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June 2020

熊本空港アクセス鉄道、現在の補助制度では採算取れず、事業化を再検討へ

 熊本空港へのアクセス鉄道についての続報です。

 16日のことですが、熊本県は豊肥線の三里木と熊本空港とを結ぶアクセス鉄道について、2019年度に行った調査の報告書を発表しました。これによれば、現行の補助制度の下では、採算が取れないというのです。なお、今回の試算は税込での総事業費が504億円、2029年度に開業するとしています。三里木と熊本空港の間の運賃が片道420円、1日当たりの利用者は7500人、JR九州の負担は事業費の1/3以内とします。三里木は地上駅で、豊肥線の線路の間に熊本空港への線路が入ります。豊肥線とは直通せず、対面乗換となります。県民総合運動公園と熊本空港の2駅は高架です。県民総合運動公園は2面2線、熊本空港は1面2線です。2両編成の列車6本を用意し、2~4両編成で走らせます。1日49往復します。

 どういうことでしょうか? 現行の制度では、熊本県が出資する第三セクターへの国の補助は18%です。この場合、熊本県の補助率も同じく18%になるため、借入金は増え続けます。国が新規事業を行うための目安になる、開業から40年以内の黒字化は達成できないのです。JR九州分の負担を計算に入れても、単年度黒字になるのは開業から32年後で、開業から40年経っても累積赤字が解消されないのです。もし、国と熊本県が1/3ずつ事業費を負担するのなら、2年で単年度黒字になり、累積赤字も解消するのです。でも、累積赤字を増やしたくないのなら、国に頼るのではなく、地元の負担を増やせば良いだけの話ではないのでしょうか? 福岡空港クラスの空港ならともかく、そうでなければ県などの地元がメインとなって負担するのは当然のことです。このように悪い結果が出たのは、事業費が上がったからです。当初の概略調査の時点で事業費を税込で418億円としていましたが、トンネルが長くなったことにより増えて、最大616億円となりました。

 そこで蒲島熊本県知事は事業化を再検討することにしました。三里木での乗り換えが必要で、また熊本の中心部はJRの路線から離れているので、あともう1回乗換が必要です。利便性が高いとは言えず、鉄道の事業化の再検討はやむを得ないところでしょう。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://this.kiji.is/645443028836926561、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/railwaynews-231/、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/8265b6087e68d88742671fa6444bba94d92524fb、https://news.yahoo.co.jp/articles/0893b0c3dd7c20bb5d692e815711fcb5369d058e)

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秋田臨港鉄道、2021年3月に事業終了

 秋田臨港鉄道という貨物鉄道があります。JR貨物の奥羽線貨物支線秋田港から南北に延びる貨物鉄道です。向浜までの5.4キロの南線と、秋田北港までの2.5キロの北線からなります。1970年に、秋田県、国鉄、秋田港周辺の企業が出資して設立されました。

 しかし、需要は減り続けています。1972年度の67万トンがピークで、2019年度は7.5万トンにまで減っています。かつては13社が貨物線を使っていましたが、現在は南線を使う日本製紙秋田工場のみです。そのため、北線は2008年から使われなくなりました。2015年からは休止の措置がとられています。

 しかも、その日本製紙秋田工場が2021年3月以降、製品の輸送をトラックに切り替えることにしました。そうなると、貨物鉄道で運ぶものがなくなります。ディーゼル機関車も老朽化しています。そこで秋田臨港鉄道は2021年3月で事業を終了し、解散することにしました。線路の敷地は大半が秋田県が無償で提供しているものであるため、事業終了後に設備を撤去する方針です。幸いなことに秋田臨港鉄道は黒字基調で、過去の利益の蓄積もあるので赤字の穴埋めをしなくても済みます。従業員16人についてはJR貨物グループで再雇用する予定です。

 さて、秋田港には行く路線は貨物線ですが、時々クルーズ列車が走ります。これについては影響はないとのことですが、肝心の運ぶ貨物がなくなる現状においては、貨物線を維持する必要性はなくなったと言えるでしょう。リゾート列車が走り続ける保証はないでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60687200T20C20A6L01000/、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20200623/6010007428.html、秋田魁新報ホームページ https://www.sakigake.jp/news/article/20200623AK0024/)

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さいたま新都心にもバスターミナル

 バスタ新宿は新宿にある巨大なバスターミナルですが、これをほかの地域でもつくろうという動きがあるというのは、以前に記事にした通りです。

 実は6月1日にさいたまにもバスタができていました。さいたま市がさいたま新都心駅徒歩7分のところに整備した新しい高速バスターミナル、さいたま新都心バスターミナルです。待合室、屋根の付いた4か所のバス乗降場のほか、緑地広場、56台分の一般車駐車場、15台分のバス駐車場、タクシープールなどを備えます。なお、バス駐車場は2019年10月に開業しています。

 さいたま新都心バスターミナルからは成田空港のほか、南紀方面などに行くことができます。今のところは大宮を通る便がさいたま新都心バスターミナルに乗り入れているのが現状のようです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/96870、さいたま市ホームページ https://www.city.saitama.jp/001/010/018/009/p072723_d/fil/bus_timetable_200602.pdf)

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伊丹空港・JR大阪駅-JR和歌山駅間に高速バス

 大阪バスとクリスタル観光バス(本社:和歌山市)は7月18日に、新たな高速バス「和歌山特急ニュースター号」を走らせます。

 「和歌山特急ニュースター号」は伊丹空港・JR大阪駅-JR和歌山駅間を走ります。伊丹空港へのアクセスとともに、阪和間の輸送も行うのがこのバスの特徴です。伊丹空港-JR和歌山駅間の所要時間は2時間、運賃は2400円(8月31日まではキャンペーン運賃で2000円)、JR大阪駅-JR和歌山駅間の所要時間は1時間30分、運賃は2200円(8月31日まではキャンペーン運賃で2000円)です。本数は1日10往復(うち1本はJR大阪駅発JR和歌山駅行き)ですが、便によっては伊丹空港からの航空便に接続しないものもあります。

 ここで面白いのはJR大阪駅とJR和歌山駅を結ぶこと。所要時間は紀州路快速とほぼ同じですが、運賃はかなりの差が付きます。メリットはこまめに停まりすぎる紀州路快速と違って、阪和間をノンストップで走るということでしょうか?

(追記)
 その「和歌山特急ニュースター号」ですが、新型コロナウイルスの影響により2021年1月14日から当分の間、全便運休します。
(参考:クリスタル観光バスホームページ www.cypress.ne.jp/crystal/contents/newstar.pdf、www.osakabus.jp/news/【重要】1-14木より『和歌山特急ニュースター号』/)

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Peach、国内線を増便へ

 新型コロナウイルスの影響で航空の需要も減っています。国内線も国際線も減っていますが、国内線のほうがまだ希望は持てます。国をまたぐ移動は当分の間厳しく制約されるので国際線の需要はほとんどないのですが、国内線は県をまたぐ移動制限も解除されたので、回復の兆しが見えます。また、かなり落ち込んでいる観光業界を救うため、国内観光旅行に補助をして穴埋めしようとする動きもあります。

 話が長くなりました。LCCのPeachは、当分期待できない国際線をカバーするため、国内線を大幅に増やそうとしています。まず6月19日に国内線の全路線の運航を再開しました。当分は運休する便もありますがそれも7月21日までで、7月22日からは全便の運航を再開します。ほかの航空会社が縮まっている中、積極的な姿勢を見せています。

 8月1日からは新路線もできます。成田-釧路、成田-宮崎の2路線で、成田を発着する国内線は10路線と、関空の12路線に近づきます。また、お盆の8月7日から16日までは、成田-奄美線を1日1往復から2往復にします。

(追記)
 そのPeachですが、再び新型コロナウイルスの感染者が増えているため、8月12日から減便することになりました。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60537160Z10C20A6000000/、https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60683750T20C20A6000000/、Aviation Wire https://www.aviationwire.jp/archives/208738)

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大阪モノレールの「サマー1dayパス500」は同伴の子供2人まで無料

 6月1日で開業30周年を迎えた大阪モノレール。7月1日から8月31日の間、1日乗り放題の切符、「サマー1dayパス500」を発売します。

 この切符、購入した日1日限り有効で(前売りは行いません)、平日は朝のラッシュ時に使えないように9時からの発売となっています(休日は終日発売します)。たった500円で大阪モノレールが全線乗り放題です。大阪モノレールで一番高い運賃は500円なので、区間によっては片道1回乗るだけで元が取れてしまいます。万博記念公園など、このパスを呈示することによって割引などの特典が受けられます。

 また、もうひとつうれしいサービスがついてきます。このパス1枚で、同伴する小学生の子供2人まで無料で乗車することができるのです。子供用の追加料金は必要ありません。夏休みに親子連れで遊ぶこともできます。自由研究などの宿題を片付けたりするのにも使えるかもしれません。

 なお、秋には開業30周年記念乗車券が発売される予定です。
(参考:大阪モノレールホームページ www.osaka-monorail.co.jp/info/ticket-151.html)

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神奈川県内のリニアの駅名は橋本か?

