« 「ますのすし」の源、炊飯器を入れ替え | Main | 長崎新幹線並行在来線の電化施設撤去費は、佐賀県、長崎県、JR九州で均等負担 »

長崎新幹線を全線フル規格でつくるには、7月末が期限

 長崎新幹線は武雄温泉-長崎間のみがフル規格でつくられますが、ほかのどの新幹線ともつながらない、離れ小島の新幹線です。今は乗換の要らない「かもめ」がたくさん走っていますが、新幹線が開業すると少々速くなるものの、途中の武雄温泉での乗り換えが必要となります。

 こんな中途半端な新幹線を最終形とするわけにはいきません。未着工区間の新鳥栖-武雄温泉間を整備し、利便性の高い新幹線をつくりたいところです。ただ、そのためにはお金が必要です。財源の問題です。幸い、ほかにも新幹線を建設する動きがあります。北陸新幹線敦賀-新大阪間です。こちらは2019年度から4年程度環境アセスメントを行い、北陸新幹線金沢-敦賀間が開業すればすぐに着工できるように動いているのです。2023年度に着工できるように、2022年冬の予算編成までに財源を確保する必要があります。それに向かって動いているのです。長崎新幹線もこれに合わせれば、財源の確保はできるのですが、それに間に合わせることができなかったら、独自に財源確保に走らなければならず、財源の確保がさらに難しくなります。苦心して生み出した財源は全て北陸新幹線が持って行ってしまい、長崎新幹線を着工するときにはまた一から考え出さないといけないのですから。そして、国交省によれば、長崎新幹線も2023年度から着工しようと思ったら、8月から環境アセスメントを始めないといけないのです。今月中に佐賀県が環境アセスメントを行うことを受け入れれば、間に合うのです。

 佐賀県とすれば、新幹線がほしいわけでも何でもなく、今でも十分満足しているのです。九州一の大都会、福岡に近いからです。この考えは佐賀県と言うより、福岡のベッドタウンとしての「福岡県佐賀市」としての発想かもしれませんが、この考えを非難することはできても、強制的に変えさせることはできません。国とだらだらと長崎新幹線の話をしても困ることはないのです。

 このままいけば、中途半端な新幹線ができあがってしまいます。採算が取れないのでJR九州は困り、利用者も途中の乗り換えが面倒で車やバスに逃げてしまうことでしょう。しかも、これが永久に続きます。誰も得することのない話です。
(参考:佐賀新聞ホームページ https://www.saga-s.co.jp/articles/-/548725)

| |

« 「ますのすし」の源、炊飯器を入れ替え | Main | 長崎新幹線並行在来線の電化施設撤去費は、佐賀県、長崎県、JR九州で均等負担 »

鉄道」カテゴリの記事

整備新幹線」カテゴリの記事

Comments

佐賀県が並行在来線沿線にフル規格に
しないことを説明して説得していたことを
考えるとフル規格にするのは難しいことは
JRも予測できることですし
覚悟の上でしょう

今後は10年くらい下手したら20年の間
覚悟して合意を目指すしかないでしょうね

Posted by: フリーダム | 2020.07.30 10:29 PM

 フリーダムさん、こんばんは。

* 今後は10年くらい下手したら20年の間

 そこまでかかるのなら、四国新幹線や東九州新幹線あたりがライバルになるかもしれません。利用者にとっては不便な状態が続くことになります。

Posted by: たべちゃん | 2020.07.31 09:22 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 「ますのすし」の源、炊飯器を入れ替え | Main | 長崎新幹線並行在来線の電化施設撤去費は、佐賀県、長崎県、JR九州で均等負担 »