リニア、静岡県を迂回すると開業が10年遅れる?
リニアでネックになっているのが、JR東海と静岡県の対立。泥沼化していて、品川-名古屋間の2027年開業は難しくなっています。
この事態を打開するための方策はいくつかあります。まず、開業区間を品川-甲府間にするという方法ですが、これについてはJR東海が反対しています。開業区間が甲府までに留まることにより、新たな施設をつくる必要が出てきます。また、JR東日本の中央線と並行する区間だけができあがるので、JR東日本との調整も求められます。何しろ、甲府から先をどうするかという問題の解決にはなりません。自体の先送りだけです。
金銭等で補償する方法もあります。すでに大井川から水をもらっている東京電力などから水をもらう方法ですが、第三者(東京電力)を巻き込む上に(JR東海からは言いづらいです)、東京電力のダムが渇水になったらこの方法は使えません。JR東海が金銭で補償する方法、あるいは東海道新幹線に静岡空港駅をつくるという方法もあります。もっとも、静岡空港駅をつくることによって、東海道新幹線の運行頻度や速度に悪影響を与えるようです。
これなら、思い切ってルートを変更して、静岡県を通らないというのはどうでしょうか? 静岡県との交渉は要らなくなりますが、時間がかかります。環境評価、地層や地盤に関するボーリング調査、用地確保を一からしないといけません。開業が10年遅れるので、JR東海としては考えていません。
しかし、交渉がどうにもならないのなら、静岡県を避けるということも考えに入れておいたほうが良いでしょう。ルートの問題が解決しても、新たな問題が出てくるかもしれません。リニアを諦めるならともかく、リニアをやりたいのならプランのひとつに入れておいたほうが良いのかもしれません。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61543520V10C20A7L91000/)
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