 26日の川勝静岡県知事と金子JR東海社長との会談が決裂し、いよいよ2027年の部分開業が危うくなったリニアですが、品川と名古屋の間には4つの駅ができます。

 そのうち、神奈川県内のリニアの駅は橋本にできます。駅名が決まるのは開業が近づいた段階ではではなのでまだ先ですが、地元の相模原市議会で18日、駅名についての一般質問が行われました。

 橋本はJR東日本の横浜線、相模線、京王の相模原線が乗り入れるターミナルで、地元の人にとってはわかりやすい駅名です。もし、リニアの駅名を橋本以外にした場合、JR東日本や京王の駅名をどうするかという議論が出てきます。リニアの駅と在来線、私鉄の駅は全く別物として割り切るか、それとも誰か(JR東海? 神奈川県? 相模原市?)がお金を出して駅名を変えるのかという話が出てきます。しかし、ほかの地域の人にとってはわかりにくい駅名と言えます。駅のあるところは相模原市であって、橋本市ではありません(神奈川県に橋本市という市はありません)。橋本はかなりローカルな地名なのです。さらに言えば、JRにはもうひとつ、橋本という駅があります。和歌山線、そして南海の高野線の橋本です。駅の所在地は橋本市で、しかも駅ができたのは和歌山県のほうが後なので、駅名を変えるとすればむしろ後発の神奈川県のほうなのです。

 もし、リニアの駅名を橋本以外にするとしても、シンプルな、わかりやすい駅名がいいでしょう。高輪ゲートウェイみたいな駅名は論外で、市の名前をかぶせた相模原橋本ぐらいならこの際、変えてもいいのかもしれません。政令指定都市でありながら全国的には知名度が低い相模原市のPRにつながるかもしれません。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/ca23a1b31367dbf05547ada30a6beeffc5586f7a、朝日新聞6月27日朝刊 中部14版)

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北海道、乗り放題券を半額補助

 新型コロナウイルスの影響で鉄道やバスなどの交通事業者は大きな打撃を受けました。学校が休校になり、通勤や出張も減り、観光などの外出ができなくなったからです。

 そこで北海道は、このように利用者が減った交通事業者を支援するため、乗り放題券などを最大半額補助する仕組みをつくりました。事業費は10億円、新型コロナウイルス対策のためにつくられた北海道の補正予算案の中に盛り込んでいます。

 補助の対象は航空機、鉄道、バス、タクシー、フェリーの各事業者で、北海道内発着のものに限ります。鉄道やバスなど複数の交通手段を使う乗り放題券は最大50%、交通手段がひとつだけの場合は最大30%の割引となります。実際、どれだけ割引になるかは交通事業者が決めます。

 このような観光客用の割引で、交通事業者を支援するものはあまり見かけません。実際、どのような商品が出るかは楽しみです。
(参考:京都新聞ホームページ https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/287957)

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全国各地の新幹線で臨時列車設定

 ほとんど設定されない状態で始まった、2020年夏の臨時列車。ところが、緊急事態宣言が解除され、徐々にではありますが、利用者が戻りつつあるようです。そこで、新幹線についても臨時列車が設定されることになりました。

 東北・北海道新幹線については「はやぶさ」を東京-新函館北斗間で運転します。新函館北斗では函館へのアクセス列車、「はこだてライナー」も設定します。ただ、一部の日は東京-新青森間の運転に留め、新青森-新函館北斗間の運転を取りやめる日もあります。そのほか、JR北海道の在来線では、「フラノラベンダーエクスプレス」の8、9月分の指定席を発売します。

 東海道・山陽新幹線では、「のぞみ」を運転します。例年より若干少なめですが(定期列車を合わせた数字で3~5%減)、お盆の時期は「のぞみ」が1時間に12本走ることができるダイヤを活かして、1日平均で前年より11本多い431本(定期列車を合わせた数字)を運転します。前年から3%多い数字です。特に8月16日は過去最多の455本(定期列車を合わせた数字)の列車を運転します。

 山陽・九州新幹線では、「さくら」や「ひかり」を中心に運転します。「さくら」は山陽・九州新幹線を直通するものが7月と8月に合わせて84本、九州新幹線で完結するものが7月と8月で42本運転されます。「ひかり」は山陽新幹線で7月と8月に合わせて90本運転されます。臨時列車の「ひかり」の中には全車指定席のものもあります。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200624_KO_HAYABUSA.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200624_KO_Natsurin.pdf、JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040569.pdf、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200624_05_sanyourinji.pdf、JR九州ホームページ www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2020/06/24/200624sinnkannsennrinji.pdf)

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北陸新幹線南越(仮称)の駅名は?

 2023年に北陸新幹線金沢-敦賀間が開業します。新たに開業する駅は、小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、南越、敦賀の6駅。そのうち、武生から東に約5キロのところにできる南越以外の5駅は在来線の駅に併設されるため、現行の駅名がそのまま新幹線の駅になると思われます。そうなると新幹線の駅名が話題になるのは、新駅の南越ぐらいしかありません。

 まさに、新駅のできる越前市が駅名をどうするか考えているところなのです。5月のことですが、越前市役所で駅名候補選定委員会の第2回会合が開かれました。この会合で6人の委員から出された、13の駅名候補が審議されました。駅名候補の選定方針はすでに第1回会合で定められています。それは、(1)位置情報を持ち、全国の人にわかりやすい (2)読みやすく、言いやすい (3)既存の駅(武生)との関係性が明確 (4)丹南地域の玄関口としてふさわしい の4つです。結局、13の候補のうち、順位が比較的高い8候補が残ることとなりました。鯖江市からは駅名に鯖江を入れてほしいとの要望がありましたが、落選しました。

 それでは、残った8つの候補はどういうものでしょうか? (1)越前武生(2)新武生(3)越前市(4)南越たけふ(5)越前(6)武生新(7)南越(8)越前国府 です。市の名前の越前、かつての市の名前(2005年に武生市と今立町が合併して越前市になりました)で中心駅の駅名でもある武生、地域名の南越を使ったものとなっています。

 ただ、越前や南越を単独で駅名にするには躊躇します。越前だと、越前市ではなく、福井県全体を思い浮かべてしまいます。南越は地域名のようですが、なじみがありません。既存の駅との関係性を明確にするためには、武生と組み合わせる必要があります。なお、駅名候補の越前武生は、福井鉄道の駅名にありますが、福井鉄道は駅名改称に必要な費用を越前市が負担するのなら問題はないという見解を示しています。

 今後の動きについて説明します。8つある駅名候補の中から6月15日からの1か月間、市内外から意見を募って、7月下旬に行われる次回の会合で5つぐらいに絞ります。8月上旬に複数の駅名候補をJR西日本に要望書というかたちで提出し、最終的にはJR西日本が2021年春に新駅名を決定します。

(追記1)
 7月21日に駅名候補選定委員会の会合が開かれ、これまでの8案から6案に絞りました。残った6案は、(1)新武生(2)越前武生(3)越前市(4)南越たけふ(5)越前(6)越前国府 です。越前武生は越前たけふ、南越たけふは南越武生の表記も併記しました。一番人気があったのは、越前武生の596件、新武生の277件の順でした。ちなみに、南越が外れたのは新潟県の上越などと区別しにくく、紛らわしいからで、武生新が外れたのは委員の中で賛同する人がいなかったからです。

 越前市は8月上旬に、この6案をJR西日本に提出します。

(追記2)
 2021年5月のことですが、越前市内にできる北陸新幹線の駅名が、越前たけふに決まりました。JR西日本管内でひらがなを使う新幹線の駅名は、これが初めてです。なお、北陸新幹線敦賀開業とともにできるほかの5駅の駅名は、在来線の駅名がそのまま使われることになりました。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/nanetsu-ekimei/、福井新聞ホームページ https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1093565、https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1129015、中日新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/92420、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210513_00_hokurikushinkansen.pdf)

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並行在来線の運賃水準が実は妥当なものかもしれない

 「新幹線と在来線、どちらが安いか?」と聞かれたら、「在来線」と答えるのが常識でしょう。在来線は運賃だけでいいのに対して、新幹線に乗るには特急料金がいるからです。しかし、その常識が通用しない区間があります。

 それは、並行在来線が絡む区間。飯山-上越妙高間など。新幹線は長いトンネルで一直線に結び、距離が短いのに対して、在来線は運賃の高い並行在来線などが複数絡むので、どうしても高くなるのです。新幹線は隣駅なので、特急料金が比較的安いのも有利に働いています。

 こういう特殊な事例はともかくとして、長い距離でも新幹線のほうが安いというところもあります。それは盛岡-新青森間。180キロもあるのに新幹線のほうが安いのです。新幹線は運賃が3080円、特急料金は特定特急料金(空席を利用)が2640円の合計5720円。これに対して在来線はIGRいわて銀河鉄道が2420円、青い森鉄道が3170円、JR東日本が190円の合計5780円と、新幹線のほうが60円安いのです。当然ながら新幹線のほうが圧倒的に速いです。盛岡-青森間ならば在来線はJR東日本分がいらなくなるので在来線のほうが安くなりますが、圧倒的な所要時間の差を考えると、在来線で移動するのは「青春18きっぷ」等を使う鉄道ファンぐらいです(安さを求めるなら、3400円の高速バスを使います)。運賃は別に安くなくてもいいのです。

 なぜ在来線はこんなにも高いのでしょうか? 別に並行在来線の第三セクターがぼろ儲けしているわけではありません。第三セクターになることで運賃が上がり、諸経費は下げることができます。人件費もJR東日本ならば超一流企業としての給料を払わないといけませんが、第三セクターならそこまではいりません。県などからの補助金ももらえます。おまけに、貨物列車の線路使用料も期待できます。これだけの条件が揃って、何とかなる状態なのです。

 逆に言えば、JRの運賃が安すぎ、大都市圏でない限り、特急料金がないとやっていけないのです。公益性が十分にあるにもかかわらず民間企業であるJRを補助金なしで経営しようと思ったら、特急料金を足したぐらいの水準が妥当な水準なのかもしれません。今は国でもなく、地元の県や市町村でもなく、大都市圏の人の払った運賃で維持しているのが現実です。特急や貨物列車が走る幹線だけでなく、バスで十分なぐらいにしか乗っていないローカル線でも。大都市圏以外は運賃を思いっきり上げて、航空機やバスなどとの競争のある区間には割引切符で対応したほうがJRにとっても利用者にとってもいいのかもしれません。
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/353240)

