬方面への「東山手ルート」、新宿方面への「西山手ルート」、新木場方面への「臨海部ルート」の3ルートがつくられます。2029年度の開業を目指しています。2019年のアセスメントでは、1編成15両の列車が1時間に8本走ることになっていましたが、本数が増えて倍以上に増えるようです。
さて、この羽田空港アクセス線では、品川区の東京貨物ターミナル付近から羽田空港までの約5キロ、地下トンネルを掘ります。建設費はかなりかかります。元々、羽田空港アクセス線の建設費は約3000億円と見込まれていましたが、人件費や資材費の高騰で約3800億円まで膨れ上がるようです。空港内の工事だけでも数百億円かかります。そこで、国がこのトンネル建設工事や駅の基礎工事を行い、JR東日本が借りるというかたちを採るようです。費用負担の大きな羽田空港第1・第2ターミナル駅付近から第3ターミナル駅の間が対象となるようです。また、国交省は今後、京急や東京モノレールの地下トンネルや駅について、羽田空港アクセス線をつくっても影響がないかどうかを調べます。
話は変わりますが、3つつくられるルートのうち、一番工事が難しいのは「西山手ルート」です。すでに「臨海部ルート」については、東京貨物ターミナルに隣接するところにりんかい線の八潮車両基地があり、そこからりんかい線へ伸びる回送線を複線化すればよいのです。ところが、その回送線の存在が「西山手ルート」建設のネックになるのです。りんかい線の本線と回送線はトンネルで分岐しているため、ここを改造して新宿方面に直通させることは非常に難しいのです。列車の運行を止めるわけにはいかないのですから。
(追記1)
羽田空港アクセス線には、羽田空港以外の駅はできないようです。
(追記2)
羽田空港アクセス線の設計最高速度は時速110キロ、最急勾配は34.5パーミルです。
(追記3)
羽田空港アクセス線の開業目標が2年延期され、2031年度になりました。また、羽田空港にできる駅は、第2旅客ターミナルに隣接してできます。地下1階なので、第2旅客ターミナルに高低差なしで移動することができます。ホームは島式1面2線、最大幅12メートル、長さ310メートルです。
(参考:Sankei Biz https://www.sankeibiz.jp/business/news/200512/bsd2005120500004-n1.htm、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/043d0b47ad57507dd8f82fbab3516f70f409cf83、「鉄道ジャーナル」2020年1月号 鉄道ジャーナル社、「鉄道ジャーナル」2021年4月号 鉄道ジャーナル社、「鉄道ジャーナル」2021年6月号 鉄道ジャーナル社、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2020/20210120_ho02.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230404_ho03.pdf、朝日新聞2023年4月5日朝刊 中部14版)
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