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熊本空港アクセス鉄道、現在の補助制度では採算取れず、事業化を再検討へ

 熊本空港へのアクセス鉄道についての続報です。

 16日のことですが、熊本県は豊肥線の三里木と熊本空港とを結ぶアクセス鉄道について、2019年度に行った調査の報告書を発表しました。これによれば、現行の補助制度の下では、採算が取れないというのです。なお、今回の試算は税込での総事業費が504億円、2029年度に開業するとしています。三里木と熊本空港の間の運賃が片道420円、1日当たりの利用者は7500人、JR九州の負担は事業費の1/3以内とします。三里木は地上駅で、豊肥線の線路の間に熊本空港への線路が入ります。豊肥線とは直通せず、対面乗換となります。県民総合運動公園と熊本空港の2駅は高架です。県民総合運動公園は2面2線、熊本空港は1面2線です。2両編成の列車6本を用意し、2~4両編成で走らせます。1日49往復します。

 どういうことでしょうか? 現行の制度では、熊本県が出資する第三セクターへの国の補助は18%です。この場合、熊本県の補助率も同じく18%になるため、借入金は増え続けます。国が新規事業を行うための目安になる、開業から40年以内の黒字化は達成できないのです。JR九州分の負担を計算に入れても、単年度黒字になるのは開業から32年後で、開業から40年経っても累積赤字が解消されないのです。もし、国と熊本県が1/3ずつ事業費を負担するのなら、2年で単年度黒字になり、累積赤字も解消するのです。でも、累積赤字を増やしたくないのなら、国に頼るのではなく、地元の負担を増やせば良いだけの話ではないのでしょうか? 福岡空港クラスの空港ならともかく、そうでなければ県などの地元がメインとなって負担するのは当然のことです。このように悪い結果が出たのは、事業費が上がったからです。当初の概略調査の時点で事業費を税込で418億円としていましたが、トンネルが長くなったことにより増えて、最大616億円となりました。

 そこで蒲島熊本県知事は事業化を再検討することにしました。三里木での乗り換えが必要で、また熊本の中心部はJRの路線から離れているので、あともう1回乗換が必要です。利便性が高いとは言えず、鉄道の事業化の再検討はやむを得ないところでしょう。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://this.kiji.is/645443028836926561、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/railwaynews-231/、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/8265b6087e68d88742671fa6444bba94d92524fb、https://news.yahoo.co.jp/articles/0893b0c3dd7c20bb5d692e815711fcb5369d058e)

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