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JR西日本、新幹線や特急は前年の2割程度

 緊急事態宣言が解除されて1か月ほど経ちますが、鉄道の利用状況はどうなのでしょうか? JR西日本が6月14日までの状況をまとめて発表しました。

 ます、営業取扱収入(旅行会社発売分などを除く速報値)についてですが、対前年比で見ると5月は27.9%(この数字には消費税増税に伴う値上げ分も含まれていますので、それを補正すると若干減ります)、6月(1~14日、以下同じ)は47.8%です。分野別に見ると、定期券は5月が86.5%、6月が112.9%となっていますが(学校が始まったので通学定期を買い直した人もいるのでしょう)、新幹線や特急などが主体となる中長距離券の売り上げは5月が13.1%、6月が30.0%とあまり回復していません。

 この傾向は利用状況でも見られます。山陽新幹線、北陸新幹線、在来線特急、近畿圏の利用状況(速報値、近畿圏は近距離券発売実績で代用)は、5月はそれぞれ11%、7%、9%、32%でしたが、6月は26%、18%、21%、58%となっています。どの数字も低いですが特に県をまたぐ移動が控えられていたことがよくわかります。山陽新幹線と近畿圏で週ごとの利用状況の動きを分析すると、近畿圏は3月下旬の緊急事態宣言発令前の状況に戻っているのに対して、山陽新幹線はそこまで回復していないのがよくわかります。通勤用に特急券を格安で売っているのも、特急がガラガラで少しでも空席を活用しようとしているからです。

 このように利用状況が大きく落ち込んでいることから、4月から6月末までの3か月間の減収額は約1500~1600億円と見込んでいます。2019年度の第1四半期の運輸収入が2233億円であったことを考えると、7割ほども減少したことになります。悲惨な数字です。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2020/06/page_16168.html)

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高松の飲食業組合が琴電にダイヤの平常化を求める

 新型コロナウイルスの影響で、琴電は運行本数を減らしています。運休は昼間と夜間が主体で、通勤需要が見込めない休日はさらに減らしています。特に減らしているのが夜間。琴平線の場合、本来の最終は高松築港23:00発(途中までなら23:30発もあり)、祝日を除く金曜日は0:00発だったのですが、6月8日から30日までのダイヤでは高松築港22:00発と1時間早くなっています。休日はさらに早く、高松築港20:00発(一宮行きは20:30発)です。これでも遅くなったほうで、一時期は21時ごろでした。

 これに不満を持っているのが、飲食業組合。最終列車が早いので緊急事態宣言が解除されてからも客が少ないというのです。でも、歌舞伎町など夜の街で新型コロナウイルスの感染者が続出していることを考えると、最終を思いっきり早くして夜の街で遊ぶ人を意図的に減らす、というのも悪い話ではないかもしれません。

 ちなみに、琴電は7月1日にダイヤ改正を行い、最終を繰り下げます。平日、休日ともに琴電琴平までの最終を高松築港22:00発に、滝宮までの区間便を高松築港22:30発にします。こうやって状況を見てだんだんと平常に戻していくしかないようです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/88666ec3442275536e285fcbea39b3059bb336e6、琴電ホームページ www.kotoden.co.jp/publichtm/kotoden/time/)

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「ぷらっとこだま」、6月30日申込分からネット予約出発前日まで可能に

 お得な値段で東海道新幹線「こだま」に乗ることができる旅行商品、「ぷらっとこだま」。インターネットでも申し込むことができます。このインターネット申し込み分の「ぷらっとこだま」ですが、6月30日申込分から変わります。

 これまでは、インターネットで申し込んだ後、クーポン券が郵送されてきました(このため申込期限が出発5日前の23:30までと結構早かったのです)。ところが6月30日以降は、申し込んだ後に新幹線線用改札口付近にあるJR東海の指定席券売機やジェイアール東海ツアーズの店舗で受け取ることになりました。ジェイアール東海ツアーズが郵送する必要がなくなったため、申込期限が遅くなり、出発前日の17時までにすればよくなったのです。前日までに予定が決まっていれば、「ぷらっとこだま」を買うのも手なのです。

 ただ、この変更に伴い、ドリンク引換券はこれまでの1人1枚からグループで1枚になります(1人1ドリンクもらえることには変わりありません)。グループで使う際には同じ店でまとめて引き換えないといけません。
(参考:ジェイアール東海ツアーズホームページ https://www.jrtours.co.jp/pdf/20200610_kep_info.pdf)

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700系の車体をN700Sにリサイクル

 新しい車両ができると、古い車両は廃車になり、廃棄処分されます。しかし、7月1日にデビューするN700Sは少し違います。3月で東海道新幹線での運転を終えた700系の車体が再利用されたのです。

 どこに使われるのでしょうか? それは目に付くところ、荷棚です。車体をアルミくずにして、それを再度成形して普通車客室上部の荷棚にしました。環境負荷の低減が目的で、新幹線から新幹線へのアルミのリサイクル(水平リサイクル)は、高速鉄道としては世界初だそうです。

 車体をリサイクルして荷棚に使うのは簡単なように思えますが、実はそうではないのです。新幹線の廃車体のアルミくずには様々な種類の合金のアルミが混ざっていて、そのままでは再利用できません。技術の進展により適切にアルミを選別することができるようになったので、再利用ができるようになったのです。なお、N700の廃材も同じようにN700Sに再利用されているとのことです。

 さて、N700Sにはこういう改良もなされています。今まで窓に飲み物を置くと、カーテンを最後まで下げることができませんでした。しかし、最新型のN700Sではそれができるようになります。そして、飲み物を座席にこぼした場合、それがわかるようになっています。座席の柄が変わるのです。確認試験車ではグリーン車のみその機能が付いていましたが、普通車にも拡大されました。掃除するときに気が付きやすくなり、東京駅での折り返し時間の短縮を図ることができます。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/97133、https://trafficnews.jp/post/97286、railf.jp https://railf.jp/news/2020/06/16/144500.html)

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JR九州、赤字路線の線区別収支を発表

 5月のことですが、JR九州は利用者の少ない20線区(輸送密度が2000人未満で、かつ赤字)について、2018年度の輸送密度、1987年からの減少率、そして営業損益を公表しました(災害による運休区間がある3線区については災害前の輸送密度のみ公表)。

 輸送密度自体はすでに公表されていて、取り上げるほどのものではありません。また、赤字だから即問題かと言えばそうではなく、日豊線佐伯-延岡間(輸送密度889人)のように幹線鉄道網の一部となっている路線、そして唐津線唐津-西唐津間(輸送密度1005人)のように福岡の通勤路線である筑肥線の一部となっている路線は廃止することができません。筑肥線の車庫は西唐津にありますから、廃止してしまうと列車を動かすことができなくなります。

 ただ、こうやって記事にしたのには、わけがあります。山口佐賀県知事がこれに関連して発言しているのです。JRは旧国鉄だから、公益性を考えないといけないというのです。

 しかし、これは時代錯誤の発言です。もちろん、赤字路線を地元の県や市町村が補填してくれるなら構いません。ところが、それをせず、要求することは一人前です。はっきり言って、長崎線(並行在来線は除きます)、佐世保線、筑肥線(電化区間)は大丈夫ですが、輸送密度222人の筑肥線非電化区間は赤字覚悟の第三セクターでも無理です。輸送密度2141人の唐津線は鉄道を残したほうがよいでしょうが、JRでなければならないほどの需要ではありません。筑肥線ほどの需要(筑前前原-唐津間でも5870人)がない限り、特急が走らない路線をJRが維持する必要はないのです。しかも、特急が走る長崎線や佐世保線にしても、すでに高速道路が整備されています。特急とほとんどスピードの差がなく、このままではジリ貧になってしまいます(佐賀ぐらいまでなら、福岡近郊の路線として生き残ることはできるでしょうが)。建設費は高いものの、開業すれば圧倒的なスピードで差を付けることができるフル規格新幹線をJRが望むのは当然のことで、これぐらいの投資をしないと幹線鉄道は生き残れないのです。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/611904/、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2020/05/29/335089.html、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/company/info/data/pdf/2018senku_2.pdf)

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100億円の補助金で鉄道やバスは救えるのか?

 国は、新型コロナウイルスの影響で運賃収入が大幅に減った鉄道会社やバス会社などに対して、補助金で支援します。第二次補正予算案で100億円余りを関連経費として見込んでいます。新型コロナウイルスの影響で利用者が減っているにもかかわらず運行本数をあまり減らしていない会社に、運行経費の一部を補助します。運転席と客室を仕切るアクリル板の設置などの感染予防対策にも使うことができます。

 100億円程度で公共交通を維持することができたらそれはそれで良いのですが、その程度で鉄道やバスを救うことができるのでしょうか? 心許ない数字です。
(参考:共同通信ホームページ https://this.kiji.is/637983094301328481)

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福塩線に高校生向け臨時列車

 緊急事態宣言の影響で学校は休校となっていましたが、解除されたので学生や生徒が戻っています。朝のラッシュが戻ってきたのです。

 しかし、混雑する列車はまさに「三密」。感染拡大を防ぐためにはまさに避けたいところです。そこでJR西日本は福塩線に臨時列車を走らせました。6月1日からの平日、当分の間走るこの臨時列車は、福山8:15発の吉舎行き。沿線にある高校への通学用としての列車で(生徒以外でも乗車できます)、1両編成です。7時台に走る定期列車を3年生が、この臨時列車を1、2年生が使い、混雑の緩和を図ります。

 このような混雑は、福塩線だけではありません。徳島でも見られます。そこでJR沿線にある15の高校や特別支援学校はJR四国に対して、車両の増結を求めています。

 ただ、それは簡単にはいきません。朝ラッシュ時には使えるだけの車両を使っているので、増発することが難しいのです。先ほど挙げた福塩線も、三次に着いて仕事が終わった車両を活用しているのです。そういう車両がなければ、増結はできません。代わりにJR四国は分散登校や始業時間の繰り下げを勧めていますが、一刻も早く学習の遅れを取り戻したい学校側は受け入れることができません。

 混雑緩和には、特急用車両を使って「ホームライナー」を走らせる方法もあるでしょうが、これは社会人向けのアイデアで、高校生には難しいです。結局何も改善がなされないまま放っておかれるのでしょうか?

