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JR九州、赤字路線の線区別収支を発表

 5月のことですが、JR九州は利用者の少ない20線区(輸送密度が2000人未満で、かつ赤字)について、2018年度の輸送密度、1987年からの減少率、そして営業損益を公表しました(災害による運休区間がある3線区については災害前の輸送密度のみ公表)。

 輸送密度自体はすでに公表されていて、取り上げるほどのものではありません。また、赤字だから即問題かと言えばそうではなく、日豊線佐伯-延岡間(輸送密度889人)のように幹線鉄道網の一部となっている路線、そして唐津線唐津-西唐津間(輸送密度1005人)のように福岡の通勤路線である筑肥線の一部となっている路線は廃止することができません。筑肥線の車庫は西唐津にありますから、廃止してしまうと列車を動かすことができなくなります。

 ただ、こうやって記事にしたのには、わけがあります。山口佐賀県知事がこれに関連して発言しているのです。JRは旧国鉄だから、公益性を考えないといけないというのです。

 しかし、これは時代錯誤の発言です。もちろん、赤字路線を地元の県や市町村が補填してくれるなら構いません。ところが、それをせず、要求することは一人前です。はっきり言って、長崎線(並行在来線は除きます)、佐世保線、筑肥線(電化区間)は大丈夫ですが、輸送密度222人の筑肥線非電化区間は赤字覚悟の第三セクターでも無理です。輸送密度2141人の唐津線は鉄道を残したほうがよいでしょうが、JRでなければならないほどの需要ではありません。筑肥線ほどの需要(筑前前原-唐津間でも5870人)がない限り、特急が走らない路線をJRが維持する必要はないのです。しかも、特急が走る長崎線や佐世保線にしても、すでに高速道路が整備されています。特急とほとんどスピードの差がなく、このままではジリ貧になってしまいます(佐賀ぐらいまでなら、福岡近郊の路線として生き残ることはできるでしょうが)。建設費は高いものの、開業すれば圧倒的なスピードで差を付けることができるフル規格新幹線をJRが望むのは当然のことで、これぐらいの投資をしないと幹線鉄道は生き残れないのです。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/item/n/611904/、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2020/05/29/335089.html、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/company/info/data/pdf/2018senku_2.pdf)

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