弘南鉄道と津軽鉄道に財政支援
新型コロナウイルスの影響で、津軽地方の2つの鉄道も苦しい状況です。
まず弘南鉄道は、3月の利用者は前年同月比で40.8%減少、収入も前年同月比で37.8%減少しました。4月も利用者は25%減少、収入は30%減少し、5月も同じような傾向が続きます。ゴールデンウィーク明けに学校が再開したため、通学需要は元に戻りつつありますが、通勤のほうはリモートワークを続ける人がいますし、外出も控えられているので、完全には利用者は戻りません。7月に予定していた納涼ビール列車は中止となり、列車撮影や貸切列車も中止となっているので、その面でも収入は減ります。
弘南鉄道は生活路線ですが、観光鉄道の要素が強い津軽鉄道はさらに深刻です。3月は「ストーブ列車」などのキャンセルが多く利用者は前年同月比で42.3%減少、運賃収入は52.7%減少しました。4月は利用者の最も多い月です。その4月ですが、金木桜祭りが中止になり、芦野公園が封鎖されたことが影響し、利用者は62.6%、収入は72.6%も減少しました。5月も同じような傾向だったようです。津軽鉄道によれば、東日本大震災のときよりも状況は悪いようです。
津軽鉄道も独自の企画を行っています。観光客が来ない中、動画配信で乗車した気分になることのできる企画では任意の寄付金を求めていますが、これまでに90万円が集まったようです。ただ、このような状況では鉄道を存続させるためには公的な支援が必要となります。5月15日の臨時青森県議会で、弘南鉄道と津軽鉄道に対して、設備維持補修費の補助金として、5632万円が交付されるという内容を盛り込んだ補正予算案が可決されました。沿線市町村にも青森県の動きに合わせて財政支援をする動きがあるようです。
(参考:陸奥新報ホームページ www.mutusinpou.co.jp/news/2020/06/60167.html、Web東奥 https://www.toonippo.co.jp/articles/-/355043)
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