(追記)
 徳島県教育委員会は、県立高校生を対象にした貸切の大型バスを走らせることによって、混雑の解消を図ります。7月末から10月末まで4区間で走らせます。かかる費用は3000万円です。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200528_00_fukuensen.pdf、徳島新聞ホームページ https://www.topics.or.jp/articles/-/373172、中国新聞ホームページ https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=648429&comment_sub_id=0&category_id=112、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20200709/k00/00m/040/068000c)

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「ムーンライトながら」、2020年夏は設定なし

 JR東日本は、7月以降の臨時列車の運転計画を発表しました。以前に記事にした北陸新幹線についても8月31日までですが、臨時列車の設定がなされました(9月以降は調整中です)。

 さて、この発表を見ても、あの臨時列車は出てきません。東京と大垣を結ぶ夜行快速、「ムーンライトながら」です。短い期間とは言え、学校が休みの期間に設定されていましたが、どうやらこの夏は設定を行わないようです。JR東日本によれば、新型コロナウイルスの影響などを考えてのことですが、春休みにも設定があったことを考えると、それもしっくりとは来ません。このまま消えてしまうのでしょうか?
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20200619-1061109/、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2020/20200619_ho01.pdf)

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全線復旧後の豊肥線は特急最大5往復

 豊肥線肥後大津-阿蘇間は2016年の熊本地震の影響で不通となっていましたが、8月8日に運転を再開します。その運転再開後のダイヤについてですが、特急についてだけですが概要が明らかになりました。

 全線を通して走る熊本-別府間の特急は1日2往復運転されます。そのうち1往復は「あそぼーい!」で、休日を中心に運転されます。「あそぼーい!」が走らない日は、「九州横断特急」が同じダイヤで走ります。もう1往復は、毎日運転の「九州横断特急」です。もともと地震の前は3往復だったので、予想される需要に合わせてでしょうか、本数が減っています。

 これに加えて、熊本-宮地間には、区間運転の特急が走ります。名前は「あそ」で、豊肥線の特急が「九州横断特急」に変わる前の名前が復活することになりました。「あそ」は毎日1往復走りますが、夏休み等の多客期には、2往復が追加され、1日3往復となります。車両は「九州横断特急」と同じ、キハ185系の2両編成です。

 なお、普通列車の時刻はまだ決まっていません。現在計画中とのことです。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2020/06/16/200616asobouiunntenn.pdf、熊本日日新聞ホームページ https://this.kiji.is/645805419817698401、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20200616-1057866/)

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7月18日から牟岐線牟岐-海部間バス代行

 阿佐海岸鉄道はDMVを導入します。DMVはひと駅だけですがJR四国の牟岐線に乗り入れるので(乗り入れる区間の阿波海南-海部間は阿佐海岸鉄道に編入されます)、JR四国のほうも施設の工事をしなければなりません。ただその工事もすぐにできるものではありません。列車の運行を止めての大掛かりな工事となります。そこでJR四国は、7月18日から2021年1月31日(予定)までの間、代行バスを走らせて対応します。

 代行バスの走る区間は牟岐線牟岐-海部間。現在、阿波海南には折り返しの設備がなく、牟岐まで行かないと折り返しができないからです。駅前のロータリーあるいは駅近くのバス停に停まります。代行バスは鉄道時代と同じ本数の1日9往復が走りますが、鉄道より若干時間がかかるため、代行バスや阿佐海岸鉄道のダイヤは若干変更されています。夜間の上りでは、1本早い阿佐海岸鉄道鉄道の列車に乗らないと徳島方面に行くことができない、というケースもあります。要注意です。

(追記)
 牟岐線阿波海南-海部間の廃止日が2020年10月31日に決まりました。
(参考:JR四国ホームページ www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2020%2006%2015%2002.pdf、www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2020%2009%2029.pdf、阿佐海岸鉄道ホームページ asatetu.com/archives/2516、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2020/06/15/335605.html)

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北陸新幹線に臨時列車設定か?

 2020年夏の臨時列車は、設定があるものの実際には指定券の発売を行っていなかったり、あるいは最初から臨時列車の設定をしていなかったりしていますが、運行させる動きがあるようです。

 9日に行われた深沢JR東日本社長の記者会見によれば、臨時列車の運行再開を考えているのは、北陸新幹線。緊急事態宣言が解除されたので、夏場に需要が回復する可能性があると判断しているようです。実際に臨時列車を設定するかは、予約状況を見てからのこととなります。また、上越妙高以西がJR西日本エリアのため、臨時列車の設定に当たってはJR西日本との協議を行うとのことです。

 全国的に見れば、ところどころで臨時列車を設定する動きが出ています。JR北海道は「フラノラベンダーエクスプレス」、「富良野・美瑛ノロッコ号」、「くしろ湿原ノロッコ号」の一部について、指定席の発売を始めます(「富良野・美瑛ノロッコ号」、「くしろ湿原ノロッコ号」については、新型コロナウイルス感染予防のため、指定席を4割ほど減らして発売します)。ただ、依然として指定席の発売を見合わせている列車はありますし、中には臨時列車の設定を取りやめる列車も出ています。

 小田急からJR東海の御殿場線に乗り入れる「ふじさん」ですが、7月18日から26日までと8月15日から30日までの休日に、臨時列車を1往復運転します。「ふじさん31号」は新宿12:40発御殿場14:18着、「ふじさん32号」は御殿場10:48発新宿12:27着です。

 JR四国は、「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」を岡山-琴平間、岡山-高松間で運転します。予土線では定期列車に併結するかたちで「しまんトロッコ」を運転します。「うずしお」や「剣山」に併結するかたちで「ゆうゆうアンパンマンカー」を運転します。なお、2020年の夏は、田井ノ浜海水浴場が開設されないため、牟岐線の田井ノ浜は開設されません。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/9e198cc1aa1e000c45f6958cbb58ca008bcb04be、JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200610_KO_Natsurin.pdf、小田急ホームページ https://www.odakyu.jp/news/o5oaa1000001rhrc-att/o5oaa1000001rhrj.pdf、JR四国ホームページ www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/20200609_rinji.pdf)

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JR東日本、「グランクラス」再開、E257系「踊り子」も再開

 新型コロナウイルスの影響により、新幹線の「グランクラス」については発売を見合わせていましたが、6月19日から一部緩和されることになりました。東北・北海道新幹線の全ての「グランクラス」のサービスを再開します。24日までの乗車分は12日から発売しています。なお、上越新幹線、北陸新幹線についてはまだ「グランクラス」を再開しません。決まり次第発表されます。

 また、6月19日からは、北陸新幹線の車内販売や「サフィール踊り子」のカフェテリアの営業を除く、新幹線、在来線特急、普通列車グリーン車での車内販売を再開します。ただし、アルコール類の販売は行いません。

 JR東日本は5月28日に予定していた新幹線や特急の減便を直前で取りやめましたが、「踊り子」と「成田エクスプレス」については減便を継続してきました。ところが、6月25日からは「踊り子」のうち、定期運転を行う2往復について、運転を再開することにしました。E257系で運転される「踊り子」が復活するのです。「踊り子」は1日5往復の運転となります。なお、「サフィール踊り子」のほうは毎日運転されるわけではないので、引き続き運休します。運転される「サフィール踊り子」は1往復のみです。

(追記)
 上越新幹線、北陸新幹線の「グランクラス」のサービス、北陸新幹線の車内販売、「サフィール踊り子」のカフェテリアの営業は7月1日から再開します。

 なお、東北新幹線などの新幹線、中央線・常磐線特急については、2週間ごとに指定席の発売を行ってきましたが、6月24日からは通常通り、1か月先まで発売します。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2020/20200611_1_ho.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2020/20200611_1_y.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2020/20200619_ho01.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2020/20200619_ho02.pdf)

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新型コロナウイルスの影響で一部時刻表が発売中止

 JRを対象とする時刻表という基本的には毎月発行されるものですが、新型コロナウイルスの影響で、一部時刻表が発売中止となっています。

 それは交通新聞社の「小型全国時刻表」と「コンパス時刻表」。5月25日に発売されるはずのものが中止になりました。「小型全国時刻表」や「コンパス時刻表」が中止になるのは、1958年の発行以来初めてのことで、他社に広げてみても、今のJTBパブリッシングに当たる会社が太平洋戦争中に中止にして以来のことです。なお、時刻表のライバル会社、JTBパブリッシングは6月号を発売中止にしていません。

 影響は鉄道雑誌にも広がっています。交通新聞社の月間鉄道雑誌、「鉄道ダイヤ情報」は5月15日発売の6月号が発売中止になりました。「鉄道ダイヤ情報」の発売中止は1987年1月に月刊化されて以来、初めてのことです。6月15日(つまり、今日)に6月号と7月号の合併号として発売します。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2020/05/25/334929.html)

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都営地下鉄で傘シェアリング

 地下鉄は言葉の通り主に地下を走りますので、降りて外に出てみたら雨が降っているということがあります。傘を持っていなければ、慌てて傘を買うか、しばらく待つかしなければなりません。また、そうやって買った傘も駅や電車内に置き忘れるということがあります。そうやって置き忘れた傘は最終的には処分されます。ゴミになるのです。

 そこで東京都交通局は3月25日から、都営地下鉄の地上駅8駅において、傘のシェアリングサービス、「アイカサ」のレンタルスポット(傘立て)を設置しています。事前にLINEに登録することで、レンタル傘の借用や返却ができます(返却の場所は借用した場所と違っていても構いません)。利用料金は借用から24時間以内なら70円(税込、以下同じ)で、月単位で420円に達するとそれ以上かかりません。また、月額280円で使い放題のプランもあります。

 この「アイカサ」のサービス、他社にも広がっています。西武は2019年9月から新宿線29駅で導入していましたが、この6月8日から池袋線(池袋-飯能間)と豊島線の合わせて26駅で導入しました。京急は6月11日から、京急東神奈川で導入しました。

(追記)
 「アイカサ」のサービスは横浜地区のJR東日本、横浜高速鉄道、京急に広がります。3社合わせて14駅に広がります(京急東神奈川を含みます)。6月22日からで、JRの東神奈川と京急東神奈川の間のペデストリアンデッキに屋根がないため、この両駅の間で「アイカサ」を使う場合は15分まで無料です。
(参考:東京都交通局ホームページ https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/others/2020/otr_i_202003259049_h.html、西武ホームページ https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2020/20200601aikasa_ikebukuroline.pdf、京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/company/news/2020/20200610HP_20023CK.html、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2020/yokohama/20200618_y01.pdf)

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シベリア鉄道、「ロシア号」を7月から毎日運転に

 広大なロシアを東西に貫く、シベリア鉄道。鉄道を知らない人でも知っている、知名度の高い鉄道です。

 そのシベリア鉄道で首都ロシアと極東ウラジオストクとの間、9000キロ以上を6泊7日で走る長距離列車が「ロシア号」。週3日走っています。

 その「ロシア号」ですが、7月から毎日運行になります。これまで途中の停車駅は60ほどだったのですが、地域住民の利便性を高めるため、約140ほどに増えます。ただ、そのためでしょうか、所要時間はこれまでの6日22分から6日22時間31分と1日近く増えます。車両は2019~2020年製造の最新式になり、全車両にシャワー室を設けます(これまでは1等室のみでした)。

 もっとも、ロシア-ウラジオストク間には、従来の「ロシア号」と同じ速さで走るものもできるようです。ただこちらは毎日運行ではなく、車両は新型でないようです。
(参考:新潟日報ホームページ https://www.niigata-nippo.co.jp/world/world/20200604547581.html、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/a53bd53035856f6f1b1018737fead4b1c29cdb50)

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西牧JR四国新社長、当面は赤字路線の収支改善を急ぐ

 JR四国の社長が交代します。

 新しい社長に内定しているのは西牧氏。現在、JR四国の専務を務めています。6月26日に行われる株主総会の後の取締役会で正式に社長に就任します。現在の半井JR四国社長は、代表権のある会長になります。

 さて、その西牧JR四国新社長は5月22日、高松市内で記者会見を行いました。その記者会見の中で西牧JR四国新社長は、四国新幹線の導入よりも、赤字路線の収支改善を優先させるという考えを明らかにしました。

 そもそも四国新幹線と赤字路線の収支改善は時間軸としては別の問題です。新幹線は5年や10年程度ではできません。在来線特急程度のスピードでは車に対抗できません。新幹線は抜本的な経営改善策としては有用ですが(西牧JR四国新社長もそれを認めています)、北陸新幹線や長崎新幹線の目途が立ってからの話です。

 それに比べて赤字路線の収支改善は短いスパンで考えないといけない話です。JR四国は新幹線も大都市圏もなく、ドル箱の路線はありません。しかし、予土線のような極めて需要の少ない路線はあります。特に3月以降は新型コロナウイルスの影響で収入が激減しています。どうやってそのような需要の少ない路線を現状にあったものにするかがすぐ解決しなければならない課題です。西牧JR四国新社長はある意味、当たり前のことを言っているだけです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/226d4d88ecaadd6d5844fe7beee8aa08c48f8953)

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上海リニア、時速430キロ運転を止めていた?

 営業運転を行っているもので世界で一番速い鉄道と言えば、上海のリニアでした。時速430キロというほかには真似のできないスピードで上海の郊外と上海浦東国際空港との間を結んでいました。しかし、この世界最速を味わうことはできないのです。

 と言うのも、2月から上海のリニアは最高速度を時速300キロに抑えていたのです。元々時速430キロで走っていたのは日中だけで、早朝や夜間などはスピードを抑えて走っていました。上海のリニアは空港へのアクセスに使われているものですから距離は短く、時速を300キロに抑えても所要時間は1分しか伸びません。スピードを抑えても実質的に困る人はいないのです。

 でも、リニアの時速が300キロになってしまったら、リニアの意味がありません。中国には至るところに高速鉄道が走っています。全長は3万キロに近く、最高速度も時速350キロの区間があります。わずかな区間でも時速430キロで走るから意味があるのであって、新幹線並みの時速300キロではわざわざ乗り換えていく意味がありません。

(追記)
 上海のリニアを運営する会社によれば、新型コロナウイルスの影響により減速したものであり、移動需要が回復すれば最高速度を時速430キロに戻すとのことです。
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/352643、TRAICY https://www.traicy.com/posts/20200531170160/)

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ひたちなか海浜鉄道、平磯-磯崎間に新駅

 ひたちなか市は、2021年4月、平磯、磯崎、阿字ヶ浦地区の3つの小学校と2つの中学校を統合して、新しい市立の小中一貫校、美乃浜学園をつくります。美乃浜という名前は万葉集にも出てきた名前で、由緒あるものであります。

 その学校の開設に合わせて、ひたちなか海浜鉄道も新駅を整備します。2021年3月に開業する予定の新駅は学校に隣接する平磯-磯崎間にできます。勝田起点12.6キロのところで、ホーム1面1線の無人駅です。そして、新駅の名前は学校と同じ美乃浜学園に決まりました。統合によって鉄道で通学する児童や生徒もいるでしょうから、わかりやすい駅名といったところでしょう。

 話は変わりまして、ひたちなか海浜鉄道は5月1日から31日の間、午後の勝田-那珂湊間1往復を運休していましたが、運休は予定通り5月末で終え、6月1日からは通常通りのダイヤに戻りました。
(参考:ひたちなか海浜鉄道ホームページ www.hitachinaka-rail.co.jp/blog/2020/05/25/7089.html、https://twitter.com/minatoline_op)

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しなの鉄道、7月4日にSR1系デビュー

 以前にも記事にしたとおり、しなの鉄道は新型車両のSR1系をデビューさせますが、その日にちが決まりました。

 その日は7月4日。平日は通勤などに便利な朝夕に有料快速列車、「しなのサンライズ号」を1本(小諸7:15発長野8:00着)、「しなのサンセット号」を3本(長野18:26発上田18:52着、上田19:07発長野19:35着、長野20:04発上田20:30着)走らせます。休日は沿線地域の観光やショッピングに利用できる列車として、「軽井沢リゾート号」を4本(軽井沢9:31発妙高高原11:22着、妙高高原16:47発軽井沢18:30着、長野9:10発軽井沢10:12着、軽井沢16:08発長野17:13着)走らせます。「しなのサンライズ号」は6両編成、「しなのサンセット号」は4両編成、「軽井沢リゾート号」は2両編成です。

 7月4日にデビューするSR1系は主に快速列車として使いますが(普通列車としての運用もあります)、快速列車として使うときは運賃以外に列車指定券が必要です。平日は小諸-上田間が300円、上田-篠ノ井(長野)間が300円、小諸-篠ノ井(長野)間が400円です。子供も同額です。休日はがらりと変わり、全区間均一で大人500円、子供250円です。上田など一部の駅、車内、インターネットで発売します。休日には軽食付きのプランもあります。運賃のほかに2000円を追加すれば、軽食付きのプランになります。2000円の中には列車指定券部分500円がありますから、軽食は1500円相当です。列車指定券は乗車日の1か月前の1日10時から発売します(軽食付きプランは乗車1週間前まで)。また、「軽井沢リゾート号」は新型コロナウイルス感染症対策として、当分の間発売数を定員の半分とします。

 また、話は変わりまして、観光列車の「ろくもん」は6月22日から運行を再開します。感染予防策として、定員を減らして運行し、受付時には検温と体調のヒアリングを行います。

(追記)
 「軽井沢リゾート号」の軽食付きプランは2022年4月23日運行分から一時的に停止します。供食事業者の都合です。
(参考:しなの鉄道ホームページ https://www.shinanorailway.co.jp/news/d55d7a63dc4838df43297736287edbb355ca1333.pdf、https://www.shinanorailway.co.jp/news/f298a1d9ac52be2215dbe63ef63ef208b4060c66.pdf、https://www.shinanorailway.co.jp/news/c645f7ccc334e9340b018210723f86bf6d3b6a69.pdf、https://www.shinanorailway.co.jp/news/2022/04/8010.php)

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JR北海道、6月14日から快速「エアポート」通常運転、7月1日からは全列車通常運転

 JR北海道は新型コロナウイルスの影響で需要が落ち込んでいるため、6月14日から更なる減便を行う予定でした。ところが5月25日に緊急事態宣言が解除されてからは、ビジネスを中心に利用者が増える傾向にあるので、一部で予定していた減便を取りやめます。

 減便を取りやめるのは、快速「エアポート」と「ライラック」。これまで毎時4本に減便していた快速「エアポート」は、6月14日から毎時3本に減る予定でした。しかしこれを取りやめ、逆に毎時5本の通常運転になります。「ライラック」に関しては、6月14日から2本追加減便される予定でしたが、これを取りやめます。「ライラック」や「カムイ」の減便は10本のままで変わりません。そのほかの列車、「北斗」2本、「大雪」4本、「サロベツ」2本、小樽-江別間の普通列車4本の減便は予定通り行います。

 そして、7月1日には、これまで減便していた列車全ての運転再開を行います。特急列車32本(「ライラック」や「カムイ」合わせて10本、「大雪」4本、「サロベツ」2本、「すずらん」4本、「北斗」6本、「とかち」6本)、普通列車4本、「ホームライナー」1本の運転を再開し、ダイヤ通りの運行を行います。

 JR東日本は5月28日から東北新幹線等の減便を行う予定でしたが、直前にそれを取りやめました。しかし、北海道新幹線は予定通り運休を行いました。「はやぶさ」のうち3往復が新青森-新函館北斗間を運休していたのです。7月1日からはこの区間運休していた「はやぶさ」も全区間で運転を再開します。なお、「はやぶさ」の運転再開に伴い、これまで行っていた奥津軽いまべつへの「はやぶさ23号」の臨時停車は6月30日で終了します。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200610_KO_AP%20Saikai.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200610_KO_Shinkansen.pdf)

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長崎新幹線、佐賀県が協議入りを了承?

 未着工区間の新鳥栖-武雄温泉間をどのように整備するかで対立している、国と佐賀県。赤羽国交相と山口佐賀県知事の間で会談が2回行われましたが、話はまとまらず、長崎新幹線についての協議を始めることはできませんでした。

 ところが6月5日、動きがありました。足立国交省鉄道課長らが佐賀県庁を訪れました。協議入りのために事務レベルで行われていた確認文書はできなかったものの、国交省によれば、佐賀県側は長崎新幹線についての協議に入ることを了承したようです。

 もっとも、佐賀県は長崎新幹線のフル規格化に否定的です。しかし、長崎新幹線は2022年に武雄温泉-長崎間が開業します。ほかのフル規格新幹線とは離れた、離れ小島の新幹線ですから、長崎に行くには狭軌の在来線と長崎新幹線とを乗り継ぐ必要があります。そんなに速くならないのに乗り換えの手間だけかかる「リレー方式」です。いずれ全線フル規格になるのであれば我慢できますが、長崎新幹線についてはその保証はありません。もうすぐフル規格の武雄温泉-長崎間が開業することを踏まえて、早く長崎新幹線の最終的な姿を決めることが望ましいでしょう。場合によっては武雄温泉-長崎間の開業を遅らせることを考えないといけないかもしれません。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2020/06/10/335465.html)

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九州の在来線特急も6月19日から通常ダイヤに

 九州新幹線は6月13日から全ての定期列車が走ることになりますが、「かもめ」や「ソニック」などの在来線特急については依然として一部の列車が運休しています。当初、この運休は6月30日までとされていましたが、運転再開の時期を早めることとなりました。6月19日から通常ダイヤで走ります(週末に運転するタイプの「かもめ」2往復、「ハウステンボス」3往復は引き続き運休します。豊肥線の「あそぼーい!」は運休し、代わりに「九州横断特急」が走ります)。臨時列車については引き続き運休します。

 そして、観光列車についても6月19日から運転を再開します。先ほど述べた「あそぼーい!」は、8月8日の豊肥線全線開通に合わせて運転を再開します。「JRKYUSHU SWEET TRAIN 或る列車」は7月23日に運転を再開します。8月30日まで博多-ハウステンボス間を走ります。「ななつ星in九州」は7月14日から運転を再開しますが、対人距離の確保のため、乗車できる人数を最大8組16人とします。

(追記)
 JR九州は6月19日、夏の臨時列車についての発表を行いました。お盆や7月と9月にある4連休などに臨時列車を運転します。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2020/06/08/200608zairaisenzensenuntensaikai.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2020/06/08/200608_sevenstars.pdf、www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2020/06/19/200619natunorinnjireltusilya.pdf、長崎新聞ホームページ https://www.47news.jp/localnews/4899300.html)

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JR西日本、通勤時間帯の特急が300円

 緊急事態宣言が解除され、通勤で鉄道を使う人が戻りつつあります。

 とは言っても、混雑する車内では感染が心配になります。そこでJR西日本が勧めているのが、特急に乗ること。特急なら座席数が限られているので、社会的距離を確保しつつ、通勤することができます。

 期間限定ながら、これを後押しする切符も用意されています。それは「期間限定 定期券併用チケットレス特急券」。乗車日基準で6月1日から30日まで利用することができます(平日に限ります)。この「期間限定 定期券併用チケットレス特急券」は駅では販売していません。JR西日本のインターネット予約の「e5489」でのみ発売します(事前に「J-WESTネット会員」への登録が必要です。登録は無料です)。乗車日の前日と当日(出発時刻の2分前まで)のみ購入することができます。

 「期間限定 定期券併用チケットレス特急券」で乗ることのできる列車は決められています。朝夕の通勤時間帯に走る「はるか」、「サンダーバード」、「スーパーはくと」、「はまかぜ」、「らくラクはりま」、合わせて30本です(一部列車は12日まで運休しています)。「はるか」や「サンダーバード」は近江今津-大阪間もしくは草津-天王寺間、「スーパーはくと」、「はまかぜ」、「らくラクはりま」は京都-姫路間で利用できます(6月5日までは京都-大阪間もしくは新大阪-姫路間でのみ利用できます)。「はるか」や「くろしお」が走る阪和線、「こうのとり」が走るJR宝塚線は対象外です。そして値段はたったの300円(子供の設定はありません)。通常なら自由席でも990円かかる大阪-姫路間がたったの300円で、座席も確保できます。もちろん、特急が混んでいては意味がないので、そのあたりの配慮はなされています。指定席は定員の5割程度しか発売しないのです。シートマップを見て、隣に人がいる席を避けることができます。

 この激安の特急券を発売することによって、少ないかもしれませんが収入を得ることができます。そして、快適な特急での通勤が止められなくなり、毎日特急券を買って通勤することが習慣になればいいのです。そこがJR西日本の狙いなのでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/tiket.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/teikiken_1.pdf)

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JR四国も6月13日から運休列車減少

 昨日の記事でも触れましたが、JR四国の定期列車の運休等について書いていきます。

 5月16日から増えていたJR四国の定期列車の運休等ですが、こちらも6月13日から、運休する列車が大幅に減ることになりました。6月13日以降も引き続き運休する列車は、「うずしお」2往復と「剣山」2往復のみです。6月30日まで運休する予定です。途中で乗り換えしなければならなくなる列車も大幅に減ります。6月13日から6月30日まで、「いしづち」が区間運休するために多度津(高松方面から松山方面)あるいは宇多津(松山方面から高松方面)で乗り換えしなければならないのは、「いしづち」2往復だけです。「いしづち」は高松-多度津(上りは宇多津)間を2両編成あるいは3両編成で走り、「いしづち」との分割や併結のなくなった「しおかぜ」(2往復)は5両編成で走ります。

 そして、6月12日までの間ですが、臨時特急が走ります。今治発松山行きの「いしづち109号」で、5月27日から29日、6月1日から5日、8日から12日の間運転します。3両編成の全車自由席で、途中伊予北条に停まります。時刻から考えて、帰宅時間帯の通勤特急なのでしょう。

 さて、運休していた定期列車が走り出すということは、駅の営業体制も元に戻っていくということになります。一時期JR四国では、一部の駅を除いて窓口の営業時間を短縮していましたが、6月1日からは元通りにします。JR四国電話案内センターの営業時間も元通りになり、店舗での窓口営業を休止していたワープ支店及び駅ワーププラザの窓口営業を再開します。いずれも6月1日からです。

 観光列車の運行も再開します。ただ、再開は7月になってからということなので、「四国まんなか千年ものがたり」ではつなぎの企画を用意しています。下りの「そらの郷紀行」で食事を提供している「カフェ&レストラン神椿」料理長による特製洋食ランチです(実際に車内で提供している料理とは異なるものです)。6月1日から30日の間、琴平の駅構内にある専用ラウンジ「TAIJU」で食べることができます。各日20人限定で、2900円です。5月22日から6月30日の間は、テイクアウトできる弁当(2500円)も用意されています。ランチ、弁当ともに前日15時までの予約が必要です。

(追記)
 6月13日以降も「うずしお」4本と「剣山」4本が運休していますが、その運休も6月30日までです。
(参考:JR四国ホームページ www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2020%2005%2026%2002.pdf、www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/fdf5da57250849aa6a1b8aee3482fa69df6842d8.pdf、www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/20200525_rinji.pdf、www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/eaddd0cbb129683902ec43e42f28305f837d9f0e.pdf、www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/20200618_saikai.pdf)

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JR西日本、6月13日から運休列車大幅減少

 JR西日本は5月11日から山陽新幹線の一部定期列車の運休を行い、5月16日からは北陸新幹線「つるぎ」や主要在来線特急も運休するようになりました。「のぞみ」に関しては東海道新幹線に合わせるかたちで6月1日から全ての定期列車の運転を再開しましたが、一部の「みずほ」や「さくら」の運休は継続していました。しかし、政府による緊急事態宣言が解除され、利用者も元に戻りつつあることから、4月24日から一部列車の運休を続けている「はるか」を除いて、6月13日から全ての定期列車の運転を再開することとなりました。

 山陽新幹線については、6月13日から、九州新幹線と直通する「みずほ」、「さくら」について、全ての定期列車を走らせることにします。5月11日からの減便期間中、時刻や停車駅等を変更して運転していた一部の「さくら」、「ひかり」については、6月12日までの運転となります。2本の「さくら」を強引に1本にまとめたために発生する博多での不自然な長時間停車や、「みずほ」や「さくら」の運休を補うための臨時「ひかり」は運転を終えるのです。ただ、一部の「こだま」については、理由はわかりませんが時刻を変更して運転する列車もあります。九州新幹線についても運転区間の変更や運休等を行ってきましたが、6月13日からは、九州新幹線で完結する列車も含めて、「みずほ」、「さくら」、「つばめ」の全ての定期列車を運転することにします。

 北陸新幹線「つるぎ」や主要在来線特急(「サンダーバード」、「くろしお」、「こうのとり」、「きのさき」、「はしだて」、「まいづる」、「やくも」、「しおかぜ」、「南風」)も、6月13日から全ての定期列車が走ることになります(空港アクセス特急の「はるか」は、引き続き一部の列車が運休します)。岡山と高松を結ぶ快速「マリンライナー」も、一部の列車は児島-高松間を運休していましたが、6月13日からは運転を再開します。この運転再開に伴い、生山や根雨で実施していた「やくも」の臨時停車は取りやめとなります(この臨時停車駅で乗降する「やくも」の切符を持っている人は、手数料なしで払い戻すことができます)。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200603_01_untenkenkeikaku.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200603_00_sanyosinkansen.pdf、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2020/06/03/200603shinkansenuntenkeikaku.pdf)

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平日に「雪月花」

 これまで、原則として休日のみに走っていたえちごトキめき鉄道の「雪月花」ですが、この秋、本格的に定期的な平日運行を始めます。

 平日運行を行うのは、2020年10月2日、9日、14日、16日、23日の5日間。11月も行う予定ですが、まだ具体的な日は決まっていません。

 ダイヤは通常の休日運行のものと同じく、午前便は上越妙高10:19発糸魚川13:16着で食事はフレンチ、午後便は糸魚川13:59発上越妙高16:44着で食事は和食です。なお、午前便は16日を除いて運行されますが、午後便が走るのは10月の5日間のうち2日と16日のみです。

 料金は大人1人で税込17500円、6月1日から電話での受付を開始しています。10月の休日運行便も同日から受付を開始しています。なお、新型コロナウイルス感染防止のため、車内換気や消毒など、万全の対策を行うとともに、定員を25人程度に減らします。
(参考:えちごトキめき鉄道ホームページ https://www.echigo-tokimeki.co.jp/userfiles/elfinder/200529_setsuggkazoubin.pdf)

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京急バス、渋滞対策で一部バス停を通過

 京急バスは5月11日からの平日、一部の便が本町一丁目を通過しています。

 該当するのは、本町一丁目を7時台までに出る、横須賀中央駅、三笠公園方面行きの便。当面の間、この措置がとられます。

 本町一丁目を通過するのは渋滞対策とのことですが、このバス停付近だけが混んでいるのでしょうか?
(参考:京急バスホームページ www.keikyu-bus.co.jp/info/2020/0428_2153.html)

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水間鉄道、新型コロナウイルス終息祈念きっぷを発売

 水間鉄道は5月21日から、新型コロナウイルス終息祈念きっぷ「1日フリー祈念乗車券」を発売しています。

 この「1日フリー祈念乗車券」ですが、9月30日までの任意の1日に、水間鉄道全線が乗り放題となるものです。販売価格は300円なので、片道の運賃で1日全線が乗り放題となるお得なきっぷです。2000枚限定で、貝塚駅、水間観音駅、そしてインターネットでも販売します(送料や振込手数料等は別途かかります)。

 なお、以前記事にした最終列車の繰り上げですが、まだ継続中です。当面の間は貝塚発が22:55発、水間観音発が22:27発となります。

(追記)
 水間鉄道の最終列車の繰り上げは6月19日で解除され、平常運行となりました。
(参考:水間鉄道ホームページ www.suitetsu.com/event/20200521_2.pdf、www.suitetsu.com/event/20200521_1.pdf、www.suitetsu.com)

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弘南鉄道と津軽鉄道に財政支援

 新型コロナウイルスの影響で、津軽地方の2つの鉄道も苦しい状況です。

 まず弘南鉄道は、3月の利用者は前年同月比で40.8%減少、収入も前年同月比で37.8%減少しました。4月も利用者は25%減少、収入は30%減少し、5月も同じような傾向が続きます。ゴールデンウィーク明けに学校が再開したため、通学需要は元に戻りつつありますが、通勤のほうはリモートワークを続ける人がいますし、外出も控えられているので、完全には利用者は戻りません。7月に予定していた納涼ビール列車は中止となり、列車撮影や貸切列車も中止となっているので、その面でも収入は減ります。

 弘南鉄道は生活路線ですが、観光鉄道の要素が強い津軽鉄道はさらに深刻です。3月は「ストーブ列車」などのキャンセルが多く利用者は前年同月比で42.3%減少、運賃収入は52.7%減少しました。4月は利用者の最も多い月です。その4月ですが、金木桜祭りが中止になり、芦野公園が封鎖されたことが影響し、利用者は62.6%、収入は72.6%も減少しました。5月も同じような傾向だったようです。津軽鉄道によれば、東日本大震災のときよりも状況は悪いようです。

 津軽鉄道も独自の企画を行っています。観光客が来ない中、動画配信で乗車した気分になることのできる企画では任意の寄付金を求めていますが、これまでに90万円が集まったようです。ただ、このような状況では鉄道を存続させるためには公的な支援が必要となります。5月15日の臨時青森県議会で、弘南鉄道と津軽鉄道に対して、設備維持補修費の補助金として、5632万円が交付されるという内容を盛り込んだ補正予算案が可決されました。沿線市町村にも青森県の動きに合わせて財政支援をする動きがあるようです。
(参考:陸奥新報ホームページ www.mutusinpou.co.jp/news/2020/06/60167.html、Web東奥 https://www.toonippo.co.jp/articles/-/355043)

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青函トンネル内時速200キロ運転の詳細

 北海道新幹線と貨物列車は、青函トンネル等の区間を共用しています。そのため、新幹線は最高時速を160キロに抑えて走っています。しかしそれでは、時間がかかってしまいます。札幌までの全線が開業しても、東京-札幌間に5時間近くかかり、航空機から転移する客はほとんどいないということになってしまいます。青函トンネル等でも北海道新幹線がフルスピードを出すことができればいいのですが、青函トンネルは貨物列車にとっても重要な路線です。追い出すわけにはいきません。

 そこで考え出されたのが、新幹線の運行時間と貨物列車の運行時間を分け、新幹線の運行時間だけ最高速度を時速200キロにします。この時速200キロ運転は2020年度中に行われますが、その詳細が明らかになりました。

 まず時速200キロ運転を行うのは、毎日ではありません。貨物の需要が減る、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆といった特定の期間だけ行います。しかも、その中でも新幹線が時速200キロを出すことができる時間帯は決まっていて、始発から15時半までです。15時半から最終までは従来通り時速160キロ運転です。

 そして、時速200キロは新幹線と貨物列車が線路を共用する全ての区間で行うのではありません。青函トンネル内に限定されるのです。なぜかと言えば、時速200キロ運転を行う前に、必ず確認車というのを走らせないといけません。前方に線路上に支障物がないことを確認してから、新幹線を時速200キロで走らせることができるのです。ところが、時速200キロ運転の区間が長いとその分だけ確認車を走らせる区間が長くなり、確認にかかる時間も長くなります。新幹線も貨物列車も走らせることができない時間が増えるのです。そこで時速200キロ運転を行う区間を青函トンネル内のみに限定し、確認にかける時間を短くしました。また、青函トンネル内なら構造が複雑な三線軌分岐がなく、気象の影響を受けにくいことも、時速200キロ運転区間を青函トンネル内に留めた理由です。

 最後になりますが、時速200キロ運転を行うのは下りだけで、上りはしません。なぜかと言えば、下りは新幹線と貨物列車の運行時間を分けることができるのですが、上りはうまく分けることができなかったからです。
(参考:鉄道ジャーナル」2020年1月号 鉄道ジャーナル社、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/679cb443a8808fbf8d38ebbd2fdf72059af161c6

 

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群馬県BRT構想は消えてしまうのか?

 高崎-館林間約53.7キロをバスで結ぶという野心的な群馬県のBRT構想。停留所は全部で17か所、15~30分間隔で約1時間40分かけて結ぶという野心的な構想でした。しかし、この野心的なBRT構想、消えようとしています。

 そのきっかけは知事の交代。2019年7月の知事選で山本氏が当選しました。元々2019年度の群馬県の予算では、7300万円が計上されていましたが、その一部を使わないままにし、2020年度には予算の計上もしませんでした。

 それはなぜでしょうか? 山本群馬県知事は採算性を気にしています。収支計画は2019年度にまとまったのですが、その採算性が悪かったのです。まず、初期費用としてかかるのがバス18台の車両費7億円と、バスターミナルの整備費10億円など、21億円。運行経費は平日に5279人が使うという見積もりで1日72便を運行するため、年間約3.2億円です。運賃収入は約2.6億円なので、差し引き約6000万円の赤字です。この6000万円を気にしています。

 公共交通機関でこの数字を気にしていては、前に進むわけがありません。JRや東武は黒字路線でごまかしているだけですし、ローカル私鉄は補助金を出して何とかなっているだけです。群馬県は自家用車の保有率が高く、公共交通機関は使われていません。年に1回も公共交通機関を使わない人が6割もいます。便利な公共交通機関の整備が進むと、車に頼らなくて済むようになり、渋滞も減るので、新たに道路をつくる必要がなくなります。道路の建設費が減れば、バスへの補助金以上の節約になります。プロが運転をするので、交通事故も減ります。単に採算性で考えて良いものではありません。

 鉄道並みに速い群馬県のBRT構想だったのですが、このまま消えてしまうのでしょうか? このまま消えてしまってはもったいないです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/gunma-brt202005/)

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JR北海道、日高線沿線7町に総額25億円の支援

 日高線は苫小牧と様似を結ぶローカル線ですが、2015年の高波以降、鵡川-様似間が運休したままです。この区間については2019年にバスに転換することが決まりましたが(最終的には沿線町長が廃止に同意しました)、具体的にバス路線をどう設定するかや地域振興策についてはまだ決まっていません。

 4日のことですが、JR北海道は7町に対して総額25億円の支援を行うことが明らかになりました。25億円の内訳は、列車の代わりとなるバスの運行経費として20億円(18年分の経費に相当します)、駅舎や線路などの鉄道施設の跡地の活用をするということで5億円です。また、バスは高校の近くに停留所をつくり、スクールバスとも接続するようです。

 7町はこのJR北海道からの支援策の提示を受けて、議会などと話し合ったうえで受け入れるかどうかを考えるようです。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200605/7000021797.html、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/8023e75cb2b92e12c9b7b628f7e017391ae68fbe)

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日田彦山線、東峰村もBRT受け入れへ

 日田彦山線のBRTについての続報です。

 不通となっている日田彦山線添田-夜明間ですが、鉄道として復旧することを諦め、BRTにすることにしました。不通区間にある3市町村のうち、添田町と日田市はBRTを受け入れることにしましたが、東峰村だけは鉄道での復旧を求めていました。ところが、その東峰村もBRTでの復旧を受け入れることにしたのです。

 もっとも、それにより、専用道の区間が伸びるようです。JR九州の案では、彦山-筑前岩屋間(7.9キロ)のみバス専用道にして、残りの添田-彦山間、筑前岩屋-夜明-日田間は一般道を走ります。彦山-筑前岩屋間には分水嶺があり、釈迦岳トンネルという長いトンネルがあります。この長いトンネルを専用道に転用することで、速達性と定時性を確保することができます。一般道を走る区間は速達性と定時性に欠けますが、集落に近いところに停留所を設けることができます。ところが、小川福岡県知事が東峰村に提示した案(元々は自民党福岡県議団の案です)によれば、彦山-筑前岩屋間に加えて、筑前岩屋-宝珠山間も専用道になります。専用道の長さは14.1キロになり、費用もJR九州の10.8億円から倍ほどになります。福岡県はこの増えた分の負担もJR九州に求めます。

 このことによって、速達性と定時性は高まります。しかし、集落の近くに停留所をつくることはできなくなります。JR九州の案では、筑前岩屋-大行司間4.2キロの間に、3か所の停留所を設ける予定でした。集落に近いところにこまめに停留所を設けることができます。しかし、福岡県の案によれば、専用道を通りますので、集落の近くに停留所を設けることができません。都市の近くではないので、一般道を走っても渋滞はなく、信号もあまりないので、専用道をつくらなくても時間のロスはあまりないとも言われています。しかも、新たに専用道になる区間にある大行司は、80段ほどの階段を上り下りしないといけません。JR九州の提案通りに一般道を走れば、そういう階段の上り下りはいらなかったのです。

 ただ、これで話がこじれたら意味がありません。JR九州も、福岡県の案を尊重して検討するとのことです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hitahikosansen20200519/、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20200602/k00/00m/040/270000c、西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/611584/)

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「赤胴車」は引退していた

 阪神の急行用車両は、赤とクリームで塗られ、「赤胴車」と呼ばれていました。しかし「赤胴車」は新車の導入によって減っていき、残ったのは武庫川線の8両のみとなりました。当初、この武庫川線の「赤胴車」置き換えは5月末とされていましたが、延期されて6月以降になっていました。しかし、もう乗ることができないのです。

 実は2日にひっそりと引退していたのです。どうしても長い間走り続けていた路線がなくなったり、車両が引退したりすると、鉄道ファンが訪れてしまいます。最終日が明らかになっていたら、その最終日に鉄道ファンは集まってしまいます。新型コロナウイルスの感染を拡大する危険が高まりますので、このような措置はやむを得ないでしょう。許認可の関係で最終日まで走らせなければいけない鉄道の廃止はともかく(それでもこういうはありますが)、車両の入れ替えはいつ行っても良いのです。危ないと思ったら早めに乗っておくのが大事です。

 さて、「赤胴車」の代わりに走るのが5500系。4編成8両が走ります。このうち2編成のデザインはすでに発表されていますが、残る2編成のデザインも発表されていました。まずひとつは「TORACO号」。女性タイガースファン「TORACO」をイメージして、外装は明るい黄色と水色がベースです。座席の色は水色がメインですが、一部の座席はピンクです。一部の座席は座るとトラ耳を付けているように見える「TORACO SPOT」になっています。もう1編成は「トラッキー号」です。外装は白とピンクがベースです。座席の色はピンクがメインで、一部の座席は水色です。床にはマスコットキャラクターの足跡をイメージしたものが描かれています。また、マスコットキャラクターが車両の内外に散りばめられています。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59915370T00C20A6LKA000/、阪神ホームページ https://rail.hanshin.co.jp/car/car_mukogawa5500kei.html)

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6月13日から「ひのとり」増発

 3月14日に運行を開始した新型名阪特急の「ひのとり」。現在は6両編成3本で、名阪間を6往復、阪奈間を1往復していますが、このたび6両編成4本を増備し、増発することになりました。6月13日からは名阪間を平日は1日10往復、休日は1日11往復します。停車駅の少ないタイプのうち半分以上が「ひのとり」で運転されるのです。大阪難波-近鉄奈良間を走る便も増えます。休日は1往復のままですが、平日は2往復になります。夜間に1往復増えます。

 また、近鉄は5月30日から休日に一部の特急を運休させていますが、このうち大阪難波-近鉄名古屋間の特急6本(3往復)については6月13日から運転を再開します。ほかの系統の特急についてはアナウンスがないため、運休を継続すると思われます。

 話は変わりまして、近鉄は6月13日から7月12日に乗車する人を対象に、「近鉄特急netポイントUPキャンペーン」を行います。6月13日~7月12日乗車分の「チケットレス特急券」を購入した人に、最大50%の「近鉄特急netポイント」を付与します。通常の5倍です。

 詳しく見ていきましょう。「近鉄特急netポイントUPキャンペーン」を受けるためには、対象期間(6月13日~7月12日)に、「近鉄電車インターネット予約・発売サービス」に会員登録している人が、「チケットレス特急券」で特急に乗った場合です。対象期間外の「チケットレス特急券」を対象期間内の「チケットレス特急券」に変更した場合、「名阪チケレス割」等のチケットレス割引を受けている場合も対象になります。子供も条件を満たせばキャンペーンの対象です。反面、(1)対象期間内の「チケットレス特急券」を対象期間外に変更した場合 (2)対象期間内の「チケットレス特急券」を払い戻した場合 (3)「近鉄電車インターネット予約・発売サービス」に会員登録せずに購入した場合 (4)インターネットで予約してから駅窓口等で特急券を購入した場合は、このキャンペーンを受けることができません。

 付与されるポイントは結構大盤振る舞いです。大阪難波-近鉄奈良間、近鉄名古屋-近鉄四日市間などの520円区間と、大阪難波-名張間、近鉄名古屋-津間などの920円区間は50%のポイントがもらえます。その他の区間(特急料金が1340円以上)は20%です。「ひのとり」等の特別車両料金にもポイントが付きます。この機会に、通勤などで特急を使ってもらいたいということでしょう。特急券を買うときには、シートマップで空席状況を確認しながら購入することができます。混雑した一般列車を避けて、快適な通勤ができます。

(追記)
 5月30日から休日の特急の一部を運休してきましたが、7月11日からは全ての特急の運転を再開します。また、7月31日乗車分からは1か月前からの発売となります(7月8日から30日までの乗車分は7月1日に発売開始します)。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/hinotorizouhatu.pdf、https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/poinntokyanpeen.pdf、https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/tottkyuukannkei.pdf)

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ヤクルトは新幹線貸切、日本ハムはチャーター機?

 当初の予定から3か月遅れになりましたが、いよいよ19日から2020年のプロ野球が開幕します。今日2日からは練習試合を行います。

 さて、プロ野球の試合は各地で行われるため、選手達は必然的に移動しなくてはなりません。ただ、新型コロナウイルスが心配されるので、移動はできるだけ減らしています。セ・リーグは、最初は首都圏中心で、しばらくすると西日本中心でまとめて試合をします(7月10日からの巨人対ヤクルト3連戦は、神戸で行います)。ヤクルトは開幕から15試合、ずっと本拠地で戦います。反対に阪神は開幕から15試合を相手チームの球場で戦います。パ・リーグは同一カードで6連戦を行います。

 このほかに、移動方法で工夫をするチームもあります。セ・リーグのヤクルトは、セ・リーグの本拠地が東京から広島までの間にありますから、移動は新幹線が主体です。ヤクルトは、3両あるグリーン車のうち2両を貸し切って移動するようです。2両もあれば、間隔を空けて座ることができます。一番遠い広島の場合、これまで35%の選手は航空機で移動していましたが、2020年は全員新幹線での移動となるようです。

 パ・リーグの日本ハムの場合はどうでしょうか? パ・リーグは本拠地が散らばっていて、札幌から福岡まであります。特に本拠地が札幌の日本ハムの場合、移動は航空機がメインとなります。日本ハムは航空機をチャーターすることを考えていて、すでに航空会社と交渉しているようですが、断った航空会社もあるようです。
(参考:Sponichi Annex https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/05/12/kiji/20200511s00001173321000c.html、https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/05/12/kiji/20200511s00001173325000c.html、https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/06/02/kiji/20200601s00001173470000c.html、朝日新聞6月2日朝刊 中部14版)

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リニア2027年開業が危なくなる

 品川-名古屋間について2027年の開業を目指しているリニアですが、途中の静岡県内の工事が止まっています。水資源への影響があるとして静岡県が着工を認めていないため、先に進まないのです。

 事態は深刻になっています。これまでも静岡県内の工事でリニアの開業が遅くなる危険性があることを記事にしたのですが、事態は改善されなかったのです。6月中に静岡工区の本格着工への準備作業に入らないと、2027年の開業は難しくなるのです。ついに金子JR東海社長までそのような見解を示したのです。

 肝心の話がこじれてしまっているので、もうどうしようもないのかもしれません。簡単には解決しないでしょう。2027年にリニアに乗ることができるとは考えないほうが良いです。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200529/k10012450651000.html)

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